🎻78:─1─ボストン美術館は、中国系反日活動家の抗議に屈して着物イベントを中止した。~No.231No.232No.233 @ 

アメリカ白人による日本批判―民族間関係の研究

アメリカ白人による日本批判―民族間関係の研究

  • 作者:丹野 大
  • 発売日: 2010/03/28
  • メディア: 単行本
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 プロフィールに、6つのブログを立ち上げる。 ↗ 
   ・   ・   【東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博】・  
 世界に広がる「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」的日本批判。
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 日本は世界で信用されているはウソである。
 日本人は世界で愛されているはウソである。
   ・   ・   ・   
 世界は、正論、道理、審議ではなく金と力で動いている。
 その事が解らないのは、日本人だけである。
 正義が勝つ、それは嘘である。
 力があり富を持つ者が正義である。
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 2018年9月5日 産経ニュース「【ボストンから一言(19)】 「Kimonoは『人種差別主義』『帝国主義』」芸術イベントで理不尽な日本批判
 米ボストンの観光スポットとなっているレッドソックスの本拠地フェンウェイ・パーク。観光客も多く訪れる(ロイター)
 ちょうど今から3年前。米ボストンの観光スポットにもなっているボストン美術館で、同館が所有するクロード・モネの有名な作品「ラ・ジャポネーズ」にちなんだイベントが開かれたが、理不尽きわまりない日本批判を受け、ひと悶着(もんちゃく)が起きた。
 印象派を代表するフランス人画家のモネによる「ラ・ジャポネーズ」は、彼の妻が、日本の派手な模様と色彩の打掛(うちかけ)をまとい扇子をかざしている絵だ。
 美術館のイベントでは、「この絵のモデルであるモネの妻と同じ打掛を羽織って、壁に掛かった作品の前で写真を撮ってください」と、来場者が複製の着物を着て、モネの芸術との一体感を味わってもらうという趣旨のものだった。
 ところが、これにアジア系の女性とみられる一部の人たちがかみついた。
 彼女らは美術館内のイベント会場で、打掛を試着している人たちの目の前に抗議文を掲げて立ちはだかったり、モネの絵の前に立ち、芸術を鑑賞にきた来場者の邪魔をしながら自分たちの主張をアピールしていた。
 新聞に載った3人の女性によると、“Kimono”は、「アジア人に対する人種差別主義」、ステレオタイプが抱く「異国情緒」、そして「帝国主義」に繋がるとしている。
 どうしてこのようなへ理屈が生まれるのだろう。私たち日本人が誇りにする芸術作品でもある着物を、泥靴で踏みにじられたような気持ちになる。
 その上、あたかもアジア人を代表するような言動で、許し難い。抗議を先導している女性の名字からすると中国系の可能性がある。
 偶然にも、隣人の男性がボストン美術館に勤務していたので、何者なのかと聞いてみた。
■芸術にイデオロギーを持ち込まれ嘆息
 彼は美術鑑定や美術品に使用されている材料の分析が専門のため、問題の詳細は分からなかったが、情報が手に入り次第教えてくれるということになった。
 彼は私の説明を聞きながら、「このような美術品展示のイベントに政治的イデオロギーを持ち込んではいけない」と嘆息していた。
 また、日本文化に造詣の深いボストン在住の友人にも意見を求めてみた。彼も開口一番、「これほどばかげた人たちのニュースは聞いたことがない」と笑い出した。
 ボストン美術館葛飾北斎の大々的な特別展が催され、そのすぐ後に日本に関するモネの作品が続けて取り上げられたことが抗議者たちには許せず怒りの原因になったのではないかと分析していた。そして「新しい情報を手に入れたらぜひ僕にも教えてくれ」とこの問題に感心を示してくれた。
 日本では、新聞記事やテレビニュースでも国籍や年齢まで紹介されているが、米国では、年齢だけでなく人種なども紹介されない。
 そのため、2年前に亡くなった知識と教養あふれる親友のグレースですら「この新聞記事を読んだあと、多方面において日本人の思考を考えた」と、彼らが日本人と受け取っていた。
 私が危惧したのは、イベントに抗議した3人を新聞やテレビで目にした米国人たちが、同様に彼らを日本人だと思うことだった。
 そして一番残念なことは、「人種差別」「帝国主義」などと、こじつけたスローガンにボストン美術館が屈したことだ。米有数の美術館であるボストン美術館にとって前代未聞の出来事ではないだろうか。
 私はボストン美術館に勤務する隣人に、イベント担当者宛ての手紙を書きたいと話すと「それはいい考えです。私が直接に手渡します」と快諾してくれた。
■敵国の文化保護に感謝
 私は、日本文化を紹介してくれたイベントのお礼を述べてからこう続けた。
 「ご存じのように日本人は文化遺産を誇りに思っても、着物はみじんも人種差別や帝国主義に結びつくものではありません。この抗議者たちは日本人ではなく、彼らの目的は文化的感受性よりも政治思想から生まれたものだと信じます」
 「モネの妻が味わったでしょうあの興奮と満足感を少しでもモネのファンに味わわせたかった優しいユーモアあふれるイベントを中止せざるを得なかったことは誠に残念です。第二次世界大戦中でも、敵対する日本の伝統文化に敬意を払い、大切に保存してくださったおかげで、今、私たち日本人は恩恵を受けることができ、深く感謝をしています」
 私は、ボストン美術館が日本に関連する作品を戦時中も保存してくれていたことに敬意を表し、日本の芸術が米国人やボストンを訪れる各国の人々に伝えられていることに感謝の意を伝えた。
 手紙を託してから1週間ほどして、イベント担当者からの返事を受け取った。
 「着物試着に関するあなたの考えを分かち合えることに感謝をしています。開催後の数週間、熟考しての結果、入館者の試着は廃止し、その代わりに現在は着物に関しての印刷物を配布したり、入館者に直接着物の説明をしています」
 「この方法でわれわれが目的とする教養面での向上を目指すことができるだけでなく、ボストン市民が日本の風俗習慣を学び、そしてまたモネの傑作によって、彼自身がいかに日本に興味と関心を持っていたかを知ることができます」
 「この出来事に関して、あなたが時間を費やしてお手紙をくださったこと、深く感謝をしています。あなたの意見は、とても役に立ちました」
 一方で皮肉な話だが、この騒動の理不尽な抗議のおかげで、どんな宣伝よりも効果あるものとなって、美術館への来場者が増えたことだろう。
ここからは私のがんの治療に関するお話です
 がん患者が日々の生活の中で抱える身体的、心理的、社会的な課題などを臨床栄養士、体力トレーナー、心理学者、社会福祉士らが協力してサポートするプログラム「サバイバーシップ・クリニック」に参加する決心をして1週間もたたないうちに、4人との面会が決まった。
(1)プログラム責任者=取り組み全般と面会予定の残り3人との話し合いの重要性の説明 
(2)栄養士=がん患者に薦める食品や、そうでない食品の紹介などの説明
(3)運動指導者=私の膝の痛みも考慮した運動の個人指導の予約
(4)心理学者=がん患者が陥りやすい鬱に関する説明
 心理学者は「24時間いつでも電話相談ができるので躊躇(ちゅうちょ)せずに電話をかけてくるように」とケア体制を教えてくれた。
 ただ最後に「しかし、あなたは私が必要ではないように見受けられますが、もし将来に不安を感じることがあったら、その名刺の番号にかけてください」と言われ、私は「将来何が起こるか分からないものに、今から心配はしません」と返事をすると、心理学者も「確かにそうですね」と笑っていた。
 そして最後にプログラム責任者がきて、腕時計型のフィットネス製品「Fitbit(フィットビット)」の説明を始めた。
 時計のようなバンドを腕に巻いておくと、私の1日の行動、つまり歩行数や心拍、そして睡眠などが全てインターネットを介して私が通っている病院に送信され、治療をフォローする人たちが把握できるようになっている。
 室内での単なる移動と、運動としてのウオーキングの違いは、心拍数で確認できるそうだ。小さな機器を通して事細かに監視されていることになる。
 Fitbitの説明の最後には、取り組みに参加する全米のがん患者の集計データが、がんセンターでの研究に使われるようで、「データを公開することに同意します」とサインをした。
 スタッフから「iPhone(アイフォーン)に簡単に接続できるのよ」とFitbitを渡されたが、昭和生まれの私は悪戦苦闘。米ボストンで働く日立製作所の松本慎也さんに電話をして「なにか監視をされる腕時計みたいなもの」と言っただけで、「それはFitbitと言いませんか」と立ちどころに言い当てた。
 私が車の購入をサポートしたことで知り合った松本さんだが、ことあるごとに電話をしてしまう私に嫌な声も出さず、ゆっくりと優しくかみ砕いて教えてくれる。「まるで学校の先生みたい」と言うと、「塾で教えていましたから」と笑う松本さんは、私の古いiPhoneのソフトウエアを遠隔操作でアップデートしてくれた。
 そしてFitbitとの生活が始まった。
 朝、コーヒーを飲みながらインターネットで各種の新聞を読んでいると「外に連れて行ってください」とFitbitが震える。
 「1日に1万歩は歩くように」と言われているが、膝が痛いので散歩運動を怠けていると、「まだ達成していませんよ」とFitbitがまた震える。
◆       ◆
 【プロフィル】新田多美子(Tamiko Arata) 大分県津久見市生まれ。73歳。1983年に米ボストンに移住し、日本などからの留学者向けに住居の手配、生活用品の買い物、車購入と自動車保険など生活の立ち上げサービスの仕事をしている。
 現在は、がん治療を受けながら働く毎日。治療では、スイスのロッシュ社による新薬の免疫チェックポイント阻害剤「アテゾリズマブ」を使っている。早く認可が出た米国で、実際の治療を通して知見が得られている最新治療を受けることを聞いた私の回りの日本医師たちは、口をそろえたように「幸運だ」と言う。
 日本が恋しいわけではないが、誰よりも日本を愛し誇りに思う。ボストンから見る日本や、少し変わった日常の出来事などをコラムにし、日本ではまだ認可されていない最新のがん治療の様子も紹介していきます。」


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