🎹27:─1─漢族系中国人はガチョウの群れ。中国共産党は日本併呑を宿願としている。〜No.146No.147No.148No.149 @ ㉔

 

中国人的性格 (中公叢書)

中国人的性格 (中公叢書)


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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。   
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博・   
 絶対価値観世界では、独裁者が現れて恐怖政治を行い、煽動者がデマや嘘を流して人民を暴走させる。
 相対価値観世界では、独裁者や煽動者は現れ辛い。
 絶対価値観世界であるか、相対価値観世界であるかは、意図的に流された嘘やデマで暴動・騒乱が起きて無法地帯化し、暴徒となった人民が凶暴な犯罪者となり略奪・放火・殺人・暴行・強姦を行うかどうかで判別できる。
 絶体絶命の状況下に追い込まれた時、どちらの世界の住人かがわかる。
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 日本民族日本人と漢族系中国人及び朝鮮人は、見た目では同じ北東アジア人の顔や体型をしていても、性格・性質・資質・気質・習性は正反対に近いほどに違う。
 日本民族日本人は、水のように熱しやすく冷めやすく、辛い事や苦しい事などは過ぎたこと昔のこととして忘れやすい。
 日本列島と中国大陸・朝鮮半島は地理的に一衣帯水ではあるが、日本民族日本人と漢族系中国人・朝鮮人は同根ではない。
 歴史的に見て、日本と中国・朝鮮が「唇と歯の関係」にあった事は一度もない。
 日本と朝鮮の関係は、敵対関係であって友好関係などなかった。
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 中国共産党と中国軍の本音は反日で、尖閣諸島・沖縄はおろか日本そのものを占領し領土の一部とし、日本をアジア・地上から消し去る事である。
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 中国人になりたいと切望する日本人は、日本が中国になる事を歓迎している。
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 辛亥革命において、烏合の衆であった革命派をまとめ、革命軍を指揮して戦ったのは日本の退役軍人・大原武慶や大陸浪人・菅野長友ら日本人グループであった。
 頭山満ら日本の右翼は、政府の外交方針を無視して革命派を助けていた。
 清国軍に戦略戦術を授けていたのは、ドイツ国防軍の軍事顧問団でった。
 孫文の活動資金や生活費を支援したのは、日本人梅屋庄吉であった。
 辛亥革命の成功は、日本右翼のおかげであった。
 だが、日本右翼は辛亥革命で漢族系中国人に幻滅を感じ嫌悪した。
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 日本は、中華世界(中国・朝鮮)と国家的友好関係を結ばず個人的付き合いにとどめていた時が、幸福であり、平和であった。
 日本の不幸は、中華世界(中国・朝鮮)と深く付き合うと起きていた。
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 付き合いべきでない中国の代表が中国共産党である。
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 戦前までの日本には中国共産党ファシスト中国に対応できる人材が数多くいたが、現代日本には数えるくらいしかいない。
 特に、高学歴出身のグローバル的知的エリート層にはそうした人材がいない。
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 2018年4月号 WiLL「中国女性報道官に異常接近 河野外相はちょっと甘いよ
 高山正之福島香織
 日本を併呑したい、という中国人の心情、かなり本気だと思うよ
 河野氏の軽率
 高山 河野太郎外相の、中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)報道官とのツーショット写真が、産経をはじめとして大々的に報道された。
 ……
 高山 南京に行ったことがあるんだけど、本多勝一の知己で、日本人向けに南京大虐殺を紹介しているという中国人と出会った。説明がデタラメで『お前の言っていることは嘘だ』とさんざんやっつけたんだ。
 そうしたら、しどろもどろになって『日本のメディアの人たちは、私の言うことを喜んで聞いてくれました。泣いた著名人もいたんです』と言うんだよ。
 福島 誰なんですか。
 高山 それが久米宏筑紫哲也なんだ。旅順の二〇三高地に行ったときもヘンなガイドがいた。28センチ榴弾砲で戦死したロシアの将軍コンドラチェンコを日本側が顕彰して彼の碑を建てた。
 それを中国人ガイドが『日本人は彼が憎くて石をぶつけるためにこの碑をつくった』と言う。
 彼らはそういう伝統を持っている。南宋の秦檜(しんかい)や汪兆銘がいい例で、わざわざ碑や像を作って唾を吐いたり、石をぶつけたりする。日本人も同じと思っているらしいから、その場でたしなめた。
 そんなことを旅のあちこちでやっていたら、あるとき、ガイドの指導役という男が出てきて文句をつけてきた。直接にはこちらのグループが『支那人』と言っているのを聞き咎めて、『支那人と言うな。その呼び方は私たちが劣っていた時代のことで、今や我々のほうが日本より上だからだ』と言う。
 末端のガイドはともかく、外国人に接する部門の連中はほとんど中国政府の言い分と同じことを言うのに驚いた。
 福島 よく教育されているわけですね。
 高山 報道官レベルになれば、その度合いはもっとひどいだろう。
 福島 報道官は公式の場において、自前の発言権はほとんどありません。こういう質問が来たら、このように答えるというあんちょこの量が非常に多いんです。それを完璧に覚える頭脳がある。
 想定から外れた質問が飛んできた場合、その答えはワンパターンです。柔軟に対応したとしても、その後の責任を取る覚悟が、彼らにはあちません。
 高山 そういう場になると、答えが一律になるだろうね。
 先ほどのガイド頭は、あまりに怒り過ぎて本音をぶちまけてしまった。彼は『今、我々中国人を支配し奴隷扱いした満州民族を呑み込んだ。その文化も呑み込んだ。モンゴル、チベットウイグルすべて呑み込んだ』と続けた。占領した民族を文化も含めてすべて併呑したと主張している。
 征服と言わずに『呑む』という。
 福島 チャイナドレスは、もともと満州族の民族衣装だったのに、中国人の民族衣装になってしまいましたからね。
 高山 そのくせ、満州文化の起源、満州語は消え去ってしまう。そういえばモンゴルでチンギス・ハーンの画像を踏んだ19歳の男性が、懲役1年の実刑を言い渡された事件もあった。
 福島 チンギス・ハーンは中国を支配した人なんですけどね。だけど、今ではチンギス・ハーンは中国人のものになっている。
 高山 そういう意味でもはや中国人になった『成吉思汗(チンギスカン)』を侮辱すれば罪になるというわけだ。ガイド頭が言うには『中国を支配した国で、まだ中国が呑み込んでいないところがある。それが日本だ』と。
 怒りに任せてつい本音が出たのだろうけど、露骨に日本征服を口にした。中国人が心の底ではどういう魂胆でいるか、その一言でよくわかったね。
 福島 いつか、日本を屈服させたい、占領したいという考え方はあると思います。
 日本を併呑?
 高山 福島さんと宮崎正弘氏との共著『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社)にも書いてあったけど、『中国化に日本は耐えられるだろうか』と。現実的な問題として、日本は呑み込まれる可能性があると指摘しているね。
 福島 北海道の土地がどんどん買われていますし、沖縄だって多くの中国人が入り込んでいます。
 高山 『日本を併呑』するのは、中国人はかなり本気だと思う。先の戦争ではアジア解放を言う日本を裏切り、アジアの民を裏切り、欧米についき従った。それをばらされたくないこともあるし、もう一つ、今の彼らの言語は75%、日本語だ。
 日本を併呑してチャイナドレスと同様に『日本製漢語は中国語だ』と言いたくてしょうがない。ただ、日本を制圧するほどの力があるかはかなり疑問があると思うけど。
 福島 中国は必ず自滅するという意見がいつも出てきますが、確かに、中国の歴史を繰り返すと必ずしも否定できない。中国は同じ歴史を繰り返していますよね。帝国の拡張主義によって経済が疲弊し、社会不安が起きて、農民起義(というか食い詰めた者の反乱)が発生し、王朝が転覆して、再び新たな王朝、新興国家が生まれるというサイクルです。
 ですが、今は記録の蓄積や情報の伝達が、過去と比べるべくもなく、正確で広範囲に及ぶので、共産党政権も同じ失敗を繰り返すまい、と注意して、人民の中の反乱分子に目を光らせていますから、同じことが起きるかどうか。
 高山 そういう制御が本当にできるのだろうか。
 ……
 ガチョウの群れ
 ……
 高山 先の本の福島さんの前書きに中国人は『強権的なリーダーにガチョウの群れのようについていく習性がある』とあった。しかも、『中国内部から変化を起こすことができない』とも書いている。そう言われてみると外からの侵略民族が入ってきて、はじめて中国という国は変化が起きているように見える。
 福島 厳密に言えば、過去の王朝の転換を見ると、外からの侵入と内部崩壊が一致しているのです。
 高山 いつも内部崩壊しているじゃないか。それに偉そうに言っても漢民族王朝でまともな時代がない。漢ですら、外圧には無抵抗でチベットにお后(きさき)様を出していたりして、自立性が一切ない。
 福島 『中国人はガチョウの群れだ』というのは、実は中国人自身による評価です。姜文という有名な映画監督の映画『さらば復讐の狼たちよ』の中に、政治風刺に富んだシーンがあります。『鵝城({がじょう}ガチョウの町)』という民国時代の架空都市が舞台で、そこの村人は独裁的地主に搾取され虐(しいた)げられている。
 そこにやってきた指名手配中の匪賊が、村人を救おうと革命を呼び掛けるけれど、臆病な村人はだれも呼応しない。
 ところが、匪賊が、本当に偶然に地主を撃ち殺してしまうと、村民は一斉に『革命だ!』とばかりに、地主の屋敷に押し寄せて略奪し放題。この映画を見ていた中国人の知人は『これがまさしく、中国人民だ』と言いました。
 普通はガチョウのようぬ臆病でいつも強いリーダーの周りに群れている、そのリーダーがどんなに悪辣でも、力を合わせて倒すようなこともしないが、別の強いリーダーが登場して、そいつをやっつけると、その混乱に乗じてちゃっかりと略奪しちゃう。虐げられて可哀そうにみえるけれど、いったん混乱、無秩序、無政府状態が起きると欲望全開。
 高山 節操がないんだな。
 福島 映画のラストは、略奪されつくし、村人は奪ったお宝を馬車に乗せて上海(資本主義の象徴)に向かう。廃墟となった鵝城に革命家(匪賊)が呆然と取り残される。これが辛亥革命100周年記念に作られた映画なのだから面白い。中国人の本質、中国における革命(農民起義)の本質に対する風刺です。革命って、なんていい加減なものなんだ、って。
 高山 実に的確な描写だ。
 福島 中国の近現代史を猛烈に皮肉っています。このように中国人はガチョウの群れと同じで、臆病で、常に強いリーダーを求める一方、その強いリーダーがいきなりいなくなり、混沌が訪れると、みんな自分で奪い生き残ろうとする。つまり、下克上が起こるわけです。
 下克上は中国人にとっては、日常茶飯事でチャンスなことなんですよ。
 高山 文革もその一つなのかな。
 福島 文革のときも、地方で起きた略奪や殺人の動機は、自分より豊かな隣人の財産や美しい人妻を奪いたい、といったものでした。文革の生々しい記録は共産党中央が調査編纂したものも含めて結構残っています。
 ガチョウのように弱々しく見えるけど、混沌になるとものすごく強くなる。ところが、その後、秩序が生まれると、その中で強い者に寄り添うようになる。その繰り返しです。
 高山 成田空港で、中国人観光客が国歌を斉唱した事件があった。日本人が弱いと思ったから、そうしたのだろうか。
 福島 とりあえず、今一番強いリーダーは共産党ですから、共産党に対する忠誠心をアピールするためでしょう。共産党を礼賛しておけば、自分たちは安全だという感覚だけがある。何か奪ったとしても、日本人からであれば、中国人ネットワークの中では非難されないのです。
 高山 どうしようもない。
 ……
 高山 先の福島さんの前書きには『習近平政権のやり方は、毛沢東時代の大躍進にも似た暴走めいたものさえ感じる』とも書いている。先の華春瑩報道官と藤本記者とのやり取りでの強権ぶりもそう。
 『我々のDNAに侵略はない』とヌケヌケと言ってのけている。
 福島 いやあ、中国は侵略と被侵略の繰り返しの歴史ですからね。
 高山 『恐怖政治が、中国人が本来持っていたバイタリティ、活力をそいでいる』と書いてあるんだけど、中国で民のバイタリティを持った時代なんて1度としてなかった。易姓革命のたびに、『新しい中国になるんだ』と叫ぶ。
 天安門事件のときもそうだけれど、あれが成功したところで『新しい中国』になるなんて日本人は誰も信じないと思うよ。
 福島 中国人のバイタリティというのは、ガチョウのように臆病に見えて、チャンスがあれば欲望全開、という部分なんですけど。確かに、成功はしませんね。
 高山 アヘン戦争のとき、清朝は『アヘンをもう売るな』と厳命していたのに、漢民族の連中は沖の島まで行って、瀬取りの密貿易をしていた。
 清朝を悪者にして、日本人も漢民族の正体が見抜けないまま、辛亥革命を支持してしまう。辛亥革命とは何だったのか。武昌では清王朝の部下で、漢民族の黎元洪(れいげんこう)将軍が、清王朝に敵対する革命派を捕らえて首つり、銃殺など処刑をしていた。そんな折、武昌の武器庫で兵士が搬送中の火薬を落として大爆発を起こした。これを革命派も黎元洪派も『すわ革命の狼煙(のろし)か』と思った。で、革命派が立ち、黎元洪はさっさと逃げ出した。
 それで何となしに武昌は革命派に制圧された。〝辛亥〟革命でなく〝心外〟革命だった。
 しかし、革命派にしても指導者らしい指導者がその場にいない。実際に革命派を引っ張っていたのは日本人の軍事顧問や孫文かぶれの志士たちで、萱野長友らは率先して革命軍を引き連れて戦闘していたんだ。
 福島 コロラド州デンバーにいた孫文は、宮崎滔天から革命があったことを伝えられ、中国に来るように要請されている。
 高山 笑えるのは革命派にとって、敵の首魁(しゅかい)にあたる黎元洪の扱いだ。彼は捕まって殺されるところを漢民族だし、日清戦争で戦った英雄だし見栄えもいいから、なんと革命のリーダーにかつがれてしまう。心外〟革命と言われるゆえんだね。
 ただ黎元洪は祭り上げられたものの、清朝との戦いには逃げ腰で、日本人に任せきりだった。清朝側にはドイツ軍がつき、だから日独戦争の様相もあった。結局、何にも分からないまま各省が有利そうな革命派について、ずるずると清朝打倒の革命が成立していった。
 福島 不思議な革命ですよな。
 高山 フランス革命なんかとは似ても似つかない展開だよ。昨日の敵を今日のトップに据えているんだから。
 孫文孫文で、デンバーで知らせを受けると、帰国せずニューヨークやロンドンに行って『私が新しい中国のリーダーです。投資するなら今です』と金集めに奔走した。帰国したのは二ヶ月後だからね。たとえるなら中国人の籠池みたいな詐欺師だよ。
 今の政権の母体が、そういう得体の知れない漢民族たちだということだ。共産党政権であっても、その実体は変わらない。日本人はもう一度、辛亥革命を吟味して漢民族のいい加減さをよく見ないといけない。
 福島 そういう中国人に日本は関わってきたけれども、必ず痛い目にあってきた歴史があります。
 騙されてきた日本人
 高山 日本人は中国に対して、さまざまな思いがあって、あるとき、突然、間欠泉のごとく噴出することがある。
 菅原道真は『もう中国に学ぶものはない』と遣唐使をやめている。日本人自体、中国のいいところは入れても、悪いところは捨てた。漢字なんか特にそう。仮名を発明して日本語を傷めないで済むようになるまで500年間も放っておいた。
 福島 科挙制度や宦官制度も受け入れませんでした。
 高山 城砦(じょうさい)都市も日本ではつくらなかった。律令制度は取り入れたけれど、凌遅刑(りょうちけい)など残酷刑は取り入れなかった。朝鮮とベトナムは中国の一番悪いところ、漢字と科挙制度、つまり儒教と残酷刑を取り入れた。それで朝鮮はおかしな国になった。ベトナムは仏領になって漢字も儒学もやめさせられて、まともな国になったのと好対照だ。
 日本の場合は、程度を弁(わきま)えていた。江戸時代、朱子学が流行ったけれど、それですべてを律したわけではない。明治維新になって西洋文明が入ってきて混沌としたけれど、日清戦争によって本当の中国を知ることができた。
 それでも中国に妄想を抱く人は多かった。宮崎滔天揚子江から上海を見たとき、『泣いた』と『三十三年の夢』に書いている。
 福島 同じことを尾崎秀実もしていますね。
 高山 そう尾崎も上海を見たときに、『滂沱(ぼうだ)の涙を流した』と書いている。そういう騙されやすいのがゾルゲと組んだりする。内田良平孫文に騙されたけれど、すぐ『支那人は嘘つき』と悟った。信じて騙されて目覚めての繰り返しだった。
 戦後はといえば、広岡知男がその騙された口かな。
 福島 元朝日新聞の社長ですね。
 高山 広岡はアメリカの意に沿って戦後日本の覚醒再起を邪魔し続けた。米国製の自虐史観を売り返し紙面化し、その目的で中国を巧みに使った。本多勝一に『中国の旅』を書かせたのも彼だ。江沢民はそれを奇貨(きか)として、日本を強請(ゆす)った。日本をダメにするという意味で広岡は成功したが、それ以上に支那はうまく立ち回った。
 福島 うまく丸め込まれてしまった。
 高山 日本の教育者、佐藤善治郎は『日本は列強の餌食にされる中国を復興させるために、中国の教師500人を出し、留学生2,000人を引き受けたが、あの民族は自己保存と不潔、嘘しか持っていない』と内田良平と同じ感想を語っている。
 そういう枠にいる中国人が、海軍まで持って外に出ようとしている。今までの中国の歴史の中でそういうことはなかった。すべてが未知数だから、どういう結果になるのか。
 万里の長城の内側だけで生きてきた漢民族が、はじめてそれを破ろうとしている。
 福島 中国はもともと大陸国家だった。なざ、今海に出ようとしているかと言えば、海洋国家でなければ世界を支配できないことがわかったからです。
 その傾向は訒小平時代からはっきりしていますが、習近平政権の外交方針はそれがより明確になったものだと思います。『一帯一路』なんて、中国の拡張主義・覇権主義の象徴だと思います。そのベースにあるのは、華夷(かい)意識。徳のある中国が、徳のない周辺小国をまとめて中国中心の経済圏をつくろう、という、言わば金融・経済版冊封体制ですよ。
 高山 中国こそ徳がないと思うけど。
 福島 岡田英弘先生が『世界史の誕生』の中でふれていたと思うんですが、支配階層で文化も高い『夷狄(いてき)』を野蛮人とさげすむ中華思想は、被支配層の中国人の病的劣等意識の表れだ、と。
 偉大な中華文明を誰がつくったのかといえば、モンゴル族女真族満州族なんです。元や清では漢族は被支配民族です。明は漢族国家ですが、元のシステムをそのままスライドさせているだけ。そこから新しい発展はなく、それを維持するだけで精一杯だった。今度は満州族に支配され、清朝になって完璧に国家システムがつくられた。だから、漢民族は強いコンプレックスを抱いているわけです。
 高山 バビロニアの虜囚(りょしゅう)となったユダヤ人が、旧約聖書をつくって『俺たちこそ、神に選ばれた民たちだ』と言っているのとまったく同じ論理に聞こえる。
 シーパワーへの転換
 ふく
 福島 そういう漢民族が過去の軛(くびき)から逃れようと思って一所懸命考えた結果が、海に出て周辺小国を支配して、自分たちの徳の高さを証明する、だった。海洋国家になってこそ、はじめて支配民族になれるという幻想をずっと持っているんです。
 高山 ロシアも一緒だね。ピョートル大帝は船の作り方を学ぶために、ヨーロッパ留学をし、オランダで船大工にまでなっている。
 福島 『ランドパワーからシーパワーに転じるためにはどうしたらいいのか』──それが中華人民共和国の国家戦略の中心になっています。
 中国が民主国家になったら素晴らしい国にまるとは思っていませんが、習近平の路線はどこかで潰れてほしいと私は願っています。中国が支配したい周辺国には、あきらかに日本も含まれているようですから。潰さないと日本にとって悪い展開になってしまう。
 高山 やはり内から、外からの刺激で崩壊するしかない。
 福島 習近平政権はシーパワーを具体的に得ることを志向していますが、その具体的な政策が一帯一路です。大陸鉄道を通すなど、大陸パワーを重視しているように見えますが、実態を見れば、海のほうに力を入れています。スリランカのハンバントタ港を手中に収め、パキスタンのダワーダル港も工事を開始、ジブチにも着々と基地をつくっています。モルジブも中国への領土割譲に追い込まれる情勢です。
 高山 河野外相が『中国は太平洋と接していない』と発言したでしょう。
 福島 実際にそうですからね。年明けに発表した北極海政策では『地縁上、〝近北極国家〟だ』とのたまい、北極海利権に積極的に関与していく方針を打ち出している。近北極国ってなんですか。
 高山 『北半球にいる』と言いたいんじゃないか。孫文内田良平を説得したとき『シベリアまで取り返すんだ』と言っているくらいだから、そこまで中国の版図なんだろう。
 そういう意味では、安倍さんの『自由で開かれたインド太平洋戦略』は外側から中国の海洋進出を止めることになる。
 福島 その意思がはっきり見えていていいなと思います。しかも、中国はあの構想に対して、非常な憤りを示していますから。中国の怒ることは、だいたい日本の国益です」

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