🎼02:─1─歴史は如何に「学ぶ」か。歴史は「流れ」より「しくみ」が大事。~No.2 

歴史学ってなんだ? (PHP新書)

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2018年4月28日ー5月5日号 週刊東洋経済「『なぜ』を考えさせる東大論述式
 東大入試で日本史を理解する  相澤理
 学生時代の歴史の試験問題という、空欄の穴埋め形式で人名や年号を答える問題や、選択肢文の○×を選ぶ問題を、思い浮かべる方も多いでしょう。
 しかし、東京大学の日本史の入試問題(以下『東大日本史』と略します)」は、そうした〈重箱の隅をつつくような知識を問う〉という私たちの入試に対するイメージを、粉々に打ち砕きます。
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 歴史を学ぶ『意味』とは?
 ある史実が生じた理由やその意義を、資料文などを与えながら論述式で問う東大日本史は、入試問題としては異色の存在です。空欄問題や○×問題とは異なり、付け焼き刃の知識では太刀打ちできません。歴史の本質的な理解が問われます。
 しかも東大日本史が投げかける問いは、歴史の『学び方』をも示唆します。そのような史実が生じた理由は何か。『なぜ』を探求する姿勢をもってこそ、歴史は現代を生きる私たちの指針たりえます。
 明治日本は近代化を達成して列強各国に追いつくことを目標としました。一方で、政治参加を求める民権派の動くにも対処しなければなりません。そうした中で、君主権の強い大日本帝国憲法が制定されたのです。
 さまざまな要素を考慮して、最適解を探る。それは、いかなる時代、いかなる社会でも生き抜くための基本原則です。そのとき、過去における先人の判断や行動は、失敗も含めて現代人のモデルケースとなります。そこにこそ単なる『教養』ではない、歴史に学ぶ『意味』があるはずです。
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 歴史からは多くの教訓が引き出されますが、私たちが日本史を学ぶ動機は、現代の社会や文化がなぜ生まれたのか、そのルーツを知りたいというところにあるでしょう。
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 歴史は〈流れ〉より〈しくみ〉が大事
 実は、筆者は普段の授業で、『歴史は〈流れ〉を押さえよう』というステレオタイプな物言いをまずしません。歴史は自然になりゆくままに〈流れる〉ものだとしたら、そんなものを学ぶ必要などないからです。
 代わりに口を酸っぱくして言うのが、『〈しくみ〉を理解しよう』ということです。
 どんな史実も、そのほかの史実と複合的にかかわり合うことで成立しています。ある史実が原因となってほかの史実が生じ、またその史実も別の史実に影響を与える。こうして史実が織りなす〈必然〉を、筆者は〈しくみ〉と呼んでいます。
 明治政府には、立憲制度を導入して目指すべき〈しくみ〉がありました。古代の朝廷も、日本版華夷秩序という〈しくみ〉の下で東アジア世界をしたたかに生き抜きました。
 確かに、その時代を生きている当事者にとっては、〈流れ〉に身を任せているだけかもしれません。しかし、その〈流れ〉を後世から客観的に見直したとき、それが〈必然〉であることが理解されます。そうした〈しくみ〉こそが、同様に〈流れ〉に身を任せて生きている私たち現代人が学ぶべきものでしょう」
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 日本の歴史を支配しているのは、キリスト教価値観とマルクス主義共産主義)に基づく東京裁判史観=自虐史観である。
 日本人は、自分に都合の悪い事実に基づく現実の歴史は苦手で、自分に都合の良い真実に基づく架空の歴史が好きである。
 極端に言えば、記録者による歴史物語より作家による時代劇がすきである。
 その好例が、現代日本には都合の悪い事実である日本人奴隷交易やユダヤ人避難民救護や河南省大飢饉の救援などは歴史の表舞台から抹消されている。
 日本の人道的貢献は否定されている。

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歴史とはなにか (文春新書)

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