🎹19:─6─ドイツ人は、日本人五輪選手団の礼儀を知らない無作法で傲慢な態度に憤慨し、反日感情を高めた。1936年~No.97No.98No.99 @ ⑯

庶民の発見 (講談社学術文庫)

庶民の発見 (講談社学術文庫)

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 1930年代、西洋白人社会では異教徒日本人は教養なき礼儀知らずの無作法者として嫌われていた。
 世界から、日本人が愛され信用された事はない。
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 2017年4月13日号 週刊新潮「オリンピック・トリビア! 吹浦忠正
 体協幹部が総辞職 『ベルリン五輪選手団』の醜聞
 1936年8月のベルリン五輪を終えた日本選手団の本隊は、マルセイユで鹿島丸に乗り込み、10月2日に神戸港に帰着した。
 ソンな折、10月21日、読売新聞が在独日本大使館の森島守人一等書記官(日米開戦時のニューヨーク総領事、戦後は左派社会党所属衆院議員など)の発言を引いて、『日本選手団は醜聞だらけ』という5段見出しの特ダネを掲載した。
 森島の発言は、①役員同士が内輪もめをしていた、②在独日本人会が選手団に3万円の寄付をして、二十余人の通訳を雇って役員に付けてやったのに感謝せず、召使同然に扱った、③選手団は選手村隣の兵舎に一時入居した際、風呂がないと組織委のレヴァルト会長に直訴し、無礼を非難された(遅れて日本式の風呂までできた)、④選手団が案内役の独軍将校に聞くに堪えない暴言を吐いた(将校が日本語を理解することを知らなかった)というもの。
 森島は『こんな国辱的なことはない。在留日本人はドイツ人に顔向けできなかった』『これでは次期東京五輪が心配でたまらない』と広田弘毅内閣の平生釟三郎(ひらおはちさぶろう)文相に通報したという。
 読売は24日にはホッケーの選手が船内でカミソリを振り回して怪我をしたと報じ、25日付には同じ船に乗り合わせた田中耕太郎東京帝国大教授(後の最高裁長官)の目撃談を掲載した。『船中の生活はまさに国辱もの。上海を出て祖国に向ふという晩などの騒ぎは大変なもので、午前4時頃まで船客はほとんど眠ることもできなかったほど』。そして田中は幹部に『外交官的使命を果たしえる人格、識見の優れた人を選ばねばいけない』、『学業は第二、第三、ただ記録だけを争つて人格の淘汰を忘れいるところに禍根がある』としている。
 反論も覚束ないうち、月刊論壇誌『セルパン』(36年12月号)が『体協不統制の真相を公表す』と具体的に醜状を暴露し、大日本体育協会は役員のほぼ総入れ換えに追い込まれた。
 読売新聞運動部記者でオリンピックの紹介につとめた川本信正は、
 『(日本のスポーツは)森島や田中が想像してくれる程の高貴性を持つていなければ、また自らの文化的な役割をハッキリ意識しているわけでもない』
 と『セルパン』の特集記事の最後で苦しい弁護をしている」
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 日本人の礼儀正しさは「立つ鳥跡を濁さず」と言われるが、それは一部の日本人だけで、多くの日本人はむしろ悪ふざけに走りやすいお調子者である。
 その本性は、勇気などからっきしない、臆病者であり、小心者であり、気弱であり、恥ずかしがり屋であり、問い詰められたり追い詰められると、冷静さを失い、我を見失ってパニックに陥りやすい。
 日本人が起こした関東大震災朝鮮人惨殺事件や第2回南京事件などの残虐行為は、日本民族が持っているパニックに陥りやすいという心の闇が原因であった。
 カミカゼ特攻や万歳突撃・玉砕や集団自決の悲劇・悲惨は、「どうせ自分は生きている価値のないつまらない人間で死ぬしかない」という自暴自棄の自己否定で暴走して起きた。
 その本姓を隠す為に酒を飲み、「酒の上のあやまち」と見苦しい言い訳をしながらドンチャン騒ぎをして誤魔化した。
 それは、さもしい庶民根性であって、潔い武士道ではなかった。
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 日本人の精神は、多数派の卑しい庶民根性であって少数派の勇ましい武士道ではない。
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 昭和前期の軍部を支配したのは、高貴な武士道ではなく下賤の庶民根性である。
 軍国主義者は、庶民出身の職業軍人や右翼であった。
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 明治の軍人や官僚は、サムライ出身で、人格者で品格・品性を持ち節度をわきまえていた。
 昭和の上級軍人やエリート官僚は、庶民出身で、丸暗記試験の高得点を取った秀才で、傲慢で下劣で分別を持っていなかった。
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 明治の元勲や重臣達は、庶民が国民皆兵で入隊し、庶民根性が軍隊に蔓延して軍隊を暴走させ危険があるとして天皇統帥権で縛り、軍人は「政治に関与すべからず」との掟を定め、軍人を政治の表舞台から遠ざけた。
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 庶民根性には、天皇や国家への忠誠心はなく、憲法や法律を遵守する気もなく規律や規範を破りやすかった。
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 庶民根性は、ダラダラとして命令など真剣に聞かず、ちゃらんぽらんで軍紀や軍律を守る気もなかった。
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 軍隊は、庶民根性に絶対服従を叩き込む為に、皇国史観で洗脳して愛国心を植え付け、暴力的鉄拳制裁を加え、無謀な軍事教練を施した。
 軍事教育とは、庶民根性を形成していた人格・個性を完全破壊する事である。
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 誰が上司・領主になろうとも気にはせず、面従腹背で「ご無理ご尤も」と適当にやり過ごしていた。
 庶民根性にとって日本の支配者が誰であろうともどうでも良く、日本人であろうが、アメリカ人であろうが、中国人であろうが、朝鮮人であろうとが、ユダヤ人であろうが、ロシア人であろうが、案山子であろうが、こけしであろうが、犬猫であろうが、鳥であろうが魚であろうが、人口知能であろうが、ロボットであるが、石であろうが、草木であろうが、お化けであろうが妖怪であろうが、姿形があろうがなかろうが、とにかく盲目的に従った。
 庶民根性には、民族意識はなく、日本民族などに愛着はなく、日本民族を自己犠牲で守ろうという気もサラサラなかった。
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 日本人は心の闇を恐れ、「穢れ」として浄化する為に、痩せ我慢や根性という精神主義に縋り付いて心の安定を保とうとした。
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 日本の庶民は、中国の民衆や欧米の大衆とは異なる。
 日本の歴史とは、庶民根性を封じ込める為に苦心した歴史である。
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 そうした自制心のない浅はかな庶民根性を鎮めるのに適していたのが、程ほどを良しとする曖昧・適当な日本神道・日本仏教・日本儒教であり、適していなかったのが絶対価値観を強要・強制する不寛容な朱子学の正統派儒教キリスト教共産主義であった。
 中華儒教やインド仏教は、日本に馴染むように教義・信義がねじ曲げられ、全く別物に変節させて日本に受け入れられた。
 キリスト教共産主義が日本に根付かなかったのは、日本天皇の存在ではなく、権力者による非人道的弾圧でもなく、単純に庶民根性に嫌われたからである。
 庶民根性は、宗教性も政治性も道徳性も無縁で、思想・哲学・主義に馴染まず、深く真理を探求する小難しい論理的合理的な思索を嫌った。
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 庶民根性の本質は、自己満足の欲望と感情であった。
 庶民根性が求めたのは、自然のままの、奔放気ままな、何物にも束縛されない制限されない「ありのまま・あるがままの自由」であった。
 それは何故か、それは世にも恐ろしい逃れる事のできない自然災害多発地帯で生きる為である。
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 自然災害多発地帯は、予想しなかった災害で大きな被害がでたが、それは紛れもない現実の宇宙の森羅万象、自然の法則、自然の理法、自然の摂理にすぎなかった。
 そこで生きると言う事は、平等ではなかったが公平であり、左でも右でもない中庸で調和のとれた現実の生き様であった。


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