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2018年11月8日09:00 産経ニュース「【社説検証】中国共産党大会 「中国こそ最大の脅威」と産経、毎日は「強権」に期待寄せる
2期目をスタートさせた習近平総書記(左から3人目)と新指導部の面々=10月25日、北京の人民大会堂(共同)
5年に1度の中国共産党大会が開かれ、習近平総書記(国家主席)は、自身の名を冠した「思想」を党規約に盛り込み、最高指導部を側近で固めるなど、権力集中を一段と進めた。習氏は、南シナ海の人工島建設を「成果」とし、「社会主義現代化強国」建設を長期目標に掲げた。
「巨大権力集中には個人崇拝の懸念すらある」(東京)「これは新たな個人独裁ではないのか」(朝日)−。両紙が憂慮したのは、毛沢東時代への逆戻りである。毛沢東独裁下の「大躍進政策」や「文化大革命」が大規模な犠牲と混乱を招いた反省から、中国共産党は集団指導体制を政治原則としてきたが、そこから逸脱しつつあるというのだ。
東京は、習氏礼賛の歌を合唱する市民グループ、そろいの赤い帽子で進んで党大会の警備にあたった市民ボランティアといった北京の光景を紹介し、「毛沢東語録が打ち振られた文革時代を彷彿(ほうふつ)とさせるかのように、『一強』の習氏に対し、社会全体のおもねりが目立ち始めた」と指摘した。
朝日は同様に、北京では習氏をたたえる報道ばかりと嘆きつつも、毛沢東時代のような熱狂からはほど遠く、多くの市民は冷静だとし、「飢える心配がなくなり、外の世界を広く知り始めた人々が、いつまでこの体制を容認し続けるか、やがて問われるだろう」との見方を示した。
「強国」建設は党大会冒頭の習氏の政治報告で述べられ、「軍事力を支えに、覇権的な路線をより強化する方針というしかない」とした産経(10月19日付)のほか朝日(同)、読売(同)、毎日(20日付)が、批判を込めて取り上げた。産経、読売、毎日は、南シナ海の人工島建設の正当化への異議も申し立てた。
産経は党大会閉幕後の主張(社説)で、「異様なまでの権力集中と既存の国際秩序の破壊に等しい対外強硬姿勢を、改めて強く警戒し、備えなければならない」と総括した。日本の安全保障上、北朝鮮の核・ミサイル開発は差し迫った危機だが、「中国こそ『最大の脅威』であるとの認識が必要である」と説く。
独裁色を強めた2期目の習体制下で、中国の膨張主義は露骨さを増し、海洋権益の獲得にも拍車がかかる可能性が強い。「日米両国が同盟の抑止力を高め地域の平和と安全を守る重要性は増大する」という。安倍晋三首相は日中首脳の相互訪問を呼びかけているが、「首脳会談の形式的な実施に意味はない。必要なのは、日本の国益や名誉、普遍的価値を守り抜く決意を相手に示すことだ」と論じた。
目を引いたのは、習1強への期待感を表明した毎日の党大会閉幕後の社説である。指導部人事について、習氏の盟友、王岐山氏が68歳以上は引退との慣例に従い、指導部を離れたことや、理論家で行政経験のない王滬寧氏が常務委員に抜擢(ばってき)されたことを肯定的な一面として取り上げ、王滬寧氏抜擢と外交官出身の楊潔●(簾の广を厂に、兼を虎に)国務委員の政治局入りを、「外交重視の姿勢」と評価した。
その上で、「日中のシャトル外交は地域の安定に資するはずだ。11月にはトランプ米大統領が日中などアジアを歴訪する。米中関係は世界の安定に極めて重要だ。習氏が国内のナショナリズムを抑え、国際協調に動くことに期待したい」と表明した。権力基盤が強固となり、対外政策が国内の権力闘争に左右されることが少なくなるのは確かだろう。だが、「強国」建設を宣言した習氏である。地域安定の頼みとするのは、あまりに楽観的過ぎないか。(内畠嗣雅)
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■中国共産党大会をめぐる主な社説
【産経】
・異様な権力集中に備えよ/日米は国際秩序の破壊許すな
【朝日】
・個人独裁へ歩むのか
【毎日】
・強権を地域安定に生かせ
【読売】
・習氏が長期独裁の基盤固めた
【日経】
・中国の権力集中と習氏礼賛を懸念する
【東京】
・文革の教訓、胸に刻まねば
〈注〉いずれも10月26日付
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11月8日11:04 産経ニュース「尖閣周辺に中国船4隻 海保巡視船が確認
沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で8日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。第11管区海上保安本部(那覇)によると、4隻は7日夜に接続水域に入ったとみられる。
4隻のうち1隻は機関砲のようなものを搭載。領海に近づかないよう巡視船が警告した。」
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11月8日11:30 産経ニュース「【憲法施行70年】中国・北朝鮮抑止のためにも憲法9条改正 日々高まる、沖縄・尖閣が侵略される危機
共同記者会見に臨むトランプ米大統領(左)と安倍晋三首相=6日午後3時31分、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影)
日米関係は、新しい、より対等な2国間関係に進化しつつある。(夕刊フジ)
北朝鮮の脅威は現実だが、その背後にはもっと大きな中国の軍事的脅威が存在している。中国の核ミサイルは現在も、日本の主要都市に狙いを定めている。北朝鮮の脅威の比ではない。沖縄県・尖閣諸島が侵略される危機も日々高まっている。
第19回共産党大会を乗り切った習近平国家主席は「強い独裁者」として、われわれの前に立ちはだかっている。彼は今や、人民解放軍を完全に自らの人脈で掌握し、経済においても、政治においても、共産党中心の統制を強化している。
米国にとって代わる「世界一の覇権国」となることが習氏の野望である。それが彼が言う「中国の夢」なのだが、それは日本にも世界にも、悪夢でしかない。
中国の帝国主義的侵略政策は留まることを知らず、恐らく南シナ海を舞台とした米中の軍事紛争は避けがたいだろう。中国は公海である南シナ海を完全に自国の領海化しようとしているのだ。
これは日本の安全保障にとって重大な脅威である。中東からのタンカーが通れなくなるだけではない。南シナ海が、中国の戦略ミサイル原子力潜水艦の聖域になれば、米国の日本に対する「核の傘」(拡大抑止)は消滅する。これを許せば、米国は「世界の超大国」の地位を滑り落ち、単なる地域大国となり、中国の軍事的膨張を防ぐ国はなくなってしまう。
日米両国は今こそ、安全保障面で強力なタッグを組み、共通の敵を抑止しなければならない。
そのためには、憲法9条を改正し、いかなる危機にも対応できる正常な国家機能を日本は回復しなければならないのだ。
幸い、先の衆院選で、安倍晋三首相率いる自民党は大勝し、日米同盟を深化させる政治的基盤が整った。安倍首相と、ドナルド・トランプ米大統領がウマが合うことは、「真の危機」を迎える時代の日本にとって、何よりもありがたい戦略的なアセットである。
北朝鮮問題は要警戒だ。
米朝間で水面下接触が続いているようだが、これは北朝鮮に核兵器が残る危険性が高いということでもある。
米国とすれば、北朝鮮に米本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)開発を断念させる代わりに、限定数の核弾頭保有を認める可能性がある。交渉による解決が図られるとすれば、そうした確率が高いことを日本人は覚悟すべきだ。
そんな場合でも、日本が北朝鮮を射程に入れる長距離ミサイルを大量に保有していれば、北朝鮮への抑止力となる。通常弾頭のミサイルだとしても、大量に保有すれば北朝鮮への抑止力となる。日本が核弾頭ミサイルを持てば、北朝鮮のみならず中国の核兵器にも十分な核抑止力となる。
■藤井厳喜(ふじい・げんき) 国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。テレビやラジオで活躍する一方、銀行や証券会社の顧問、明治大学などで教鞭をとる。現在、拓殖大学客員教授。著書・共著に『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』(海竜社)、『希望の日米新同盟と絶望の中朝同盟』(徳間書店)など。
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