🎷63:─3─現実離れしていた日本のアフガン撤退作戦、現状認識が甘すぎる。~No.283) 

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 平和教育のみを受けて成長した現代日本人は、戦争も戦闘の何たるかを知らず、実際に戦争に巻き込まれ戦闘の中を戦って生き抜く知恵や知識そして行動も知らないしがない。
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 2021年9月6日17:12 MicrosoftNews zakzak「【ニュースの核心】現実離れしていた日本のアフガン撤退作戦 現状認識が甘すぎ、米国でさえ元特殊部隊員の連携なければ救い出せない厳しい事態
 イスラム原理主義勢力「タリバン」が支配権を握ったアフガニスタンからの「邦人脱出作戦」をめぐって、議論が起きている。「作戦実施のタイミングが遅すぎた」とか、「法律的に無理はなかったのか」といった指摘だ。
 私は、その前に「救出作戦の前提自体が現実離れしていたのではないか」と思う。現状認識が甘すぎたのだ。
 防衛省自衛隊機派遣を決めたのは、8月22日。翌日には、自衛隊の輸送機が隊員約300人を乗せて、現地に飛び立った。輸送機は25日にカブール空港に到着したが、この時点で大使館の現地職員らが自力で空港に到着するのは、極めて困難になっていた。タリバンが空港周辺で厳しい検問を実施していたからだ。
 米軍が安全を確保していたのは、空港内だけ。米軍でさえ、空港の外には一歩も出られなくなっていた。
 市内に取り残されていたのは、日本人やその関係者だけではない。アントニー・ブリンケン米国務長官は25日の会見で、「約1000人の米国人が残っている」と明らかにしている。他に、少なくとも数千人のアフガン人関係者が市内に残っていた。
 米国は、どうしたか。
 日本では、まったく報じられていないが、実は「米国人とアフガン人協力者の救出作戦」を実施したのは、米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」や、米海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」など歴戦の元特殊部隊員たちだった。
 彼らは、20年にわたる戦争をともに戦ったアフガン人の元同僚が空港に到着できない苦境にあるのを見かねて、自発的にチームを結成。ネットを使って、彼らに「闇夜の脱出ルート」や「集合場所」を伝え、それを命綱にして空港まで誘導した。
 空港内の米軍と空港出入り口にたどり着いた彼らをつなぐ最後の暗号は「携帯電話に送ったパイナップルの画像」だった。画像を見せたアフガン人を、米軍が秘密の入り口やゲートで救い上げたのである。そこから、この作戦は「パイナップル特急」と呼ばれている。一部の元隊員は、現地カブールまで遠征した。
 作戦の一部始終は、米ABCが特ダネで報じ、その後、CNNやFOX、公共放送のPBSも追いかけた。この作戦で市内から救出されたアフガン人は「650人に及ぶ」と伝えられている。
 つまり、米国でさえも、米軍とボランティアの元特殊部隊員が連携した組織的な秘密作戦がなければ、現地のアフガン人を救い出せないほど、厳しい事態だったのだ。
 日本の自衛隊と外務省がおっとり刀で駆けつけたところで、どれほどの成果が挙げられたか、疑問が残る。
 日本はバスで邦人らを空港に輸送する作戦を検討していた。だが、8月26日の自爆テロ事件で断念し、退避させられたのは結局、邦人1人とアフガン人14人にとどまった。
 米国も、ジョー・バイデン大統領が7月に「8月31日までに撤退」を表明した時点で、当局は「6カ月は政府軍が持ちこたえる」とみていたのだから、日本の対応ばかりを責められない。
 だが、現地の情勢が悪化するまで、日本は独自の情報収集と緊急時の体制づくりに手抜かりはなかったか。毎日新聞によれば、日本の大使館員が避難する前、駐アフガン大使は欧米各国との調整のために、トルコ・イスタンブールに滞在中だった、という。
 私は自衛隊機を派遣した政府の決断は高く評価する。だが、「危機に対する感性が十分か」と言えば、残念ながら、心許ない。
 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。」
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