🎻69:70:─1─嫌われる日本人。信用されない日本人。猜疑心の眼で見られる日本人。AIIB。2015年~No.232No.233No.234No.235 @ ⑭        

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・    
 嫌われる日本人。好かれる日本人。信用される日本人。信用されない日本人。猜疑心の眼で見られる日本人。
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 自信喪失の日本人は、嫌われ孤独になる事を恐れるあまり、世界で信用され愛されているという願望・妄想で喜んでいる。      
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 日本の情報能力・宣伝能力とは、所詮その程度であり、それ以上になれなくとも、それ以下にはいくらでもなれる。
 日本のマスコミの報道能力も、同様である。
 英語教育は、全ての能力範囲で上手く話せる様になる事であって、全ての能力を向上させる為ではない。
 日本の権利を頑なに主張して激論をかわす為ではなく、相手の言う事を正確に理解し了解する為に英語を学ぶ。
 語学教育の目的は、相手の主張を論破して喧嘩の為ではなく、相手の気持ちに配慮して和解する為である。
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 中国共産党は、国際規範・ルールを中国式に変更する為に、欧米諸国の有名大学に学生を留学させ、影響力のある国際的研究機関に研究者を派遣している。
 日本人学生の留学が年々減少するに反して、中国人留学生の数は急増している。
 2013年には、23万人を超えた。
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 2015年 中国共産党は、国際ルールや規約を徐々に中国式に変えるべく、国連や主要な国際機関の事務局トップに中国人を据える始めている。
 世界保健機関(WHO)事務局長に、香港出身のマーガレツト・チャン。
 国連工業開発機関(UNIDO)事務局長に、李勇。
 国際電気通信連合(ITU)事務総長に、趙厚麒。
 国際民間航空機関(ICAO)事務局長に、柳芳。
 日本人の国際機関で働く人数が減少し、国際機関の主要ポストに就く日本人はいなくなり、日本の国際機関での地位・影響力は低下をたどっている。
 アジア・アフリカ地域における唯一の先進国という日本は、今や単なるお飾り、極端に邪魔なだけの存在に成り下がりつつある。
 福岡中国総領事館の李天然総領事は、沖縄の翁長雄志知事を表敬訪問して、中国と沖縄の交流促進を提案した。
 学費・旅行費・生活費など全の経費を中国側が持つという条件で、沖縄県庁の職員や県内の大学生を北京の外交学院に留学させるという、人的交流を申し込んだ。
 中国共産党政府の目論見は、沖縄を日本の地方自治体ではなく日本と対等な独立国として扱い、日本本土と切り離して中国側に引き込む事であった。
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 核兵器使用相互抑制としての核拡散防止条約(NPT)会議は、合意できなかった。
 その結果、NPT体制は崩壊し、資金を持つ非核保有国は大国の一員になるために先を争って核兵器購入に走り、世界は核拡散の世紀に突入した。
 核兵器の小型化により、国際テロ組織が核兵器を手にする日も間近に迫っていると言われている。
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 1月 ナミビアの英字新聞は、中国共産党政府がナミビア政府とインフラ整備に関する協議を開始したが、其の秘めた目的はウラン鉱山開発の独占とウォルビス湾に海軍基地建設であると報じた。
 ロバート・オブライエンは、大量の中国人がナミビアに移住して国籍を取得すれば、将来、中国系ナミビア人の国会議員が誕生する可能性があると指摘した。
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 2月 琉球民族独立総合学会は、琉球連邦共和国の実現を目指し活動している。
 県紙の琉球新報と沖縄タイムズは、沖縄独立論を全面的に支持している。
 2月3日 琉球民族独立総合学会は、外務省沖縄事務所を訪れ「日本が琉球国を武力で強制併合したのは明らかな国際法違反だ」と抗議し、「植民地支配の即時停止」を要求した。
 沖縄独立派は、日本の影響下から脱して中国の経済圏に入り、財政支援も日本からではなく中国共産党政府から得るべきであると考えている。
 沖縄県民の中には、中国大陸に祖先を持つ事で中国人に親近感を抱く者がいる。
 近年。中国人観光客が増加し、中国資本による不動産や建物への投資も増えている。
 中国共産党政府は、歴史的に琉球は独立国で有り中国の従属国でった、として琉球の独立を支持している。
 中国共産党の狙いは、日本を解体できないまでも混乱させて弱体化し、親中国派日本人を利用して日本を支配下に組み込む事であった。
 親中国派日本人による、中国訪問や北京詣では後を絶たない。
 2月5日 産経ニュース「【LA発 米国通信】
 米作家の「反日慰安婦小説」宣伝利用する韓国系
 在米邦人苛立ち「日本の広報戦略は?寿司やラーメン宣伝してどうする」
 小説「ドーターズ・オブ・ザ・ドラゴン(竜の娘たち)」の表紙(Amazonの通販サイトから)
 旧日本軍による慰安婦強制連行をテーマにした小説で、「日本の蛮行」を米国社会に浸透させようとしている反日韓国系団体。政治や外交ではなく、一般の人々にもなじみやすい文化を通じたアピール戦略といえるが、もはやそのツールは小説だけにとどまらない。対する日本も対外広報戦略を進めるというのだが…。
 小説は「ドーターズ・オブ・ザ・ドラゴン(竜の娘たち)」。旧日本軍に強制連行された朝鮮姉妹が「性奴隷」となり、生き残った者たちの戦後の苦悩などを描いたストーリー。作者はミネソタ州在住のウィリアム・アンドルーズ氏。
 韓国メディアによると、アンドルーズ氏は61歳。1986年に韓国・蔚山(ウルサン)で生後4カ月の娘と養子縁組した。娘が自分のルーツを忘れないように、韓国の歴史を調べるようになったという。大学図書館で資料を読みあさり、韓国人の大学教授やワシントンDCの韓国大使館の助けを得て「竜の娘たち」を書き上げた。
 韓国の歴史を調べる過程ですでに、韓国系の意向が反映されているのだ。
 漫画、ドキュメンタリー…消えない映画化への懸念
 韓国系団体は、ロサンゼルスやその近郊でのアンドルーズ氏のサイン会を開催。米国社会に小説を紹介することで、戦時中の日本軍の残虐さを訴えた。
 アンドルーズ氏はその際、グレンデール市の慰安婦像を訪れ、いすに座った像に小説を持たせるように置き、自分もその横に座って記念撮影をした。その写真は韓国メディアにニュースとして掲載され、宣伝効果はさらに高まった。
 サイン会を主催した韓国系団体の関係者は韓国メディアに「米国の人々は、米国の作家が日本軍慰安婦の被害者の人生を描いたことにかなりの関心を示した。米国人の目で見た日本軍慰安婦の実態が客観的に記述されているからだ」とコメントした。
 小説以外の文化ツールとしては、慰安婦漫画が知られているが、最近は、元慰安婦を名乗る女性らも出演するドキュメンタリーの上映会なども行われている。ニューヨーク州プレーンビュー市の図書館で今月16日、韓国系団体が慰安婦問題を扱った「One Last Cry」を一般市民対象に公開した。
 中国で反日映画や反日ドラマが多く制作されているように、韓国でも今後、慰安婦をテーマにした映画などが作られ、それが米国に持ち込まれる懸念もある。
 「すし?アニメ?」 見えない日本の広報戦略
 韓国や中国が米国などを中心に国際社会で歴史問題に関して日本バッシングを強めていることを念頭に、日本は対外広報活動を強める目的で主要都市に「ジャパンハウス」を設置するというが、その内容はなかなか見えてこない。
 第1弾として、英国・ロンドン、ブラジル・サンパウロ、米ロサンゼルスに設置されることが決まっているが、そもそもその3都市では広報の力点を置き方が違ってくるのではないか。
 英語での発信といい、文化ツールを使った戦略といい、韓国・中国系はこれまでさまざまな戦略を練り、それを実践してきた。「日本文化を紹介する施設ともいわれていますが、すしやラーメン、アニメを紹介して、どうなるのでしょうか」。反日活動を食い止めようとしている在米日本人らの不安は増大している。」
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 2月8日 琉球新報は、沖縄県民に琉球王国は独立国という意識を持たせるべく、1858年に琉球王国がフランスと交わした琉仏修好条約のフランス側の原本が発見されたと報じた。
 沖縄タイムズも、昨年9月に行われたスコットランド独立騒動を礼賛し、琉球独立は県民の悲願と報じた。
 琉球新報は、独立論の正当性を訴える「主権を問う」というテーマの長期特集を行った。
 「『率直に感じたのは、沖縄は独立を正当化できる歴史的要件や現状、経済的自立の可能性を十分持っている』ということだ」
 自己決定権とは、「自らの運命に関わる中央政府の意思決定過程に参加できる権利で、それが著しく損なわれた場合、独立が主張できる」
 公安調査庁は、1月に2015年版レポートを『内外情勢の回顧と展望』公表し、「琉球新報が『琉球処分国際法上、不正』と題する日本人法学者の主張に関する記事を掲載した際には人民日報系紙、環球時報が反応し、関連記事を掲載する(2014年8月)など、中国側の関心は高く、今後の沖縄関連の中国の動きには警戒を要する」と指摘して、中国共産党が水面下で沖縄独立運動に浸透してきている事を臭わせた。
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 中国主導のアジアインフラ投資銀行は、アメリカ主導の世界銀行国際通貨基金IMF)への挑戦であり、日本・アメリカ主導のアジア開発銀行(ADB)に取って代わってアジアの金融を支配しようという意図を持っている。
 アメリカは世界のトップリーダーしての影響力を弱めるにしたがって、中国と反目し衝突しながらも、利益を分け合いながら良き競争相手として折り合いを付けて共存していく。
 Gゼロの世界のリーダー国家不在時代となるや、アメリカと中国は歩み寄り、日本は戦前の様に一人取り残される。
 中国共産党政府は、人民元を、米ドル・英ポンド・日本円の国際四大通貨に次ぐ国際通貨とし、米ドル・欧州ユーロ・日本円の三大基軸通貨にするべく、人民元の国際化を進めてきた。
 7年間で28ヶ国・地域と通貨スワップ協定を結び、1年間で決済銀行をイギリス・ドイツ・フランスなどの先進国とそれ以外の国々にも設立した。
 人民元経済圏を構築する為に、人民元を流通させて決済を拡大し、其の実績で国際通貨基金IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨入りを目指している。
 その為には、国際通貨の覇権を握るアメリカの同意が必要であった。
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 中国は、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)をめぐり、アメリカ主導のTPP(環太平洋経済連携協定)に対して自分が主導権を握っているRCEP(アールセップ。東アジア包括的経済連携協定)で対抗した。
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 2015年3月12日 中国共産党政府が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、創始国としてイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルク、スイスなど多くの国が加盟し、韓国やオーストラリアなども参加を検討している。
 アメリカは世界銀行国際通貨基金IMF)と日本はアジア開発銀行(ADB)を、それぞれ持っていた。
 田久保忠衛「20世紀を通じて一心同体で歩んできた英米の同盟関係が危機に陥り、世界は新たな局面に突入したのです。金融、経済のグローバル化で中国は民主化に向かい、社会や政治体制の相違は徐々に埋められていくと、アメリカは考えた。ところが中国の一党支配の政治体制は維持され、逆に彼らが政治、外交、軍事に続いて金融分野でもアメリカに挑戦する状況が生まれました」
 アメリカの世界戦略で成功した事例は、軍国日本の解体と数例に過ぎず、大半は失敗している。
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 2015年3月27日 産経ニュース「【アジアインフラ投資銀】
 中国、韓国参加を「歓迎」 環球時報経済的利益は明らか」
 AIIBをめぐっては、米国が韓国に参加を見送るよう圧力を強めていた。
 中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は27日の社説で、韓国のAIIB参加決定により「どの国にとっても経済的利益が核心であることが明らかになった」と指摘。米国は同盟国に対し「経済・外交の選択で十分な独立性を与えるべきだ」と主張した。(共同)
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 2015年3月27日 産経ニュース「【アジアインフラ投資銀】
 程駐日大使「昨年から日本に参加を要請」「金融秩序への挑戦ではない」
 中国の程永華駐日大使は27日、都内で記者会見し、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)について、「昨年のかなり早い時期から中国のハイレベルの担当者が日本政府に積極的に参加するよう説明してきた」と明らかにした。
 程氏はAIIBの目的に関し、「現在の金融秩序に挑戦するとか、取って代わるとか、そういう考えは毛頭ない」と強調。組織統治(ガバナンス)上の懸念から慎重姿勢の日本に対し、「運営は創設メンバーが話し合って決める。目的は地域の発展であり、心配されるようなことはない」と参加を促した。
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 2015年3月28日 産経ニュース「台湾、AIIBへの参加を表明 習近平氏と前副総統が会談
 【ボアオ(中国海南省)=山本秀也】台湾の蕭万長前副総統は28日、海南省ボアオ(博鰲)で中国の習近平国家主席と会談し、中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に台湾が参加する方針を伝えた。「ボアオアジアフォーラム」年次総会に出席中の台湾当局者が明らかにした。
 会談は年次総会の開幕式前に行われた。AIIBへの参加について、台湾側では「中台両岸の産業協力」をはじめ、台湾の地域関与を進める上で有利だと説明している。
 さらに蕭氏は、中国がユーラシア大陸の内陸と沿岸で進めるインフラ整備構想にも、台湾が積極的にかかわる考えを伝えた。
 会談を前に、蕭氏は台湾メディアにAIIB参加に積極的な姿勢を取る馬英九政権の方針を表明していた。これに対し、中国の張志軍・台湾事務弁公室主任は、「台湾側の具体的な考えを聞きたい」と述べていた。会談には張氏も同席した。
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 2015年3月29日 産経ニュース「【アジアインフラ投資銀】
 オーストラリアが参加正式表明「銀行の一国支配はない」アボット豪首相(AP)
 【シンガポール=吉村英輝】オーストラリアのアボット首相は29日、中国が主導して設立する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加する意向を正式に表明した。日本や米国が運営方針の不透明さから懸念を示しているが、声明では、中国などとの協議で「銀行の設計、統治、透明性について大きな進展があった」とした。
 アボット政権内では、ホッキー財務相らがかねてから参加の意向を示していたが、米国との同盟関係を重視するビショップ外相らが反対して対立。アボット首相は、参加表明期限とされる月内に方針を明らかにするとしていた。
 声明では、覚書きに署名することで、豪州が「(AIIBの)創設メンバーとして参加できる」と説明。主要投資案件での理事会の権限のあり方が懸念されたが「銀行の一国支配はない」とし、中国に対して出資比率などに応じた一定の発言力を確保できる見通しを示した。
 一方、「今後の協議の中で残った問題を解決していく」と、懸案が残っている実情も指摘。その上で、議長国を務めた昨年の20カ国・地域(G20)首脳会合でも、アジア太平洋地域のインフラ投資の重要性に対する理解が共有されたとして、「世界銀行アジア開発銀行(ADB)同様、AIIBが地域のインフラ需要や経済成長の加速に重要な役割を果たす可能性がある」との考えを示した。
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 3月29日 産経ニュース「【お金は知っている】
 親中派メディアの無知露わ「AIIB報道」 融資どころではない中国事情
 日独中の純資産と外貨準備(2014年9月末)
 英国に続き、ドイツ、フランス、イタリアも、中国主導で設立準備中のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加を表明したことから、メディアは「流れが変わった以上、現実的な目線で中国の構想と向き合うべきではないか。AIIBの否定や対立ではなく、むしろ積極的に関与し、関係国の立場から建設的に注文を出していく道があるはずだ」(日本経済新聞3月20日付朝刊社説)と言い出す始末だ。日経に限らずテレビ局を含め「親中派」メディアの無知さ、甘さには驚かされる。(夕刊フジ
 参加すれば、「日本はAIIBに注文を出せる」のだろうか。中国はAIIBに50%を出資し、本部を北京に置き、総裁も元政府高官。マイナーな出資比率で発言するなら、理事会の場しかないはずだが、中国側の説明では理事会はほとんど開かず、総裁の専決で諸事を決めていく。総裁は重要事項については共産党中央委員会にうかがいを立てる。突き詰めると同委員会総書記の習近平国家主席が最終決定権限を持つ。つまり、AIIBとは中国政府の各部局と同じように、党の指令下にある。そのAIIBに日本代表が物申す、と言って通るはずはなく、北京では物笑いの種にされるだろう。
 日経は盛んに、AIIBに参加しないと、アジアのインフラ建設プロジェクトで「日本企業は不利な扱いを受けるのではないか」と論じる。AIIBは世界一の外貨準備を持つ中国の信用力と国際金融センターロンドンの英国の参加で、有利な条件で資金調達できる、従って年間90兆〜100兆円のアジアインフラ建設需要が本物になるという、思い込みによる。これも、中国の金融に無知なゆえの誤解である。
 中国の外貨準備は2014年末で3兆8430億ドル(約461兆円)に上るが、同年6月に比べて1500億ドル(約18兆円)も減った。不動産市況や景気減速を背景に資本逃避に加速がかかっているためだ。外準を対外融資に役立てるどころか、中国当局は対外借り入れを増やして外準のこれ以上の縮小に歯止めをかけようと躍起となっている。
 しかも、外準をおいそれと対外融資の財源に使えるはずはない。中国の金融制度は、中国人民銀行流入する外貨に見合う人民元資金を発行する。外貨を取り崩そうとすれば人民元資金供給を減らさざるをえなくなる。すると国内経済にデフレ圧力がかかる。外準は見せ金にしか過ぎないのだ。
 中国は14年9月末で1・8兆ドルの対外純債権を持ち、日本に次ぐが、外準を除くと、負債が資産を2・4兆ドルも上回る。実質的な中身からすれば、中国は債務大国であり、債権大国の日独とは大きく違う。
 ロンドンなど国際金融市場にとって、中国は最大の融資先になっている。英国はお得意さんである中国のAIIB参加要請に応えたのだろうが、国際金融界はリスクに応じて高い金利を要求するだろう。巨額のインフラ・プロジェクト融資が北京主導でできるはずはない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)
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 3月29日 朝日新聞「経済の減速に悩む中国が、国外へのインフラの輸出に活路を求めている。『二枚看板』に掲げるのは、高速鉄道(新幹線)と原子力発電所だ。安全性に不安を残しつつも、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に象徴される国ぐるみの後押しは急加速している。
 ……
 最大の売りはコストだ。長年、高速鉄道の建設に携わってきた政府系シンクタンク・中国行程院の王夢恕院士(幹部研究員)は『距離あたりの単価で、日本など他国の約6割を示せる』と言う。『無理して安値を示しているのでは』(日本政府関係者)と警戒までおきる低価格戦略だ。習近平国家主席李克強首相は外遊のたびに、高速鉄道の『トップセールス』を繰り広げる。中国北車によると、政府が協力を話し合っている国は28ヶ国に達する。
 ……
 李首相が鉄道と並んで重点に挙げる原発も、成果を積み上げ始めている。1990年代にはすでにパキスタンへの輸出実績があり、13年には、英国での原発建設に中国広核集団と中国核工業集団の出資が決まっている。今年2月には、アルゼンチンのフェルナンデス大統領の訪中に合わせ、新型炉『華竜1号』の輸出も合意された。」
 中国経済が日本企業に望んでいる事は、経営赤字を人件費削減で埋め合わせる為に、研究開発部門を縮小し、優秀な研究員や有能な技術者を大量リストラする事である。
 特に、原子力産業を止めて、原子力発電を廃止する事である。
 日本が、欧米に習って産業構造を大転換し、物作りとしての製造業から撤退して金融・サービス業に本腰を入れる事である。
 中国共産党の世界戦略は、世界の電気・エネルギーと運輸・物流を支配する事である。
 その為には、使い捨てにできる日本人研究者・技術者が必要であった。
 日本企業の幾つかは、短期的利益を挙げ赤字を埋める為に、長年培ってきた最先端技術を中国に二束三文で売り渡している。
 物作りとしての日本製造業の競争力は、身を切る構造改革で回復不能な所まで急速に衰えつつある。
 その最たるものが、原子力廃止論である。
 西濱徹(第一生命経済研究所主任エコノミスト)「中国経済はいま、過剰生産・過剰在庫の問題を抱えている。共産党政府は生産能力の削減をを進めているが、それが雇用減少につながる事が新たな社会問題を招くと警戒しています。
 打開への早道は輸出拡大で、AIIBはその為に構想された。今後の経済成長が見込まれる地域に触手を伸ばす新たなツールを作ろうとしているのです」
 田中秀臣上武大学ビジネス情報学部教授)「アジア全域では毎年7,500億ドル(約90兆円)に上るインフラ需要があると云われている。それを取り込む狙いです。
 AIIBは本部を北京に置き、総裁も中国人が想定されています。また、中国は最大の出資国となる見込みで、大きな発言権を握る事になります。
 AIIBは世銀(アメリカ主導)やADB(日本主導アジア開発銀行)のように本部に各国代表が常駐してチェックする体制ではなく、各国代表を常駐させる事はしない。
 融資計画の実行は事実上、中国人総裁の独断で決まられてしまい、一定期間が経過した後に各国代表によって融資の結果や回収状況が評価・点検されるという運営方針が示されている。つまり、中国が自分の気に入った案件・国に自由裁量で融資できる事になるのです。
 AIIBがアジア諸国に歓迎されている理由は、融資決定が迅速である事だが、その長所は弱点にもつながりやすい。例えばADBは厳格な審査基準で融資しているが、AIIBは緩い審査基準で融資が行われ、焦げ付いて回収できない案件が続出する懸念がある。つまり、日本が多額の出資をしても、その金は中国の差配で配られ、挙げ句に、消えて行く事が考えられる」
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 2015年3月31日 産経ニュース「【アジアインフラ投資銀】
 スウェーデン、エジプト駆け込み、46カ国申請で年内設立決定、中国の影響力に日米は慎重姿勢崩さず
 【上海=河崎真澄】中国が主導して設立が進められている新たな国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)について、創設メンバーになるため中国政府が設定した参加申請が31日に期限を迎えた。参加を申請した国は、韓国やインド、オーストラリア、欧州の主要国に加え、同日駆け込み申請したエジプトやスウェーデン中央アジアキルギスなど計46カ国で、既存のアジア開発銀行(ADB)のメンバー67カ国・地域とほぼ肩を並べる規模となった。
 一方、安倍晋三首相は31日、自民党外交部会の秋葉賢也部会長らと官邸で会い、「焦って参加する必要はない」と述べ、参加表明を見送った。出席者が明らかにした。中国の影響力拡大を懸念する米国も慎重姿勢を崩していない。先進7カ国(G7)では英国、ドイツなど欧州4カ国が参加を表明。残るカナダも参加を検討中で、経済・安全保障で米国と密接な関係にあるカナダの動向は今後も焦点の一つになりそうだ。
 中国財政省によると、3月30、31両日にカザフスタンで開かれた設立準備会合で、6月にも出資比率や融資基準などの枠組みを定め、年末までに正式設立させることが決まった。
 中央アジアや東南アジアなどの途上国は、中国を起点に欧州に向かう「シルクロード経済圏構想」を視野に、資金支援で道路や鉄道建設などのインフラ整備をAIIBに求めていく。また、先進国などは途上国でのインフラ整備に自国企業の参入を狙う考えだ。
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2015年3月31日 産経ニュース「【アジアインフラ投資銀】
 「戦わずして日米に勝つ」中国が狙う21世紀の“孫子の兵法” 雪崩を打って各国参加
 【上海=河崎真澄】中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐり、日米を尻目に、アジアや欧州の国々が雪崩を打って参加を申請した。上海の大学教授は、「(日米に対抗する)21世紀の『孫子の兵法』だ」と評した。米ドルを基軸通貨とする既存の国際金融秩序とは別に、自国に有利なルールを作り上げたい中国は、潤沢な資金力を武器に多くの国々を陣営に引き入れ、「戦わずして日米に勝つ」との策を実行に移しつつあるからだ。
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 習近平指導部はAIIBについて、「世界銀行アジア開発銀行(ADB)への対抗組織ではなく、補完関係にある」などと繰り返し説明。だが、自らが最大出資国となり、銀行の本部を北京に置く意向とみられる中国の主張を額面通りに受け取る専門家はいない。
 創設メンバー国は承認作業を経て4月15日前後に正式決定する。その後、メンバー国で出資比率や組織運営の方法、インフラ建設のための融資制度や入札制度、評価方法などを取り決め、6月にも調印する。
 そこでカギとなるのが初代総裁の人事だ。
 31日までカザフスタンで開かれたAIIB準備会合をリードしたのは、元中国財政次官で、ADB副総裁も経験した金立群氏。中国紙は、金氏が初代総裁として最有力と報じている。
 習指導部が2013年10月に提唱したAIIB構想に、「中国の事前想定すら大きく超えた参加国」(日中関係筋)が吸い寄せられた背景には、約4兆ドルの外貨準備高をもち、人民元の国際化も進めている中国の資金力への期待がある。
 途上国のインフラ建設をめぐっては、20年までに8兆ドルの資金需要が見込まれるが、世銀やADBの資金では不足とされる。また、環境評価や融資判断で世銀などの厳格な基準には途上国などの不満も根強い。
 ただ、AIIBの融資基準が甘くなれば、採算性の低いインフラにも「初めに建設ありき」の融資が恣意(しい)的に行われたり、中国軍の利用を視野に、軍事転用が可能な施設に融資が行われたりする恐れもある。」
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 3月末 アメリカ太平洋艦隊司令官ハリー・ハリスは、オーストラリアで講演し、中国が強行に進めている南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の岩礁での埋め立て工事は平和に脅威を与えていると、懸念を表明した。
 中国共産党政府は、明らかに他国領の不法占拠であるにも関わらず、自国の海域における人工島建設であると反論した。 
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 2015年4月11日号 週刊ポスト長谷川幸洋の反主流派宣言 
 アジアの縄張り拡張に欧州も加担した
 中国のAIIB構想に日米は戦うしかない
 ……
 資金の受け手になるアジアの途上国が参加するのは当然としても、英独仏伊、スイス、ルクセンブルグといった欧州勢も参加を表明した。慎重な日米との間に亀裂が生じ、中国は『日米欧の団結にくさびを打つ込んだ』と祝杯をあげているに違いない。
 ……
 中国にとって、AIIBは戦略的かつ経済的に大変なプラス効果がある。どの国に融資するかを実質的決めるのは、事務局を握る中国だ。たとえば中国軍艦の係留を認める国に港湾を整備すれば、中国の存在感は飛躍的に高まる。
 ……
 欧州勢が参加したのはなぜか。ずばり言えば『欧州にとって中国は脅威ではない』からだ。クリミアに侵攻したロシアは東欧やバルト三国を脅かす可能性がある。だが、中国が欧州に攻め入る可能性は地政学的にほとんどない。
 つまり欧州にとって脅威は国境を接してロシアであり、中国は共存共栄を目指すビジネスパートナーなのだ。
 ……
 日米にとって中国はビジネスパートナーである半面、政府や政治家はあからさまに公言しないが、本質的に安全保障上の脅威なのです。
 AIIBがアジアにおける中国の縄張りを強める道具と分かっていて、日米は『はい、そうですか』と容認するわけにはいかない。欧州と欧米を分かつ鍵は『中国を脅威とみるか否か』である。
 日本の経済界には『AIIBに参加しないとインフラ商戦に不利になる』という意見もある。日本が出資すればビジネス機会も平等に与えられるはずだ、という思惑だろう。
 これはまったく甘い。実質的に中国が決める案件で日本企業にビッグチャンスが生まれるわけがないではないか。中国がそんな国際常識や礼節をわきまえた国だったら、大量の漁船や公船を傍若無人尖閣諸島小笠原諸島に押し寄せてはいない。
 いっそ日本も米国も参加すれば『中国の独断専行を封じ込められるのではないか』という見方もある。これも甘い。自分の意見が通らなくなると分かっていて、構想をぶち上げるようなお人好しではない。初めから『本部は北京』と決めているのだ。
 AIIBは既存秩序に対する中国の挑戦である。日米は受けて立つ以外にない」
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 中国共産党政府は、イギリスとの友好の証として、ケンブリッジ大学など20以上の大学に「孔子学院」を、国内の小中学校90%以上に「孔子教室」を、教師の派遣と教材などの経費を全額負担で提供している。 
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 5月8日 アメリカ国防総省は、「中国を含む軍事安全の発展2015」という年次報告書を連邦議会に提出した。
 5月20日 インドネシア海軍は、領海内で違法操業して拿捕した中国漁船41隻を見せしめの為に爆破した。
 インドネシアの周辺海域には、常時5,400隻もの違法漁船が押し寄せ、その被害額は年間約3兆円に上る。
 5月26日 中国共産党政府は、『国防白書』を発布した。
 中国の軍事戦略として、東シナ海方面で2020年までに台湾を統合し尖閣諸島を奪取するだけの軍事力を強化する事を明らかにした。
 「中華民族の偉大なる復興という中国の夢を実現する。中国の夢は強国の夢であり、軍隊で言えば強軍の夢だ。強軍になって初めて国を防衛できる。強国には強軍が必要なのだ」
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 7月 東南アジア諸国は、中国の領土拡大に対抗するべく防衛費を増加させ、海軍力強化を急いでいる。
 7月2日 タイは、格安な潜水艦3隻、計約1,300億円で購入する事を発表した。
 始めに購入して配備した潜水艦は日本製であったが、性能は良かったがあまりにも高価すぎた。
 性能が良い最新式の軍艦1隻購入するより、そこそこの性能の軍艦3隻購入した方が合理的である。という事である。
 つまり、百発百中の軍艦1隻対百発一中の軍艦100隻との砲撃戦である。
 日本は前者であり、中国は後者である。
 短期戦では前者が有利であるが、長期戦では後者が有利である。
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だから政治家は嫌われる

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