⛿14¦─1─中国漁船と佐渡。対日強硬派中国海軍は日本海を支配する為に艦艇を派遣した。2014年No.65No.66No.67 * 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 中国の本質は反日で、本心から日本との友好などは望んではいない。
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 中国共産党と中国軍は、漁民の中から愛国心が強い者を選び出し、海の上の便衣隊として軍事教練を施して海外に送り出している。
 南シナ海や韓国領海に於ける中国人漁船の横暴は、国際法違反に近い。
 中国人漁民は、国際法よりも国内法を優先する。
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 中国による、日本買い。
 中国の国営企業や中国人の民間企業は、日本の水と材木資源である山林や食糧資源である土地や都市の優良物件を買い漁っている。
 中国人が直接購入するか、外国投資家や日本人協力者が間接購入するか。
 個人の邸宅か。中国人専用の集合住宅か。中華街か。
 中国から、大量の中国人労働者を送り込む。
 更に、自衛隊在日アメリカ軍の基地、飛行場、港湾、原子力発電所など隣接する土地も、外国資本によって買われていると言われている。
 そして、中国人等の不法入国者も増大していると言われている。
 中国マネーは、不況下にある日本企業に多額な融資を行い、優良な日本企業の幾つを中国企業の傘下に組み込んだ。
 安値の中国製品が、韓国製品ともに、日本市場に溢れた。
 中国人は、勤め先の日系企業など外国系企業の企業秘密を盗み出し、その機密情報を売って金に換えた。
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 中国共産党政府は、金儲けと面子の為に日本に微笑みを見せているが、真の意味での日本との友好などを求めてはいない。
 反日的日本人は、日本の国益より中国の利益の為に活動している。
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 中国共産党と中国軍は、反日教育を徹底して行った中国人を大量に日本に移住させようとしている。
 急増する、中国人移民。
 台湾人は、中国人とは違って親日的である。
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 日本政府は、少子高齢化による人口減少対策として、国籍不問で1,000万人の移民を受け入れる事を表明している。
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 2012年 中国共産党習近平総書記は、「中華民族の偉大な復興」の手始めとして「中国は、海洋強国を目指す」と宣言した。
 中華民族の偉大な復興とは、儒教中華思想に基づいた中国を中心に軍事力と経済力で国際社会の主導権を握り、漢民族が地上の支配者となって富み栄えるという野望の事である。
 つまり、他人を無視した中国の偽らざる本心である。
 中国共産党政府は、13億人以上の国民の生活を維持する為に、陸上はおろか海上にある全ての資源を根刮ぎ手に入れ必要があった。
 海軍と海上警察の強化の為に、造船、海運、水産など海に関わる全ての産業に対する指導を強化した。
 中華人民共和国(中国)は、中国共産党による一党独裁国家で、自由と民主主義のない全体主義体制で、国土は支配され、全産業は統制され、人民には権利はない。
 共産主義とは、資本家に代わって人民を搾取する体制である。
 人民の生殺与奪の権は、憲法・法律ではなく、中国共産党が握っている。
 中国共産党は、国家権力を私して、国土や人民を搾取している。
 中国共産党政府は、漁船の大型化と能力向上の為に、富裕層に対して中国共産党への忠誠の証しとして100トンクラス(一隻約1億円)の外洋漁船建造を奨励した。
 100トンクラスの水揚げ量は、魚の需要が高くなって、年間6,000万円と言われている。
 富裕層は、外洋漁船のオーナーとなれば水揚げ高の一部が得られるとあって、100トン以上の外洋漁船建造に出資した。
 そうした新造の大型漁船が1,000隻以上完成し、東シナ海南シナ海はおろか世界中の海に出漁し乱獲を繰り返していると言われいる。
 国連食糧農業機関(FAO)は、中国の水産物の漁獲量・生産量は7,037万トンで世界一であると発表した。
 全世界の漁獲量・生産量は約1億8,294万トンで、中国はその4割近くを占めていた。
 中国共産党政府は、13億人の国民を養う為には必要な量であると説明している。
 中国漁船団の漁は、無計画な乱獲の為に多くの漁場での漁獲量が激減し、海洋環境の破壊が始めている。
 日本人は、他人を思って、立つ鳥跡を濁さずである。
 中国人は、他人を無視して、立ち去る際に全てを奪い全てを破戒し不毛のみを残す。
 7月 長崎県五島列島福江島にある玉之浦の入り江に、100トンから500トンの中国魚船団106隻が入港し、軍艦の隊列の様に停泊した。
 玉之浦人口は1,800人で、その半数以上が高齢者であった。
 中国人漁民は、約3,000人であった。
 明治19年の清国海軍水兵による長崎市内暴動事件の再演はなく、1週間ほど日本側の様子を伺って立ち去った。
 8月 中国魚船団約90隻は、タグボートなど漁に直接関係ない特殊船を同行させて玉之浦に侵入して碇泊した。
 日本当局は、尖閣諸島などの島嶼制圧訓練と日本への海洋圧力強化と分析していた。
 玉之浦は、日中漁業協定で合意した両国の漁業境界ラインから100キロ以上離れている為、台風からの緊急避難という理由に無理があった。
 だが。相手が如何なる意図を持っていても、国際的海洋航行ルールに従って避難目的の入域を申請すれば拒絶できなかった。
 東シナ海及び黄海における国別漁獲量は、中国が約800万トン、韓国が約100万トン、日本が20万トンである。
 東シナ海に設定された暫定措置水域での漁船数は、日本側は年間800隻で、中国側は1万8,089隻。
 漁獲量上限は、日本側は10万9,250トンで、中国側は169万4,645トンである。
 東シナ海の漁場は、中国魚船団に占領され、日本漁船は締め出されている。
 中国側は日本との約束を守る意志はなく、先の事は考えず今獲れる魚を根刮ぎ獲っていた。
 2013年 中国共産党政府は、アジア海域の水産資源や海底資源を獲得する為に、公安部海上武装警察機関「中国海警局」を設立し海上で行う非軍事行為を一括管理させた。
 中国海警局は、中国人漁民1,000万人以上と漁船約2万隻を指揮下に入れ、島嶼占拠と支配海域拡大の為に漁民をその先兵に仕立てるべく軍事訓練を施した。
 中国漁民の多くが海上民兵で、海上民兵は軍人ではない。
 2014年1月 中国共産党政府は、支配海域で自国に都合の良い漁業取締策を推し進めた。
 海南省は、南シナ海を完全支配する為に「『中華人民共和国漁業法』実施方針」を改正し、外国漁船や調査船の事前承認を受ける事を義務付け、許可ない者には罰則を適用するとした。
 中国共産党政府は、暴力行使も辞さない強硬手段で、南シナ海東シナ海での支配領海の拡大に力を入れ始めた。
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 2014年7月23日 読売新聞「海洋強国 支える漁民
 中国の習近平政権は、漁民を民兵に組織して『海上民兵』を、南シナ海での領有権の示威行動や岩礁の埋め立てなどに動員している。習政権がパラセル(西沙)諸島周辺で行っていた石油掘削作業を今月中旬に終えたことでベトナムとの緊張は一時的に沈静化した。だが、海上民兵は『海洋強国』戦略を支える『先兵』として、次の出番に備えている。
 中国『海上民兵
 ……
 港には、海上民兵が専ら使う全長約30メートルの鋼鉄船4隻が停泊していた。南シナ海で漁業を行って領有権を誇示し、巡視や情報収集の任務も担っている。全長約20メートルの木造船も多数あり、巡視に使われることがある。海上民兵は定期的な訓練を受け、軍の指示で出帆することもあるが、自由に漁に出ることもできる。
 ……
 習近平国家主席は昨年4月、漂門を訪れ、海上民兵を激励。遠洋の情報を集め、島嶼建設支援作業を積極的に行うよう具体的に指示した。漂門では習氏が海上民兵に語った言葉を収めた巨大な看板が目についた。『君たちは海洋権益を守るために先陣の役割を果たしている』
 海南省海上民兵は2012年の段階で約2,300人。中国誌『国防』によると、同省は今年、2,800万元の海上民兵関連費用を予算化し、規模を拡大する見通しだ。沖縄県尖閣諸島のある東シナ海に面した浙江省でも組織強化を打ち出している。東シナ海南シナ海の両方で、中国が海上民兵をこれまで以上に投入してくる可能性が高い。
 軍事力背景に権益獲得」
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 中国共産党と中国軍は、海洋侵略の為に海軍力と空軍力の増強を急いでいる。
 中国軍の軍事力は、後10年で日本の自衛隊を抜くと言われている。
 中国の伝統的正攻法は、相手よりも強くなり優位に立った時に攻勢に出る。
 中国は、上っ面で日本との友好を見せながら、心の奥底は煮えたぎった反日である。
 それが、中国共産党の真の顔である。
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 2014年4月6日 msn産経ニュース「【島が危ない 第2部 佐渡に迫る影(1)】
ガメラレーダー 日本海の要、接近 中国重鎮の思惑[領土・領有権]
 妙見山の山腹から間近に見える航空自衛隊の「ガメラレーダー」。手前は白雲台=新潟県佐渡市(大山文兄撮影)
 新潟県佐渡島に中国の影がちらつく異変が起きている。航空自衛隊が誇る高性能警戒管制レーダー、通称「ガメラレーダー」があるこの島を中国要人が訪れ、中国と関係が深い男性が経営する学校法人が地元観光施設を1円で手に入れた。連載第1部で明らかにした長崎県対馬の韓国経済への依存と同様、国境離島の深刻な“不安材料”がここにもあった。第2部は佐渡島の現状を報告する。(宮本雅史
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 沖縄・尖閣諸島沖で中国漁船による衝突事件が起きた直後の平成22年10月30日朝。背広姿の男たちが佐渡妙見山(標高1042メートル)中腹の峠の茶屋「白雲台」で休息を取っていた。山頂にそびえ立つ航空自衛隊佐渡分屯基地ガメラレーダーとの距離はわずか3キロ。佐渡の市街地や両津湾も一望できる。
 一行の中心は中国の唐家●元国務委員。そのほか、中国在新潟総領事館の王華総領事(当時)、新潟で絵画教室を運営する学校法人新潟国際芸術学院(新潟市中央区)の東富有理事長兼学院長、そして佐渡市の甲斐元也副市長(現市長)の姿もあった。
 前日に佐渡に入り1泊した唐氏はこの日、佐渡金山を見学した後、観光道路として有名な「大佐渡スカイライン」で紅葉を楽しみながら白雲台に立ち寄った。スカイラインはここで、妙見山頂と麓を結ぶ自衛隊管理の「防衛道路」につながる。防衛道路沿いの標高450メートル地点にはレーダーをつかさどる重要施設「キャンプサイト」もあるが、4月下旬から11月中旬までは観光道路として一般にも開放されている。
 休息を終えた唐氏一行は防衛道路を使って山を下り、次の目的地のトキの森公園に向かった。
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 今年2月中旬、雪の佐渡分屯基地を訪ねた。
 分屯基地は、第46警戒隊と中部航空施設隊で構成。第46警戒隊はキャンプサイトからガメラレーダーを通して24時間、日本海上空を監視している。最大の敵は冬の暴風雪だ。「基地全体がすっぽり雪に埋もれてしまう。吹雪で視界が10メートル、ひどいときは1メートルを切るときもある」。源田進1等空尉はこう話す。
 キャンプサイトから雪上車で山頂に向かう途中、白雲台にも立ち寄った。ここからはガメラレーダーがはっきりと大きく見えた。
 そのレーダーの重要性は、拡大路線を続ける中国との関係悪化でさらに高まっている。
 中国吉林省延辺朝鮮族自治州の日刊紙、延辺日報などによると、中国は日本海に面する北朝鮮羅津港を租借して50年間の使用権を獲得、平成24年には羅津港から100キロ離れた清津港を30年間使用する権利も確保したという。
 当時と違い、北朝鮮張成沢チャン・ソンテク)元国防副委員長の処刑以降、中国との関係が悪化しているとみられている。ただ、羅津港清津港はいずれも針路を東に取れば津軽海峡に、南下すれば佐渡島に行き着く。防衛省幹部によると、中国の空母・遼寧の動向が大きな懸念材料だという。「60機、70機の戦闘機を搭載できるので、1つの航空団並みの大きさになる。それがそのまま、日本海を動いているのと同じようになり、脅威になる。中国は今、太平洋進出を狙っているので気が抜けない」
 この幹部はさらに危険なシナリオも口にした。「中国が佐渡島や新潟に拠点を作ると、日本海が中国の内海化する危険性がある」
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 唐氏の佐渡訪問の目的は何だったのか。唐氏は白雲台に立って何を感じたのか。
 唐氏の同行メンバーで現在の佐渡市長、甲斐氏は「唐氏は金山とトキの森公園の見学が目的だった。佐渡を一望したいというので、白雲台に立ち寄って休憩しただけ。ガメラレーダーは話題にもならなかった。佐渡が乗っ取られるんじゃないかといわれるが、その形跡は全くない」と説明する。
 一方で、中国共産党に詳しい関係者はこう指摘する。「唐氏クラスになると党中央書記局の指示がないと自由に動けない」
 唐氏が佐渡を訪れたころ、新潟市佐渡市では中国が絡んだ2つの“プロジェクト”が動いていた。
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 道の駅、研修施設に 「1円売却」 深まる中国依存
 佐渡島の表玄関・両津港から約3キロ。県道65号を車で10分ほど走ると、道の駅「芸能とトキの里」(佐渡市吾潟)に着く。ところが、目立つ場所に「学校法人 新潟国際芸術学院佐渡研究院」の看板が掲げられ、レストランも土産店もない。
 この施設はもともと、JA佐渡佐渡汽船グループが設立した「佐渡能楽の里」が運営していたが、観光客の減少で経営不振となり解散。絵画教室などを運営する学校法人新潟国際芸術学院(東富有理事長、新潟市中央区)が、建物部分(延べ床面積約3600平方メートル)を1円で購入した。同学院は土地もJA佐渡から無償で借り受け、23年6月から研修施設として利用している。
 「持っていても税金がかかるだけ。二束三文でも手放したかった」。地元のベテラン市議は、“1円売却”の経緯をこう話した。
 東理事長自身の説明によると、同理事長は中国・瀋陽魯迅美術大を卒業。平成3年に新潟大大学院に留学し、5年後に日本国籍を取得。21年1月に「中国などからの短期留学生に新潟の自然風景を描かせたい」と新潟国際芸術学院を設立した。道の駅については、市などから、芸術分野での活用を働きかけられ、“購入”を決めたという。
 道の駅での好条件は、建物と土地だけではない。道の駅本来の公的性格のある観光施設機能を兼ねており、市は一部の運営費の補助を以前通り続けている。これまでの3年間で、その額は、屋外トイレ付帯設備費511万円、駐車場維持費98万円、合併処理浄化槽費650万円、インフォメーション費241万円にのぼる。
 オープンから3年。「改装工事が進んでいる気配はなく、実態が分からない」(元県議)といぶかる声も出ているが、東理事長は「水彩画教室をメーンにダンス教室や料理教室、陶芸教室なども開いている。佐渡は観光客が減り元気がない。留学生が年間3千人来れば佐渡はよくなる」と地元への貢献を強調する。
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 新潟国際芸術学院が佐渡に進出したころ、新潟市内では、中国在新潟総領事館の移設問題が起きていた。
 新潟に総領事館が開設されたのは22年6月。当初、商業ビルに入居したが、同年10月に新潟市の学校法人NSGグループとの間で、専門学校の旧校舎を5年間借りる契約を結んで移転、現在もそこを使用している。
 ただ、この間、中国側は「単独使用できる土地と建物」の取得にこだわり、地元の活性化につながる「大中華街構想」も打ち出して新潟市に要望してきた。市が一度、市立万代小跡地の約1万5千平方メートルを候補地として提示したが中国への不動産売却に対する市議会などの反発で23年3月に頓挫したこともある。
 そして同年12月、中国側は突然、県庁近くにある新潟市中央区新光町の民有地約1万5千平方メートルを購入した。登記簿に経営内容が不明瞭な企業名が登場するなど、売買過程に不透明さも残る。関係者によると、簿価は7億円前後だが、売買価格は15億円前後と推定されるという。
 日本政府がこの売買を認知したのは翌24年1月。中国側はこの広大な土地に総領事館のほか、総領事公邸や職員宿舎、市民との交流施設、駐車場などをつくると説明しているが、所有権の移転登記はまだ行われておらず、建設時期も不明なままだ。
 この売買をめぐっては、国会で質問が行われたこともある。24年3月22日の参院国土交通委員会で、地元選出で自民党中原八一議員が「安全保障の観点から、政府全体として土地規制の在り方について検討すべきだ」と外国資本の不動産買収に規制を求めた。その一方で、中原氏は新潟の問題に限っては「中国側からしっかり総領事館建設の中身を聞いて、それが妥当であるというのであれば外務省がしっかりと仲介に立ってぜひ進めていただきたい。新潟県としては建設に反対するものではない」と早期の総領事館移設を訴えた。
 新潟は日中国交正常化を実現させた田中角栄元首相の地元。佐渡にトキの提供も受けている。官民を問わず中国との交流は深い。「新総領事館が完成すると、治外法権で対応できない場所が拡大される」(元県議)と批判的な声も根強いが、大きなうねりにはなっていない。
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 総領事館の開設と不動産取得。佐渡での新潟国際芸術学院進出と唐家●氏の訪問。この時期、中国では有事の際に国と軍が民間のヒトやモノを統制する国防動員法が施行され、北朝鮮羅津港清津港の長期租借が決まった。
 東理事長は「私はもう日本人なのだから、中国とは関係ない。私は中国は好きじゃない。特に政府は好きじゃない」と中国政府とのかかわりを強く否定する。
 その一方で新たな動きもある。地元の大手ホテル会社の社長が説明する。「総領事館と東先生、市で、道の駅の場所に国際美術大学を作る計画がある。中国から学生を集めることが前提で、すでに中国の大学2校が学生を送り込むことが決まっている。佐渡を世界に発信できる」
 これについて佐渡市長の甲斐氏も「新しい大学は、東さんの学院の(中国の)提携校とも提携して学生を連れてくる」と中国との連携に期待している。地域振興のために中国を活用しようとする佐渡。その思いに歩調を合わせる中国。佐渡の中国依存が深まっている。
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 【用語解説】佐渡島
 総面積は東京23区の約1.5倍に当たる約855平方キロ。択捉、国後、沖縄本島に次いで国内で4番目に広い島。平成16年3月、島内10市町村が合併して佐渡市が誕生。人口は今年3月1日現在で6万593人。
 ●=王へんに旋」
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 4月7日 「島が危ない 第2部 佐渡に迫る影(2)】
 疲弊する経済「中国でもどこでもいい、ホテル買って」
 閑散としている商店街。かつては観光客らでにぎわっていた =新潟県佐渡市(大山文兄撮影)
 新潟県佐渡島の老舗ホテル「両津やまきホテル」(佐渡市秋津)は、勇壮な「鬼太鼓」で宿泊客を出迎える。自らバチを握るホテルの山口勤次会長(70)は、台湾からの観光客40人を歓迎した後、こう話した。
 「これからどんどん、外国人観光客を誘致していく」
 このホテルは30年あまり前から、台湾ルートを開拓してきた。日本人客が減少する中、台湾からはリピーターも多く、年間平均で約3千人が宿泊に訪れる。
 山口会長によると、今後は、道の駅を1円で購入して中国人留学生などの研修施設を開設した学校法人新潟国際芸術学院の東富有理事長や中国在新潟総領事館とも協力、北京など大陸からも観光客を誘致する方針だ。すでに38ある中国国営の五つ星ホテルと友好姉妹提携したという。
 「中国大使館や中国共産党の方が、何班かに分けてくることになっていたが、尖閣諸島問題でこられなくなった。でも、今年2月には、ハルビンから30人の団体客がきてくれた」
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 佐渡世界遺産を目指している佐渡金山をはじめ、日光東照宮の塔を模した五重塔で有名な妙宣寺、順徳上皇の火葬塚である真野御陵など観光資源が豊富で、一時は年間120万人の観光客であふれていた。ところが長年にわたり減少が続き昨年は53万人にまで減った。島の主力産業だった観光業界は縮み続けている。
 元県議の清野正男さん(64)によると、景気がよかったころの上客は全国の農協だった。昭和39年の東京オリンピックと新潟国体以降、観光バスを連ね、100人規模の団体で訪れた。島には、大型ホテルができ、木造の小さな旅館も大きなホテルに変わっていったという。
 清野さんは、その後の問題を招いたのは努力不足だったとみている。
 「戦前、ラジオを通して流れた『佐渡おけさ』や『佐渡情話』で観光地としてのイメージができていたから、放っておいても客がどんどん来た。でも、大分の湯布院のように自分たちで観光地を作り上げてこなかったから、リピーターを確保できなかった。それに、ホテル業界は個室の時代になったが、佐渡は農協観光適応型で相部屋が多かった。時代の変化に適応できなかったことも大きい」
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 島の観光業の深刻さを表す数字は多い。平成24年度末現在で佐渡市の固定資産税滞納者をみると、滞納額の1位から9位までがホテル、旅館業者。1位は1億2255万円、2位は7307万円、3位は4102万円…と8位までが1000万円以上だ。水道料金滞納者も、滞納額の1位から5位までがホテル、旅館業者。1位は3397万円で2位は965万円。いずれも100万円以上を滞納している。
 ホテルや旅館の関係者からは悲鳴ともいえる声が聞かれる。
 「道の駅がタダ同然だったように、値段うんぬんというより、どこでもいいから、うちのホテルを買ってほしい。このままやっていても赤字が膨らむだけだ」
 「中国でもどこでもいいから買ってくれるところがあれば喜んで売りたい」
 「佐渡にはアベノミクスという言葉はない」
 観光業が復活できるかどうかは、島の将来にかかわってくる。佐渡市の甲斐元也市長は「当面の目標は観光客の数を70万人にすること。1泊の人が35万人なら、2泊してくれれば70万人になる」と話す。
 そして、期待をかけるのは中国からの観光客や留学生だという。「トキを通して中国と付き合いがある。これからも中国と交流を続けなければならない。学生も呼びたい。短期の中国人留学生はいろいろなホテルや旅館に泊まってもらえる」
 観光客激減にもがく佐渡。「トキや佐渡金山で話題を呼ぼうとしているが、なかなか難しい」と市議会の祝(ほうり)優雄議長は苦悩の表情をみせる。
 甲斐市長は中国による観光施設の買収にも言及した。「中国が山林をあさっているという形跡はないし、ホテルを買い占められていることもない。むしろ、反対に高く買って経営でもしてくれればありがたいくらいだ」
 そこには、経済疲弊から脱却するため、韓国に近づいていった長崎県対馬と同じ構図が見えてくる。(宮本雅史
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4月8日 msn産経ニュース「【島が危ない 第2部 佐渡に迫る影(3)】
 イカ釣り船激減で増える国籍不明船、安保も揺れ[領土・領有権]
 しけのため港に係留されたままの漁船 =新潟県佐渡市
 新潟県佐渡島の北東部。内海府海岸の近くは定置網漁が盛んだ。特に白瀬、和木、黒姫、鷲崎といった漁港の沖合はブリの通り道に当たり、地元では定置網の四大漁場とされている。
 清田満茂さん(64)が黒姫で定置網漁を始めた昭和43年ごろ、漁港には90人前後の漁師がいた。水揚げ高のピークは平成11、12年ごろで、黒姫と鷲崎だけで年間9億6千万円前後を記録したという。4漁港合わせて1日に6万本のブリを水揚げしたこともあった。
 「市場がある両津港にブリを降ろしても、多過ぎて置く場所がなくて、港から400メートル近くにわたって道路に並べたこともある」
 豊漁時の楽しみは両津界隈(かいわい)で交わす一杯。「10キロのブリを1本持ち出せば、3人で2軒ぐらい、はしごができる金になった。何万本もあるから1本ぐらいくすねても分からなかったし、だれも文句を言わなかった」。清田さんは当時を懐かしむ。
 清田さんが所属する内海府漁協は今でも恵まれているほうだという。漁師は漁協に勤めている形をとって月給制。清田さんの場合で月30万円。厚生年金や社会保険なども整備されている。23年には久しぶりの豊漁で1千万円のボーナスまで出た。
 「積み立てをしているので1年や2年、不漁のときもやっていける。1千万円は10年か20年に1度だが、たまには200万、300万のボーナスをもらえる」
 ただ、後継者不足は年々深刻になっている。清田さんと同じ黒姫漁港の漁師は現在約20人にまで減っている。
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 佐渡島全体でみると、元気のなさはよりはっきりする。漁船を動かす燃料費の高騰や高齢化に悩まされている。
 佐渡水産物地方卸売市場の石川信彦販売課長(58)によると、昭和期は島全体で年間30億円前後の水揚げ高を維持し、平成の初めごろには40億円まで伸びた。それが10年ほど前から下がり始め、昨年は20億円に届かなかった。
 「以前はイカ釣りが多かった。でも、油代がめっぽう高くなる一方で、他の地域との競合でイカの値段が下がっていった。単価は10年前からそのまま変わらない。採算が合わなくなって、目に見えて衰退していった」
 かつて100隻ぐらいあったイカ釣り船も今はわずか10隻に減ったという。漁師の廃業が増え、高齢化も追い打ちをかける。「本当なら、私の年代が漁業の中心になるはずだけど、同級生の漁師なんてほとんどいない。最高齢は80歳を過ぎている」と嘆く。
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 第1部の対馬編でも紹介したが、漁船はおのずと海の監視という役割も担っている。特に佐渡は、北朝鮮による拉致事件が起きた島でもある。近年、不審船のニュースは聞かれなくなったが、24年度と25年度の2年間で所有者不明の木造船の漂着が14件あった。
 清田さんは数年前、黒姫から近い弁天岩沖で不審な船に遭遇した。「朝の5時ごろ、日本の船じゃない船が航行していた。海に何かをほうり込んでいたから、覚醒剤か拳銃か、何かを捜しに来ているのではという噂が立った。弁天岩沖には、しょっちゅう妙な船が来ていた」
 元県議の清野正男さん(64)は、日本海中央部で日本の排他的経済水域内にある漁場、大和堆を例に挙げる。「大和堆イカもマグロも、何でも取れるが、燃料費の高騰で漁師が行かなくなった。何年も前の話だが、中国や韓国、北朝鮮に占領されているんじゃないかという話があり、チャーター機で空から視察したところ、国籍が分からない漁船が数隻いた。今は漁師が行かないからどうなっているのか分からない」
 漁業の衰退は、佐渡経済を根底から揺るがしている。同時に四方を海に囲まれた佐渡は、安全保障上重要な拠点でもある。民間監視が手薄になる危機が現実になっている。(宮本雅史



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