🪗20:─2─中国「日本は必ず潰す!」。中国メディアが中道改革連合に注目。~No.86No.87No.88 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 中国共産党が潰したいのは、保守派高市早苗首相である。
   ・   ・   ・   
 2026年1月23日 YAHOO!JAPANニュース kangnamtimes「「日本は必ず潰す!」中国、国連で安保理常任理事国入りを『完全封殺』
 望月博樹
 中国は過去の問題について全く反省していない日本に対し、国際連合安全保障理事会常任理事国の資格がないと繰り返し非難した。過去30年以上にわたり国連安保理への進出を推進してきた日本の努力を必ず挫折させる意志を表明したようだ。
 出典:新華社
 中国国営・新華社の22日の報道によると、中国の孫磊国連次席大使は前日(現地時間)、国連総会で開かれた安全保障理事会改革に関する政府間交渉の初会合で行った発言を通じて「日本は国際平和と安全を維持する責任を負うことができない。国際社会の信頼を得ることもできない。したがって安保理常任理事国になるという要求をする資格がない」と述べたという。
 続けて「安保理は戦後の国際秩序を維持し、国際平和と安全を守る重要な使命を担っている」とし、「80年前、日本の戦犯を厳重に処罰し、国際正義を高めた。人類の尊厳を守った」と説明した。
 また、孫次席大使は「日本の軍国主義は完全に清算されていない。むしろ顔を変えてひそかに再び現れている」と強調した後、「日本の右翼勢力は侵略の歴史を美化し、南京大虐殺慰安婦、徴用工問題などの歴史的犯罪を否定しながら歴史教科書の修正を推進し、侵略の歴史を覆そうとしている」と非難した。
 そして「日本の右翼勢力は高市早苗首相の台湾に関する誤った発言、中国に対する武力の脅威、日本高官の公然たる核保有発言、安保三文書の修正推進に至るまでの行動を見ると再軍備化を推進していると言える。軍国主義を復活させようとする悪意ある意図を公然と示している。地域及び世界の平和と安全に新たな脅威を与えている」と付け加えた。
 孫次席大使はこの他に「日本は歴史的犯罪を悔い改めない。国際関係の基本原則を違反している。第二次世界大戦の勝利の成果に挑戦している。さらに戦後の国際秩序を公然と踏みにじっている。このような国は国際平和と安全を維持する責任を負うことができない」とし「安保理常任理事国になるという要求をする資格が全くない」とも強調した。
 さらに、「中国は安保理常任理事国であり、責任ある大国として安保理の権威と団結を共同で守る用意がある。国際平和と安全のために建設的な役割を果たす用意がある」とし、「中国は安保理に必要な合理的改革を支持する。これは必ず包括的な計画を通じて解決しなければならない」と述べた。中国の役割を強調しながら日本の国連内での役割が制限されるべきだという主張を強く展開したと言える。
   ・   ・   ・   
 1月23日 MicrosoftStartニュース 毎日新聞「「高市政権“苦境”に追い込めるか」中国メディアが中道に注目
 中国の国旗=ゲッティ
 中国メディアは23日、日本の衆院解散を相次いで速報した。習近平指導部は、台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁に激しく反発し、日中関係は急激に悪化している。それだけに、高市政権への審判の行方に、高い関心を寄せているようだ。
 中国外務省の郭嘉昆副報道局長は23日の記者会見で、衆院解散について「日本の内政であり、論評しない」と述べるにとどめた。日中関係に与える影響を慎重に見極める構えだとみられる。
 高市首相が早期の解散を判断したことを、中国メディアは「個人の野心と党利党略のため」などと否定的に報じている。中国国営中央テレビは19日のニュース番組で「チャンスとリスクをはかりにかけた政治的大ばくち」とする識者の分析を紹介。首相が総選挙を急いだ背景の一つに、「中日関係の破壊」による政治・経済リスクから国民の関心をそらすことがあるとの見方を示した。
 また、中国共産党と関係の深い公明党が、立憲民主党と共に新党「中道改革連合」を結成したことも注目されている。国営新華社通信は最近、「両党が手を結び、高市政権を『苦境』に追い込めるか」と題する長文記事を配信した。
 一方で、中道も基本政策に「中国に対する懸念への毅然(きぜん)とした対応」を明記し、集団的自衛権の行使を一部容認する安全保障関連法にも「合憲」との立場だ。
 中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の項昊宇・特任研究員は中国メディアの取材に「どのような選挙結果であろうと、日本政治の重大な右傾化の現実を考えれば、短期的に日本の対中政策に大きな変化は起こりえない。我々は高い警戒心を保たなければならない」と指摘した。【北京・河津啓介】
   ・   ・   ・   
 1月18日09:00 産経新聞「中国が好意的に報じる「中道改革連合」高市解散で「石破前政権の負の遺産」打破 田中秀臣
 有料会員記事
 高市早苗首相(中央)らが閣議に臨んだ。果たして「高圧経済」は実現できるか=1月16日、首相官邸(春名中撮影)
 2025年度の補正予算が成立し、これから26年度予算案の国会審議が始まると思った新年早々、高市早苗首相が衆院解散・総選挙の実施を決意したとの報道が世間を驚かせた。衆院では与党過半数をかろうじて維持できている「不安定な政治状況を変えたい」という意志なのだろう。国内のオールドメディアは「大義がない」「予算の年度内成立に支障をきたす」などと、いつもの「高市下げ」の状況だ。
 他方で、海外の主要メディアは「選挙での勝利は中国に対する〝非難〟を意味する」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)をはじめ、「大胆な予算が組める」といった肯定的な評価が多数だった。
 高市政権が本領を発揮するには
 年度内での予算成立が難しくても、過去の経緯をみれば、暫定予算を組むことで支障は起きない。経済対策もすでに補正予算が成立しており、その執行中である。 実際、エコノミストの何人かは、今年1月から3月にかけて補正予算の効果などで物価は下落し、実質賃金のプラスへの転換を予測する。補正予算は、石破茂前政権がすでに策定したものを基本的に継承していたので、「高市政権の本領発揮」とはいえないものだ。
 インフレ率の目標2%を安定的に達成するには、潜在的GDP国内総生産)を2%程度、現実のGDPが上回ることが必要である。これは、会田卓司氏(レディ・アグリコル証券チーフエコノミスト)や、片岡剛士氏(PwCコンサルティングチーフエコノミスト)のほか、筆者らが説く「高圧経済」のために必要な経済の水準である。おそらく、高市首相の念頭にある経済観も、この「高圧経済の実現」である。高圧経済をさらに分かりやすく表現すれば、「景気をわざと強めに刺激し、失業を減らして賃金を上げ、企業の投資と生産性向上を引き出す政策運営」のことである。
 中国からのレアアース(希土類)を利用した経済的威圧に負けないように、レアアースの調達のためのサプライチェーンの再編成、東京・南鳥島での発掘・生産、民間事業への後押しなど危機管理投資や成長投資を数年単位で息長く取り組むことが必要になる。これらの高圧経済の仕組みはまだ、基本ができたばかりだ。26年度の本予算をはじめ、さらに本格的には同年度の経済財政諮問会議での経済財政運営の指針「骨太の方針」や、日本成長戦略会議での危機管理投資・成長投資の具体的な策定を待ち、初めて機動することができる。
 石破前政権の「負の遺産
   ・   ・   ・   
 1月23日6:03 YAHOO!JAPANニュース デイリー新潮「「高市首相の敗北・辞任が現実的に」…中国メディアが「中道改革連合」に“強い期待”を示す 「早苗は“毒苗”」と悪意ある報道も
 中国の習近平国家主席
 いよいよ1月27日に総選挙が公示される。日本ではこのニュースが連日大々的に報じられているが、海の向こうの中国でも関心は高い。中国メディアは立憲民主党公明党による新党「中道改革連合」による政権交代を期待する論評を報道している。また、国営「新華社通信」は高市早苗首相を「軍国主義者」と位置づけ、「毒苗」と揶揄するなど、「高市憎し」の露骨なまでの嫌悪感をむき出しにしている。
【相馬勝/ジャーナリスト】
 ***
 野田、斉藤両代表は劉備玄徳!?
 「日本の政界は『三国志』さながらの戦いに入った」――。
 これは中国で45万部という最大の部数を誇る時事週刊誌「新民周刊」が、「中道改革連合」について報じた記事の一部だ。
 三国志は日本でも最も人気がある中国の古典の一つ。魏呉蜀の3国が戦乱のなか覇を競う物語であり、ほぼ実話でもある。それと今回の日本の総選挙をなぞらえるのであれば、さしずめ主人公・劉備玄徳の蜀は中道改革連合であり、敵役の曹操が率いる魏は高市首相が指揮する自民党日本維新の会の連立与党、国民民主党などその他の政党が呉といったところだろうか。
 記事の焦点は中道改革連合である。同誌はこう指摘している。
 「公明党を支える日本の創価学会は強い組織票を持ち、もし公明党がこれらの票をすべて立憲民主党に与えれば、中道勢力が日本の新たな与党になることもありえる。つまり、今回の選挙の結果は、彼女(高市首相)の敗北による辞任が現実になる可能性がある」
 結成に強い期待
 高市首相に対抗する新党の誕生は、中国当局、そしてその管理下にあるメディアにとって、大きな関心事のようだ。
 中国外務省の毛寧報道局長は、立憲民主党公明党が新党結成で合意したことについて、15日の記者会見で「日本の内政でありコメントしない」とそっけない態度をとったものの、国営メディアは相次いで速報している。中国の報道機関が日本の政治状況について「至急電」で報じることはめったにないだけに、中国政府が中道改革連合の結成に強い期待を持っていることをうかがわせた。
 高市陣営に対抗する
 国営中央テレビ(電子版)は、「両党が支持を拡大し、衆院選高市氏の陣営に対抗する」との見方が日本で出ていると報じた。習近平指導部は高市早苗首相の11月の台湾有事に関する発言に強く反発しており、野党の結集で高市政権の対抗軸ができることを期待しているとも受け取ることができる。
 とりわけ、新党への期待感を強くにじませたのは国営新華社通信である。16日深夜の午後11時34分、「日本の『中道』は高市氏を抑えることができるのか?」と題する長文の論評を配信。「なぜこの時期に両党が手を組んだのか?」「新党は右派保守勢力に立ち向かうことができるのか?」「新党の政策提案は何なのか?」の3点について詳しく解説している。
 高市政権は「右派」
 まず新党結成の理由については、「立憲民主党は常に比較的穏健な政策観を持ち、憲法、外交、安全保障の問題において比較的慎重な立場をとってきた。公明党は常に高市氏の『極右』色に不満を持っていた。高市氏が政権を握ってから次々と導入された安全保障政策も公明党を深く動揺させた」と述べたうえで、「新党合意の直接的な理由は、高市政権の極めて強い『右派』色に対する超党派の不満だった」と断じている。
 2点目の新党の勝算については、「公明党は通常、小選挙区で約1万から2万票を動員する能力を持っている」とする。そして、これまで小選挙区では自民党を支援していたが、今回の選挙で立憲民主党の候補者支援に切り替える見込みで、「この変化は選挙情勢に重要な影響を与える可能性がある」と予測する。
 新党の主要な政策については、(1)政治とカネの監督を強化し、(2)外交・安全保障政策において、右寄りの急進的な路線を避け、(3)経済・財政面では、高市氏は防衛予算を国内総生産GDP)の2%に増額するとの目標達成のため増税を行う可能性があるのに対して、新党は基本政策に減税などを含め、民生への圧力に抵抗する可能性がある――としている。
 有毒な苗
 これらからわかるように、新華社電は明らかに新党に肯定的なスタンスをとっている。習近平指導部の基本路線が「反高市」であることから考えれば当然で、それを端的に表しているのが、新華社電が16日に配信した「高市首相の思想的背景 『毒の苗』が育つ土壌」と題する記事だ。「毒の苗」とは高市首相の名前の「早苗」をもじったもので、悪意が込められているのは間違いない。
 記事は「高市氏は首相就任から1カ月足らずで、歴史認識や台湾問題、軍事・安全保障、対外関係などの分野で波風を立てているが、これは決して偶然ではなく、高市氏の立脚する土壌に起因している。毒のある土壌からは、必然的に有毒な苗が生じる」と前置きし、4点にわたって、「毒の土壌」を説明している。
 中国からの痛撃に
 第1に、歴史修正主義という毒の土壌。第2に、台湾への植民地支配意識という毒の土壌。第3に、軍国主義の亡霊という毒の土壌。第4に、誤った対中認識という毒の土壌――である。
 新華社電は、特に第4について、「『中国脅威論』を唱え、いち早く『台湾有事は日本有事』を声高に主張した安倍晋三氏と麻生太郎氏、そして安倍氏の後継者を自認する高市氏が好例である」と指摘している。
 記事は締めくくりとして、「日本の為政者は状況を完全に見誤り、自らの能力を過大評価している。過ちをかたくなに認めず、威嚇を続けるなら、中国からの痛撃に直面することになる」と強調している。「痛撃」とは何かが気になるが、記事は具体的な説明を加えていない。
 論評はエスカレート
 中国は、高市首相が台湾有事発言を行って以来、自国民の対日渡航制限や日本の水産物の全面禁輸、日本向けの軍民両用(デュアルユース)製品の輸出許可の審査を厳格化するなどの制裁措置をとっており、今後も高市政権が続く限り、制裁措置を解除しないことが考えられる。
 中国メディアも、2月8日の投開票日まで、高市政権への攻撃と、中道改革連合への好意的な論評をエスカレートさせていくことだろう。
 今回の総選挙で、仮に立憲・公明両党による新党が勝利し、政権を担うことになれば、日中を巡る状況は大きく変わることも考えられる。ただ、そうなった場合でも、日本は陰に陽に習近平主席による執拗な対日圧力にさらされ続けることになるのは論を俟たない。
 関連記事「『日本は国際社会のトラブルメーカー』…『中国共産党』機関紙が『高市政権』を断罪 その一方で「人民解放軍」は台湾包囲、核弾頭を1000発に増強へ」では、中国メディアによる激しい高市政権批判の具体的な中身について詳述している。
 相馬勝(そうま・まさる)
 1956年生まれ。東京外国語大学中国語科卒。産経新聞社に入社後は主に外信部で中国報道に携わり、香港支局長も務めた。2010年に退社し、フリーのジャーナリストに。著書に『習近平の「反日」作戦』『中国共産党に消された人々』(第8回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞)など。
 【関連記事】
 【関連記事を読む】「日本は国際社会のトラブルメーカー」…「中国共産党」機関紙が「高市政権」を断罪 その一方で「人民解放軍」は台湾包囲、核弾頭を1000発に増強へ
「58人の男を愛人に」「バッグには常にコンドーム」 12億円ワイロで捕まった「中国
   ・   ・   ・   
 1月22日17:15 YAHOO!JAPANニュース プレジデントオンライン「海外投資家の「高市離れ」がはじまった…解散表明で「日本売り」を招いた高市首相の"危ない発言"
 記者会見で、23日召集の通常国会冒頭に衆院を解散すると表明した高市首相=2026年1月19日、首相官邸 - 写真提供=共同通信社
■歯止めがかからない超長期金利の上昇
 Takaichi ShockあるいはSanae Shockという言葉が金融市場で駆け巡っている。ことの発端は、1月19日の夕刻の記者会見で、高市早苗総理が解散総選挙に向けた決意を述べた際に、2年間の限定で食品類にかかる消費税をゼロにすることを検討すると表明したことにあった。また総理は、行き過ぎた緊縮志向を終わらせるとも発言した。
 【図表でみる】過去1年間の10年債、30年債、40年債の金利の推移
 こうした高市総理の財政拡張発言が嫌気され、国債の売りに拍車がかかった。特に超長期金利の上昇は深刻で、翌20日にかけて金利が跳ね上がり、一時は4.246%まで上昇する極めて異例の事態となっている。国債市場において“日本売り”が急加速していることが窺い知れる。金融市場は明らかに高市総理に向けて強い警告をしている。
 高市総理は、その就任の前から強い財政拡張志向を持つことで知られた。そして総理に就任した直後、実際に巨額の補正予算を組むと表明。このことが材料視されて国債が売られことに鑑み、直後から総理は発言を後退させた。しかし投資家の信頼が取り戻せず、金利のじり高が続いていたところで、総理は消費減税の可能性に言及したのだ。
 ところで、日本の超長期債を売っているのは、恐らく海外勢、特にヘッジファンドだろう。海外勢は国債保有割合の1割を超える程度であるが、彼らは主に超長期債を購入していることで知られる。海外勢が日本の財政運営の持続可能性が低下したと判断したため、超長期債を売っているとしたら、それこそまさに“日本売り”だといっていい。
 そもそも海外勢を中心に日本財政に対する危機感が高まっているからこそ、欧米を中心にTakaichi ShockあるいはSanae Shockといった表現をする市場関係者が増えているのだろう。海外勢が金利の形成に強い影響力を持つ超長期債が急速に売られている様子に危機感を抱かない市場関係者などいない。楽観視できる状況ではもはやないのだ。
■最悪のシナリオは選挙期間中の金利急騰
 高市総理が記者会見を行う直前、片山さつき財務大臣は訪米してスコット・ベッセント財務長官と会見し、行き過ぎた円安に関して為替介入を行うことへの理解を得たようだ。協調介入が行われる可能性も意識されたことで、円安ドル高の流れは1ドル=160円を目前として止まっている。このことがかえって総理の危機感を弱めたのかもしれない。
 ただし、そのベッセント財務長官からも、日本に対して長期金利の安定に向けた動きを取るように注文がついている。米国の長期金利は、グリーンランドを巡る欧州諸国との対立もあり、上昇基調を強めている。これ自体は米国の責任だが、そこに日本発の金利上昇圧力が加わったことで、米国ひいては世界の国債市場が不安定さを強めている。
 日本の金利が一段と上昇すれば、日銀が国債を購入してその安定に努めるだろう。トラスショックの際も、イングランド銀行国債を購入している。とはいえ、中銀による国債購入は本質的には通貨安要因だ。英国の場合、中銀が止血に注力しているうちに、トラス元首相は減税計画を撤回した。早期の対応で済んだため、傷も浅かったのである。
 しかし、日本はこれから解散総選挙に突入する。つまり1月23日に衆議院は解散され、27日に公示、2月8日に投開票が行われる。自らの主張への賛同を得るための解散だから、高市総理は消費減税なり財政拡張を撤回できまい。これに乗じて、海外勢が超長期国債や円の売りを加速させれば、日本の自己実現的な金融危機に突入しかねない。
 財政拡張による需要刺激を声高に主張する経済ブレーンの影響もあり、総理は今回の解散総選挙の争点に消費減税を掲げたのだろう。とはいえ自民党の中でも、さすがに今般の高市総理の“スタンドプレー”に対し、苦言を呈する向きが強まっているようだ。強気の高市総理だが、結局は金利の急騰を招き、金融市場を不安定にさせてしまった。
■まだ序章である高市ショック
 介入観測から一方的な円安ドル高に一応の歯止めがかかったことや、年初来の強相場の“のりしろ”のため株価の下落が限定的なことから、個人投資家や一般国民の間には悲壮感は漂っていないようだ。これが円や株の暴落を伴う段階になって初めて、個人投資家や一般国民の間に危機感が拡がるのだろう。特に問題となるのが円相場の暴落だ。
 確かに、介入への期待はある。とはいえ、円相場の暴落の主因が高市総理による不用意な衆議院の解散にあるなら、単独介入はまだしも、協調介入などまず望めないだろう。財政運営の持続可能性の低下を嫌気した円相場の暴落は投機的な動きでないため、単独介入だけでは、それこそ効果は一時的だし、さらなる円相場の暴落を招きかねない。
 協調介入を要請するなら、米国から相応の対価を求められるはずだ。マクロ経済運営的には、大幅な利上げと財政運営の健全化といった、国際通貨基金(IMF)から融資を受けた場合と同様の条件が要求されるのではないか。他にも、例えばトランプ大統領の政策への協力などが要請されそうだが、果たして日本はそれを受け入れられるだろうか。
 それに、長期金利が低下に転じなければ、その悪影響は着実に経済を蝕んでいくことになる。今後、借り入れができない家計や企業も増えていくだろう。そもそも国債費が膨らむため、政府財政を圧迫する。それこそ、高市総理が言うところの積極財政など不可能になる。経済アドバイザーに従った結果、かえって日本経済を痛めつけるのである。
■なぜトラスショックから学べなかったのか
 日本と英国の経済構造の違いを考慮した場合、日本でトラスショックは起きないと高市総理の経済アドバイザーらは主張したようだ。しかし、高市総理はもっとシンプルに考えるべきだったのだろう。要するに“ない袖は振れない”の一言である。ただでさえ国債の消化で財政を運営する日本に、代替財源のない減税など行う余地はないのだ。
 総理の周辺が責任ある積極財政は可能だと主張したところで、実際に国債を購入する投資家に、甘酸っぱい理屈は全く通用しない。では国債を日銀に買わせればいいと考えるのかもしれないが、それでは円安に歯止めがかからなくなる。円安が進めばインフレが加速し、国民の生活はさらに窮する。実にシンプルな理屈を総理周辺は理解しない。
 ない袖は振れないにもかかわらず、それを強行しようとしたから、トラス元首相はその座を追われた。見方を変えると、トラス元総理は短期で身を引いたからこそ、英国経済の混乱は短期で収束した。高市総理も早く構想を撤回すべきだが、そもそもトラスショックの本質を理解したならば、構想そのものを打ち出すことはなかっただろう。
 就任に当たって経済最優先を掲げた高市総理だったが、海外勢からは否定的に評価され、Takaichi ShockやSanae Shockという言葉を当てられてさえいる。このままでは与党が大勝したとしても、日本のマクロ経済運営は極めて危ういものとなる。高市総理は日本経済を、かなり厄介な状況に追い込んでしまったように見受けられる。
 (寄稿はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です)

                  • -

 土田 陽介(つちだ・ようすけ)
 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 主任研究員
 1981年生まれ。2005年一橋大学経済学部、06年同大学院経済学研究科修了。浜銀総合研究所を経て、12年三菱UFJリサーチ&コンサルティング入社。現在、調査部にて欧州経済の分析を担当。

                  • -

   ・   ・   ・   
 1月23日14:53 YAHOO!JAPANニュース 産経新聞「中国メディア「政治的な賭け」などと、高市政権の行方に注目 衆院解散を速報
 中国の国旗
 中国政府は「台湾有事」が存立危機事態になり得るとした高市早苗首相の国会答弁に反発しており、衆院選後も高市政権が続くかどうかに注目している。中国国営通信新華社や国営中央テレビは23日、衆院解散を速報した。
 中国メディアは高市氏の突然の解散に批判的だ。20日付の中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、解散は日中関係緊張などから世論の関心をそらすためだとする中国の専門家の見解を掲載した。21日付の中国共産主義青年団の機関紙、中国青年報は「高市氏の政治的な賭け」とし、日本の世論は解散権の乱用を懸念していると報じた。
 遼寧大日本研究センターの陳洋客員研究員は取材に、高市氏の答弁によって「中日関係が岐路に立たされている」と指摘。衆院選は今後の両国関係の行方を左右することから、中国のメディアや世論は強い関心を寄せていると説明した。(共同)
   ・   ・   ・   
 1月23日16:15 YAHOO!JAPANニュース プレジデントオンライン「「台湾有事」発言を引き出された恨み…「総理が私でいいか」はブラフ、高市首相が「解散」を強行した「ウラの目的」
 衆院が解散され、本会議場を後にする高市首相=2026年1月23日午後1時4分 - 写真=共同通信社
 高市早苗首相が衆院を解散し、戦後最短日程となる衆院選挙へと突入した。ジャーナリストの尾中香尚里さんは「会見で高市首相は『総理大臣が私でよいか国民に決めてもらう』と言っていたが、そんな理由はありえない。本当の目的は別のところにある」という――。
 【写真をみる】自民→立憲に奪われたポストに選出された高市首相の「宿敵議員」
■「総理が私でいいか」のための解散などあり得ない
 高市早苗首相は23日、同日召集された通常国会の冒頭で衆院を解散した。2026年度予算の年度内成立をほぼ犠牲にしてまで「冒頭解散」を決断した大義はどこにあるのか。多くの国民が19日の高市首相による解散表明記者会見を見守ったが、その答えには正直あ然とした。
 「高市早苗内閣総理大臣でよいのかどうか、主権者たる国民の皆さまに決めていただく」
 衆院選高市首相の人気投票だとでも思っているのか。いくら何でもそんな理由ではないだろう。そう思っていたら、いくつかのメディアでこんな報道があった。解散の目的が、立憲民主党(衆院選では新党「中道改革連合」から出馬)の枝野幸男衆院予算委員長の交代だ、という見立てである。
 予算委員長交代が解散の目的? にわかには信じがたいが、思い当たるふしがないわけでもない。今回は「枝野予算委員長」をキーワードに、高市首相の無謀な解散の背景を考えてみたい。
■なぜ「衆院予算委員長」なのか
 自民党は2024年秋の衆院選少数与党に転落して以降、衆院予算委員長のポストを野党に奪われている。前任の石破茂政権の時は立憲の安住淳氏、高市政権では枝野氏が委員長を務めている。
 野党に予算委員長のポストを奪われれば、予算委員会の議事が野党有利な形で進み、政権として最も重要な「予算の年度内成立」に影響が出るかもしれない――。被害妄想と言えばその通りだが、自民党がそのように考えて「予算委員長ポストを取り戻したい」と願うのは、一般論としては理解できる。
予算委員会で支持率を下げられる前に解散したかった
 だが高市首相の場合、国民民主党の賛成方針によってほぼ確実になっていた予算の年度内成立を、自ら事実上反故にしてまで、今回の解散に踏み切った。国民生活に大きな影響を与える予算案だが、高市首相の解散の判断には、全く関係なかったようだ。
 通常国会に入れば、自民党派閥の裏金問題や、高市首相が代表を務める自民党の政党支部政治資金規正法の上限を超える寄付を受けていた問題などの「政治とカネ」問題、自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係などを野党に追及され、内閣支持率が低下しかねない。支持率が高いうちに解散してしまいたい――。冒頭解散については、こんな理由もささやかれる。
 だが、委員長が誰であっても(何なら自民党であっても)、野党の追及がやむはずもない。別に「枝野委員長」という固有名詞にこだわる必要もなさそうだ。
北方領土「外国に近い」発言を巡る苦い思い出
 あれこれ思いをめぐらす中で、ふと思い出したのが、昨年11月10日の衆院予算委員会での枝野氏の議事進行だ。
 この日質問に立った立憲の大築紅葉氏は、黄川田仁志沖縄・北方担当相が北海道根室市納沙布岬から対岸の北方領土を視察した際「一番外国に近い」と発言した問題を取り上げ「北方領土を外国と認識していたのか」と追及した。
 多くの報道では、高市首相が「『北方領土はわが国固有の領土であり(発言は)誤解を招きかねない』として、黄川田氏に電話で注意した」と答弁した場面が紹介されたが、実はこの答弁の直前、枝野氏にちょっとした注目が集まった場面があった。
 大築氏は高市首相に「(黄川田氏は)大臣の資質に欠けるのではないか。元島民の気持ちをどう受け止めているか」などと質問した。枝野氏は高市氏を指名したが、その時、指名もされていない茂木敏充外相がなぜか突然席を立ち、自ら答弁を始めようとした。
 「まず総理に聞いています!」と訴える大築氏。枝野氏は再び「高市早苗さん」と指名したが、茂木氏はさらに発言を続けようとした。枝野氏は茂木氏に対し「指名しておりません。外務大臣、いったん下がってください!」と強く制止した。
 質問者が求める答弁者を指名するのは、予算委員長として当然の仕切りであり、そこに党派性は全く見いだせない。しかし、ネット上では高市首相擁護の立場から「各大臣が答弁する内容まで首相が答弁している」と枝野氏の議事進行を非難する声が上がった。
 高市首相の心情を映し出すかのようだった。
■「台湾有事」発言から来る「逆恨み」
 高市首相はおそらく、予算委員会に強い苦手意識があるのだろう。
 大築氏の質問の3日前となる11月7日。首相として初の予算委を控えた高市首相は、午前3時から公邸に入り、官僚を集めた答弁の勉強会を開いて波紋を呼んだ。そこまでして入念に答弁を準備したのに、首相は台湾有事について「(安全保障基本法上の)存立危機事態になり得る」と発言。発言は日中関係を大きく揺るがし、自民党内からも苦言が出た。
 首相はその後も答弁の撤回を拒んだが「今後は特定のケースについて、この場で明言することは慎む」と、予算委で反省の言葉を口にせざるを得なかった。
 完璧な準備にもかかわらず、初日からとんだ失敗をやらかした高市首相が、その後も予算委での野党との質疑に相当のストレスを感じていたことは、想像に難くない。首相は19日の解散表明会見で「衆参本会議や(補正)予算案の審議に対応する中で、不安定な日本政治の現状、永田町の厳しい現実を痛いほど実感した」とこぼした。
 こうした被害者意識から来る逆恨みが、今回の冒頭解散を画策したとされる高市首相側近らによるチームの中で、まず存立危機事態の答弁を引き出した立憲の岡田克也氏に向かい、そこにとどまらずさらに「自分に無理やり答弁をさせている」枝野氏の議事進行にまで到達したのではないか。
■「安倍1強」時代の「強い盾」がほしい
 かつて自民党が予算委員長ポストを押さえていた頃は、委員長が政府寄りの議事進行を行い、しばしば野党側から批判を受けていた。第2次安倍政権下の2020年、首相にしか答弁できない質問で関係閣僚を指名するなどした棚橋泰文衆院予算委員長(当時)に対し、野党側が「運営が政府寄りで不公平」と反発し、解任決議案を提出したこともある。
 「1強」をタテに強引な権力行使をほしいままにしていた安倍政権に憧れる高市首相のことだ。棚橋氏のように、本来首相が答弁すべきことを他の閣僚に振るなどして「野党から首相を守る盾になる」ような、自らに都合の良い予算委員長を作りたい、と望んだとしても不思議はない。
高市首相が進めたい「国論を二分する改革」の正体
 ところで、仮にこの衆院選に勝利して安定した与党となり、予算委員長ポストを奪還して国会を楽に乗り切れる環境を作れたとしたら、高市首相は何をしたいのか。解散表明会見で、首相は何度もこの言葉を繰り返した。
 「国論を二分する大胆な改革にも、批判を恐れることなく果敢に挑戦する」
 「大胆な改革」の具体像がいま一つ判然としなかったが、発言から想定されるのは「責任ある積極財政」「安全保障政策の抜本的強化」「インテリジェンス機能の強化」あたりだろう。ちなみに「責任ある積極財政」に含まれるとみられる「食料品の消費税を2年間ゼロにする」は、現在ほとんどの政党が同様の公約を掲げており「国論を二分」しそうにない(ついでだが、この政策は2026年度予算案に盛り込まれておらず、実現は早くても2027年度以降だ。政策の是非以前に、スピード感は全く感じられない)。
 「安保政策強化」「インテリジェンス機能強化」について、高市首相は会見で、いわゆる「戦略3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)の前倒し改正、国家情報局の設置、スパイ防止法制定などを挙げた。当然、公示前には自民党からもう少し具体的な内容が公約として示されるはずだが(そうでないと「首相への白紙委任」になる)、確かにこれらは「国論を二分する」政策となりそうだ。
 会見で冒頭発言に30分も使いながら、これらの政策の具体像を語るのを避けたのは、準備不足もあったかもしれないが、記者団から余計な質問を受け付けたくない、という心理も透けて見える。
イエスマン予算委員長で「楽な政策実現」を画策
 そして高市首相は、これらの政策実現に向け「批判を恐れることなく果敢に挑戦する」と語った。イエスマンのような予算委員長を配置することで、自らは面倒な答弁から極力逃げて、関係閣僚の陰に隠れる。その上で「批判を恐れず」、つまり野党の批判に耳を貸さず、最後は「果敢に」強行採決でも何でもやって、楽に政策実現にこぎつけたい――。
 「枝野氏交代」論の陰にちらつくのは、高市首相や冒頭解散を進言した官邸幹部らによる、そんな思惑だ。それにしても、国のリーダーが国会における野党の質問や、自らに答弁を要求される通常の議事進行にさえ怯えながら、一方で日本の防衛政策を声高に叫ぶ姿は、何とも滑稽である。

                  • -

 尾中 香尚里(おなか・かおり)
 ジャーナリスト
 福岡県生まれ。1988年に毎日新聞に入社し、政治部で主に野党や国会を中心に取材。政治部副部長などを経て、現在はフリーで活動している。著書に『安倍晋三菅直人 非常事態のリーダーシップ』(集英社新書)、『野党第1党 「保守2大政党」に抗した30年』(現代書館)。

                  • -

【関連記事】
 「政局のキーマン」ともてはやされていたのに…まさかの「立憲・公明合体」で「次に消えてなくなる政党」の名前
 習近平が最も恐れる展開になる…高市首相が切り出せる「日本産水産物の輸入停止」への3つの対抗手段【2025年11月BEST】
小泉進次郎氏でも、高市早苗氏でもない…い
   ・   ・   ・   
 1月23日21:20 YAHOO!JAPANニュース All About「仲のいい国にしか行かない。日本パンダ“ゼロ”の衝撃…かわいさの裏に隠された「冷徹なルール」
 2026年1月、ついに日本からパンダがいなくなります。1972年の熱狂から半世紀。なぜ中国は賠償を放棄しパンダを贈ったのか?かわいさの裏にある「最強の外交カード」の真実と田中角栄の決断を、ジャーナリスト・武田一顕氏が解説します。(画像出典:PIXTA
 2026年1月下旬、シャオシャオとレイレイが中国へ返還されます。これにより、約半世紀ぶりに日本からパンダがいなくなります。
 【1月27日返還】もう二度と見られない? 双子のパンダ、シャオシャオ・レイレイ「懐かしの親子ショット」
 1972年、カンカンとランランの来日から始まった日本の「パンダフィーバー」。しかし、あの愛くるしい白黒の動物が、実は中国が切った「最強の外交カード」だったことをご存じでしょうか?
 田中角栄首相と周恩来総理、そして毛沢東。歴史的偉人たちが繰り広げたギリギリの交渉と、その裏で動いた思惑とは。
 中国通ジャーナリスト・武田一顕氏の著書『日本人が知っておくべき中国のこと』より一部抜粋・編集し、今も続く「パンダ外交」の起源をひもときます。
田中角栄が切り開いた「パンダ外交」の幕開け
 現在の中華人民共和国と日本との国交が正常化したのは、1972年9月、当時の田中角栄政権のときです。
 田中の前の佐藤栄作政権まで、日本は、今の台湾の国民党政権を中華民国の正当な政権と認めて、中華人民共和国とは正式な政府間の関係がありませんでした。
 田中は、1972年の7月に自民党総裁選で福田赳夫(たけお)を破り総理大臣に就任してすぐ、中華人民共和国と国交を回復する意思を明確にしました。
 9月には、田中は日本の現職の総理大臣として、初めて中国の首都・北京市を訪れます。
 国務院総理(中華人民共和国の最高国家行政機関、国務院主宰)の周恩来(しゅうおんらい)と会談を重ね、中国共産党主席の最高権力者・毛沢東との会談にたどり着き、9月29日、日中共同声明日本国政府中華人民共和国政府の共同声明)に、周恩来、両国外相の大平正芳姫鵬飛(きほうひ)と共に署名しました。
 「日本と中国いま国交 戦争状態終結きょう実現 平和友好条約締結に同意 歴史をひらく共同声明 日台条約は終了」(1972年9月29日『朝日新聞』夕刊)
 「日中国交ひらく 共同声明を発表 北京で両首相署名 不正常状態は終了 台湾の中国帰属を理解」(1972年9月29日『読売新聞』夕刊)
 日中の国交が回復した日の新聞は、このニュースを一面トップで報じました。
日中共同声明に記された“けじめ”の真実
 日中共同声明では、平和友好関係を確立するために、次のようなことなどを確認し合っています。
・日中間の戦争の終結、不正常な状態に終止符を打ち、外交関係を樹立すること。
中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であり、台湾は中華人民共和国の領土の一部であると承認・理解すること。
・国家の主権や領土保全に対する相互の尊重と不可侵、内政に対する不干渉。
 そして中国は、この共同声明の中で「日本に対する戦争賠償の請求を放棄する」ことを宣言しています。1972年の時点で、中国は日中戦争の賠償請求権を明確に放棄しているのです。
 そのため、日本は一度けじめをつけたと判断しました。
 ところが、この後今日に至るまで、日中間で戦争と謝罪という問題がくすぶり続けることになります。
 賠償金の名目では支払わなくても、ODAというかたちでこの後に中国に多額なお金を渡し始めています。
 そもそも賠償請求権の放棄に関しては、日本と中華民国の戦争の状態の終了と共に、1952年に結ばれた「日華平和条約」において取り決められています。
 ただし前述の通り、当時の日本は蒋介石政権下の中華民国を中国の正当な政府とみなしており、中華人民共和国を認めていませんでした。
 そのため、この時点で中華民国との平和条約は結ばれたものの、中華人民共和国との正式な国交は回復されないままだったのです。
 国交の回復にあたり、田中角栄の決断の上で最も重要な判断材料のひとつが賠償権についてでした。
 当時の中華人民共和国の国務院総理・周恩来が、賠償請求の放棄を認める意向があることがわかり、田中は訪中を決意します。
 水面下での激しい交渉を経て、1972年9月、ついに歴史的な日中共同声明が調印されました。そして、この国交正常化の「友好の証」として、あの2頭が日本にやってくることになります。
◆熱狂の裏側で、中国が切った「最強の外交カード
 日中国交正常化で忘れてはならないのは、カンカンとランランです。中国と日本の友好関係のシンボルとして、中国から日本へオスとメス、2頭のジャイアントパンダが贈呈されました。
 あのとき、日本人は初めて本物のパンダを見たことになります。
 パンダが東京の羽田空港にやって来たのは1972年10月28日。当時の内閣官房長官二階堂進が空港までお迎えに行きました。
 カンカンとランランに日本中が大熱狂。11月に上野動物園で一般公開されると、入園者が殺到しました。
 わずか50秒程度しか見学できないのに、約2キロメートルの行列ができたほど。年間入園者数は、700万人を超える年が続きました。
 中ソ関係が悪化し、文革の混乱によって経済力が低下していた1970年代前半の中国は、アメリカや日本と友好関係を結ぼうとしていました。
 同じ1972年の4月にはアメリカのワシントンD.C.国立動物園に2頭のパンダが贈られています。その後に日本に来たカンカンとランランは、今日まで続く中国の対日パンダ外交のはしりでした。
 中国の外交状況やどの国と仲がいいのかは、このパンダの貸与状況をチェックするとよくわかります。どこかと友好関係を結ぶ、あるいは中国が接近しようとすると、その国にパンダが行くのです。
 仲のいい国にはパンダが行く。仲のよくない国にはパンダは行かない。中国の外交の基本です。
 最近では、2024年に、アメリカやスペインにパンダが貸与されました。中国が接近、あるいは関係改善しようとしている証です。
 また、四川省の「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」とフランスの「ピレネー国立公園」が協定を結びました。おそらく近いうちにフランスにもパンダを貸与するでしょう。
 このように、中国が気前よくパンダを外国へ出すときは外交的に軟化しているシグナルともいわれています。
◆タレ目の奥は猛獣? それでも人が集まるパンダの魔力
 パンダは、“友好の使者”と呼ばれ、その貸与は中国の必殺技というか、あの国だけが使えるお家芸。中国にとっては圧倒的な外交のカードです。
 パンダの愛らしい顔を見ると、どの国の人も表情がほころび、心温まります。そして何よりも、そこにパンダがいるだけで、動物園にはお客が集まり収入が安定します。
 2000年から2024年までパンダを展示していた神戸市立王子動物園によると、パンダが来日した2000年の来園者数は198万人を記録したそうです。それ以前は100万人ベースで、その後は120〜130万人を推移しており、その数字からもパンダ効果がうかがえます。
 ちなみに中国語でパンダは“熊猫(シォンマオ)”と表します。パンダは見た目の通り、基本的には温厚ですが、なにしろクマ科の動物です。中には凶暴な個体もいて、野生のパンダが人を襲うという事例もありました。
 人間と同じで、性格はそれぞれ違います。顔には優しそうなタレ目に見える模様がありますが、あの目をよく見てください。なかなか強烈です。
 それでも世界中で愛されます。地べたに座って笹をバリバリ食べている姿を見るだけで癒されるのです。
 2017年に上野動物園で生まれたシャンシャンが、アイドル級の人気だったことは記憶に新しいでしょう。
 現在日本で飼育されているパンダは、日本で生まれた個体も含めて貸与扱いになっているため、シャンシャンは2023年に中国に返還されました。
 最終日の観覧枠は最大2600人でしたが、事前抽選の倍率は24倍、その中でも、最後の時間帯で観覧できる最終枠は約100人で、その倍率はなんと70倍だったそうです。
 羽田を発つときは、約600人が見送りに訪れています。「ありがとうシャンシャン」のボードを掲げ、涙をためている人もいました。シャンシャンの姿が見えないにもかかわらず、です。
 シャンシャンが上野にいた6年弱の経済効果は、入場料からグッズまで、500億円を超えるともいわれています。この書籍の執筆者:武田一顕 プロフィール
1966年生まれ。東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。元TBS報道局記者。国会担当記者時代の“国会王子”という異名で知られる。また、『サンデージャポン』の政治コーナーにも長く出演し親しまれた。2023年6月退社後、フリーランスのジャーナリストに転身して活動中。大学在学中には香港中文大学に留学経験があり、TBS在職中も特派員として3年半北京に赴任していた経験を持つ。その後も年に数回は中国に渡り取材を行っている「中国通」でもある。著書に『日本人が知っておくべき中国のこと』(辰巳出版)など。
 武田 一顕
 【関連記事】
 【1月27日返還】もう二度と見られない? 双子のパンダ、シャオシャオ・レイレイ「懐かしの親子ショット」
◆知識人は絶望、大衆は熱狂。習近平が「たった2文字」のスローガンで支持されるカラクリ
◆なぜ中国は豊かになっても「満たされない」のか。習近平体制を支える“強烈な被害者意識”の正体
習近平の正体は「小心者」? 中国通が読み解く、強気な発言と裏腹な“震える本音”
◆日本に「拒否権」はない。防衛専門家が明かす、台湾有事で自動的に“参戦”を強いられる理由
   ・   ・   ・   
 1月23日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「「やられると激怒、やると正義」EU排除と対日封鎖で露呈した中国の二重基準
 欧州連合EU)がファーウェイやZTEなど中国通信企業を移動通信網から排除する方針を推進することに対し、中国政府が「中国企業差別」と反発し、報復を警告した。Newsisの報道によると、中国商務部の何咏前報道官は22日、定例ブリーフィングで欧州委員会がこのような内容を含む新しいサイバーセキュリティ法を推進することについて「中国はこれに対して厳重な懸念を表明する」との立場を示したという。
 何報道官は「EUは何の事実的根拠もなく一部の中国企業を高リスク供給業者に指定し、中国企業の第5世代移動通信システム構築参加を制限している」とし、「中国企業に対するEUの差別的行為と経済・貿易問題を政治化・範安保化する誤ったアプローチに断固反対する」と強調した。
 続けて今回の件について「公正競争を深刻に妨害し、市場を歪めるだけでなく、他者に害を及ぼしながら自分にも利益をもたらさない」とし、「自ら危険を招いてデジタル産業の供給網の安全を脅かすことになる」と非難した。何報道官はEUに対し、「保護主義の道に進まないようにし、さらに中・EU間の正常な経済・貿易協力を妨げないように」とし、「EU中国企業に対して差別的措置を講じる場合、必ず断固たる措置を講じる」と予告した。
 これまでサイバーセキュリティのリスクを理由に第5世代移動通信システム市場でこれらの企業の機器を使用しないように勧告してきた欧州委員会は、最近新しいサイバーセキュリティ法の一環としてEU加盟国が移動通信網からファーウェイやZTEなど一部の中国企業を排除することを義務化する方針を推進している。これに対し中国外交部の郭嘉昆報道官も前日、定例ブリーフィングで「安全を理由に政治的操作を繰り返している」とし、このような方針を引き続き推進する場合、必要な措置を講じると警告した。
 中国が日本企業に対するレアアース輸出審査を強化したという日本メディアの報道についても見解を示した。何報道官はこのような方針が中国商務部の指示かどうかを問う質問に対し、直接的な回答は出さず「法と規則に従い、すべての軍民両用品目について、日本の軍事ユーザーと軍事用途、そして日本の軍事力強化に参加するすべての最終ユーザー用途への輸出を禁止している」と述べた。続けて「その目的は『再軍事化』と核保有の試みを阻止するためのもので、完全に正当で合理的かつ合法的だ」と強調した。
 何報道官は「中国はグローバルな生産・供給網の安定と安全を守るために常に努力してきており、輸出管理申請と審査などすべての手続きは法規に従って適法に進められる」とし、「民間用途などの条件を満たす輸出申請はすべて承認される」との既存の立場も再確認した。
   ・   ・   ・   
 1月23日 MicrosoftStartニュース ニューズウィーク日本版「「パンダを見たい日本人は中国に来い」中国の「懲罰的パンダ外交」で日本からパンダが消える
 © ニューズウィーク日本版
 上野公園のパンダも1月下旬で見納めだ Takashi Images-shutterstock
 <中国は、高市首相の台湾有事に関する圧減と、パンダを日本から引き上げることとを関連付けてはいないが>
 2021年6月23日に上野動物園で誕生したジャイアントパンダの双子、シャオシャオとレイレイは、1月27日に上野動物園を離れることになった。これにより、半世紀ぶりに日本からパンダが1頭もいなくなることとなる。
 絶滅危惧種であるパンダは、10年間の貸与契約のもとで日本に貸し出されていた。この契約は2021年に期限を迎えた後、さらに5年間延長されていた。1972年に日中が国交を正常化して以来、少なくとも1頭のパンダが常に日本にいた。
 専門家は、今回、契約が延長できなかったのは、2025年11月に高市早苗首相が台湾有事への軍事介入の可能性について発言したことを受け、中国が日本に不満を示しているためだと見ている。
 本誌は中華人民共和国駐日本国大使館にコメントを求めている。
 中国外交部の報道官、郭嘉昆(クオ・チアクン)は、1月21日の定例記者会見でパンダが日本に貸し出されないことで、二国間関係にどのような影響があるのか問われた際、「日本には多くのジャイアントパンダのファンがいることを承知している。日本人が中国に来てパンダを見てくれることを歓迎する」と、日本の観光客の訪中を期待する旨の発言を行いつつ、質問への明確な回答を避けた。
 シンガポール防衛戦略研究所のコリン・コー上級研究員はX(旧ツイッター)で、この発言の意図につき、「私(中国)はもう君たちにパンダを貸したくない、高市が台湾について言ったことが気に入らないからだ。でも日本人観光客が落としてくれるお金は今でも大好きだよ」と説明を加えた。
 中国の「懲罰的パンダ外交」は過去にも
 中国は今回のパンダ返還を高市早苗の台湾関連の発言と直接結びつけてはいない。しかし、中国には、アメリカとの関係悪化を受けてパンダ貸与契約を打ち切り、その後関係改善に伴い再開したという前例もあるため、全く関係がないというのには無理がある。
 ジョージタウン大学の米中対話グローバル・イニシアティブのデニス・ワイルダー上級研究員は、中国のこうした動きを「懲罰的パンダ外交」と呼んでいる。
 日中関係は、2025年11月に高市首相が、中国が台湾に対して軍事行動を起こした場合に日本が軍事的に対応する可能性を明言してから、急速に悪化した。
 中国は即座に報復に出た。中国の航空会社は日本への便をキャンセルし、中国国内での日本映画公開を複数見送った。
 さらに、民生用電子機器からミサイル誘導システムに至るまで、さまざまな技術にとって不可欠な希土類元素レアアース)についても、中国政府は日本向けの輸出に対する制限を発表している。
 上野公園の一般来園者がパンダを見ることができるラストチャンスは1月25日。その後、1月27日に2頭は中国へ空輸される予定となっている。
 果たして、日本で再びパンダが見られる日は来るのだろうか。
 マイカ・マッカートニー
   ・   ・   ・   
 1月23日 MicrosoftStartニュース 47NEWS「台湾有事、ロシアは中国の軍事作戦に参加するのか 波紋呼ぶラブロフ外相発言
 2025年5月のモスクワでの首脳会談で握手するロシアのプーチン大統領(右)と習近平・中国国家主席(ゲッティ=共同)
 © 47NEWS
 中国軍が周辺海域で大規模な演習を行うなど台湾を巡る情勢は緊迫の度を強めている。こうした中、ロシアのラブロフ外相が有事の際、中国を支援すると発言し、波紋を呼んだ。実際の危機時に、ロシアは中国を支援するのか、その場合はどのような形が想定されるのか、防衛省の研究機関である防衛研究所の山添博史・米欧ロシア研究室長に最新の状況を聞いた。(共同通信=太田清)
 山添博史氏(本人提供・共同)
 © 47NEWS
 ▽エスカレート
 ―台湾を巡っては昨年末、米国防総省が「2027年末までに戦争に勝利する能力を獲得すると中国が見込んでいる」との報告書を発表。同じ時期に中国軍による台湾を包囲する軍事演習も行われた。一方、ラブロフ外相は昨年12月28日に公開されたインタビューで「台湾海峡での事態がエスカレートした場合」、中国を支援すると発言した。どう解釈すべきか。
 「発言は中国とのいっそうの協力関係を示すことで、ロシアの東アジアでのプレゼンスを強調し、ロシアの国益を考慮するよう、日米に促す狙いがあったと考えている」
 「一方で、ある意味ラブロフ外相はそれほど強硬ではない姿勢も示した。中国を支援する根拠として示したのは、2001年に中国とロシアの間で交わされ『善隣友好協力条約』。この条約は(米国など)特定の第三国を対象としたものではなく、紛争の政治的解決を記載しているからだ」
 「中ロ両軍の軍事協力の実績に触れ、有事の際は『あらゆる選択肢がある』などと、いかようにも解釈できるよう発言することもできたはずだが、それをしなかったところに慎重な立場が垣間見える」
 中国軍の東部戦区が12月30日、台湾周辺での軍事演習の一場面として「微信ウィーチャット)」の公式アカウントに投稿した画像(共同)
 © 47NEWS
 ▽意図
 ―発言は、ロシアと中国ではどのように伝えられたのか。
 「ロシアでは有事の際に中国をサポートするという解釈で伝えられ、ロシア当局の発信の意向がその点にあったことがうかがえる」
 「一方、中国の国営新華社は、ロシアが中台を不可分の領土とする『一つの中国』原則をあらためて確認し、日本の『軍事化』を批判したと報じており、有事の際の中国支援については触れなかった」
 2024年9月15日、日本海で演習を行うロシアと中国の艦艇(タス=共同)
 © 47NEWS
 ▽陸上輸送
 ―では台湾有事の際、ロシアはどう行動すると予測されるのか。
  「容易に勝てると期待できる状況でない限り、軍事作戦に直接的な参加はしないだろう。反撃を受ければ極東ロシアは脆弱だからだ」
 「しかし、日本周辺での軍事演習でミサイル発射や多数の爆撃機飛行訓練を行うなど威圧的な行為を行う可能性はある。また、海底ケーブルの破壊工作などを実施する恐れもある。日米同盟からの反撃を避けつつ圧力をかけ、ロシアのプレゼンスを示すと同時に、中国に恩を売ることを狙える」
 「他方、中国はあくまで台湾問題を自国の内政問題ととらえており、ロシア側の軍事面でのサポートは望んでいないだろう。もっとも有事が長期化し、海上封鎖などで海路での物資輸送が途絶えれば、中国はロシアなどからの陸上輸送に頼らざるを得ず、その面でロシアの支援に期待する面はあるかもしれない」
 
 ―近年、中国とロシアは日本周辺での軍事演習や空海での合同パトロールを実施、軍事面での協力を深めている。
 「互いの軍事協力、信頼関係を強化しているのは間違いないが、共同軍事作戦が可能な連携がとれているとは思えない。あくまで両国それぞれの軍事能力向上を狙ったものだろう。ロシアとしては東アジアでのプレゼンスを強化して、日米などに対しロシアの意向を考慮するよう求める狙いもある」
 ―間もなく5年目に突入するウクライナ戦争でロシアと中国の協力はどう変容したのか。
 「半導体などの物資供給や原油購入などを通じて、中国がロシアの戦争継続能力を支えているとの批判は強い」
 「しかし、ロシアと中国は共通の仮想敵国に対し協力して軍事面での対応を約束する同盟関係にはなく、あくまでパートナーシップだ。相手が抱える紛争に縛られず、自由に行動しながら必要な限りの協力をする。また、ウクライナ問題で中国は対話を通じた外交的解決を唱えているのに対し、ロシアは提案を一応傾聴する姿勢を見せながら半ば無視している」
 「ロシアは、領土外への核配備をしないことをうたった23年の中ロ共同声明に反して隣国ベラルーシに核配備を行った。北朝鮮部隊の参戦も中国の神経を逆なでした。いわば両国は『同床異夢』の状況で、互いが自国の政策決定や国益を優先している状況だ」
  ×   ×
 1975年大阪府生まれ。ロンドン大スラブ東欧研究所修士。京都大博士。英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)客員研究員を経て現職。
   ・   ・   ・