🏋04:─1─宮内庁長官「五輪開催懸念」発言。陛下は「首相の暴走」を感じ取ったか。~No.35No.36No.37 

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 2021年7月1日16:05 MicrosoftNews NEWSポストセブン「「陛下が五輪開催にご懸念」 絶妙なタイミングだった宮内庁長官の発言
 © NEWSポストセブン 提供 2020年の一般参賀天皇皇后両陛下(写真/アフロ)
 「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている、ご心配であると拝察をいたします」──。6月24日、宮内庁の西村泰彦長官は定例記者会見で、突然、しかし淡々と語った。ざわついたのは、宮内庁担当記者たちだ。気づけば1年以上、天皇陛下から五輪についてのおことばを聞く機会がなかった。記者が発言の意図を改めて尋ねると、西村長官は「私の拝察です」とキッパリ。
 狐につままれた形となった担当記者は、「仮に拝察だとしても、これが報道されるとかなり影響があると思うが、そのまま発信していいのか?」と、問うのが精いっぱい。西村長官は動じない。「はい。オンレコ(公表してよい)と認識しています」と答える。
 担当記者は「軽い気持ちではない?」と再々度確認。西村長官は「陛下はそういうふうにお考えではないかと、私は本当にそう思っています」と返答。あまりの堂々たる態度に、宮内庁担当の記者らは、それ以上これについて問うことをやめた──。
 その直後から、長官の言葉は一斉に報じられ、瞬く間に世間に波紋を広げた。菅義偉首相、加藤勝信官房長官丸川珠代五輪担当相が、ただちに「宮内庁長官ご自身の考えを述べられたもの」と口を揃えたが、国内のみならず、海外メディアもそうは受け取らなかった。
 「米紙『ワシントン・ポスト』は、“東京五輪天皇から重大な不信任票を投じられた”と報じました」(全国紙記者)
 海の向こうの報道を、事情をよく知らない海外メディアの見当違いとは言い切れない。
 「そもそも、憲法上、天皇に政治的発言は許されません。だからこそ、これまでも天皇の踏み込んだ考えを表明する際には、直接ではなく、宮内庁長官がその内心を推察して“代弁”する形がしばしば取られてきました。今回もそうであったと考えるのが自然です」(宮内庁関係者) 
 開会宣言で祝うリスク
 象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんもこう解説する。
 「西村長官は、陛下の了解を得て、陛下の考えを反映させて発言したことは間違いないでしょう。陛下は、ご自身の発言の影響力を充分に理解されていて、日頃から言葉を慎重に選ばれる。その陛下が、微妙な状況にある東京五輪について、踏み込んだ“拝察”の公表を了解されたことに驚きました」
 陛下は、開催が近づく東京五輪について沈黙を貫かれてきた。コロナ禍以前の2019年の誕生日会見では《大変楽しみにしております》と述べられながら、2020年2021年の誕生日会見では話題にされなかったのだ。なぜ、このタイミングで表明されたのだろうか。
 「いや、絶妙なタイミングだったと思いますよ」
 とは、先の宮内庁関係者。
 「菅総理は、6月中旬のG7サミットで各国首脳による開催支持を取り付け、開催を決定的なものにしました。もしも、それ以前の、開催か中止かの議論が揺れている際に今回の発言があれば、『天皇が中止に誘導した。これは政治的発言だ』との批判が今回よりも確実に高まっていたでしょう。しかし、次の長官会見を待っていたら、開催の直前すぎて、遅きに逸した印象を与えかねません。だから、“絶妙”だったんです」
 東京五輪パラリンピックの名誉総裁として開会宣言のおことばを述べる陛下は、ここしかないというタイミングで、感染拡大を不安がる「国民とともにある」ことを示されたのだ。
 開会宣言の文言は、オリンピック憲章の中で定められている。1964年の東京五輪に倣うと、《第32回近代オリンピアードを祝い、ここにオリンピック東京大会の開会を宣言します》となる。
 「開会宣言には開催を“祝う”ニュアンスが含まれている。国民の間から根強い開催反対の声があがる中で、陛下は開催を祝わなくてはならない立場なのです。一方で、ウイルスの感染拡大を誰よりも強く危惧されてきたのが陛下でもある。自らが祝って開催を宣言した大会によって、国民の間に感染が広がることを強く憂慮されているのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
 ※女性セブン2021年7月15日号」
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 2021年7月2日11:05 MicrosoftNews NEWSポストセブン「宮内庁長官「五輪開催懸念」発言 陛下は「首相の暴走」を感じ取ったか
 © NEWSポストセブン 提供 2020年の一般参賀天皇皇后両陛下(写真/アフロ)
 6月24日、西村泰彦宮内庁長官が定例記者会見でこう発現した。「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている、ご心配であると拝察をいたします」──天皇陛下が五輪開催に懸念を示されているとの“拝察”を述べたのだ。
 象徴としての役割と、国民を思う気持ち。それを両立させようとする陛下。長官に思いを“代弁”させたことについて、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんは、「内奏がトリガーになったと考えるべきでしょう」と言う。内奏とは、天皇陛下に対して、内閣総理大臣などの国務大臣が国内外の情勢などを報告するもので、1対1の密室で行われる。
 「菅義偉首相から内奏があったのは、長官会見の2日前です。五輪開催に際しての感染対策の説明や、開会式への出席の正式な依頼、有観客での開催方針の説明などをしたものとみられます」(皇室記者)
 30分に満たなかった内奏で、陛下はどのような情報を菅首相から得られたのだろうか。
 「陛下は、その内奏で何かしらのすれ違いを感じられたのではないでしょうか。陛下は常日頃から世界情勢に関心を持たれ、政府の分科会の尾身茂会長をはじめ、感染症学の権威からも新型コロナに関する情報を集められています。もしも観客を入れて五輪を開催するのであれば、ファクトに基づき、どのように感染者を急増させずに進行させるのか、その説明をお聞きになりたかったに違いありません。
 一方の菅首相は、仲間内でもある閣僚から無観客開催を打診されながらも、最初から有観客に強いこだわりを持ち、その方針を貫いてきた。しかし有観客で“どのように”感染拡大を防ぐのか、その具体的な対策は国民に対しても説明できていませんでしたからね。
 水際対策はすでに穴だらけで、日本入りした複数国の選手団の中から感染者が出ています。陛下は菅首相の“暴走”を感じ取り、国民を思い“感染対策と民意なき有観客開催”にNOを突き付けたのでしょう」(皇室記者)
 五輪とパラリンピックで陛下に求められるのは、開会宣言だけではない。各国からの要人を接遇するのは陛下と雅子さまが中心となる。
 「特に、雅子さまの卓越した語学力と豊富な国際経験は、各国の元首や首脳の間でもよく知られており、雅子さまとの交流を楽しみにしているVIPが多くいるのも事実です。
 2019年5月、令和初の国賓としてドナルド・トランプ米大統領夫妻が来日した際、雅子さまはメラニア夫人の出身国の文化に合わせてチークキスをされるなどの“おもてなし”をされました。アメリカでは“雅子皇后はスターだった”と大きく報じられたほどです」(前出・皇室記者)
 その高い外交技術によって、来賓からのみならず、“外交の切り札”として、首相官邸や外務省からも応接の要望を受ける可能性は高い。
 「陛下は内奏で、国民を守るための徹底した感染対策が期待できないだけでなく、陛下と雅子さまへの要求の意思を感じられたのでしょう。まずは何よりも感染防止のための対策をするべき、と西村長官が再三再四、“拝察”発言の場で語ったのは、菅総理の目論見を牽制する意味もあったのかもしれません」(前出・宮内庁関係者)
 ※女性セブン2021年7月15日号」
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