🎺48:─3─昭和天皇は海軍特命戦力査閲使報告書で戦争終結交渉開始を決断した。6月22日。~No.230No.231No.232 ㉛ 

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 2021年7月22日号 週刊新潮「夏裘冬扇  片山杜秀
 従来の概念に囚わるることなきを望む
 1945年、昭和天皇は不安だった。前年夏、サイパン島失陥(しっかん)の責任を取って東条英機内閣が総辞職すると、後を受けた小磯國昭内閣は、フィリピンのレイテ島での決戦を唱えた。大戦果を挙げてから、有利な条件での講和を目指すという。ところが主戦場はいつの間にかレイテからルソンになり、決戦という言葉は持久戦に化けた。
 決戦を理由に、銃後の国民には、いっそうの耐乏生活が要求されるようになった。小磯内閣は、食堂の営業を制限したり、主食の配給量を減らしたりした。決戦に勝利するまでの束の間の辛抱だ!すぐ元に戻れるぞ!しかし、短期的のはずの非常措置もまた、持久戦なものに変じた。
 持久戦と言っても、帝国陸海軍は連合国相手に100年ゲリラ戦争をやろうとしたのではない。あくまで次の決戦を準備するための時間稼ぎだ。沖縄での戦いもそう意味づけられた。すると次の決戦場は?むろん本土である。
 すぐに命運の尽きた小磯内閣を継いだ鈴木貫太郎内閣は、本土決戦内閣とも称された。本土決戦ファースト!それさえやれば戦局は大逆転!阿南惟幾陸相梅津美治郎陸軍参謀総長も強硬な本土決戦論者だった。押し寄せる米軍を水際で殲滅する。今度こそ上手く行く。陸軍は対米開戦以来、海軍に付き合わされ、太平洋の島々という、陸軍にとって想定外の戦場で散々な目に遭ってきたが、ついに本領発揮の時がきた。建軍以来、本土防衛を第一義として、本土での大演習を繰り返してきたのが陸軍なのである。
 天皇は阿南や梅津を信じたかったろう。だが、決戦の準備と陣地構築を日々刻々と推し進めているというが本当なのか。阿南や梅津も大丈夫と言う。けれど詳細を語らない。もしかして本人たちもよく分かっていないのかもしれない。
 こうなれば奥の手だ。天皇は隠密を出すことにした。選ばれたのは軍事参議官として天皇の側に使えていた長谷川清海軍大将。大将がどんな旅をしたかはよく分からない。庶民の姿に身をやつした水戸黄門漫遊記のようなものだったのか。井上ひさしが長谷川の謎の旅に空想を膨らませて、ペーソスに富んだ芝居に仕立てたこともあった。初演の舞台で大将を演じた大滝秀治は、市井の人に化けたつもりでもどこかずれた高位の軍人像を造出して素晴らしかった。
 閑話休題。大将が宮中で隠密レポートを上奏したのは6月12日と伝えられる。軍の士気は保たれているが、武器弾薬に乏しく、訓練も不十分。建築資材が不足しているから陣地作りもままならない。長谷川の結論は当然こうなる。敵を水際で殲滅する堅実万全な本土決戦とは陸軍お得意の机上の空想にすぎない。まるで見込みがない。
 この報告のせいだと思う。天皇は14日に体調を崩して寝込んだ。そして気を取り直して望んだ22日の戦争指導会議で、本土決戦の建前を崩さないリーダーたちに水を差した。天皇は言った。戦争終結の方法については従来の観念に囚われることなく速やかに研究せよ──。あの年の6月22日、歴史は8月15日に向かって動き始めた。
 昭和天皇の孫であり、本土決戦もとい東京五輪開催に携わる組織の最高位の名誉職にも就かれている人に、首相が恐らく五輪のことを含めて上奏し、どうやら何かがあったのは、やはり6月22日であった。
 この国は愚直なまでに日付さえもなぞって歴史を繰り返したいのだなあ。つくづく不思議に思う。今年の8月15日はどうか平和でありますように。」
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 長谷川 清(はせがわ きよし、1883年(明治16年)5月7日 - 1970年(昭和45年)9月2日)は、日本の海軍軍人。最終階級は正三位勲一等功一級海軍大将。18代目台湾総督。福井県足羽郡社村(現・福井市)出身。

 大陸駐留の第3艦隊司令長官に就任した際には、真っ先に中国陸海軍の首脳陣と会談している。中国将官の多くが長谷川の礼節ある態度に感服し、日中戦争で対戦した提督であるにもかかわらず、長谷川を責める者は少なかった。日中戦争勃発初期の第二次上海事変では海軍機がアメリカ砲艦「パナイ」を誤爆して撃沈し、陸軍がイギリス砲艦「レディバード」を砲撃する事件が発生した。これは東京裁判でも戦犯の訴追原因となった重大事件であるが、長谷川は事態を知るや早速米英両国の駐在機関に遺憾の意と謝罪を伝えている。支那方面艦隊司令長官として日中戦争の戦争責任を問う為に、連合国軍総司令部 (GHQ)は長谷川を逮捕したが、この時の対応に感服した連合国側は長谷川を無罪と判断して釈放した。しかし長谷川が戦争回避に徹した訳ではない。盧溝橋事件が勃発すると、即時に支那派遣軍首脳と会談し、勃発から僅か2日間で陸海軍の航空隊運用の役割分担を決定し、実行に移している。第二次上海事変における渡洋爆撃は世界初の試みであるが、長谷川の即断がなければ実施が遅れていたことは必至である。

 台湾では皇民化運動強化をはじめ初等普通教育義務化や台北帝国大学予科設置など、教育普及に熱心に取り組み効果を上げた。
 鈴木貫太郎内閣組閣の際に、井上成美海軍次官とともに長谷川も大臣有力候補の一人に擬せられたが、井上や高木惣吉などが米内光政の続投を工作し、長谷川自身も「どうして米内さんじゃいけないんだ」と米内続投を支持したために大臣就任はなかった。昭和20年2月、軍事参議官の長谷川は海軍特命戦力査閲使に任命され火薬廠・鎮守府・水中水上特攻関係を査察し、6月12日に海軍戦備は士気は高いが物資不足で不備であることを天皇に報告した。海軍省廃官最終日まで現役だった。
 戦後はA級戦犯容疑で約2ヶ月間、巣鴨刑務所に収監された。
 孫は映画監督・脚本家の実相寺昭雄。実相寺は著書「怪獣な日々」(ちくま文庫)の中で、「(祖父が死んだのは)わたしが作った最初の長篇劇映画『無常』を見た後だったから、祖父には刺激が強すぎたのかもしれない」と語っている。

 人物像
 温厚で懐が深く、度量が広い人物だったと伝えられている。決断が早く思い立ったら即実行がモットーであったが、一方では対話を重視し、敵であろうと徹底的に会話を持ち、頭を下げて相手の面子を立てる事も辞さなかったと言う。対英米協調条約派と対英米強硬艦隊派との対立が相次ぎ、外に対してはイギリス、中国、アメリカとの関係が漸次悪化した時期に活躍したにも拘らず、長谷川に対する誹謗中傷がほとんど聞かれない事からも、人望の篤さが伺える。他方、異性関係は極めて華やかな存在であり当時の男尊女卑の風潮では致し方がないと思われていた。
 井上成美は歴代ほとんどの海軍大将を無為無策の無能者呼ばわりの3等扱をして酷評した事で知られているが、長谷川に対して一定評価をして2等大将扱だった。
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 平和に慣れ親しみ戦争を多方面多角度から考えられない視野狭窄気味で思考停止状態の現代日本人には、当時の戦争状態、現実の戦時下は理解できない。
 その証拠が、崩御された現代でも、昭和天皇戦争犯罪者と認定し戦争責任や戦争犯罪を糾弾し続けている事である。
 その象徴的事件が、反天皇反日的日本人達による「あいちトリエンナーレ2019」の展示における昭和天皇肖像画写真焼却映像騒動である。
 政府・議会・政治家も、メディア報道機関も、昭和天皇肖像画写真焼却映像を問題視しないどころか、国際世論を気にして「表現の自由」で不問に付し、むしろ焼却映像公開派の為に弁護・擁護した。
 彼らとは、戦後民主主義教育世代とその薫陶を受けた有能・優秀な次世代、つまり高学歴の知的インテリや進歩的インテリ達である。
 彼らは、左翼・左派・ネットサハ、リベラル派・革新派、右翼・右派・ネットウヨク、保守派に関係なく、政治家や官僚よりも学者・教育者とメディア報道機関に多く存在する。
 「あいちトリエンナーレ2019」の現実が、現代の日本人の天皇・皇室に対する偽らざる感情である。
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 アメリカ・イギリス・ソ連の連合軍は、昭和天皇と軍国日本の政府・軍部首脳部が戦争終結を望んでいる事を知っていたが、それぞれの思惑で受け入れる気はなかった。
 ソ連が日本の早期降伏交渉の仲介依頼を適当にあしらっていたのは、日露戦争の復讐として日本国領土である北海道の東半分、北方領土4島、千島列島、南樺太を奪って領土に組み込み、国際共産主義戦略の一環として天皇制度を廃絶して日本を共産主義国家に大改造する為の暴力的人民革命を起こす準備を進めていたからである。
 日本が共産主義化したら、イデオロギーによる大虐殺の地獄になっていた。
 アメリカは、戦場での二つの原爆投下による爆破・爆風実験と人体放射能被害実験の為に、トルーマン大統領とスチムソン陸軍長官らは実験終了後まで日本の降伏を受け入れない事という反天皇反日本派の故フランクリン・ルーズベルト前大統領の意志に従って対日攻勢を強めていった。
 故に、昭和天皇と軍国日本は原爆投下実験とソ連参戦前に降伏・戦争終結は不可能であった。
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 日本人共産主義テロリストやキリスト教朝鮮人テロリストは、昭和天皇や皇族を惨殺する為に暗躍していた。
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 現代の日本人は、昔の日本人と違い民族的な歴史力・文化力・伝統力・宗教力がなく、反天皇・反宗教無神論マルクス主義史観と反天皇神道キリスト教史観で日本民族の歴史を定義している。
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