🐒5:6:─1─旧統一教会の学生信者が議員に近づく巧妙な手口。 ~No.11No.12No.13No.14No.15No.16 

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 2022年8月11日 MicrosoftNews AERA dot.「旧統一教会の学生信者が議員に近づく巧妙な手口 決まり文句は「ボランティアで選挙を手伝わせて」
 © AERA dot. 提供 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)日本本部(写真/アフロ)
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と国会議員を巡る報道が連日なされている。しかし、旧統一教会と政治家とのつながりは国政だけにとどまらない。今年7月、神奈川県小田原市の守屋輝彦市長は自民党の池田彩乃市議に紹介され、旧統一教会からの寄付金を受け取ったことが明るみに出た。なぜ、旧統一教会は国会議員だけでなく地方議員にも触手を伸ばしているのか? 1980年代から旧統一教会を取材し、全国霊感商法対策弁護士連絡会の代表世話人である山口広弁護士との共著もあるジャーナリストのいのうえせつこさんに理由をたずねると、当時の生々しい体験を語った。
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 ある日、横浜で市会議員を務める男性のもとにメールが届いた。
 「僕たちは学生です。政治のことを勉強したいので、ボランティアで選挙を応援させてください。事務所で働かせてください」
 文面には、そう書かれていた。
 もしかしたら、旧統一教会のからのメールではないか……。不審に思った議員はいのうえせつこさんに相談した。
 いのうえさんは以前から「旧統一教会は議員を狙っているんですよ」と、さまざまな人に注意を促してきた。それで男性議員が電話をかけてきたと話す。
 メールには彼らが所属する見知らぬ団体名も記されていた。団体のホームページを開いていくと、突如、表示が英語に切り替わり、旧統一教会の創設者である文鮮明の名前が出てきた。旧統一教会は宗教団体であることを隠したダミー団体で活動することがよくあるという。
 「議員はびっくりしていましたけれど、『ほら、やっぱり、旧統一教会ですよ』と、私が言ったんです。それで、取材のために議員を説得してメールに返信してもらい、その相手と会うことになった」
■あなたたち旧統一教会よね?
 面会場所に指定したのは横浜駅西口にあるショッピングセンター内の喫茶店。男性議員といのうえさんは少し早めに店を訪れ、店内を見渡せる隅の席に座った。やがて1人の青年がきょろきょろしながら喫茶店に入ってきた。真面目で優しそうな若者だった。
 「でも、議員のとなりに見知らぬおばさんが座っているのを目にすると、ちょっとびっくりした顔をしていましたね」
 いのうえさんは「私、議員の母親みたいなものだから同席させてもらうわね」と言った。
 青年は関東学院大の学生を名乗った。実際に在籍していたかどうかはわからない。
 「『選挙を手伝いたいっていうけれど、どういうグループなの? 普段は何をやっているの?』と聞いたら、日本大通り公園(横浜市中区)の清掃ボランティアを毎月2回くらいしていると、言っていました。清掃の後で『ミーティング』をしているとも口にした」
 筆者が旧統一教会の広報部に尋ねると、教団が行っている奉仕活動のうち、主なものは清掃ボランティアという。
 現れた学生によれば、横浜のボランティアグループの中心メンバーは横浜国立大、関東学院大、神奈川大の学生で、ほかに専門学校生もいると明かした。
 「面談は30分くらいでした。最後に『ちょっと聞くけど、あなたたち、旧統一教会よね』って畳みかけたら、『はい』って。まさか、そんなことを聞かれるとは思わなかったからでしょう。えっ? っていう顔をしていた。『ともかく、もう議員には近づかないで。コーヒー代は私が払うから帰っていいわ』って言ったら、『失礼いたしました』と一言残して帰っていきました」
■昔とは違う議員とのつながり
 これまでいのうえさんは、数多くの脱会信者に取材し、旧統一教会が議員に近づく手口を聞き出してきた。
 「すると、『選挙のボランティアをやっていた』とか言うわけですよ。このときの面談では学生が1人でやって来ましたけれど、多分ちょろいと思ったんじゃないですか。つまり、ほかの議員たちもみんなそういうふうにして旧統一教会に取り込まれてきたということでしょう」
 1980年代、旧統一教会は印鑑や壺(つぼ)を高額で売りつける「霊感商法」を盛んに行ってきた。その売り上げは教団から反共団体勝共連合」に流れ、さらに反共を掲げる保守政治家に流れたといわれる。
 しかし、最近明るみに出たケースは、少額の寄付や選挙支援など、旧統一教会と政治家のゆるやかなつながりである。それは国会議員にとどまらず、市会議員や地方議員にも広がっているように見える。
 それに対して、いのうえさんは「つまり、お互いに利益があるわけです」と語る。
 なぜか。背景には選挙を巡る集票構造の変化があるという。
 「かつて議員に立候補する人は、その地域の名士が多かった。『いつもお世話になっているから』と、地域のみんなが議員を応援する。当時は金をばらまかなくても票が集まりました」
 ところが、高度経済成長期に入ると、地方から都市部へ若者たちの流出が始まり、地域に根ざして票を集めてきた基盤が崩れていった。
■実にうまく入り込んだ
 いのうえさんの夫の母親は地方の自民党県連で長年要職を務めていたこともあり、自身も選挙の裏側を間近で見てきた。
 「義理の母は選挙のたびに地域のボス的な人に裏金を配って票を集めてきました。ところが、それでも票が集まらなくなってきた。公職選挙法の取り締まりも厳しくなり、金をまけば捕まるようになった。義理の母も逮捕されたことがあります」
 地方にとどまらず、都市部でも集票基盤が弱まっていく。そこに「旧統一教会は実にうまく入り込んだ」といのうえさんは言い、こう続ける。
 「教会は信者に〇〇候補をお願いします、と投票を促す。そして、本当に素直ないい子たちが一生懸命に選挙のビラ配りとかをしてくれるわけですよ。しかもタダで。それは選挙をする側にとってはとてもありがたいことです」
 この選挙支援について教団広報部に確認すると、こう回答した。
 「宗教法人として組織的にある特定の政党や候補者を応援することはありません」
■億単位の金をむしりとる
 いのうえさんによると、旧統一教会は批判を浴びてほとんど手を引いた霊感商法に代わる新たな金の収奪方法を編み出した。そして、さまざまな議員に接近するようになった。特にその動きが顕著になったのは、2000年以降という。
 また、いのうえさんがかつて取材した脱会者の話によると、教団が青年信者をボランティアとして選挙事務所に送り込む目的は、議員の支援者名簿の入手や、議員とつながりのある富裕層をリストアップすることだという。
 「その情報を教会に『ほうれんそう』(報告・連絡・相談)させて吸い上げる。それを受けて、今度は『壮婦(そうふ)』と呼ばれる主婦信者が『〇〇先生のところでいつもお世話になっています』と言って、訪ねるわけです。議員の名前を出せば、みんな信用するじゃないですか。そうやって目星をつけた家に入り込み、財産をすべて奪い取る。そういうシステムができ上がっているんです」
 先祖の霊の存在を信じ込ませて、不安をあおり、大切な家族を守るためといって、すべての財産を献金させる。その手口は基本的に霊感商法と変わらない。
 「でも、霊感商法で壺を売ったとしても、100万円単位の金にしかならない。それよりも資産家から一挙に1億円とか10億円をむしり取った方が効率いいわけです」
■収奪の本質は何も変わらない
 一方、教団広報部によると、献金の形態は基本的に三つだけという。
 「月収の10分の1を天にお捧げする『月例献金』、日曜日に礼拝を受けた後に100円とか200円の現金を献金箱に入れる『感謝献金』、願いが叶ったときや悩みが解消したときに感謝する『無記名献金』だけです。もちろん、献金を強いるかたちでいただくことはありません」
 いのうえさんさんは、こう訴える。
 「昔も今も旧統一教会の本質は何も変わっていません。彼らは議員に近づくことで、人々を信用させ、金をむしり取っている。その実態を知ってほしい。そして優秀な若者たちがマインドコントロールによって、霊感商法などの犯罪行為に巻き込まれていることを、多くの人に知ってほしいと思います」
   (AERA dot.編集部・米倉昭仁)」
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