🎻64:─6─双葉郡消防士たちの活躍はカミカゼ特攻に似ている。~No.188No.189No.190 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 
 2020年3月13日号 週刊朝日「週刊図書館
 今週の名言奇言
 これでは、特攻隊と同じではないか
 吉田千亜『孤塁』
 斎藤美奈子
 3・11から9年。あの日何があったか、検証しきれていない部分はまだ多い。吉田千亜『孤塁』の副題は『双葉郡消防士たちの3・11』。福島第1原発のお膝元・福島県双葉郡にある出張所も含めた六つの消防署の署員ら約70人に取材した渾身のルポルタージュだ。
 自衛隊東京消防庁ハイパーレスキュー隊の活躍が華々しく報じられる一方、地元消防隊員の活動は知られてこなかった。だが書を読むと、情報がない、応援も来ない。2011年3月11日からの一週間、総勢125人の隊員たちが経験したことは陸の孤島に放置された小隊の戦争に近い。
 11日、地震津波発生。その直後に異変は起きた。住民の救出に追われた中、15時42分に『10条通報(基準値以上の放射線が検出)』が、16時45分に『15条通報(原子炉をコントロールできなくなる)』が発表された。
 12日、逃げ遅れた住人を誘導や傷病者の搬送中、一号機の爆発が発生する。〈どういうこことだよ!〉〈つい10日ほど前に、東電職員による研修で、『安全が確保されています』『原発が壊れることはありません』と教えられていたのだ〉。爆発4分後に三の消防署の閉鎖と移転が決まった。
 13日、東電から原子炉注入用の水を構内水槽に入れる仕事の要請が入るが、現地につくと東電のポンプ車が到着していた。
 14日、三号機が爆発。負傷した自衛隊員や東電関係者の救急搬送も彼らの仕事だった。
 15日、全住民の避難後、〈原子炉の冷却要請が東電から来ている〉と消防長は明かした。〈無事な保証は何もない〉〈これでは、特攻隊と同じではないか〉〈この状態で我々が葛藤していることを、国は知っているのだろうか〉。会議は紛糾し〈東電から現場の詳細な情報をもらうまでは保留〉と決まるが、数時間後、四号機で火災発生との通報が・・・。
 胸が締めつけられるような緊迫感。わいてくるのは静かな怒りだ。あの日、被曝の恐怖と戦いながら働いた人は『Fukushima50』だけじゃなかった」
   ・   ・   ・   
 日本民族の歴史とは、確かな技術を使いこなす現場・地方・地下であって、合理的理論的な机上の空論を言いあうだけの後方の本部・都市・廟堂ではなかった。
   ・   ・   ・   
 福島第一原子力発電所事故は、東京・永田町・霞ヶ関が対処・対応を誤ったから起きた人災であった。
 つまり、「備えあれば憂いなし」を忘れ、安全バイアスで「そんな最悪な事態は今は起きないだろう」という安全神話に逃げ込んだからである。
   ・   ・   ・   
 日本の歴史において、安全神話は完全に否定されている。
   ・   ・   ・   
 忠臣蔵に参加した赤穂浪士は、全藩士の中の47人に過ぎず、後の藩士は討ち入りに参加する事なく家族と共に逃げた。
 討ち入りに参加した藩士の多くは、家禄の少ない下級武士であった。
   ・   ・   ・   
 カミカゼ特攻を、理解できる日本人は2割、嫌いな日本人は3割、理解できない日本人は5割。
 現代アートの芸術家の中には、虫唾が走るほど嫌悪する日本人がいる。
   ・   ・   ・   
 隊員達の多くは、生き残って家族の元に帰りたかったが、周囲の空気を拒否できずカミカゼ特攻に募集した。
 日本人は、個性・自己主張が弱いだけに空気・空気圧力・同調圧力に流され易い。
   ・   ・   ・   
 空気・空気圧力・同調圧力に弱い一部のメディア・報道機関者は、東京という安全地帯に居て、福島第1原発の従業員達が事故現場を捨てて逃げ出したとニセ報道を行って現場を非難した。
 後日、「原発事故現場を放棄して逃げ出した」事が誤報であった事が分かっても、偽情報を流した当人は責任を認めず、謝罪せず、反省せず、無関係を装って誤魔化して逃げた。
 彼らの多くが高学歴出身知的エリートであり、誤報を流して混乱を煽った事を知らない人間は彼らを誠実で真面目で面倒見が良くやさしく優れた好人物と証言する。
 つまり、好かれる人々である。
 現代日本は、そうした日本である。
   ・   ・   ・   
 高学歴出身知的エリートで、左翼・左派、リベラル派・革新派そして一部の保守派やメディア関係者、学者・教育関係者、護憲派人権派、人命大事派、道徳派、良識派、良心派、常識派、その他の日本人は家族大事で現場を放棄して逃げ出す、のかもしれない。
 つまり、彼らはカミカゼ特攻反対派・靖国神社反対派である。
 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」は、特攻隊員を愚弄した。  
  ・   ・   ・