・ ・ ・
関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
2026年1月23日 YAHOO!JAPANニュース PRESIDENT Online「習近平による「高市おろし」が本格始動した…中国が衆院選に乗じて仕掛けてくる狡猾な「ちょっかい」4つ
介入・遠隔操作する4つの企み
スティーブン・R・ナギ
国際基督教大学 政治学・国際関係学教授
中国の習近平国家主席は2月8日の総選挙にどのように介入しようとしているのか。国際基督教大学教授(政治学・国際関係学)のスティーブン・R・ナギさんは「高市首相を退陣に追いやるために4つの手法がすでに進行中だ」という――。
2026年1月20日、特別セミナーの開講式で重要演説を行う習近平氏写真=新華社/共同通信イメージズ
2026年1月20日、特別セミナーの開講式で重要演説を行う習近平氏
習近平が介入・遠隔操作する4つの企み
2026年2月8日、日本の有権者は高市早苗首相が呼びかけた解散総選挙で投票に臨む。自民党や中道改革連合など日本の政党にとってはまさにガチンコの戦いだが、中国共産党や習近平国家主席にとっても、これは単なる外国の政治イベントではない。
高市早苗氏は首相就任後、台湾の戦略的重要性を率直に語り、日米同盟を強化し、経済的圧力にも屈しない日本の指導者である。2025年11月、彼女が「中国による台湾攻撃は日本にとって存立危機事態となりうる」と発言した瞬間、北京は即座に報復に出た。1月6日、中国は彼女の発言に明確に結びつけた形でデュアルユース品目の輸出規制を発表した。経済措置が政治的発言への懲罰であることを、かつてないほど露骨に認めたのである。
問題は、北京が高市首相の退陣を望んでいるかどうかではない。中国共産党がそれを実現するためにどこまでやるか、である。中国が文書化してきた威圧外交と選挙介入の手法に基づけば、4つの手法がすでに進行中である可能性が高い。
第1の手法:「戦争屋」というレッテル貼り
最初の戦術は人格攻撃である。北京のプロパガンダ装置は、高市首相を「日本を戦争に引きずり込む危険な極右政治家」として描き出す工作を展開するだろう。その下地はすでに整っている。中国国営メディアは長年、安全保障上の現実を認識する日本の指導者を「軍国主義者」「歴史修正主義者」と描いてきた。高市首相の靖国神社参拝は格好の攻撃材料となる。「高市首相が続投すれば中国との戦争が起きる」というメッセージが、中国国営メディア、SNSプラットフォーム、そして日本国内の親中的な声を通じて発信されることになるだろう。
これは憶測ではない。オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)は、2010年から2020年の間に中国が外国政府に対して行った国家レベルの脅迫を34件記録している。目的は明快だ。高市支持は紛争を選ぶことだと日本の有権者に恐怖を植え付けること。
彼女の台湾発言は地理的現実を述べたに過ぎない。日本の南西諸島は台湾からわずか100キロメートルの距離にあり、台湾海峡有事は即座に日本の安全保障問題となる。情報戦の目的は全員を説得することではない。世論の周縁部を動かし、不確実性を植え付けることで十分なのだ。
2の手法:経済不安の利用
第2の手法は、真っ当な経済的懸念を政治的不満へと転換させることである。日本は持続的なインフレ、人口動態の圧力、公共サービスへの懸念といった現実の課題に直面している。これらの問題は高市政権以前から存在し、いかなる政権であっても容易に解決できるものではない。だが北京のプロパガンダはこれらの困難を高市首相の政策のせいにしながら、中国を日本の敵意の犠牲者として位置づけるだろう。
1月6日の輸出規制は、この手法の実例である。ある試算によれば、2024年の日本の対中輸入の42%(684億ドル相当)が新規制の対象となりうるデュアルユース品目で構成されていた。ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国がすでに一部の重希土類の輸出制限を開始したと報じている。経団連の筒井義信会長は1月14日、それを率直に「明らかな経済的威圧行為」と呼んだ。日本経済界の最高幹部がこれほど明確に中国の行動を批判するのは異例のことである。
北京は日本企業に不安を抱かせ、その責任を高市首相に向けさせたいのだ。暗黙のメッセージはこうだ。「より融和的な指導者を選べば、これらの問題は消える」。小野田紀美経済安全保障担当大臣はそうした中国の戦略を的確に見抜いている。「気に入らないことがあるとすぐに経済的威圧に訴える国に過度に依存するのは危険だ」。
ここから先は無料会員限定です。
無料会員登録で今すぐ全文が読めます。
今すぐ無料会員登録
・ ・ ・
1月23日 YAHOO!JAPANニュース デイリー新潮「「高市首相の敗北・辞任が現実的に」…中国メディアが「中道改革連合」に“強い期待”を示す 「早苗は“毒苗”」と悪意ある報道も
中国の習近平・国家主席
いよいよ1月27日に総選挙が公示される。日本ではこのニュースが連日大々的に報じられているが、海の向こうの中国でも関心は高い。中国メディアは立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」による政権交代を期待する論評を報道している。また、国営「新華社通信」は高市早苗首相を「軍国主義者」と位置づけ、「毒苗」と揶揄するなど、「高市憎し」の露骨なまでの嫌悪感をむき出しにしている。
【写真を見る】「激ヤセ」が心配される高市首相 以前と比較すると「まるで別人」
【相馬勝/ジャーナリスト】
***
野田、斉藤両代表は劉備玄徳!?
「日本の政界は『三国志』さながらの戦いに入った」――。
これは中国で45万部という最大の部数を誇る時事週刊誌「新民周刊」が、「中道改革連合」について報じた記事の一部だ。
三国志は日本でも最も人気がある中国の古典の一つ。魏呉蜀の3国が戦乱のなか覇を競う物語であり、ほぼ実話でもある。それと今回の日本の総選挙をなぞらえるのであれば、さしずめ主人公・劉備玄徳の蜀は中道改革連合であり、敵役の曹操が率いる魏は高市首相が指揮する自民党と日本維新の会の連立与党、国民民主党などその他の政党が呉といったところだろうか。
記事の焦点は中道改革連合である。同誌はこう指摘している。
「公明党を支える日本の創価学会は強い組織票を持ち、もし公明党がこれらの票をすべて立憲民主党に与えれば、中道勢力が日本の新たな与党になることもありえる。つまり、今回の選挙の結果は、彼女(高市首相)の敗北による辞任が現実になる可能性がある」
結成に強い期待
高市首相に対抗する新党の誕生は、中国当局、そしてその管理下にあるメディアにとって、大きな関心事のようだ。
中国外務省の毛寧報道局長は、立憲民主党と公明党が新党結成で合意したことについて、15日の記者会見で「日本の内政でありコメントしない」とそっけない態度をとったものの、国営メディアは相次いで速報している。中国の報道機関が日本の政治状況について「至急電」で報じることはめったにないだけに、中国政府が中道改革連合の結成に強い期待を持っていることをうかがわせた。
高市陣営に対抗する
国営中央テレビ(電子版)は、「両党が支持を拡大し、衆院選で高市氏の陣営に対抗する」との見方が日本で出ていると報じた。習近平指導部は高市早苗首相の11月の台湾有事に関する発言に強く反発しており、野党の結集で高市政権の対抗軸ができることを期待しているとも受け取ることができる。
とりわけ、新党への期待感を強くにじませたのは国営新華社通信である。16日深夜の午後11時34分、「日本の『中道』は高市氏を抑えることができるのか?」と題する長文の論評を配信。「なぜこの時期に両党が手を組んだのか?」「新党は右派保守勢力に立ち向かうことができるのか?」「新党の政策提案は何なのか?」の3点について詳しく解説している。
高市政権は「右派」
まず新党結成の理由については、「立憲民主党は常に比較的穏健な政策観を持ち、憲法、外交、安全保障の問題において比較的慎重な立場をとってきた。公明党は常に高市氏の『極右』色に不満を持っていた。高市氏が政権を握ってから次々と導入された安全保障政策も公明党を深く動揺させた」と述べたうえで、「新党合意の直接的な理由は、高市政権の極めて強い『右派』色に対する超党派の不満だった」と断じている。
2点目の新党の勝算については、「公明党は通常、小選挙区で約1万から2万票を動員する能力を持っている」とする。そして、これまで小選挙区では自民党を支援していたが、今回の選挙で立憲民主党の候補者支援に切り替える見込みで、「この変化は選挙情勢に重要な影響を与える可能性がある」と予測する。
新党の主要な政策については、(1)政治とカネの監督を強化し、(2)外交・安全保障政策において、右寄りの急進的な路線を避け、(3)経済・財政面では、高市氏は防衛予算を国内総生産(GDP)の2%に増額するとの目標達成のため増税を行う可能性があるのに対して、新党は基本政策に減税などを含め、民生への圧力に抵抗する可能性がある――としている。
有毒な苗
これらからわかるように、新華社電は明らかに新党に肯定的なスタンスをとっている。習近平指導部の基本路線が「反高市」であることから考えれば当然で、それを端的に表しているのが、新華社電が16日に配信した「高市首相の思想的背景 『毒の苗』が育つ土壌」と題する記事だ。「毒の苗」とは高市首相の名前の「早苗」をもじったもので、悪意が込められているのは間違いない。
記事は「高市氏は首相就任から1カ月足らずで、歴史認識や台湾問題、軍事・安全保障、対外関係などの分野で波風を立てているが、これは決して偶然ではなく、高市氏の立脚する土壌に起因している。毒のある土壌からは、必然的に有毒な苗が生じる」と前置きし、4点にわたって、「毒の土壌」を説明している。
中国からの痛撃に
第1に、歴史修正主義という毒の土壌。第2に、台湾への植民地支配意識という毒の土壌。第3に、軍国主義の亡霊という毒の土壌。第4に、誤った対中認識という毒の土壌――である。
新華社電は、特に第4について、「『中国脅威論』を唱え、いち早く『台湾有事は日本有事』を声高に主張した安倍晋三氏と麻生太郎氏、そして安倍氏の後継者を自認する高市氏が好例である」と指摘している。
記事は締めくくりとして、「日本の為政者は状況を完全に見誤り、自らの能力を過大評価している。過ちをかたくなに認めず、威嚇を続けるなら、中国からの痛撃に直面することになる」と強調している。「痛撃」とは何かが気になるが、記事は具体的な説明を加えていない。
論評はエスカレート
中国は、高市首相が台湾有事発言を行って以来、自国民の対日渡航制限や日本の水産物の全面禁輸、日本向けの軍民両用(デュアルユース)製品の輸出許可の審査を厳格化するなどの制裁措置をとっており、今後も高市政権が続く限り、制裁措置を解除しないことが考えられる。
中国メディアも、2月8日の投開票日まで、高市政権への攻撃と、中道改革連合への好意的な論評をエスカレートさせていくことだろう。
今回の総選挙で、仮に立憲・公明両党による新党が勝利し、政権を担うことになれば、日中を巡る状況は大きく変わることも考えられる。ただ、そうなった場合でも、日本は陰に陽に習近平主席による執拗な対日圧力にさらされ続けることになるのは論を俟たない。
関連記事「『日本は国際社会のトラブルメーカー』…『中国共産党』機関紙が『高市政権』を断罪 その一方で「人民解放軍」は台湾包囲、核弾頭を1000発に増強へ」では、中国メディアによる激しい高市政権批判の具体的な中身について詳述している。
相馬勝(そうま・まさる)
1956年生まれ。東京外国語大学中国語科卒。産経新聞社に入社後は主に外信部で中国報道に携わり、香港支局長も務めた。2010年に退社し、フリーのジャーナリストに。著書に『習近平の「反日」作戦』『中国共産党に消された人々』(第8回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞)など。
デイリー新潮編集部
・ ・ ・