🎼05:─3─エンゲルスはマルクス主義にダーウィンの進化論を取り入れた。階級闘争史観。〜No.7 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 マルクス主義の中の共産主義とは、強者の理論として弱者救済ではなく、階級社会における自然淘汰・適者生存・弱肉強食である。
 それは、発展と進歩、平和と幸福などの「生」ではなく衰退と退歩、闘争と不幸などの「死」であった。
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 階級闘争史観は、ダーウィンの進化論の影響を強く受けている。
 それ故に、民衆・第三身分によるフランス革命と労働者・人民によるロシア革命は本質から異なる。
 どこが違うと言えば、宗教・キリスト教の存在である。
 フランス革命の民衆・第三身分は、第一身分の聖職者を嫌ったが、カトリック教会に魂の救済を求めていた。
 ロシア革命の労働者・人民は、科学万能主義と反宗教無神論から、信仰を捨て神を否定し宗教を破壊した。

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 少数派のボリシェヴィキロシア共産党)は、共産主義の5%支配理論で革命軍や警察隊などの公的暴力組織を握ってロシア革命を成功させ、死と暴力による恐怖支配の一党独体制を打ち立てた。

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 人民・労働者の支持を受けた多数派はメンシェヴィキロシア社会民主労働党右派)であった。
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 共産主義マルクス主義)は、人類史上最悪の思想で、死体の山を築き、血の湖をつくった。
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 2019年2月2日号 週刊現代佐藤優 ビジネスパーソンの教養講座
 名著、再び
 第110回 実証主義的手法で書かれたマルクスの実像とエンゲルス思想の危険性
 ジョナサン・スパーパー(小原淳訳)『マルクス──ある19世紀人の生涯』(上・下) 白水社
 ……
 偏屈なマルクスは周囲の活動家から孤立していたので、大英博物館の図書館に通い、膨大な資料を読み込んで『資本論』を書いた。
 スパーパーは、マルクスエンゲルスの思想は、本質的に異なると見ている。そして、エンゲルスによって流布された言説が、世間ではマルクス主義と受け止められてしまった。〈マルクスの死後、エンゲルスが彼の最後の解釈者となり、19世紀末から20世紀初頭のマルクス主義思想はまずもってエンゲルスの著書を経由して広められた。これまで、エンゲルスがどれほど正確にマルクスの見解を代弁していたのかをめぐり、激しく衝突し合う研究が多数出されてきた。二人の知的な相違を強調する著述家たちには、ヘーゲル主義的に感化されていた1840年代の若きマルクスを、およそ40、50年後の実証主義的な老エンゲルスと比較する向きがある。この数十年という期間は、両者が自らの見解を完成させた時期であり、ゆえにこうした比較はマルクス自身の世紀中葉以降の知的発展を軽視している。これとは逆の解釈を提唱する人びとは、マルクスエンゲルスとの根本的な一致を立証しようとして、マルクスの後年の著作の中の実証主義的な文章を強調し、実証主義に対する彼の両義的な態度を無視するか、あるいはないがしろにしている〉。
 マルクスは、ヘーゲル弁証法の影響を強く受けているので、テキストが難解だ。これに対して実証主義エンゲルスの著作は、文章が平明で、論理の筋を追いやすい。そこが同時に欠陥になっている。マルクスのテキストには、一つの文章から複数の解釈ができる多声性(ポリフォニー)がある。だから青年マルクスが書いた『経済学・哲学草稿』やライフワークであったがマルクスが生きている間には全4巻の計画のうち第1巻しか上梓することができなかった。『資本論』は、複数の解釈が可能になる。エンゲルスのテキストには、複数の解釈を促すような知的刺激に欠ける。ロシアのレーニンスターリンは、マルクスエンゲルスの思想が一体であると考えた、実際にはわかりやすいエンゲルスの思想をマルクス主義とした。スターリン主義の粗野な唯物論の根底には、エンゲルスの19世紀型の実証主義(特にダーウィンの進化論)があることが本書を読むとよくわかる。〈エンゲルスダーウィンを受容していった過程は、科学の進歩に対して次第に高まっていった彼の熱狂によってお膳立てされた。1858年7月14日付の熱を帯びた手紙において、エンゲルスマルクスに「それにしても、この30年間に、自然科学のなかで行われた進歩について、人はなんの概念ももっていない」と伝えている。曰く「有機化学の巨大な発展」と顕微鏡の改良された使用はともに、「生理学を革命化し、・・・すべて〔の生物〕は細胞である」。物理学も同様に急速な進歩を遂げたのであり、とりわけ重要なのは、運動エネルギーを熱へと、熱を光へと、あるいは電気を磁気へと変換する「力の相関関係」である〉。
 エンゲルス流の素朴な科学信仰は、21世紀になっても少し形を変えて生き残っている。実験室で、生命の創造が可能であると考える合成生物学や、AI(人工知能)が自力で学習し、人間の知能を凌駕するような技術的特異点(テクノロジカル・シンギュラリティ)が2040年代に実現するというような考え方だ。そこから生まれてくるのは、超エリートによる大衆の支配という、ソ連共産主義とかなり近いものになろう。エンゲルスの思想が持つ危険性を過小評価してはならない」

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ウィキペディア
 マルクス主義とは、カール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスによって展開された思想をベースとして確立された社会主義思想体系の一つである。しばしば科学的社会主義とも言われる。
 マルクス主義は、資本を社会の共有財産に変えることによって、労働者が資本を増殖するためだけに生きるという賃労働の悲惨な性質を廃止し、階級のない協同社会をめざすとしている[3]。
 エンゲルスは1883年に『空想から科学へ』を出版し、彼やマルクスの思想を社会主義思想、弁証法唯物論、資本主義分析の三つの分野に分けて解説したうえで、唯物史観剰余価値の発見によって社会主義は科学になったと説明した。また、レーニンは1913年に『マルクス主義の三つの源泉と三つの構成部分』を書き、マルクス主義の三つの源泉をドイツ哲学、イギリス経済学、フランス社会主義とし、マルクス主義の三つの構成部分を弁証法唯物論、経済学、社会主義思想とした。

 マルクスエンゲルスの思想
 共産主義
 マルクスエンゲルスは、1847年に設立された共産主義者同盟の綱領の起草を委託され、1848年に『共産党宣言』を書いた。そこでは、人類の歴史は、自由民と奴隷、領主と農奴、資本家と労働者などの、隠然または公然の階級闘争の歴史であるとされ、近代社会はブルジョワジープロレタリアートにますます分裂しつつあるとした。プロレタリアートは、自分の労働力を売って生活するしかない多くの人びとである。プロレタリアートブルジョワジーから政治権力を奪取し、生産手段などの資本を社会全体の財産に変えることによって、社会の発展がすすむにつれて、階級対立も、諸階級の存在も、階級支配のための政治権力も消滅し、一人一人の自由な発展がすべての人の自由な発展の条件となるような協同社会がおとずれるとした。
 マルクス1864年に設立された国際労働者協会の創立宣言を書いた。1871年にフランスでパリ・コミューンが成立すると、国際労働者協会総評議会の全協会員への呼びかけとして『フランスの内乱(英語版)』を書き、パリ・コミューンを「本質的に労働者階級の政府であり、横領者階級に対する生産者階級の闘争の所産であり、労働の経済的解放をなしとげるための、ついに発見された政治形態であった」と称賛した。エンゲルスは1891年に発行されたこの著作のドイツ語第三版の序文で、パリ・コミューンプロレタリアート独裁の実例とした。
 ドイツの労働者政党の綱領草案に対する批判として1875年に書かれた『ゴータ綱領批判』において、マルクス共産主義社会を分配の原則から低い段階と高い段階に区別し、低い段階では「能力に応じて働き、労働に応じて受け取る」、高い段階では「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」という基準が実現するという見解を述べた。また、資本主義社会から社会主義社会への過渡期における国家をプロレタリアート独裁とした。

 唯物論歴史観唯物史観、史的弁証法
 マルクスヘーゲル左派として出発し、1840年代に起こったヘーゲル左派の内部論争の過程で、ヘーゲル弁証法哲学やフォイエルバッハ唯物論を受け継ぎつつ、ヘーゲルの観念論やフォイエルバッハの不徹底さを批判し、唯物論歴史観唯物史観)を形成した。これは、法律や国家、文化などの基礎にあるのは経済(生産と流通)だとする見方であり、以後彼は経済学の研究に集中することになった。1859年発行の『経済学批判』の序文において、彼は唯物論歴史観を次のように説明した。

 ・生産力の発展段階に対応する生産関係の総体が社会の土台である。
 ・この土台の上に法律的・政治的上部構造が立つ。土台が上部構造を制約する。
 ・生産力が発展すると、ある段階で古い生産関係は発展の桎梏(しっこく)に変わる。そのとき社会革命の時期が始まり、上部構造が変革される。
 ・生産関係の歴史的段階にはアジア的、古代的、封建的、近代ブルジョワ的生産関係がある。
 ・近代ブルジョワ的生産関係は最後の敵対的生産関係である。発展する生産力は敵対を解決する諸条件をつくりだす。それゆえ、資本主義社会をもって人間社会の前史は終わる。

 以上が唯物史観の要約である。

 経済学
 マルクスの長年の経済学研究は『資本論』として結実した。
 マルクスアダム・スミスリカードの労働価値説を発展させて剰余価値説をうちたて、これによって資本家による労働者の搾取を解明した。マルクスによれば、労働力の価値(労働者自身と家族を維持するのに必要な生活必需品の価値)と労働力が生み出すことができる価値とはまったく別物である。資本家は労働力を価値どおりに買ったとしても、支払う賃金を超えて価値を生み出すように労働者を働かせることによって、超過分を無償で取得する。この超過分(剰余価値)が資本の利潤の源泉である。土地所有者が資本家に貸した土地に対して得る地代、銀行が資本家に貸し付けた資金に対して得る利子などは、この剰余価値から支払われる。
 剰余価値説に基づく資本主義経済の運動法則の解明は、労働者階級の解放、階級の廃止という共産主義運動の目標に理論的根拠を与えることになった。
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 フリードリヒ・エンゲルス(Friedrich Engels、1820年11月28日 - 1895年8月5日)は、ドイツの社会思想家、政治思想家、ジャーナリスト、実業家、共産主義者、軍事評論家、革命家、国際的な労働運動の指導者。
 盟友であるカール・マルクスと協力して科学的社会主義の世界観を構築し、労働者階級の歴史的使命を明らかにした。マルクスを公私にわたり支え、世界の労働運動、革命運動、共産主義運動の発展に指導的な役割を果たした。
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 進化論とは、生物が進化したものだとする提唱、あるいは進化に関する様々な研究や議論のことである。
 生物は不変のものではなく長期間かけて次第に変化してきた、という仮説(学説)に基づいて、現在見られる様々な生物は全てその過程のなかで生まれてきたとする説明や理論群である。進化が起こっているということを認める判断と、進化のメカニズムを説明する理論という2つの意味がある。なお、生物学における「進化」は純粋に「変化」を意味するものであって「進歩」を意味せず、価値判断について中立的である。
 進化は実証の難しい現象であるが(現代では)生物学のあらゆる分野から進化を裏付ける証拠が提出されている (詳細は、進化の項目も参照のこと)。
 初期の進化論は、ダーウィンの仮説に見られるように、画期的ではあったが、事実かどうか検証するのに必要な証拠が十分に無いままに主張されていた面もあった。だが、その後の議論の中で進化論は揉まれて改良されつつある。現代的な進化論は単一の理論ではない。それは適応、種分化、遺伝的浮動など進化の様々な現象を説明し予測する多くの理論の総称である。現代の進化理論では、「生物の遺伝的形質が世代を経る中で変化していく現象」だと考えられている。
 本項では進化思想、進化理論、進化生物学の歴史、社会や宗教との関わりについて概説する。
 なお、生物学において「進化論」の名称は適切ではないため、「進化学」という名称に変更すべきだとの指摘がある。

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 日本人マルクス主義者(共産主義者)、左翼・左派は、理解する知力がない子供のように、マルクスの虚像を眺めるだけで触れもせず、マルクスを読まず、マルクスを理解していない。
 つまりは、見せ掛けの安物の金メッキでしかないく、語る言葉に聞くべき所は全くない。
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 日本人マルクス主義者(共産主義者)は、人民革命を成功させたレーニンか人民独裁を行ったスターリンの何方かの信奉者である。
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