⛅59:─1─沖縄メディアは香港を踏みにじった中国共産党の脅威から目をそらしている。~No.197No.198 * 

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 日本国内の各分野に、日本の国益や国民の安全を脅かしても中国共産党に忖度し誠意を見せようとする親中国派・媚中派そして反天皇反日的日本人達が存在する。
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 一般中国人と中国共産党員・中国軍人は別人の中国人である。
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 産経新聞iRONNA
 香港を踏みにじった中国の脅威、なぜ沖縄メディアは目を背けるのか
 『仲村覚』 2020/07/17
 仲村覚(日本沖縄政策研究フォーラム理事長)
 6月30日、香港国家安全維持法(国安法)がついに施行された。翌日の返還記念日に香港市民の抗議デモが行われ、現地メディアによると逮捕者は約370人に上った。1997年7月に英国から返還された香港に対し、中国は外交・防衛を除く分野で高度の自治を50年間維持すると約束した。
 しかし、この瞬間、香港の「一国二制度」は形骸化してしまったのだ。もはや、香港に希望はない。香港がウイグルチベットのように弾圧される時代もそう遠くないかもしれない。自由を求めて香港を脱出する人も多くなってくるだろう。
 さて、このような香港のニュースは日本国内でも注目され、偏向報道が指摘される沖縄メディアでも報道されている。人権がじわじわと奪われていく香港の実態を目にすれば、沖縄の人々もさすがに中国の脅威に気がつき、反米運動や反米報道も収まっていくのではないかと期待する人も少なくないだろう。
 実際にはどうなのか、沖縄メディアの香港に関する報道を確認してみよう。7月6日の沖縄タイムスでは、「香港の民主主義が死んだ…国安法おびえる県出身者 『デモできる沖縄がうらやましい』」という記事の中で、香港在住の沖縄出身女性の声を伝えている。
 約30年住むその女性は「意思表示できる自由があることを、当然だと思わないで」と、政治や選挙に目を向けることの大切さを訴えていた。筆者もその通りだと相槌を打ちたくなった。
 だが、記事を読み進めていくと、後半になって香港の問題が想像を超える方向に変わっていった。引き合いに出されたのは、昨年、米軍普天間飛行場宜野湾市)の移転に伴う名護市辺野古埋め立てを問う県民投票の運動に参加した25歳の写真家の言葉である。
 
 {示された新基地建設反対の民意を無視し、日本政府が工事を強行する沖縄の現状に「民意を国家の力で押さえ付ける香港の状況と似ている。沖縄も安心できない」と危機感を抱く。香港の人々の話を聞き内実を知ることで沖縄の現状打開についても模索し、連帯していきたいと語った。}

 このような報道は今回だけの話ではない。香港区議会(地方議会)選挙で民主派が圧勝した直後の昨年11月28日、琉球朝日放送で「香港民主化デモ現地で見えた沖縄との共通点とは」という特集が放映された。

{「個人の権利対国家の権力の戦いというか構造になっている。それは沖縄とも結びつきがあるというか、同じ構造であると僕は考えていて」}

{「沖縄もそうだけど香港も決まったことだからということで諦めないで、若い人たちが将来の人のために、自分たちの未来のために一生懸命声を上げている。そのことを沖縄の人たちも知ってほしいと思いました」}

 つまり、中国による香港弾圧が米軍基地撤去運動のブレーキになるのではなく、アクセルとして利用するという巧妙すぎるすり替え報道が行われているのである。だから、香港の民主運動家と連帯して立ち向かうべき敵が、なぜか中国共産党ではなく、安倍内閣になってしまっている。
 世界最大の人権弾圧国家は間違いなく中国である。また、世界最悪の人権弾圧国家は北朝鮮といえるだろう。
 香港の民主主義が中国共産党全体主義的国家権力により崩壊してしまった今、その矛先は台湾、そして沖縄に向かう可能性が高まることは間違いない。しかし不思議なことに、日本国内の人権団体と呼ばれる組織が、中国や北朝鮮に対する批判や抗議運動を目にすることはない。その理由は何なのだろうか。
 日本の人権活動団体の中で、最も影響力があるといわれている「反差別国際運動」がある。ジュネーブに事務所を設置し、日本組織として、反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)を設置している。国連における日本の人権運動の代表格であり、顔といってもいい。
 この団体が中心となって、人種差別撤廃NGOネットワークという団体が設立されている。そのネットワークの参加者として名を連ねる人種差別に取り組む団体は80を超える。
 ただ、これだけの団体がありながら、北朝鮮による日本人拉致犯罪に関しても、中国のウイグルチベット弾圧についても取り上げている団体は見られない。取り上げているのは、日本人による在日や部落、そしてアイヌ琉球などの少数民族差別や、日本国内の性的マイノリティー差別のようにここ数十年取り上げられ始めた新しい差別概念に関するものばかりである。
 一方、国連で中国批判を行う日本の団体は新参者といってもいい小さい組織で、訴えが取り上げられるのは容易ではない。
 また、日中友好運動の歴史から反差別国際運動の人権運動について考察すると見えてくることがある。日中友好運動とは、1950年10月に東京で結成された「日本中国友好協会」による運動のことだ。その運動の本質が「サンフランシスコ体制」の打破にあったのである。
 中国にとって、51年に結ばれたサンフランシスコ講和条約日米安保条約は、日本と台湾を利用した米国による封じ込め政策だったのだ。日中友好協会は中国を含めた全面講和を主張し、翌年締結された日華平和条約の反対運動も行ったが、これも失敗してサンフランシスコ体制が完成する。それ以降、米国主導のサンフランシスコ体制による中国封じ込めを打ち破ることが、日中友好協会の本当の目的だったのである。
 それから20年後、日米安保の破棄には失敗したが、72年の日中共同声明によって目的を半歩達成した。日本に「一つの中国」の原則を尊重させ、日華平和条約を破棄させ、中華民国(台湾)と断交させたからだ。
 この間、沖縄返還協定をめぐる71年11月24日の衆院本会議では、非核三原則が返還協定の付帯決議として可決されている。そして、現在も日中友好協会と反差別国際運動は、引き続きサンフランシスコ体制を打ち破る方向で活動を続けている。
 その最前線の一つが反差別国際運動が取り組んでいる沖縄の人権運動である。尖閣諸島での漁民の権利を奪う中国の行為には目もくれず、米軍の事件や事故を針小棒大に騒ぎ立て、国際的な人種差別として国連への報告を欠かさない。
 この活動により、琉球人は1879年の琉球処分以来、日本に虐待的支配をされ続けている少数民族として認められようとしている。実際、国連の自由権規約委員会と人種差別撤廃委員会は日本政府に対し、「琉球・沖縄の人々を先住民族と認め、その権利を保護すべきだ」という勧告を5回も出している。
 このような状況が続けば、いつの日か、在沖米軍は琉球民族の自決権により、沖縄から撤退せざるを得なくなり、日米安保体制も正常に機能しなくなるだろう。現在の日本の人権運動は、日本人を利益誘導によって分断することで、サンフランシスコ体制を打ち破ろうとしているのである。
 さて、もう一度冒頭で紹介した香港に関する沖縄の報道を読み返していただきたい。滑稽に思える報道が、まさしくサンフランシスコ体制の打破へと沖縄県民を扇動していることがうかがえるだろう。
 香港が中国の全体主義に飲み込まれてしまった以上、次は台湾、沖縄の順に危機が訪れることは想像に難くない。沖縄は、まさに民主主義の防波堤なのである。
 最後に、このような中で私たちがやるべきことを考えてみたい。本来であれば、条約締結時の状況のサンフランシスコ体制に戻すため、台湾との国交を回復し、軍事同盟を締結し、日米台で共同訓練を積み重ね、東シナ海の守りを強化することだ。しかし、残念ながら日中共同声明の呪縛を解くまでは、実現はほぼ不可能である。
 次善の策として実施可能なことが二つある。まずは、日本の海上保安庁が台湾の海巡署と共同で「海難救助訓練」を行い、中国の海警局の船を海賊と想定した訓練を繰り返すことだ。
 もう一つは、日台経済安全保障同盟の締結である。経済安全保障には、軍事転用可能な技術流出防止や中国製の第5世代(5G)移動通信網の排除だけではなく、チャイナマネーによる不動産の購入制限、中国依存のサプライチェーン(供給網)見直しのように、分野が多岐にわたる。
 抱えている課題は、日本も台湾もほぼ同じはずである。であれば、その取り組みを日本と台湾が個別に実施するのではなく、情報を共有し、協力・調整し合えばいい。
 日台に相互の優遇措置を設けて、サプライチェーンを密にすることも可能ではないだろう。日台間の経済交流が密になれば、対中経済安全保障網が、経済侵略を得意とする中国を大陸側に封じ込める「海の万里の長城」となるに違いない。
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