💢79:─4─日本有事にミサイル避難先足りず。地下施設指定わずか2・4%。~No.342 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2022年3月19日18:34 産経WEST「<独自>日本有事にミサイル避難先足りず、地下施設指定わずか2・4%
 日本が弾道ミサイル攻撃を受けたことを想定し、自治体が指定する全国約5万カ所の緊急一時避難施設のうち、人的被害の抑制に最も有効な「地下施設」の割合が、昨年4月時点で2・4%にとどまることが19日、分かった。中国の軍事力増強や相次ぐ北朝鮮のミサイル発射など、日本を取り巻く安全保障環境が緊迫の度合いを高めている現実を踏まえ、国は令和7年度末までの5年間で地下施設の指定数を増やす方針だが、施設の場所自体が周知されておらず、有事の際に機能するかどうかは未知数だ。
 2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻では、軍事拠点だけでなく市街地の民間施設もミサイル攻撃を受け、現地からは首都キエフの地下鉄駅にシェルター代わりに殺到する市民や、空爆された南東部マリウポリの劇場地下のシェルターに避難する住民らの様子が報じられている。
 日本周辺でも近年、北朝鮮による弾道ミサイルの発射実験が続いており、被害が予想された場合、自衛隊海上と地上の双方から迎撃する構えだが、元自衛隊幹部は「同時に複数発射されると、全て撃ち落とすことは困難。民間への被害も避けられない」と明かす。
 脅威の高まりを背景に、国民保護法に基づいて都道府県などは、避難先となる5万1994カ所(昨年4月時点)を緊急一時避難施設に指定している。
 場所は内閣官房の「国民保護ポータルサイト」で公表しているが、その多くはコンクリート造りの地上構造物。内閣官房によると、爆風や熱線からの被害抑制に最も有効な地下施設の割合は約2・4%(1278カ所)にすぎない。
 国は今年度から令和7年度末まで5年間を集中取組期間と規定し、地下施設の指定先を増やす方針を示している。現在の指定先は公立機関がほとんどで、国は民間の地下街なども活用したい考えだが、内閣官房の担当者は「あまり進んでいない」と話す。
 陸上自衛隊北部方面総監や東京都危機管理監などを歴任した田辺揮司良(たなべ・きしろう)元陸将は、地下の安全性の高さを強調した上で、指定数の少なさに加えて周知の低さを問題視。「どこに避難施設があるのかを国民が事前に知らなければ避難先として機能しない。まずは場所の周知を徹底しなければならない」と訴えている。(山本考志、土屋宏剛)
■緊急一時避難施設
 弾道ミサイルが着弾した際の爆風や熱線から命を守るための一時的な避難先で、24時間利用可能な施設もある。北朝鮮と対峙(たいじ)する韓国の住民避難施設を参考に、1人あたりの床面積を約0・825平方メートルと規定。国は令和7年度末までの5年間を集中取組期間と定め、地下施設の拡充を自治体側に求めているが、具体的な数値目標は定めていない。
■国民保護法
 他国から武力攻撃を受けた際に国民の生命や身体、財産を保護するため、国や自治体の責務を定めた法律。平成16年に成立、施行された。国にはミサイル攻撃などに関する情報発信や警報の発令を義務付け、各都道府県知事と政令指定都市の市長には弾道ミサイルの爆風などから住民の被害を抑えるための避難先を、施設管理者の同意を得た上で緊急一時避難施設として指定するよう求めている。
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 3月19日19:03 産経WEST「北ミサイル着弾まで10分弱…進まぬ避難指定、政治・経済中枢に被害も
 着弾まで10分弱-。北朝鮮から発射された弾道ミサイルが、日本に到達するまでの時間はごくわずかしかない。政治や経済の中枢への被害も想定される中、避難手順の整備ははかどっておらず、昨年4月までに指定された地下避難施設も東京23区内で141カ所、大阪市内では4カ所にとどまる。課題山積の危機対応をめぐり、過去の地震災害で得た教訓を有事にも生かそうと、独自に動き出した自治体もある。
 ロシアによるウクライナ侵攻直前の2月14日、首都キエフの市当局はミサイル攻撃に備え、3千平方メートルの地下の核シェルターを開放する考えを明らかにした。
 西側諸国との核戦争が現実味を帯びていた旧ソ連時代、首都被害の抑制を目的に建設された施設。日本でも都心部がミサイル攻撃を受けた事態を想定し、地下の緊急一時避難施設の指定が進むが、数は少ない。
 内閣官房によると、昨年4月までに自治体が指定した地下施設は、人口966万人の東京23区内に141カ所。皇居や首相官邸、大企業の本社などが集中する千代田区に限ると12カ所で、270万人余りが暮らす大阪市はわずか4カ所だ。
 国は自治体側に対し、地下の駅コンコースや地下街などにも指定の網を広げるよう求めているが、こうした民間への協力要請は滞りがちだ。
 東京都総合防災部の担当者は「地下街では管理者が複数にまたがるケースが多いため、一度に全ての同意を得るのは難しく、時間がかかる」と理由を説明する。
 指定を受けた地下施設の多くは、指定作業が比較的容易な学校など公共機関の地下スペースで、周辺人口のごく一部しか収容できない。そうした現状を改善するため、神戸市は今年2月、全国で初めて民間と連携し、市内の地下駅舎や地下街など47カ所の計約21万平方メートルを緊急一時避難施設に指定した。市人口の約17%に当たる25万4830人を収容できる。
 有事の際の緊急一時避難施設に指定された神戸・三宮の地下街=神戸市中央区
 平成7年に阪神大震災を経験した同市は「災害への備え」を最重要課題の一つに掲げており、危機管理室の担当者は「震災で得た教訓を有事対応にも適用した」と話す。
 ただ国は、地下施設の指定拡充は図る一方で、避難手順や訓練について定めたマニュアルはおろか、避難場所であることを示す案内板の設置基準すら設けていない。内閣官房の担当者はそれらの必要性は認めつつも「指定作業を進めることが先決だ」と述べるにとどめる。
 ある省庁の幹部は、民間への協力要請やマニュアルの策定がなかなか進まない理由をこう説明する。
 「地震などの自然災害と比較すると、ミサイル着弾への備えを求める国民の声は大きいとはいえない。戦争準備だとして拒否反応を示す人もおり、多くの国民がミサイルを現実的な脅威ととらえなければ、国が本気で対策を進めることはできない」」
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