🎵27:─2─司馬遼太郎が日露戦争から読み解いた日本軍の「欠陥」。『坂の上の雲』。~No.64 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2026年10月8日 YAHOO!JAPANニュース AERA DIGITAL「司馬遼太郎『坂の上の雲』はなぜ司令官ばかり描くのか 歴史学者が読み解く戦争の語り方
 『坂の上の雲』は日露戦争を描いた国民的歴史小説として知られる。しかし司馬遼太郎が描こうとしたのは戦闘そのものではなく、「戦争をどう見るか」という視点だった。成田龍一さんの『司馬遼太郎の幕末・明治』から、司馬の語りの構造を歴史家の目で読み解いていく。
 *  *  *
■3 〈戦争の語り〉
(1)認識
 さて、いよいよ日露戦争です。1904年2月6日、日本はロシアと国交を断絶します。連合艦隊司令長官の東郷平八郎に命令が伝わるのは5日夜でただちに出撃命令が発せられますが、司馬遼太郎は、翌年5月27日・28日の日本海海戦まで多くの戦闘をこれから綴っていきます。『坂の上の雲』の本文(文庫版の総ページ2925ページ)のうち、日露戦争の記述が1958ページを占めており、この物語が日露戦争を描いているということがわかります。
 『坂の上の雲』が書かれた1970年前後といえば、60年以上が経過し、日露戦争が歴史化されるのに十分な時間がたっていました。しかも、ベトナム戦争が世界的に問題となっており、日本でも反戦運動が展開され、「戦争」が政治的な問題として考えられていた時期でした。十五年戦争(この言い方は、このときにはまだ一般化していませんでしたが)があらためて検討され、女性たちが多く寄稿した、暮しの手帖社編『戦争中の暮しの記録』(1968年)などに代表される生活記録集が刊行され、日本全国各地で空襲体験の証言が集められるなど、「銃後」の生活にかかわる記録が大きな関心を集めていました。十五年戦争の歴史書としては画期的な、家永三郎『太平洋戦争』(1968年)が刊行されたのもこの時期のことですが、司馬は十五年戦争ではなく(それをさかのぼって)日露戦争に注目し、男性たちの行動を書き綴っていくのです。
■「戦略」
 司馬は日露戦争を描くにあたって、「日露両国の戦略」から書き始めます――日本の「戦略」は短期間に「はなやかな成果」をあげ、そのあと時機をとらえ、外交交渉で集結に持ち込むというものでした。そのために決戦場に「早く」「多く」の兵力を集結させることが課題となり、「海陸の輸送力」が焦点となりますが、日本の輸送力は「貧弱」です。ロシアの極東艦隊との「制海権の争奪戦」が必須で、同時に、朝鮮に上陸した部隊は鴨緑江(おうりよつこう)付近、南満州に上陸した部隊は遼陽(りようよう)付近で戦闘をするだろうというものです。また、海軍の「戦略」は、ロシアの極東艦隊とバルチック艦隊とを合体させず、それぞれ「撃破」するというもので、まずは「やや劣勢」の極東艦隊を撃つために、旅順軍港に照準を定めます。
 こうした陸軍参謀本部・海軍軍令部や現地の軍司令部による「戦略」が『坂の上の雲』の戦闘の叙述に先行して提示されることは、あらかじめの見取り図が読者に与えられるという効果をもちますが、同時に、読者がその目線で日露戦争および個々の戦闘をみていくということを意味します。「戦略」に基づく個々の戦闘の目的と目標が、実際の戦闘過程において達成しえたか否かという観点から日露戦争が記述され、それを読者が共有することとなります。司馬の〈戦争の語り〉といったとき、こうした目線の位置が特徴としてあげられます。主語となるのは、児玉源太郎や乃木希典(のぎ・まれすけ)、東郷平八郎といった司令官であり、「戦争と戦闘の設計家」といわれている参謀たちです。秋山真之が主人公の一人とされていることも、この理由によっているでしょう。
 リーダーとサブリーダーによって戦争が描かれるということは、兵士たちは匿名で集合的に登場するということです。これを第一の特徴とするならば、第二の特徴として、ロシア軍のリーダーたちもきちんと描かれている、という点をあげることができます。日本軍の側から一方的に戦闘を描くのではなく、ロシア軍がどのような戦略をもち実戦を戦ったかが示されます。ただ、日本軍に比して、ロシア軍はしばしばきびしい評価を受けています。たとえば、日本の「戦略」が緻密に立てられているのに対し、ロシアの「戦略」は「おおようで不幸なほど粗雑であった」と司馬はいっています。新設の極東総督府が作戦立案を担当しますが、⑴日本の軍事力を数字のみで判断し、陸上作戦の「基礎」から間違ってしまったこと、⑵クロパトキン将軍は「合理的」な計画を立案したが、極東総督アレクセーエフとの確執がありロシア軍の統帥が分裂していたことなどをその理由として述べています。日本とロシアの司令部が、対照的に記述されています。
 司馬は、戦闘の経過に沿いながら、日本とロシア、陸上での戦闘と海戦を行き来して、いくつもの戦闘の連なりとして日露戦争の叙述をおこないます。記述されるのは戦闘の細かな描写ではなく、戦闘にみられた日露それぞれの思惑であり、司令官・参謀たちの行動であり、また組織や人事の抱える問題点の指摘です。司馬遼太郎の〈戦争の語り〉という点に着目して、『坂の上の雲』を読んでいってみましょう。まずは、司馬が語る戦闘をたどり、主としてどのような視点から叙述していたかを探りながらみていくことにします。
 (書籍『司馬遼太郎の幕末・明治』から一部抜粋)
 【AERA Books MEMO】
 『司馬遼太郎の幕末・明治』
 「国民作家」司馬遼太郎の大作『竜馬がゆく』と『坂の上の雲』を、記述の〈作法〉に注目しながら、歴史家が読み解く。小説の対象となる時代・書かれた時代・われわれが読んでいる今現在=「三つの時間軸」の視点で考える初めての試み。
 成田龍一
   ・   ・   ・  
 10月8日 MicrosoftStartニュース AERA DIGITAL「なぜ日本は情報発信で負けるのか 司馬遼太郎が日露戦争から読み解いた日本軍の「欠陥」
 成田龍一
 日露戦争で日本が苦戦したのは戦場だけではなかった。司馬遼太郎は『坂の上の雲』のなかで、国際世論やメディアへの対応のまずさを鋭く指摘している。成田龍一さんの『司馬遼太郎の幕末・明治』から、そのメディア観について一部抜粋して紹介する。
 *  *  *
■メディア戦略
 司馬が、日本軍司令部の「欠陥」として、各国の従軍記者の扱い方が下手である――接待が「粗末」で、「傲慢」な態度をとり、「極端な秘密主義」をとったことを指摘していることも注目すべきことがらです。「明治人」は、新聞記者や世論に対する認識が薄く、ロシア側の情報が流され「日本軍非勝利説」がニュースとなり、日本公債の応募が激減したことを、司馬は、苦々しげに記します。情報とメディアに対する無頓着、そして「国際的な世論操作の感覚や能力」に欠けていたことをいいます。新聞記者の経験をつんでいたということもあるでしょうが、司馬が、自己宣伝の必要性とメディアの重要性、そしてそれを世界に発信していく必要性を述べているのは、1970年前後の時代をきちんと把握していたことでもあるでしょう。自信のなさからくる「秘密主義」(これは、官僚制に付随していることでもあります)を、きびしく批判します。
 しかし、外国人記者の報道に、黄色人種が白色人種に「優越」したことを受け入れまいとする「人種的偏見」があったことを、司馬はあわせて指摘しています。すでに『坂の上の雲』のあちこちで言及している論点ですが、司馬の〈人種〉問題への関心の高さがうかがわれます。このことと関連し、ユダヤ人についても論じていきます。戦費調達に苦しむ日本に、「アメリカ国籍のユダヤ人金融家」が肩入れしてくれたのです。彼ヤコブ・シフ(クーン・ロエブ商会支配人)は、「ロシアは、ユダヤ人を迫害している」とロシアを批判し、日本に近づくのですが、司馬はユダヤ人の問題に言及し、さらにロシアの民族問題として、ポーランドやフィンランドについてもふれます。ロシアの「衛星圏」に不平をもつ民族が多くおり、さらに国内には、帝政の「矛盾と圧制」のために「革命運動家」が存在することもいいます。ただ、このことが、単一民族ではないはずの日本には反転してきません。問題や矛盾を抱え込むのはロシアであり、ロシア国内には、レーニンやクロポトキンらをはじめ、日本の勝利を望む者がいることをいうのです。
 戦術思想の描き方に、〈人種〉をめぐっての屈曲が現れている、といいうるかもしれません。司馬は、日露戦争の戦術を解釈するとき、一方では「日本」の戦史に範を求め、第一軍の渡河を源義経の鵯越(ひよどりごえ)になぞらえ、同時に、渡河=鵯越は「メッケルによってヨーロッパの近代戦術をまなんだ日本人が、ここにメッケルを越える独創の戦術をうちたてることになる」と言います。ヨーロッパに学びつつ、ヨーロッパを越える可能性を求めようとの記述がなされるのです。
 (書籍『司馬遼太郎の幕末・明治』から一部抜粋)
 【AERA Books MEMO】
 『司馬遼太郎の幕末・明治』
 「国民作家」司馬遼太郎の大作『竜馬がゆく』と『坂の上の雲』を、記述の〈作法〉に注目しながら、歴史家が読み解く。小説の対象となる時代・書かれた時代・われわれが読んでいる今現在=「三つの時間軸」の視点で考える初めての試み。
・【続きを読む】司馬遼太郎『坂の上の雲』はなぜ司令官ばかり描くのか 歴史学者が読み解く戦争の語り方
・「日本は再び敗戦を迎えたのではないか」 司馬遼󠄁太郎が晩年に抱いた絶望
・「日本や日本人はこんなはずではない」 司馬遼󠄁太郎が見た明治時代の“原点”
   ・   ・   ・   

🌊9:─1─ロシア産天然ガスの輸入が停止すれば日本は停電する危険性が増す。~No.26 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 中国共産党政権とロシアによる対日包囲網。
   ・   ・   ・   
9月26日 YAHOO!JAPANニュース クーリエ・ジャポン「【資源敗戦国・日本】「明日停電するかもしれない…」天然ガスの買い負けで深まる日本の窮地
 米国のイラン攻撃でホルムズ海峡が封鎖され、日本の「エネルギー自給」に注目が集まっている。日本はエネルギーについてどれほど脆弱な立場にあるのか、なぜこれほど脆弱なのか。『新・世界エネルギー戦争 資源敗戦国・日本の未来』の著者・吉井英生が解説する。
 【解説をみる】【資源敗戦国・日本】世界のエネルギー争奪戦、日本が置かれた「脆弱すぎる」状況
 1973年オイルショックとの違い
──吉井さんは東京電力に長く勤務されたあと日立に移られ、いまもエネルギー関係のお仕事をされているプロフェッショナルです。最近『新・世界エネルギー戦争』という本を出版されましたが、これはどのような本でしょうか。
 吉井 米国、ロシア、中国、中東、欧州、日本という6つの地域が、現在どのようにエネルギー争奪戦の戦いの中にあるかを描きました。
 さらに大きな特徴として、5つの主要エネルギーである石油、石炭、天然ガス、原子力、再生可能エネルギー(風力や太陽光など)がそれぞれバランスをとりながら世の中にエネルギーを供給していますが、相互の相性が非常に悪いという点に着目しています。私はすべての分野を経験したので、それぞれを公正に比較しています。
──米国によるイラン攻撃とホルムズ海峡封鎖について、一時期に比べれば報道も落ち着いた感じがありますが、吉井さんの目から見て現状はどう映りますか。
 吉井 まだ予断を許さない状況です。6月に合意された60日間のイランと米国の停戦も崩れているので、急にすべてが平和に戻ることは考えにくいです。昔、山本五十六も言ったように「戦争は始めるのは簡単だがやめるのは難しい」のです。まさにそれがいま起こっているのではないでしょうか。
──日本は中東から調達していた石油の代替調達を模索し、確保できたようにも見えますが、リスクはなお高いのでしょうか。
 吉井 エネルギーにおいて重要なのは「量」と「価格」です。どれだけの量を確保し、いくらで買ったかという点が重要なポイントとなります。今回、日本政府は量が不足する懸念があったため、米国や中央アジア、アフリカなどから調達をおこないました。その後、何の解説もない状態のため、現在どうなっているかが誰にもわからなくなっています。
──吉井さんから見ても見通しづらい状態ですか。
 吉井 私は政府の中におりませんので詳しいことはわかりませんが、一度に大量買いをするときは高値買いをするケースが多く、特に停戦直前に買い付けているようですので、高値で掴まされた可能性があります。7月分頃から入ってきますので、2〜3ヵ月遅れてガソリン代などに影響が出てきます。秋頃にどれくらいの価格で購入したかがわかってくるのではないでしょうか。
 また、ナフサ関係商品については、各種報道機関が6月か10月から上がると報道しているので、上がると思います。買ってきた石油のうち1割〜1割5分ほどはナフサになり、石油化学製品になります。クリアファイルやインクもすべて石油化学製品です。
 ありとあらゆるものが石油化学製品ですので、1973年の石油ショックとはかなり様相が違うと思っております。当時はボウルを持って豆腐屋さんに豆腐を買いに行っていましたが、いまは豆腐はパック入りです。そのためそれらがすべて値上がりしてしまう可能性があります。
 イラン戦争の長期的な影響
──長期的なスパン、たとえば1年〜2年では、どのように影響が出てくると見ていらっしゃいますか。
 吉井 まず1人の人物、ドナルド・トランプの挙動が大きな影響を与えます。彼が「負けました、ごめんなさい」と言えばすべてが鎮静化してエネルギーには最善ですが、言わないでしょう。そうなると1年ほどのスパンで高い価格状態が続き、ホルムズ海峡が封鎖されているので、量と価格の両面で影響が出てくるかもしれません。
 すでに6月の段階から足りないものは足りなくなっています。どうしても石油化学メーカーは生活必需品へ優先的に供給し、優先度の低いものは供給を絞っていくため、絞られる範囲が広くなってくると思います。
──日本のエネルギー自給率の低さについて、どのように評価されますか。
 吉井 自給率が低い国は台湾やシンガポールなどもありますが、最大の問題なのは「経済大国でありながら自給率が低い」という点です。動かしている経済規模が大きいのに自前で取れる燃料が少ないため、常に買ってこなくてはいけません。そのためにはお金を稼がなければなりません。かつてのように日本が「買います」と言えば売ってくれる時代ではありません。
──購買力が落ちているにもかかわらず、自給率は2023年データで15.2%ときわめて低いです。これは危機的な状況ですか。
 吉井 非常に危機的です。かつて原子力が電力需要の約3割を担っていた時期は、自給率も2割を超えていました。原発によるエネルギーは自給率に算入されるためです。
 現在原子力の再稼働について、規制委員会に認められた33基のうち動いているのは15基です。いまの15.2%も再生可能エネルギーが頑張っているからであり、ほかはすべて石油や天然ガスの輸入に頼っています。
 現在の原子力の再稼働について、日本にある全33基のうち、原子力規制委員会に再稼働を認められたのは17基で、実際に動いているのは15基です。
──米国の状況や中東依存のリスクはいかがでしょうか。
 吉井 今回のホルムズ封鎖は誰も予想しなかったでしょう。トランプ大統領がやらなくていい戦争をやり、世界的な供給不安を起こしました。
 しかし米国自体も無傷ではありません。米国は原油産出量とLNG(液化天然ガス)輸出国で世界最大ですが、原油価格は世界統一市場で連動しているため、ホルムズ封鎖で米国の原油価格も上がりました。そうなると、米国の肥料の価格も上がります。その結果、トランプ大統領の支持基盤である農民が怒るというブーメランが返ってきます。そこまで計算していなかったのでしょう。
──日本の石油は、とりあえずは確保できる状態であると考えてよいのでしょうか。
 吉井 備蓄が200日分あるので、確保はできています。ワンクッションはありますが、それがなくなれば調達しなければなりません。
 問題は日本の製油所です。原油は、地域によってクオリティが異なります。日本の製油所は長く中東仕様の原油に合わせて機械が設定されているため、いきなり米国産の原油を持ってきてもすぐ適合できるとは限りません。設備の調整やブレンドが必要で、お金もかかります。
 私が東電に入社した頃は「中東依存は8割を超えるとセキュリティ上まずい、なんとか8割を切ろう」が業界の合い言葉でしたが、言われなくなりました。発想を変えて、中東との相互投資や貿易を増やし、日本の技術がなければ中東も動かないという相互依存関係を強める時代に来ているのかもしれません。
 【関連記事】
 なぜ日本の風力産業は消えたのか? 欧州市場から覇権を奪った中国の戦略
 「日本の急所」はすでにロシアに握られている…2027年、大停電が起こるリスク
 日本がいつのまにか「資源敗戦国」に!…電気代が高騰し続ける「知られざる事情」
 中国が「買う国」から「建てて売る国」となり、狙う「エネルギー覇権」…原発で世界を牛耳る、恐ろしいシナリオ
 日本に燃料を売る国が消える…「貧しい先進国」に転落する「恐ろしい事実」
   ・   ・   ・   
 10月2日 YAHOO!JAPANニュース 読売新聞「プーチン氏「日本との協力に関心ある」と表明、歩み寄り求める意図か…日本の対露制裁は批判
 ロシアのプーチン大統領は1日、ウクライナ侵略を理由に日本が科した対露制裁を批判しつつ、「日本との協力に関心がある」と表明した。日本側からの歩み寄りを求める意図があるとみられる。モスクワ郊外で開いた専門家らとの「バルダイ会議」で述べた。
 1日、モスクワの「バルダイ会議」で演説するプーチン大統領ロイター
 プーチン氏はウクライナ侵略を巡り悪化した日露関係について「態度を変えたのは日本だ」と非難し、責任は日本側にあるとの主張を繰り返した。また、「日本の軍事化計画について懸念している」と強調した。
 一方、「現在の困難を乗り越えた後には、対日関係は友好、互恵的なものになる」と主張し、協力分野として経済や環境などを挙げた。ロシアで事業を続ける日本企業などの支援を露側が行っていると強調した。
 また、欧州諸国などとの関係悪化を巡り、バルト海に面したロシアの飛び地カリーニングラード州が攻撃された場合、「ロシアが保有するあらゆる兵器の使用が検討される」などと説明。核兵器使用の可能性を排除しない立場を示した。
 ◇
 木原官房長官は2日の記者会見で、「厳しい日露関係はロシアのウクライナ侵略に起因している」と改めて指摘し、関係悪化の原因は日本側にあるとしたプーチン氏の発言は「受け入れられない」と語った。
 プーチン氏が日露関係の重要性を指摘したことについては「留意している」とし、「露側と意思疎通を行っていくことが重要だ」との考えを示した。
   ・   ・   ・   
 10月9日 MicrosoftStartニュース TBS NEWS「【速報】ロシア軍の航空機が北方領土上空を領空侵犯 太平洋側を岩手県沖まで南下
 © TBS NEWS DIG
 防衛省は、ロシア軍の航空機が北方領土の上空を領空侵犯したと発表しました。
 防衛省によりますと、きょう午後、大陸方面から飛来したロシアのIL20情報収集機1機がオホーツク海を経由して択捉島、色丹島の上空を通過し、太平洋の岩手県沖まで南下したあと、再び日本海に向けて飛行しました。
 航空自衛隊は、戦闘機を緊急発進させて対応しました。
 防衛省によりますと、ロシアの情報収集機は先月7日にも同様の経路を飛行しているということで、飛行目的の調査、分析を進めています。
   ・   ・   ・   
 10月6日 YAHOO!JAPANニュース FNNプライムオンライン「日本によるロシアへの追加制裁を受けロシア外務省が対抗措置を表明
 日本によるロシアへの追加制裁を受け、ロシア外務省は「日本にとって関心のある分野を対象に」対抗措置を取ると表明しました。
 【画像】北方領土・択捉島を電撃訪問したプーチン大統領(8月)
 ロシア外務省のザハロワ報道官は5日、日本が2日に発表した追加制裁について、「日本政府は、両国関係にわずかに残っているものをさらに悪化させる、軽率な行動を取り続けている」と批判しました。
 また、高市政権の対応は「ウクライナを長期的な平和の実現を遠ざけている」と主張しました。
 そのうえで、「日本の非友好的な行動には相応の対抗措置を取る」とし、「日本にとって関心のある分野を対象とする」としています。
 具体的な措置の内容は明らかにしていません。
 ロシアへの制裁をめぐっては、日本政府は2日、軍事関連の33団体と9個人に対する資産凍結などの追加措置を発表しました。
 さらに、制裁を回避してロシア産原油などを輸送する「影の船団」の船舶35隻も対象とし、保険や船舶修繕などの取引を規制するとしています。
 【関連リンク】
 【プーチン総スカン】大統領演説に各国大使が無反応 「み、みなさん、みなさん、これで終了ですよ」 “無言の抵抗”に動揺隠せず
 「日本兵の遺体が山積みに」…ロシアの“英雄”となった99歳の元ソ連兵“満州の惨状を証言”―ウクライナ侵攻への憤り
   ・   ・   ・   
 9月2日 産経新聞「プーチン露大統領「関係悪化は日本に責任」 制裁に不満、北方領土訪問巡る抗議受け入れず
 北方領土・択捉島の学校を訪れたロシアのプーチン大統領(中央)=8月(AP=共同)
 ロシアのプーチン大統領は2日、自らが8月13日に北方領土を訪問して日本政府から抗議を受けたことについて、「ロシアは日本との関係を悪化させる行動を一切していない。関係悪化の責任は完全に日本政府にある」と主張した。ウクライナ侵略に伴い対露制裁を発動した日本への不満を改めて表明し、日本の抗議を受け入れない立場を示した形だ。
 訪問先の中央アジア・キルギスで開いた記者会見での発言を露国営タス通信が伝えた。北方領土・択捉(えとろふ)島訪問後、プーチン氏が公の場で対日関係に言及するのは初めて。
 プーチン氏はウクライナ侵略の戦況にも言及。露軍が主戦場の東部ドネツク州で8月に集落15カ所を制圧したほか、南部ザポリージャ州でも攻勢を強めているとし、露軍の優勢を強調した。「敵が崩れ落ちるのは確実だ」とも主張した。
 露軍の損耗を背景に露政権が9月18~20日の下院選後に追加動員に乗り出すとの観測が出ていることについては「でたらめだ」と否定した。
 プーチン氏は一方で、ウクライナの長距離攻撃により露経済が打撃を受けていることを認めた。最近までに商船約100隻が攻撃され、損失額は露国内総生産(GDP)の1%に上ったほか、攻撃された各地の製油所も10%が修理待ちの状態だとした。ただ、一連の被害は「ロシアにとって致命的ではない」と主張。報復としてウクライナの経済インフラへの攻撃を強化する方針を改めて示した。
 プーチン氏はウクライナへのミサイル技術の移転を決めた英国にも言及。ウクライナ国内の英軍事関連施設はロシアの「正当な攻撃目標」になると警告した。英国内の軍需施設を攻撃するかどうかは「軍事機密だ」とし、明言を避けた。(小野田雄一)
   ・   ・   ・   
 10月6日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「北方領土を訪れたプーチン氏、その後に日本が動いた…ロシアが「報復」を予告する事態に
 竹内智子
 日本、中露との対立で外交的負担
 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の北方領土訪問を巡る余波が続いている。
 日本政府が、ロシア産原油を輸送する「シャドーフリート(影の船団)」を初めて対象とする追加対ロ制裁の方針を発表したことを受け、ロシアが強く反発し、報復措置を予告した。
 高市早苗首相の台湾有事を巡る発言をきっかけに中国との対立が続く中、日本はロシアとの対立も深める形となり、外交・安全保障面での対応が一段と難しくなる可能性が指摘されている。
 6日、NHKによると、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は前日、声明を発表し、日本が発表した追加制裁について「非友好的な決定だ」と強く批判した。
 さらに、「我々は相応の対抗措置を取る。これは日本にとって重要な分野に及ぶことになるだろう」と述べ、日本に対する報復措置を取る考えを明らかにした。
 出典:AFP通信
 これに先立ち、政府は2日、ロシアが制裁を回避して原油を輸出する手段となっている「シャドーフリート」に所属する船舶35隻を対象に、運航や修理、保険の提供などを禁止する追加制裁を決定した。
 高市内閣の発足後、初めてとなる対ロ制裁で、8月のプーチン大統領による北方領土訪問を受けた強硬措置とみられている。
 今回の措置により、日本は中国とロシアの両国と同時に対立する形となり、外交面での負担が増す可能性がある。
 高市首相の台湾有事を巡る発言を受け、中国との関係が緊張する中、ロシアまでがエネルギー供給網の遮断などの報復措置に乗り出せば、日本が東アジアで抱える安全保障上・経済上のリスクはさらに高まるとみられる。
 「江南タイムズ」で最も閲覧された記事
 ウクライナ、開戦後最大規模のモスクワ空襲…ドローン500機超で攻撃
   ・   ・   ・   
 10月6日 YAHOO!JAPANニュース 読売新聞「ウクライナ侵略巡る日本の追加制裁でロシア外務省が非難「軽率な行動だ」…「報復措置を講じる」と警告
 ロシア外務省は5日、ロシアによるウクライナ侵略を巡り、日本政府が2日に発表した対露追加制裁について「日露間に残るわずかな関係も悪化させる軽率な行動だ」と非難した。報復措置を講じると警告し、日本の国益に関わる分野を対象とする方針を示した。
 ロシア国旗=ロイター
 日本政府は、欧米の対露制裁を回避して露産原油を運ぶ「影の船団」のタンカーなど特定の35隻を初めて制裁対象に加えた。
 これに対し、露外務省は5日に報道官の声明として、欧米と足並みをそろえる日本を「外交の独立性を欠いている」と批判した。制裁は、ウクライナの和平実現にはつながらないとの考えも強調した。
 1958年発効の「日ソ通商条約」も持ち出し、日本側がロシアとの協定を「軽視している」とする立場を一方的に表明した。同協定は、両国間の海運や貿易の安定化を図ることを定めている。
   ・   ・   ・  
 10月6日 YAHOO!JAPAN 読売新聞オンライン「ウクライナ侵略巡る日本の追加制裁でロシア外務省が非難「軽率な行動だ」…「報復措置を講じる」と警告
 ロシア国旗=ロイター(読売新聞)
 ロシア外務省は5日、ロシアによるウクライナ侵略を巡り、日本政府が2日に発表した対露追加制裁について「日露間に残るわずかな関係も悪化させる軽率な行動だ」と非難した。報復措置を講じると警告し、日本の国益に関わる分野を対象とする方針を示した。
 日本政府は、欧米の対露制裁を回避して露産原油を運ぶ「影の船団」のタンカーなど特定の35隻を初めて制裁対象に加えた。
 これに対し、露外務省は5日に報道官の声明として、欧米と足並みをそろえる日本を「外交の独立性を欠いている」と批判した。制裁は、ウクライナの和平実現にはつながらないとの考えも強調した。
 1958年発効の「日ソ通商条約」も持ち出し、日本側がロシアとの協定を「軽視している」とする立場を一方的に表明した。同協定は、両国間の海運や貿易の安定化を図ることを定めている。
   ・   ・   ・   

🪗57:─5─中国共産党は旧敵国条項を根拠に次世代の中ロ米対日包囲網結成を目指している。~No.182 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 「敵国条項削除」に潜む罠。
 「旧敵国条項は死文化されていて、今さら削除する必要はない」とは、中国や共産主義などの歴史を知らない戯言でしかない。
   ・   ・   ・   
 中国共産党が主張する正統史観や抗日戦勝利史は嘘である。
   ・   ・   ・   
 2026年10月6日 MicrosoftStartニュース NEWSポストセブン「【梯子を外された】高市首相の“敵国条項削除”演説直後に米中“同盟国発言”「日本をパートナーではなく中国に対するカードとして扱っている」米国の変節を見誤った日本
手を握った米中に立ち向かえるのか(高市早苗・首相/時事通信フォト)
 トランプ大統領と習近平・国家主席が手を握った“米中接近”が注目されるなか、日本はどう動くべきか。世界情勢が大きく揺れ動くタイミングで高市早苗・首相の「演説」が波紋を広げている。国連憲章の敵国条項の削除──確かに日本政府として求めていくべきことに間違いないが、“言うだけ”で終わるのであれば、むしろ弊害のほうが大きくなりかねない。【全3回の第1回】
 米中首脳会談「同盟国発言」の衝撃
 高市首相の国連演説をめぐって日中間で激しい火花が散った。
 米中首脳会談に先立って訪米した高市首相は、トランプ大統領と会談した後に国連総会で初の演説(9月22日)に臨み、「(国連憲章の)旧敵国条項は早急に削除されるべき」と訴えた。
 「国連中心主義」を外交の原則に掲げる日本政府にとって国連憲章にある敵国条項(53条、107条など)の撤廃は基本方針だが、日本の首相が国連演説で敵国条項削除を求めたのは2005年の小泉純一郎・首相演説以来約20年ぶりのことだ。
 「さすが保守の高市さんだなと受け止めた」と語るのは保守論壇の大物で政治学者の中西輝政・京都大学名誉教授である。
「敵国条項とは、日本、ドイツ、イタリアなど旧枢軸国が再び侵略国として動く兆候があれば、国連加盟国は安全保障理事会の決議なしにそれらの国に対して自由に攻撃していいとの内容が書いてある。日本にとってとても危うい項目。本来なら日本が国連に加盟する時点(1956年12月)で削除を求めるべきでした。
 しかし、当時の日本は早く国際社会に復帰しなければ国民生活も経済も立ち行かないという状況で、政府は背に腹は代えられないと飲まざるを得なかった。その後、何度か削除に向けたエポックメイキングな動きがあったが、条文そのものは今も残っている」
 高市演説に対して中国の孫磊・国連次席大使は国連総会での討論で「高市政権は日本の歴史的犯罪に目をつぶり、軍事力拡大を隠蔽しようとしている」と批判し、敵国条項は「戦後の国際秩序を維持する制度的な保護を提供するもので、現在も極めて重要」と撤廃に反対、梅津茂・国連次席大使が反論するなど日中の論争となっている。
 ところが、そのさなかに日本が予期していなかった動きが起きた。
 トランプ大統領が国賓として招いた習近平・国家主席の歓迎式典で中国を「第2次世界大戦時の同盟国」と呼び、中国で日本軍と戦った米国人義勇兵部隊「フライング・タイガース」に触れて「彼らの活躍はまさに信じがたいものだった」と言及したからだ。
笑顔で習近平氏の肩に触れるトランプ氏(写真/共同通信社)
 習氏も歓迎晩餐会で「中国と米国の人々は肩を並べてファシストの侵略者と戦った」「抗日戦争の間、数十万もの中国人の命を犠牲にしながらも中国の軍人や民間人は数百人の米国人パイロットを救出した」とスピーチして足並みを揃えた。
 もちろん、実際に第2次世界大戦で米国と同盟を組んでいたのは現在の中華人民共和国ではなく「中華民国」なのだが、トランプ氏も習氏もお構いなしの様子だ。
 ホワイトハウスが発表した米中首脳会談の成果文書には、「米中首脳は、米国と中国が第2次大戦での同盟国であり、戦争に勝利するために共に戦ったことを思い起こした」と盛り込まれた。
 高市首相はトランプ大統領との会談後、「中国をめぐる諸課題についてタイムリーに意見交換を行なった」と中国を牽制できたことを強調していただけに、まさに梯子を外された形になった。
 「このままでは日本外交の敗北」
 このままではまずいと思ったのか、高市首相は米中首脳会談後に改めてトランプ氏と電話会談し、「大統領から詳細に説明があった。中国をめぐる諸課題を中心に意見交換し、日米の連携を確認した」と説明に追われたが、外務省OBからは、「このまま今の状況を続けると、日本外交の敗北ということになると思う」(田中均・元外務審議官)という声さえ上がっている。
 現代アメリカ政治外交が専門の前嶋和弘・上智大学総合グローバル学部教授の指摘だ。
 「今回の日米首脳会談はトランプ大統領にとって非常に良い機会だった。中国は高市首相の台湾有事発言に神経を尖らせている。それだけに米国にとって高市首相は中国との交渉カードになる。中国を『第2次大戦の同盟国』と呼ぶだけで習近平は喜ぶ。今や米中大接近の流れのなかで、米国にとって日本はこれまでのような経済・安保のパートナーではなく、中国に対するカードとして扱われている。日本は米国の変節を見誤っている」
 (第2回に続く)
 ※週刊ポスト2026年10月16・23日号
   ・   ・   ・    
 10月5日 週刊ポスト「高市首相の「敵国条項削除」演説は中国の思うツボ? 中西輝政氏が指摘「中国は台湾有事発言を敵国条項にからめて歴史問題にすり替えようと理論武装し待ち受けていた」
 中国は高市首相の「敵国条項削除」演説をどう見ているのか(習近平氏。写真/AFP=時事)
 訪米した高市早苗首相は、トランプ大統領と会談した後に国連総会で初の演説(9月22日)に臨み、「(国連憲章の)旧敵国条項は早急に削除されるべき」と訴えた。その後、トランプ大統領と習近平・国家主席との米中首脳会談が開催され、トランプ大統領は歓迎式典で中国を「第2次世界大戦時の同盟国」と呼び、波紋を呼んでいる。米中が急接近する中、日本の立場はどうなっていくのか──。【全3回の第2回】
 敵国条項削除のチャンスを逃した
 国際政治の大きな変化のなかで、高市首相は言葉通り国連憲章の「敵国条項削除」を実現できるのだろうか。
 日本の歴代政権は敵国条項削除に向けて何もしなかったわけではない。
 最初は東西冷戦後の1995年、時の村山富市・首相(社会党委員長)が8月15日に「植民地支配と侵略によってアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えました」という村山談話(戦後50年談話)を発表し、同年12月の国連総会で日本やドイツなどが提出した「敵国条項が時代遅れ」となったことを認識するという決議が中国、ロシアも賛成して採択された。日本政府はこの決議で敵国条項は「死文化」したとの立場を取っている。
 さらに小泉首相時代の2005年9月の国連首脳会合(世界サミット)では、「国連憲章から敵国への言及を削除することを決意する」という成果文書が中ロを含む全加盟国の同意で採択された。それでも、国連憲章改正の手続きには加盟国の3分の2の賛成と、安保理常任理事国が拒否権を発動しないことが必要で、改正手続きに進んでいない。
 政治学者の中西輝政・京都大学名誉教授が語る。
 「加盟国の全首脳が敵国条項削除に同意した2005年の決議の時、日本政府は国連に憲章改正作業を行なう委員会を設置するとか、いつまでに改正するという目標年次を定めることを求めるべきでした。
 ところが、日本政府はその後、敵国条項はそのままにして、安保理常任理事国入りに熱を上げた。そこに外交戦略上の間違いがあった。日本は敵国条項は『死文化した』という認識だったのかもしれないが、実際に削除されていない以上、中国やロシアにすれば敵国条項にあたる国が常任理事国になるのは国連憲章の精神に反する論理になる。当時から中国は日本の常任理事国入りに強く反対していましたが、習近平時代になって軍事力を強化した2010年代後半以降、いっそう強硬な反日路線に転じていった」
 この敵国条項の完全削除がなされなかったことが、日本外交にとって禍根となる。
中国が狙う「敵国条項にからめ歴史問題」へのすり替え
 昨年11月の高市首相の「台湾有事は存立危機事態」という発言を機に、中国は死文化したはずの敵国条項を持ち出して日本批判を強める理論武装を行なってきたからだ。
 中国の法学最高峰とされる中国政法大学の孔慶江・国際法学院副院長は国営メディアで敵国条項についてこう指摘した。
 〈これらの条項は、(中略)ファシズムの再興を抑止するための制度として機能してきた。
 もし日本が「集団的自衛」を名目に、台湾問題へ武力介入する行動に踏み切れば、それは侵略に該当し、第53条・第107条が適用され得る。
 その場合、中国には武力を含む自衛措置を取る権利があり、反ファシズム連合国全体も「戦争に関連するあらゆる行動」を実施し得る。同条項は安保理常任理事国の拒否権により、実質的に「削除不可能」であり、ファシズム再興を防ぐ恒久的な制度的枠組みとみなすべきである〉(中国中央電視台の国際ニュースCGTN、25年11月25日)
 中国の国連大使もグテーレス国連事務総長に、「もし日本側が台湾情勢に武力介入する暴挙に出るならば、それは侵略行為に該当し、中国は『国連憲章』および国際法に基づき付与された自衛権を断固として行使」とする書簡を送った。
 高市首相は敵国条項を復活させようという中国の動きを牽制するために、国連演説で敵国条項削除を訴えたのだ。
 だが、それが成功したとはとても言えない。
 中西氏は、現実政治の論理として首相の国連演説は、たしかに中国の思うツボだったと指摘する。
 「日本の主権と独立を重んじる日本人であれば、敵国条項は早急に削除せねばならないものです。高市さんの個人的信念もそうだと思う。ただし、現実政治の面から見れば、中国当局は高市首相の台湾有事発言を敵国条項にからめ歴史問題にすり替えようと理論武装して待ち受けていた。
 “日本の首相は厚かましくも敵国条項の削除を口にしているけど、こんな危険な軍国主義に戻ろうとする国が、敵国条項を外せばどんなことになるか”と。そこに高市首相が国連演説し、中国に絶好の反日言説の根拠を与えてしまったのも確かです」
 そこにトランプ大統領が加わった。高市首相は米中連携で足を掬われた。
 (第3回に続く)
 ※週刊ポスト2026年10月16・23日号
   ・   ・   ・   
 10月5日 週刊ポスト「高市首相の「敵国条項削除」演説を逆手にとり、中ロが足並み揃えて日本包囲網 トランプ大統領も加わり“米中ロ3か国の新国際秩序”を構想か
 中国にくわえロシアも日本に揺さぶりを(左から習近平氏、プーチン氏/時事通信フォト)
 トランプ大統領と習近平・国家主席が手を握った“米中接近”が注目されるなか、日本はどう動くべきか。世界情勢が大きく揺れ動くタイミングで高市早苗・首相の「演説」が波紋を広げている。国連憲章の敵国条項の削除──確かに日本政府として求めていくべきことに間違いないが、“言うだけ”で終わるのであれば、むしろ弊害のほうが大きくなりかねない。【全3回の第3回】
 アメリカも擦り寄る中ロの日本包囲網
 中国と明らかに連携して日本に揺さぶりをかけてきたのがロシアだ。
 ロシアのプーチン大統領は今年8月13日に就任後初めて北方領土の択捉島を電撃訪問、高市首相が臨時会見を開き「日本国民の感情を傷つけるものであり、断じて許容できません」と抗議すると、ロシア側ではラブロフ外相がこう反論したのだ。
 「日本は国連憲章で当初から『敵国』とされている。107条を含む国連憲章を十分かつ真剣に読んでほしい」(8月17日)
 国連憲章107条は、連合国側が敵国に対して行なった領土分割や占領などの戦後処理を、国連憲章の他の規定を理由に無効化することはないという規定だ。ロシアも「敵国条項」を楯に北方領土を返還する気はないと主張したのである。
 この発言に中国外交部の報道官は「同意する」と表明し、「今年は東京裁判の開廷から80年に当たる。敵国条項の内容を再確認し、拘束力を強調することは、世界反ファシズム戦争の勝利の成果を守り、軍国主義の亡霊の復活を厳重に阻止する上で重要な意義を持つ」と語った。中ロが完全に足並みを揃えて日本に仕掛けてきたことがわかる。
 高市首相の国連演説後にも、ラブロフ外相は国連で安保理改革にからんで日本とドイツを「軍事化と報復主義の道に進んだ」と批判して常任理事国入りに反対している。
 高市首相は包囲網を敷かれたのだ。
 元空自三佐の評論家・潮匡人氏は、こう話す。
 「高市首相のように国連の一般討論演説で訴えるのは中ロを刺激するだけで逆効果、むしろ議論を膠着させてしまう。高市首相はそれを承知しているはずなのに、あえて訴えたのは支持基盤の日本の保守層に向けたアピールが目的だったのではないか。敵国条項の削除は日本の国益にとって必要。それを支持者へのアピール材料に利用すべきではないし、演説で言うだけではなく、もっと現実的な方向を示すべきです」
 敵国条項削除を実現する方法
 では敵国条項削除の実現にはどんな政治的、外交的な方法が必要なのか。
 政治学者の中西輝政・京都大学名誉教授が語る。
 「私は外交上の優先順位で敵国条項削除を先に置くべきで、実現後に安保理改革や常任理事国入りを目指すべきだったと考える。現実的には、中国の政治体制が大きく変わるとか、中国に異変が起きて外交政策が大転換されるなどが起きない限り、高市首相の在任中に実現するのは難しいでしょう。
 その前提を踏まえて、今回の国連総会では日本は『法の支配』を重んじる、ということにポイントを絞ったほうがよかった。時と場所を選びながら、国際社会で敵国条項削除を、北方領土返還のように息長く主張し続けることが重要です」
 しかし、日本にとって情勢は今後一層厳しくなりそうだ。
 見落とせないのは、ホワイトハウスが発表した米中首脳会談の成果文書のなかで、トランプ大統領が米中ロ3か国による「軍備管理協議」の提起を行なったことが明らかにされたことだ。
 現代アメリカ政治外交が専門の前嶋和弘・上智大学総合グローバル学部教授が語る。
 「このことは国際秩序の大きな転換を示唆している。米国は伝統的に欧州やカナダ、日本など同盟国と一緒にやってきたが、トランプ大統領はこれからは米中のG2を中心に、中国の言い方を借りれば『建設的な戦略的安定関係』を作っていく。その米中新時代にロシアも組み入れることを考えている。中国には武器売却を持ちかけ、今年12月にトランプリゾートで開催するG20にプーチン大統領も呼ぶという。まさに米中ロで新しい国際秩序をつくっていこうという動きになっている。中ロの日本包囲網に米国も擦り寄っているわけです」
 対中強硬姿勢で鳴らしてきた高市首相はその“米中ロ体制”の構築にどう向き合うかが問われることになる。国内の支持者向けアピールで敵国条項削除を口にするような「言うだけ番長」では生き抜けない世界情勢の激動のなか、高市外交は正念場を迎える。
 (第1回から読む)
 ※週刊ポスト2026年10月16・23日号
   ・   ・   ・   
 10月8日 YAHOO!JAPANニュース 毎日新聞「中国がWHOの事務局長選に候補擁立 「多国間主義支持の表れ」
 中国外務省の毛寧報道局長=北京で2026年1月7日、畠山哲郎撮影(毎日新聞)
 中国外務省の毛寧報道局長は8日の記者会見で、世界保健機関(WHO)の次期事務局長選に、中国が候補者を擁立したことを明らかにした。現職のテドロス事務局長は2027年8月に任期が終了。後任は同年5月のWHO総会で選出される。
 中国メディアによると、候補者は中国の女性団体「中華全国婦女連合会」の幹部、宋莉氏(52)。中国の保健衛生当局である国家衛生健康委員会で女性や児童の健康、衛生問題を担当した経歴を持つ。
 中国とWHOは新型コロナウイルス流行を巡り摩擦が生じたこともあったが、毛氏は会見で「中国による候補者の擁立は、多国間主義とWHOへの揺るぎない支持の表れだ」と述べた。
 トランプ米政権はWHOからの脱退を表明して国際協調に背を向けており、中国は大国としての存在感を高める好機と捉えている模様だ。
 WHO公式サイトによると、事務局長の任期は5年で一度の再任が可能。候補者受け付けは9月下旬に既に終了し、カタールやベルギー、インドネシアなどからも候補者が擁立されている。【北京・河津啓介】
   ・   ・   ・   


 中国共産党は、欧米キリスト教価値観(アングロ・サクソン価値観)の世界基準を儒教価値観とマルクス・レーニン主義価値観に基づいた中国共産党価値観に変更しようとしている。
 中国の面子を最優先として、欧米キリスト教価値観による世界常識を無視し国際法を踏みにじっている。
 日本は、アメリカの同盟国として、国際法を順守し法の支配を受け入れ、可能な限り日本の価値観を抑えて西洋文明と世界常識を受容している。
   ・   ・   ・   
 中国共産党は、ソ連(現ロシア)の指示に従って昭和天皇と皇族を惨殺すべく付け狙っていた日本人の共産主義者・無政府主義者テロリストを支援していた。
 27年テーゼ。32年テーゼ。
   ・   ・   ・   
 キリスト教系朝鮮人テロリストは、昭和天皇と皇族を惨殺すべく付け狙っていた。
   ・   ・   ・   


 10月6日 YAHOO!JAPANニュース NEWSポストセブン「高市首相の「敵国条項削除」演説を逆手にとり、中ロが足並み揃えて日本包囲網 トランプ大統領も加わり“米中ロ3か国の新国際秩序”を構想か
 中国にくわえロシアも日本に揺さぶりを(左から習近平氏、プーチン氏/時事通信フォト)(NEWSポストセブン)
 トランプ大統領と習近平・国家主席が手を握った"米中接近"が注目されるなか、日本はどう動くべきか。世界情勢が大きく揺れ動くタイミングで高市早苗・首相の「演説」が波紋を広げている。国連憲章の敵国条項の削除──確かに日本政府として求めていくべきことに間違いないが、"言うだけ"で終わるのであれば、むしろ弊害のほうが大きくなりかねない。【全3回の第3回】
 【写真】択捉島を訪れたプーチン大統領
 アメリカも擦り寄る中ロの日本包囲網
 中国と明らかに連携して日本に揺さぶりをかけてきたのがロシアだ。
 ロシアのプーチン大統領は今年8月13日に就任後初めて北方領土の択捉島を電撃訪問、高市首相が臨時会見を開き「日本国民の感情を傷つけるものであり、断じて許容できません」と抗議すると、ロシア側ではラブロフ外相がこう反論したのだ。
 「日本は国連憲章で当初から『敵国』とされている。107条を含む国連憲章を十分かつ真剣に読んでほしい」(8月17日)
 国連憲章107条は、連合国側が敵国に対して行なった領土分割や占領などの戦後処理を、国連憲章の他の規定を理由に無効化することはないという規定だ。ロシアも「敵国条項」を楯に北方領土を返還する気はないと主張したのである。
 この発言に中国外交部の報道官は「同意する」と表明し、「今年は東京裁判の開廷から80年に当たる。敵国条項の内容を再確認し、拘束力を強調することは、世界反ファシズム戦争の勝利の成果を守り、軍国主義の亡霊の復活を厳重に阻止する上で重要な意義を持つ」と語った。中ロが完全に足並みを揃えて日本に仕掛けてきたことがわかる。
 高市首相の国連演説後にも、ラブロフ外相は国連で安保理改革にからんで日本とドイツを「軍事化と報復主義の道に進んだ」と批判して常任理事国入りに反対している。
 高市首相は包囲網を敷かれたのだ。
 元空自三佐の評論家・潮匡人氏は、こう話す。
 「高市首相のように国連の一般討論演説で訴えるのは中ロを刺激するだけで逆効果、むしろ議論を膠着させてしまう。高市首相はそれを承知しているはずなのに、あえて訴えたのは支持基盤の日本の保守層に向けたアピールが目的だったのではないか。敵国条項の削除は日本の国益にとって必要。それを支持者へのアピール材料に利用すべきではないし、演説で言うだけではなく、もっと現実的な方向を示すべきです」
 敵国条項削除を実現する方法
 では敵国条項削除の実現にはどんな政治的、外交的な方法が必要なのか。
 政治学者の中西輝政・京都大学名誉教授が語る。
 「私は外交上の優先順位で敵国条項削除を先に置くべきで、実現後に安保理改革や常任理事国入りを目指すべきだったと考える。現実的には、中国の政治体制が大きく変わるとか、中国に異変が起きて外交政策が大転換されるなどが起きない限り、高市首相の在任中に実現するのは難しいでしょう。
 その前提を踏まえて、今回の国連総会では日本は『法の支配』を重んじる、ということにポイントを絞ったほうがよかった。時と場所を選びながら、国際社会で敵国条項削除を、北方領土返還のように息長く主張し続けることが重要です」
 しかし、日本にとって情勢は今後一層厳しくなりそうだ。
 見落とせないのは、ホワイトハウスが発表した米中首脳会談の成果文書のなかで、トランプ大統領が米中ロ3か国による「軍備管理協議」の提起を行なったことが明らかにされたことだ。
 現代アメリカ政治外交が専門の前嶋和弘・上智大学総合グローバル学部教授が語る。
 「このことは国際秩序の大きな転換を示唆している。米国は伝統的に欧州やカナダ、日本など同盟国と一緒にやってきたが、トランプ大統領はこれからは米中のG2を中心に、中国の言い方を借りれば『建設的な戦略的安定関係』を作っていく。その米中新時代にロシアも組み入れることを考えている。中国には武器売却を持ちかけ、今年12月にトランプリゾートで開催するG20にプーチン大統領も呼ぶという。まさに米中ロで新しい国際秩序をつくっていこうという動きになっている。中ロの日本包囲網に米国も擦り寄っているわけです」
 対中強硬姿勢で鳴らしてきた高市首相はその"米中ロ体制"の構築にどう向き合うかが問われることになる。国内の支持者向けアピールで敵国条項削除を口にするような「言うだけ番長」では生き抜けない世界情勢の激動のなか、高市外交は正念場を迎える。
 (第1回から読む)
 ※週刊ポスト2026年10月16・23日号
 【関連リンク】
◉はじめから読む→【梯子を外された】高市首相の“敵国条項削除”演説直後に米中“同盟国発言”「日本をパートナーではなく中国に対するカードとして扱っている」米国の変節を見誤った日本
◆もっと読む→高市首相の「敵国条項削除」演説は中国の思うツボ? 中西輝政氏が指摘「中国は台湾有事発言を敵国条項にからめて歴史問題にすり替えようと理論武装し待ち受けていた」
   ・   ・   ・   
 10月6日 MicrosoftStartニュース アサ芸プラス「歴史の塗り替えに狂奔する中国・習近平の「いいかげんな認識」と「日本おとしめ」の最大目的
 © アサ芸プラス
 習近平中国の「日本敵視」は今さら驚くにあたらないが、実に困ったものだ。困ったというのは、習近平主席の歴史認識がいいかげんで、身勝手なものだからである。
 先の米中会談では「死文」となっていた国連憲章の「旧敵国条項」を持ち出して、
 「中国とアメリカはともに第二次世界大戦を戦った同盟国であり、一緒に戦って日本に勝利した」
 とトランプの同意を求めた。
 これに対し、中間選挙を11月3日に控えるトランプ大統領は、経済問題で中国から目に見える成果を得たいという野心が先に立って、習近平の間違った歴史認識を正さず、リップサービスで応じた。大豆、牛肉、航空機の対中輸出を増やし、農民票や産業労働者の雇用拡大を図ろうという作戦だ。これは国際政治に禍根を残す大問題である。
 まずハッキリさせておきたいのは、日本が第二次世界大戦を中国大陸で戦った相手は蒋介石が率いる国民党軍であり、中国共産党の人民解放軍ではないこと。
 そもそも習近平は歴史認識の塗り替えに力を入れており、国内にあっては愛国教育を理由に日本を叩き、国連の場で「旧敵国条項」を武器にして日本を非難し、軍事的恫喝を繰り返してきた。
 冒頭に記した「旧敵国条項」という言葉をはっきりと知らない人のために、簡単に説明しておくと、これは第二次世界大戦の敗戦国に対するもので、国連憲章53条で旧敵国が加盟国に侵略政策をとる場合、安全保障理事会の許可なしに武力行使をする権利を認めている。戦争終結が迫った1945年6月に調印され、10月に発効しているものだ。
 常任理事国の特別権限を利用して審議させない中国
 戦勝国が決めた憲章と言っていいが、日本を含む旧敵国(ドイツ、イタリア、ルーマニア、ハンガリー、ブルガリア、フィンランド)は戦後80年間、直接間接を問わず、侵略とは無縁で平和に徹した国だ。
 しかも1995年の国連総会において、旧敵国条項は時代遅れで死文化していると「中国を含む多数の賛成で」可決されている。
 さらに2005年の国連総会では、旧敵国条約を削除する決議が「中国を含めた全会一致で」採択されている。しかし、憲章の改正は実現していない。国連の常任理事国である中国がその特別権限を利用し、国連総会の決定を常任理事会で審議させないからだ。
 それはいったいなぜか。台湾併合のためだ。中国と習近平はいつまでこんな態度をとるつもりなのか。
 (団勇人)
 関連記事
ノコノコと中国に出向いて「ガキの使い」に成り下がった岩屋毅元外相に「戦略の欠片もなし」
   ・   ・   ・   
 10月7日 YAHOO!JAPANニュース 東洋経済オンライン「トランプを取り込む習近平の思惑…“台湾発言”や歴史観で強硬姿勢を崩さない高市首相を狙う、中国の《歴史戦》の凄み
 習氏の思惑どおりに進んだ米中首脳会談だった (写真:新華社/アフロ)(東洋経済オンライン)
 華やかな演出の裏で、中国の習近平国家主席の訪米には明確な戦略的目標があった。それは、アメリカと日本との関係を弱体化させることだ。習氏はその目標を、おそらく自身の予想以上に達成した。
 日本の政策決定者たちは、この事態を予見していた。彼らは習氏の到着に先立ち、国連総会の合間を縫って、高市早苗首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領との短時間の会談をセッティングした。その会談は内容は乏しかったものの、一応の安心感を与えるものだった。
 しかしその翌日、トランプ氏は習氏を歓迎するにあたり、日本との戦後同盟には言及せず、「第2次世界大戦でともに戦った素晴らしさ」を懐かしそうに振り返ったのだ。
 公式晩餐会で、習氏は誰が共通の敵であったかを明確にした。「80年以上前、中国とアメリカの人々は日本の軍国主義的侵略者に対して肩を並べて戦った」と述べ、戦時の中国を率いていたのは共産党ではなく、彼らの敵である国民党であったという事実を意図的に覆い隠した。両政府が発表した公式声明も、両国が戦時中の同盟国であったという立場を強調する文言だった。
■トランプ氏と高市氏の間に楔を打ち込みたい中国
 「明らかに、中国はトランプ氏と高市氏の間に楔を打ち込みたがっている」と、著名な研究者であるマイク・モチヅキ氏は筆者の取材に語った。「しかし高市氏がトランプ氏に寄り添う一方で、トランプ氏は彼女を『サナエ』と呼んで報いるようなことはしない」。
 中国によるこうした歴史の悪用は、高市首相の「台湾有事」に関する発言をめぐり、高市政権と日本への外交圧力を高め、日本の防衛力強化を戦時の「軍国主義」の復活と決めつけるための広範なキャンペーンの一環である。
 トランプ氏は、習氏を歓待するホスト役に興奮するあまり、中国の戦略的意図を無視したか、あるいは自らが陥ったわなを単に理解していなかった。
 ワシントンのブルッキングス研究所の日本専門家であるミレヤ・ソリス上級研究員は、「アメリカが戦時中に手を組んだのは、今の中国とは別の国であり、戦った相手も、今の日本とは別の国だったという事実をトランプ氏が理解していないことは、中国のさらなる威圧を招くだけだ」と指摘する。
 中国の分断戦略が完全に機能するとは限らない。日米同盟は、安全保障の当局者同士の結びつきに支えられている。クインシー研究所(責任ある国家運営のためのシンクタンク)に所属するモチヅキ氏は、「その絆は、トランプ政権下でも日米が疎遠にならずに済むほど深まっている」と話す。
 しかし、日本の当局者が明らかに揺さぶられているのは事実だ。首相官邸は、習氏の訪米後に高市氏とトランプ氏の間で行われた短い電話会談において、トランプ氏が「習氏の日本批判に同調したわけではない」と高市氏に伝え、習氏に高市氏と対話するよう促したと読売新聞にリークせざるをえなかった。
 「トランプが習氏と日本の詳細について話したとすれば驚きだ」と、最近退職したアメリカ国務省の元高官は筆者に語った。
■中国の「日本批判」は高市氏の勝利で激化
 中国による日本批判は、昨年10月の自民党総裁選での高市氏の勝利を受けて激化した。
 自衛隊の台湾有事への派遣可能性に関する発言の前から、中国側は、防衛力強化を推進し台湾の独立派勢力と親密な関係を築く「新保守派」の勝利として、彼女の政権の危険性を警告していた。
 高市氏の戦争に対する悪びれない見解は、北京でもよく知られていた。
 彼女は政治キャリアの初期である1994年、当時の村山富市首相に対し、戦争を「侵略行為」と認めた大胆な発言を野党議員として国会で追及し、注目を集めた。その後、村山氏は終戦50周年にあたり、日本の「植民地支配と侵略」を謝罪する「村山談話」を発表した。
 高市氏にとって、これは受け入れがたいものだった。「私の同意なく、私の代わりに謝罪することはできない」と彼女は国会で述べ、戦争は「法的に正当化できる」との認識を示した。その後のインタビューでも彼女は村山談話の見直しを誓い、日本は「自存自衛のために戦った」と主張した。
 高市氏が就任直後の昨年10月下旬、韓国でのAPEC首脳会議の合間に習氏と会談した際、習氏はこれらの見解を露骨に牽制した。
 報道によれば、習氏は高市氏に対し「侵略の歴史を反省し、被害国に謝罪した『村山談話』の精神を広く推進すべきだ」と語ったという。
 その意味で、高市氏自身が、中国に対して歴史問題を利用して日本を孤立させ、圧力をかける隙を与えてしまったと言える。
■「高市氏は安倍氏のような現実的で慎重な判断力に欠けている」
 「高市氏は安倍(晋三元首相)の歴史修正主義的な見解を共有しているが、安倍氏のような現実的で慎重な判断力に欠けている」とモチヅキ氏は言う。「したがって、中国が台湾、日本帝国主義、日本の防衛力強化を結びつけ、彼らの言う『日本のネオ・ミリタリズム』を批判するのは驚くにあたらない」。
 中国による戦前歴史の利用は、今年9月下旬の岩屋毅前外相の訪中時にも続いた。中国の王毅外相は、このタイミングを東京裁判開廷80周年に結びつけた。
 王毅氏は「もし日本が歴史の教訓を学ばず、戦後の『平和憲法』に挑み、侵略の歴史を復活させ戦犯を再評価しようとするなら、将来に向かって進むどころか、世界に顔向けすることすらできず、未来はない」と述べた。
 こうした強硬な発言の裏で、王毅氏と岩屋氏の会談は、高市氏の対中強硬姿勢や頼りにならないトランプ氏への過度な依存を「間違い」だと考える日本国内の勢力にアプローチする試みでもある。岩屋氏や石破茂前首相らは、首相の対中政策に明確に反対しているグループに属する。
 さらに興味深いのは、今井尚哉内閣官房参与が『週刊新潮』のインタビューで、高市氏に対し台湾に関する発言の撤回を求め、「すべてをアメリカに依存しない」戦略的視点を持つよう呼びかけたことだ。
 中国で開かれる次回のAPEC首脳会議は、関係改善の窓口となるかもしれない。しかし、中国によってますます孤立させられつつある日本が行動を起こす必要がある。
■中国の「歴史利用」は今に始まったことではない
 現在の駆け引きがどう展開するにせよ、中国による戦時の過去の利用は決して新しいものではないことを理解することが重要だ。私たちがスタンフォード大学で行った戦時の歴史的記憶の形成に関する比較研究では、中国共産党が過去数十年で、国民党との闘争に焦点を当てた物語から、愛国主義的な物語へとシフトさせてきたプロセスを詳細に明らかにした。
 この愛国主義的物語において、戦争は二重の目的を果たしている。
 第1に、現在の中国指導部が「国連の設立を助け、グローバルな『反ファシズム』闘争の一翼を担った大国」としての役割を担うことを可能にする。そして第2に、日本侵略者に対する統一された中国国民の闘争を強調し、自らをその戦争の勝利者であると主張することだ。
 「中国では、第2次世界大戦における自国の苦難と全体的な勝利への貢献が十分に評価されていないという思いが強まっている」と、戦争と中国の記憶に関する重要な著作を持つ歴史家のラナ・ミッター氏は、2020年の『The Wire China』のインタビューで語っている。「第2次世界大戦により、国家は『これこそが中国が自立し、侵略に立ち向かうことができた瞬間だ』と言えるようになったのだ」。
 ミッター氏は、最近ヨーロッパで開かれたセミナーで「近年、中国は戦史や国連の歴史を含む歴史を利用して、45年以降の『中国によるグローバル・リーダーシップ』の正当性を主張している」と語った。そのメッセージは、現在の世界秩序の混乱の中で、中国は45年に秩序を創出したときと同じ役割を果たすことができる、というものだ。
 グローバル・リーダーシップの主張にとどまらず、中国は戦時の記憶を日本批判に向けることを躊躇していない。
 昨年9月、中国はロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩総書記が出席する大規模な軍事パレードを開催し、抗日戦争勝利80周年を盛大に記念した。習氏はこの場を選び、「中国共産党のイニシアチブによって結成された抗日民族統一戦線」と「対日戦争」を改めて強調した。
■南京大虐殺、旧日本軍の731部隊を描いた映画を公開
 この式典に合わせて、中国の映画業界は2本の洗練された超大作映画を公開した。これらは中国国内だけでなく、Netflixなどのストリーミングサービスを通じて世界中に配信された。
 『Dead to Rights』は南京大虐殺を比較的芸術的に描いた作品だった。しかし、中国や外国人の囚人に恐ろしい人体実験を行ったことで知られる旧日本軍の生物・化学兵器部隊を描いた『731』は、直接日本を標的にしたものだった。日本人を「邪悪な野蛮人」として描く描写や、アメリカがこれらの戦犯を助けたという描写がどぎつく描かれていた。
 この対立は、国連では一見地味な問題として表面化した。
 国連憲章には、日本とドイツを指す「敵国」に触れた条項がある。第2次世界大戦の連合国が、旧枢軸国に対し、安全保障理事会の事前承認なしに行動できるとする内容だ。軍国主義の復活に備えた一時的な安全策としてつくられたが、時代遅れで効力もないと広く認識されている。
 国連総会は2度、この条項の削除を決議した。だが、実現には憲章の改正が必要で、中国とロシアが阻止できる。
 高市首相は国連に対し、この条項の削除を求めた。彼女の国連総会演説の後、中国の孫磊(スン・レイ)国連次席大使は同条項の存在を擁護し、「日本の再軍備が地域および世界の平和と安定に対する現実的な脅威となっている証拠だ」と反論した。
 こうした「歴史戦」は数十年続いており、中国と日本双方の外交政策のニーズに応じて変化してきた。中国は再び「歴史カード」を切ったが、日本がどう対応するかはまだわからない。
 日本にとって、トランプ氏のもとでのアメリカはますます頼りにならない存在となりつつある。しかし、これがどう展開しようとも、過去が本当に忘れ去られることは決してないのだ。
 ダニエル・スナイダー :スタンフォード大学講師
 【関連リンク】
 習近平の母校「清華大」への留学で炎上した29歳福岡市長候補、「完璧な物語」に生じたほころび
   ・   ・   ・   
 10月7日 MicrosoftStartニュース「習近平の「米中露戦後秩序の構図」は、日本を「新型軍国主義」と指摘することによって何を狙っているのか?
 訪米した習近平国家主席を熱烈歓迎するトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)
 10月1日のコラム<WWⅡの同盟国・米中の敵国は日本 そこに潜む中国の恐るべき「新型軍国主義・日本とG2」構図>では、米中が「フライング・タイガース」というキーワードを軸に、かつての共同の敵国・日本に向き合っている構図を分析した。
 今回は米中に露(ロシア)が加わって、日本を敗戦に追い込んだ連合国枠組みの現代版が動きつつあるのを解説したい。
 習近平の狙いや、何処(いずこ)に?
◆狙いは台湾統一
 結論を先に言ってしまえば、狙いは「台湾統一」にある。
 その証拠を時系列的に図表1に示す。但し、内容が多すぎるので、図表1を2枚に分けて示したい。
 図表1:習近平が狙う「米中露戦後秩序の構図」と「新型軍国主義国家・日本」の関連性 
 公開された情報に基づき筆者作成
 図表1内のナンバー「1」で示したように、「日独伊」敗戦後の世界秩序に関しては、1943年11月の「カイロ会談」と、カイロ宣言精神を受けて1945年2月に行われた「ヤルタ会談」がある。カイロ会談が「米中英」であったのは、蒋介石がソ連のスターリンを嫌ったためで、やむなくルーズベルトはスターリンを外してカイロで会談と密談を行なった。と同時に同じ1943年11月に、今度は蒋介石を外して「米ソ英」が「テヘラン会談」を行なっている。この二つの会談の精神を受け継いでいるのがヤルタ会談(米ソ英)だ。
 したがって中国は、このヤルタ会談には中国(中華民国)の決意が反映されているとして、現在のロシア(旧ソ連)を含めた「米中露」が戦後秩序を形成したと位置付けている。
 これを大前提として図表1を解説すると、おおむね以下のようになる(大雑把だが、日本関係は青色、ロシア関係はオレンジ色などで区別した。注目点は黄色でマークした)。
 「2」の日中共同声明から「4」に至るまでの流れにおいて、日中関係は基本的に友好的だったが、「5」の「日本の集団的自衛権の限定容認/平和安全法制」から事態は急転換していく。
 「7」をご覧になると明らかなように、中国政府は「高市発言」より前に、すでに「台湾介入=戦後秩序を乱す」という法理を形成していたことがわかる。
 そこに「10」にある「高市発言」が発生したのだ。まるで中国政府が待ち構えていたようなタイミングだった。
 ここから習近平は一気呵成(いっきかせい)に 
 【日本の台湾武力介入→日本の侵略行為→敵国条項→中国の自衛権発動】
 という国連憲章「敵国条項」の構図へと論理展開し始めた。いうまでもなく、「敵国条項に抵触するような行動をとる国家・日本が国連安保理常任理事国入りするなどということは絶対にあってはならない」という主張へと結びつく。
 見逃してならないのは「8」の動きだ。
 これ以降、習近平はロシアを「第二次世界大戦の戦勝国側の同盟国」として扱い、フライング・タイガースにより「米中がかつての同盟国」という枠組みを、「米中露(旧ソ連)が戦勝同盟国である」という枠組みへと拡張していくのである。「8」に続き、「18」~「20」、「24」と、事態が急展開しているのが可視化されていると思う。
 注目すべきは「19」にあるように、APEC「中国年」での多国間枠組みでの協力を要請していることだ。APEC「中国年」とは今年11月18日から中国の深圳で開催されるAPECのことを指す。すなわち、深圳APECで習近平は「米中露戦後秩序の構図」という枠組みを全面に出し、「米中露」対「日本」、さらに進んで「米中露」対「日独」体勢を展開していく可能性が大きいということである。
 この過程で、高市発言がどれだけ大きなきっかけを作ってしまったか、そして習近平がいかに大戦略の枠組みで「台湾統一」を何が何でも実現しようと狙っているかが鮮明になってくる。
 台湾統一のためなら習近平は何も惜しまない。なぜそうなのかに関しては拙著『G2構想』の【終章 台湾統一へのカウントダウン】で詳述した。
◆ドイツと対峙するロシアの構図
 実はいま、ロシアは「ドイツ」をターゲットとして図表2にあるような形で論理展開を行なっている。
 図表2:ロシアが警戒するドイツの「再軍事化」
 公開された情報に基づき筆者作成
 ドイツの現在のメルツ政権は、ショルツ政権以来の「ツァイテンヴェンデ(Zeitenwende、時代の転換点)」戦略を大幅に加速させ、国防費の急増と「欧州最強の通常戦力」を目指す方針や、現役26万人・予備役20万人を目標とする兵力拡大などを遂行している。具体的にはリトアニアへのドイツ軍旅団の恒久駐留、あるいはウクライナの長距離打撃(Long-Range Fire)能力への支援を実行し、さらにフランスとの核抑止協力へと踏み込んでいる。
 したがってロシア側からは急速な「ドイツの再軍事化」として認識され、習近平の戦略と利害が一致している。
 第二次世界大戦における連合国の敵国側である三国同盟は「日独伊」だったが、イタリアは1943年9月にすでに降伏しており、1945年2月に行われたヤルタ会談では主として「日独」を対象としていた。
 プーチンとしてはウクライナ戦争を「ナチ」を撲滅させる一環として位置づけており、ドイツが好戦的になっていることは、日本を新型軍国主義国家と位置付けて闘っている習近平とは、非常に相性がいい。もちろん「米中露」枠組みを呼びかけたのは習近平の方だが、ドイツが先頭に立ってNATO強化を図るのであれば、「敵国条項」を持ち出して中露提携路線を進むのは非常に都合のいいことである。
 だからこそ、図表1の「20」にあるように、プーチンはわざわざ今年8月13日に日本の領土であるはずの択捉(えとろふ)島に上陸して見せた。前日の12日には「北方領土は第二次世界大戦の結果として確定した」と表明している。日本では、「なぜプーチンが突如?」と疑問を呈するだけで、それに対する正解を見出して研究者あるいはメディアはいなかったように思うが、実態は「習近平に呼応して動き」だったのである。
 この姿勢により、プーチンと習近平はガッチリとタグを組み、そしてトランプはその習近平を、高市早苗とは比較にならない形で破格の熱烈歓迎をして見せた。
◆日本はこの事実を正視せよ!
 高市早苗および日本国政府に言いたい。
 日本はこの事実を正視しなければならない。
 いま世界で何が起きているのか、習近平がいかなる巨大な枠組みで、日本をその「壺」に落とし込んでいるのかを直視しなければならない。
 図表1の「10」、「21」にある通り、高市早苗はまるで「飛んで火に入る夏の虫」のごとく、習近平の思うままの「壺」に自らを落とし込んでいるような言動をしている。
 それが見えないほど、日本政府は無知蒙昧であるとしか言いようがない。
 高市早苗は日本をどこに落とし込んでいこうとしているかを自覚すべきだ。
 日本はもっと世界を俯瞰的に見渡して戦略的に動くべきではないのか。
 猛省を促したい。
 遠藤誉
 中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
 1941年中国生まれ。中国長春市で中共軍による食糧封鎖に遭い家族を餓死で失う。1953年日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。内閣府総合科学技術会議専門委員(小泉政権)や中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『G2構想 勝つのは米国か中国か』、『台湾軍事機密文書が語る中国「抗日戦争」の真相』、『米中新産業WAR トランプは習近平に勝てるのか?』、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。
   ・   ・   ・   
 10月8日 YAHOO!JAPANニュース J-CASTニュース「中国の高市首相呼び捨て...「仮に敵対国でも、儀礼的対応が基本的に必要」と柳澤秀夫さん
 高市早苗首相(26年9月撮影)(J-CASTニュース)
 中国外務省の郭嘉崑副報道局長が記者会見で高市早苗首相を呼び捨てにした問題を2026年10月8日放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)がとりあげ、高市首相の「台湾有事」発言以来、日中間が冷え込んでいるものの、一国の指導者を呼び捨てにする中国側の態度にコメンテーター陣もあきれていた。
 【画像】高市総理の呼称に関する日本政府の見解を見る
■香港メディア「呼び捨ては意図的だった」
 9月30日の副報道局長会見で、小泉進次郎防衛相が核兵器や原子力潜水艦の保有に関する議論を排除すべきではないとの考えを示したことについて質問された際に、高市首相を「高市早苗」と呼び捨てにして答えたと共同通信が報道している。その前の8月17日の会見でも別の副報道局長がやはり呼び捨てにしており、高市政権への批判を強める際には呼び捨てにしている可能性があると分析、「呼び捨ては意図的だった」という香港メディアの報道もあわせて紹介した。
 外務省の北村俊博外務報道官が7日、「立場の違いはあっても一国の指導者に対してしかるべき敬意を払うことは国際儀礼上当然のことだと思う。こうした立場は中国に対してもしかるべき申し入れを行っている」と話し、中国側に申し入れを行ったことを伝えた。
 「同じ土俵に乗ってけんかをしても始まらない」
 ジャーナリストの柳澤秀夫さんは「かなり意図的に呼び捨てにしているのだと思う。一つの方針に沿ってこうした会見をしていることを考えると、中国政府としては呼び捨てにするということでしばらくいきますよと、中国政府内で意思統一が図られていると思う。ただ、どう考えても仮に敵対国、あるいは関係がよくない国でも儀礼的な対応というものは基本的に必要で、日本の外務省の報道官が言う通り儀礼に即した格好で向き合う、言葉を使うことは基本中の基本。同じ土俵に乗ってけんかをしても始まらないので、むしろ冷静にしかるべき場でしっかりと伝えていくしか方法はない」と話す。
  (ジャーナリスト 佐藤太郎)
   ・   ・   ・    
 10月8日 YAHOO!JAPANニュース ABEMA TIMES「“国連脱退論”提起した評論家の真意「どう考えてもおかしい組織」分担金300億円払っても“敵国”扱い?…日本の国連加盟に意味はある?元国連広報官「離脱は大きなデメリット」
 演説する高市早苗総理(ABEMA TIMES)
 政治評論家の平井文夫氏が提起した「国連脱退論」が議論を呼んでいる。平井氏はコラムで「『敵国条項』をいつまでも削除しない国連から、なぜ脱退してはいけないのか」と問題提起した。
 【映像】なぜ“旧敵国条項”は削除されない?(有識者の解説)
 国連憲章にはいわゆる旧敵国条項が残されており、第二次世界大戦で連合国と戦った日本やドイツなどを念頭に、“旧敵国”が再び侵略政策を取った場合には、安全保障理事会の許可なしに軍事的措置を取れる内容が含まれる。
 高市早苗総理は9月の国連総会演説で、「同条項は早急に削除されるべきだ」と要求した。一方、国連をめぐっては、安全保障理事会(安保理)の常任理事国による拒否権行使で紛争の和平交渉が進まないケースや、トランプ米大統領が国連関係機関からの脱退を次々に表明するなど、「機能不全」が加速しているとの指摘もある。『ABEMA Prime』では、日本が国連に加盟し続ける意義について考えた。
■平井氏「脱退しろではなく、脱退しちゃいけないんですかと聞いている」
 平井文夫氏(ABEMA TIMES)
 国連脱退論を提起した平井氏は、「『脱退しろ』と言っているわけではなく、『脱退しちゃいけないんですか』と聞いているだけだ」と真意を語る。
 高市総理の台湾有事をめぐる発言に中国側が反発し、在日中国大使館が旧敵国条項を持ち出して日本を批判。さらにロシアまでもが「日本は軍国主義化しているので常任理事国に入れるわけがない」と言及したことに、「自分でウクライナを侵略しておいて、何が軍国だと言いたい」と反発する。
 加えて「日本の分担金は300億円なのに、ロシアは100億円しか払っていない。なぜそんな国に拒否権があって、うちにはないのか。どう考えてもおかしい組織だ」と疑問を呈する。「300億円は政党交付金の総額とほぼ同じくらいだ。それだけのお金を払って、敵国呼ばわりされるのはひどい」と訴えた。
■植木氏「国連憲章の改正は現実的に難しい」
 植木安弘氏(ABEMA TIMES)
 元国連広報官で上智大学名誉教授の植木安弘氏は、旧敵国条項が削除されない理由について、「削除しようとすると国連憲章を改正しなければならない。改正には加盟国の3分の2の賛成が必要で、その中には常任理事国も含まれなければならない。常任理事国が認めないと、事実上、国連憲章を改正できない」と説明する。
 総会決議で「条項は死文化している」との認識は広く共有されているものの、「安保理改革が実現すれば、それに合わせて旧敵国条項の削除も提案できるが、現時点ではそういう状況にない」と語った。
 1971年以降、国連憲章は改正されていない。衆院議員の泉健太氏は「過去3回のうち2回は社会経済理事会などの構成国数を変える実務的なものだった。旧敵国条項をなくすために憲章を改正するなら、安保理の構成はどうなのかなど、もっと大きな課題がある」と指摘した。
 脱退そのものについて、植木氏は「国連憲章には脱退規定がない。これは国際連盟からの教訓で、次々に加盟国が脱退した結果、骨抜きになって、国際平和と安全の維持に何ら貢献できなくなり、 第二次世界大戦に突入したためだ」と背景を解説する。
 1965年にインドネシアが脱退を表明したものの、半年ほどで復帰した事例を挙げ、「日本が脱退すると言っても、国連から見れば単なる離脱となる。離脱には相当大きなデメリットがあるので、日本がそういうことをすることはまずない」と見解を述べた。
■佐藤氏「国連は外交のインフラ」
 佐藤正久氏(ABEMA TIMES)
 外務副大臣を歴任した前参院議員の佐藤正久氏は、「国連は外交のインフラだ。それぞれの国に有利なルールを作る場であり、紛争時に自分の正当性を主張し、多数派工作や情報戦の主戦場となる場だ。抜けてしまうと自分の関係ないところでルールが作られてしまう」と強調する。
 海洋国家である日本にとって、海洋法条約などの国際ルールは不可欠だとし、「AIや宇宙、サイバーといった新たな領域のルール作りに日本が入っていなければ、日本の主張が通らない」と述べた。
 また旧敵国条項については、「国連総会でも死文化しているとされた部分を、今ロシアと中国が歴史的なアイテムに使って日本を攻撃しようとしている。日本だけでなくドイツ、イタリア、ルーマニア、フィンランドなど旧敵国条項のグループで組んで行動を起こすために、リーダーシップを日本が取るべきだ」と提言した。
 日本が取るべき戦略として「安保理改革の旗を絶対下ろしてはいけない。そのためには分担金もしっかり使うべきだ」と訴える。「拒否権を全部使うなとは言えないが、使うのを抑制することはできる。もし使ったら国連総会で説明させる。中国、ロシアがどういう形で拒否権を使っているかを国際社会に可視化させることが大事だ」と語った。
■「手札」をどう使うか
 トランプ大統領(ABEMA TIMES)
 平井氏は「日本はマナーもいいし、お金もちゃんと真面目に払う。アメリカはトランプ氏が滞納している。そのくらいのことをしてもいいと思う」と踏み込み、ロシアのラブロフ外務大臣の発言に対して「官房長官は『事実でない』と言ったが、弱い。もう少し品悪く、ゴリゴリ言った方がいい」と注文を付けた。
 佐藤氏は過去の反省として、「自民党の外交部会長の時に初めて国連改革プロジェクトチームを作った。私が代わったら消えた。国連改革は選挙で票にならないため、熱量がなければなくなってしまう」と明かした。
 分担金を外交カードに使うことについて、植木氏は「できるが、効果はゼロだ。逆に日本の国際的な信用や立場が悪くなるので、絶対にやるべきではない。300億円と言っても、木を見て森を見ない感じだ」と警鐘を鳴らす。
 国連改革の方向性については、「常任理事国入りはしばらく可能性がない。日本は非常任理事国の枠を拡大して、その中に入っていく戦略に変えた方がいい」と提言。新たな領域でのルール作りについても、「日本政府も広島プロセス(AIのルール形成をめぐる枠組み)を通じて貢献してきた。国際規範を積極的に作り、それに貢献していくことが大事だ」と強調した。
 佐藤氏は最後に「国連は口として大事だ。安全保障では、日米同盟や同志国は守る盾であり、多数派工作と正当性を得る口が必要だ。その口が国連だ」と締めくくった。
 (『ABEMA Prime』より)
   ・   ・   ・   
 10月8日 YAHOO!JAPANニュース 毎日新聞「中国側、習氏と高市首相の会談「拒否」か 香港紙報道
 中国の習近平国家主席=北京市の人民大会堂で2026年3月12日午後3時8分、河津啓介撮影(毎日新聞)
 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は8日、11月に中国・深圳で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせたトップ外交を巡り、中国側が習近平国家主席と高市早苗首相の会談を拒否していると報じた。
 【一目でわかる世界情勢】米中の「敵」と「味方」
 SCMPの報道によると、中国側は代替案として習氏に次ぐ共産党序列2位の李強首相と高市首相との会談を打診したが、日本側が難色を示した。
 日本政府関係者はSCMPの報道内容を否定している。
 一方、SCMPは、9月下旬にワシントンで開かれた米中首脳会談で、トランプ大統領が習氏に高市首相との会談を促したが、習氏は耳を貸さなかったとも報じた。
 トランプ氏は、レアアース(希土類)などを巡る中国の対日輸出規制について、日本企業と関係が深い米国産業への脅威と見なすと伝達。米中間で合意した「貿易休戦」に間接的に違反すると指摘し、撤回を求めたという。
 これに対して、習氏は日中関係の悪化と米中関係は切り離して考えるべきだと発言し、トランプ氏に「日本の軍国主義の高まりを巡るリスク」を警告したという。
 高市首相が2025年11月に台湾有事を巡る国会答弁をした後、中国当局は「新型軍国主義」などと厳しい対日批判を続けている。【河津啓介(北京)、田所柳子】
 【関連リンク】
 <そもそも>きっかけとなった高市首相の国会答弁
 日中関係悪化も経済は…岩屋氏「厚遇」の中国が発したメッセージ
 「習氏より先に言うとは…」 トランプ氏発言、日本政府内に困惑
 「抗日」で台湾の主導権狙う中国 引き込まれるトランプ氏の危うさ
 中国が米国に「大戦の同盟国」を認めさせた真意 北京特派員の考察
   ・   ・   ・   
 10月8日 YAHOO!JAPANニュース プレジデントオンライン「習近平の「最強の武器」は使うたびに弱くなる…世界シェア85%「レアアース支配」を逆転させる日米の"切り札"
 中国は圧倒的な世界シェアを誇るレアアース(希土類)を外交カードとして使っている。評論家の白川司さんは「中国がレアアース規制を強化したことで、日米を中心に中国抜きの供給網を構築する動きが進んでいる」という――。
 【図表で見る】中国のレアアース支配は圧倒的
■レアアース精錬でシェア85%を握る
 IEA(国際エネルギー機関)によれば、2025年時点で中国はレアアースの精錬で世界の85%を占めた。
 レアアースの対米輸出額は年間10億ドルにも達しないものの、そこから作られる高性能永久磁石は、電気自動車、医療機器、産業用ロボット、ミサイル、F35戦闘機など多くの高性能製品に欠かせない。
 レアアースは金額は小さくても、供給を止められれば巨大な産業が動かなくなる重要な「チョークポイント」である。日中対立のなかでレアアース供給網を再構築することは日本企業にとっても死活問題となりうるものだ。
 2025年、トランプ政権が中国に高率関税をかけると、習近平指導部はレアアースの輸出規制で反撃した。中国はレアアースを利用して、アメリカに圧力をかけることに成功している。
 だが、そこには陥穽(かんせい)もある。それは、中国が「チョークポイントは、実際に使う前が最も強い」という外交における大原則を軽んじすぎていることだ。
■中国のレアアース規制で各国が動いた
 レアアースにおける中国の本当の優位は、30年以上かけて築いてきた分離・精製・加工能力、低コストの生産設備、技術者の蓄積、政府支援、そして大きな環境負荷を受け入れながら形成してきた産業集積にある。
 鉱山開発だけでも長期間を要し、鉱石を掘った後には、分離、精製、磁石製造という工程があり、長期購入契約、価格安定策、環境規制、資金調達まで考えなければならない。
 ところが、中国がレアアース規制を強化したことで、各国の認識が大きく変わった。これまで採算が合わないとして放置されてきた鉱山や精製施設への投資が進み、政府備蓄が増え、リサイクル技術や代替材料の研究が加速した。中国以外の事業者に対して、政府や大企業が長期購入を保証する動きも広がっている。
 実際、IEAによれば、磁石用レアアースの精錬における最大供給国、つまり中国のシェアは、2023年の91%から2025年には85%程度まで低下した。現在計画されているプロジェクトが実現すれば、2035年には70%程度まで低下する可能性がある。
■「中国包囲網」が与える経済的損失
 外交誌『フォーリン・アフェアーズ』デジタル版に掲載された記事「America Still Has the Upper Hand Over China(アメリカはなお中国より優位にある)」によると、2025年の世界のハイテク分野の企業利益はその半分以上、実に58%はアメリカ企業が占める。NATO加盟国や東アジアなどアメリカの同盟国・友好国企業が26%、中国企業にいたってはわずか8%にすぎない。
 中国はEV、太陽光パネル、電池、造船、ドローンなど幅広い産業で巨大な生産能力を持つ一方で、最先端半導体の設計ソフト、製造装置、特殊素材、民間航空機、大型ガスタービン、高度な研究機器などでは、今もなお外国の技術や設備に依存する部分がいまだに多く、中国は世界から年間2兆ドル規模の中間財を輸入している。
 ただし、アメリカ単独では中国の供給網を完全に押さえることは困難だ。アメリカから中国への輸出は約1280億ドルにすぎず、アメリカが輸出を止めても、多くの商品は他国から調達できるからだ。
 だが、日本、韓国、台湾、欧州までが足並みをそろえれば事情は大きく変わってくる。
 上記記事では、アメリカ単独で中国との貿易を全面的に遮断した場合、中国側の損失はアメリカ側より3分の1程度の大きさにとどまる一方、アメリカの同盟国まで経済関係の遮断に加わった場合、中国側の損失は米国側の5倍から11倍に達し得ると試算している。
 半導体、製造装置、素材、ソフトウエア、金融、市場、研究開発力と多岐にわたる産業力を有する日米欧が一体化すれば、中国のチョークポイントを相殺できる可能性がある。
■アメリカは頼れない、なら日本が…
 重要なのは、それを一つのネットワークにまとめるかどうかだ。中国の政策が「点」であるなら、日欧米の政策は「面」で対抗する必要がある。
 本来なら、その役割を担うのはアメリカだったが、第2次トランプ政権は、日本や欧州などの同盟国にも関税を課し、米国内への巨額投資や米国製品の購入を求める独自の「ドンロー主義」(モンロー主義+ドナルド)を貫いており、「ハブ」になれる状態ではない。
 アメリカ政府によれば、日米合意では日本からの輸入品に原則15%の関税を適用する一方、日本による5500億ドル規模の対米投資が組み込まれた。米EU合意についても、EUからの輸入品に15%の関税を課し、EU側が6000億ドルの追加投資を行う内容と説明されている。
 これは「アメリカ第一主義」という国内政治の論理としては理解できるものの、中国に対抗する経済安全保障ネットワーク構築の核にはなりにくい。
 だからこそ、日本が重要になる。
■2010年から「脱中国」を進めてきた
 日本はアメリカとの同盟を堅持する一方、他国に政治体制や政策を強制する性格は比較的弱い。さらに、世界有数の素材・部品産業、政府系金融機関、総合商社、資源備蓄制度を持ち、ASEANとは数十年にわたり経済協力を積み重ねてきた。
 2010年の日中関係悪化を契機に、日本は中国への過度な依存を問題視し、豪州などでの資源開発、省レアアース技術、リサイクル、代替材料の開発を進めてきた経験がある。
 日本の強みは、覇権国ではない一方で、制度と産業の双方を動かせるところにある。現在の国際情勢では、この立場がハブとして有利に働く可能性がある。
 その役割分担を具体化する一つの仕組みが、アメリカが主導する「パックス・シリカ」だ。2025年12月、日本とアメリカはパックス・シリカ・サミットを前に共同声明を発表し、経済安全保障を含む日米間の経済協力を、インド太平洋を超えるパートナーとの連携へ広げる方針を確認した。
■35の国・地域が参加する世界秩序
 パックス・シリカ宣言の特徴は、AIのサプライチェーンを半導体だけで捉えていないことだ。ソフトウエア、基盤モデル、情報通信ネットワーク、コンピューティング、半導体、先端製造、物流、鉱物の精製・加工、エネルギーまでを一体的な「戦略的スタック」と位置付けている。
 また、中国への過度な依存を低減し、過剰生産や不公正なダンピングなどの非市場的慣行から民間投資を守り、機微技術や重要インフラを不当なアクセスや支配から保護する方針も盛り込まれている。
 2026年6月の第2回パックス・シリカ・サミットでは、民間企業も参加し、日本を含む35の国・地域の政府がAI分野の技術革新と協力を進める共同声明に加わった。
 パックス・シリカは、少数の先進国による輸出規制だけではなく、信頼できる国々の間で投資、市場、技術、インフラを一体化する方向へ進み始めている。
 アメリカが提供できるのは、先端半導体、ソフトウエア、ドル金融、巨大な政府調達市場、投資審査、輸出管理、制裁能力である。いわば先端産業圏の「頭脳」と「強制力」だ。しかし、AIも半導体も電力、燃料、鉱物、物流なしには動かない。そこを補うのが、日本が主導しようとしているもう一つの構想である。
■高市政権の「パワー・アジア」
 2026年4月、高市早苗首相は「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ」、通称「パワー・アジア」を打ち出した。
 パワー・アジアは、緊急時の石油製品調達やサプライチェーン維持のための融資だけではない。備蓄・放出制度、備蓄タンク、重要鉱物、バイオ燃料、省エネルギー、産業高度化まで対象とする。
 金融協力は総額約100億ドル。原油・石油製品の調達額に換算すれば最大約12億バレル、ASEANの約1年分の原油輸入量に相当する規模である。
 つまり、供給途絶が起きた時に資金を出すだけの制度ではなく、備蓄制度を整え、資源調達先を多様化し、省エネルギーを進め、域内の産業そのものを高度化することで、アジアの供給網を長期的に強くする一大構想である。
 高市首相はその後の外交政策スピーチでも、パワー・アジアによるサプライチェーン強靱化、日・ASEAN・AI共創イニシアティブ、海底ケーブルやオープンRANなどのデジタル回廊、CPTPP、安全保障協力を「進化した自由で開かれたインド太平洋」の構成要素として位置付けている。
■中国のレアアース支配への対抗措置
 ここに重要な意味がある。パックス・シリカがAI時代の技術、投資、ルールという「上部構造」をつくるなら、パワー・アジアは資源、エネルギー、備蓄、物流、金融という「下部構造」をつくる。
 この二つを接続できれば、中国がレアアース規制を発動するたびに、その場で譲歩するのではなく、中国依存そのものを長期的に減らす経済圏を構築できる。
 これは決して机上の空論ではない。
 2025年10月、トランプ大統領と高市首相は、重要鉱物・レアアースの採掘・加工に関する日米枠組みに署名しており、日米による融資、保証、保険、長期購入契約、備蓄、リサイクル、地質調査などを組み合わせ、供給網を多様化する方針が示された。供給途絶に対応する「日米重要鉱物供給安全保障迅速対応グループ」も設けられている。
 重要なのは、対象が鉱山だけではなく、永久磁石、電池、触媒、光学材料などの派生製品まで含まれていることだ。中国の支配力は、鉱石を掘る能力より、分離、精製、加工という川中・川下工程に集中している。その意味で、この設計は合理的だ。
■日本主導で2つの枠組みを1つに
 2026年3月の日米首脳協議ではさらに、重要鉱物の生産量と供給元を増やすための行動計画、最低価格などによって支えられる複数国間の貿易枠組み、南鳥島周辺のレアアース泥を含む深海鉱物資源の共同研究・産業協力も確認された。
 もっとも、パワー・アジアとパックス・シリカは、現段階では別々の枠組みとして発表されている。両者を一つの対中戦略として統合することが正式決定されたわけではない。
 しかし、すでに進んでいる日米の重要鉱物協力を見れば、この二つを接続することは十分に現実的な政策構想である。だからこそ、日本が主導する余地がある。
 もっとも、日本が自動的にハブになれるわけではない。最大の問題は、日本を含む西側諸国が長期的な産業投資を続けられるかにかかっている。
■本当の勝負は「安く作ること」ではない
 中国産レアアースの価格が再び下がれば、民間企業は高コストの代替供給網から撤退したくなる。政府も危機が去れば補助金や備蓄を縮小する。
 すると、中国側が大幅に価格を下げて競合企業を採算割れに追い込み、退出したところで再び市場支配力を取り戻すことが可能になる。
 したがって、本当の勝負は「中国より安くレアアースを作れるか」ではなく、「中国が採算を無視した安値攻勢をかけても、代替供給網が生き残れる市場を作れるか」にある。そのためには最低価格、長期購入契約、政府備蓄、共同調達、融資、保証、保険、さらに環境コストを反映した貿易措置などを組み合わせる必要がある。
 実際、日米の重要鉱物枠組みも、非市場的政策や不公正な貿易慣行に対抗し、責任ある採掘・加工に必要なコストを反映した価格形成の重要性を掲げている。
 もう一つ重要なのは、ASEAN諸国に「中国かアメリカか」という選択を迫らないことだ。参加国の国内で精製・加工産業を育成し、雇用を増やし、人材を育て、技術を移転する必要がある。日本の役割は、中国排除を声高に叫ぶことではない。
 中国に依存しなくても成長できる選択肢を提示できて初めて、「非覇権的な日本」という立場が外交上の資産になる。
■外交カードの寿命がどんどん縮んでいく
 理想的な役割分担は、先端技術、ドル金融、市場アクセス、政府調達、制裁、輸出管理といった巨大な力はアメリカが提供する一方で、日本がASEAN、インド、豪州、韓国、欧州などをつなぎ、鉱山、精製施設、備蓄、物流、保険、融資、長期購入契約という具体的な事業へ落とし込んでいくことだ。
 欧州には巨大市場と規制を作る力、豪州には資源、韓国と台湾には高度な製造能力、ASEANとインドには資源と成長市場がある。これらを一つのネットワークとして接続できれば、中国が単独で握っているチョークポイントの価値は徐々に低下する。
 もちろん、中国が30年以上かけて作り上げた精製・加工能力を代替するには長い時間と巨額の資金が必要だ。だからこそ、中国がレアアースを武器として使うたびに、パワー・アジアとパックス・シリカへの投資を増やし、参加国を広げ、その武器の効力を一段ずつ削ればよい。
 中国はレアアースの武器化で今後も「勝利」するだろうが、そのたびに各国が中国依存を減らし、中国抜きでも成長できる供給網を太くできる。仕組みを作り、潜在能力を結集すれば、レアアースについても長期的には逆転できるのだ。

                  • -

 白川 司(しらかわ・つかさ)
 評論家・千代田区議会議員
 国際政治や日本論など幅広いフィールドで活躍。YouTubeチャンネル「デイリーWiLL」コメンテーターを経て、文化人放送局コメンテーター。メルマガ「マスコミに騙されないための国際政治入門」が好評。新刊に『習近平は何を恐れているのか?』(ビジネス社)。既刊書に『14歳からのアイドル論』(青林堂)、『日本学術会議の研究』『議論の掟』(ワック)、翻訳書に『クリエイティブ・シンキング入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

                  • -

   ・   ・   ・   
 10月8日 YAHOO!JAPANニュース テレビ朝日系(ANN)「中国『矛盾論』で読み解く“異例の厚遇”対日戦略に変化か 内需低迷…深刻な家計部門
 中国の対日戦略に変化が生じているのか。中国の「政権幹部」王毅外相と何立峰副首相が相次いで、訪中した岩屋毅前外務大臣と会談した。日中関係が冷え切る中、異例の厚遇とされる。専門家は、毛沢東の唱えた『矛盾論』から、習近平政権の意図を読み解くとともに、中国経済、中でも家計部門の深刻な状況を指摘する。
 【画像で詳しく】対日姿勢に変化?中国「政権幹部」が対応 日中の動き など
 1)「今年5月には『撤回』でなく『是正』」中国・毛沢東の『矛盾論』では…
中国・王毅外相は9月28日、日本国際貿易促進協会の会長として訪中した岩屋前外務大臣と会談。「来年は日中国交正常化55周年にあたり正常な状態に戻さなければならない。そのためには日本の指導者の台湾に関する誤った言動を速やかに是正する必要がある」と発言した。興梠一郎氏(神田外語大学教授)は、王毅外相の『是正』発言だけでなく、日中正常化55周年への言及にも注視する。
 王毅外相は「来年は日中国交正常化55周年」と、きっかけにしやすいイベントに言及している。「正常な状態に…」というのは、元に戻らないかということではないですか。だから、これはもうサインかな、と思った。ただ、中国側は自分からは降りてこない。あくまでも日本が謝罪すると。その翌日、何立峰副首相が経済協力の重要性を打ち出したのとセットと考えられる。
 さらに興梠氏は、中国側が日本に『是正』を求め、『撤回』の言葉を避けるのは、今年5月から始まっていたと指摘した。
 『撤回』がいつ消えたのかを遡って調べると、5月18日に中国外交部の報道官が『是正』と発言していた。あれ、『撤回』が消えたなと思った。6月には、華春瑩次官が日本国際貿易促進協会会長代行の橋本議員と面会。8月、橋本議員を含む3人の超党派議員が訪中した際には、対外連絡部という共産党外交部門の副部長が面会。9月には外交部の次官補が出てきた。一挙に改善はできないから、徐々に布石を打っている。それも外側からだ。
 峯村健司氏(キヤノングローバル戦略研究所)も今回の中国側の対応について、「ある意味マイナス100だったのがマイナス80になったぐらい」と、慎重な見方は崩さないものの、毛沢東が唱えた『矛盾論』から習近平政権の意図を読み解く。
 5月に中国外交部の発言が変化したというのは、非常に重要なポイント。私が説明をする際によく使うのが『主要矛盾』という考え方だ。これは毛沢東が1937年の『矛盾論』で打ち出した考え方。様々な問題がある中で、一番の問題に特化してそれを解決するためになんとかしようというのが『主要矛盾』の考え方だ。例えば冷戦時代、米ソが激しく対立し、米中関係も必ずしも良くはなかったが、『主要矛盾』はアメリカとソ連の対立。悪いのはソ連なのだから、ソ連をやっつけるために中国とアメリカが手を結ぼうと米中国交正常化が進んだというのが『主要矛盾』の考えだ。
 今回、中国にとっての『主要矛盾』はアメリカ。トランプ氏は中国に対して強硬な発言が多い。トランプ氏が5月に訪中した際に同行していたアメリカ政府内の人物から聞いたが、習近平氏はトランプ氏に対し、高市政権がいかにひどいかを伝えたと。「彼女は、新型軍国主義という形で、かつての軍国主義に戻ろうとしている。一緒に懲らしめよう」という趣旨の話しをしたが、結局トランプ氏は同調しなかった。その証左として、トランプ氏は北京を離れた直後、大統領専用機から高市氏に電話をしている。あれを見て、トランプ政権はなかなか降りてこないと。日米同盟を壊すのは難しく、今まで通り日本を叩いていてもうまくいかないと。だからこそ、トランプ氏の訪中終了から3日後の5月18日、外交部の会見で「誤った言動を早く正せ」という、是正に近い言葉を使い、日本へのアプローチを変えてきた。
 2)中国“内需低迷”も要因か 深刻な家計部門…失業率の高さに直面
 中国が対日戦略を変化させている場合、その要因として指摘されるのが中国経済、中でも国内需要の低迷だ。興梠一郎氏(神田外語大学教授)は家計部門が深刻な状況に陥っていると分析する。
 中国は経済を重視している。だから今回、外交担当の王毅外相と経済担当の何立峰副首相がセットで出てきた。何立峰氏は「歓迎」とまで発言し、日本の企業が中国に来て発展し、お互いに市場のチャンスを共有しようとも言っている。彼は習近平国家主席の側近中の側近。米中交渉も任されるほど信頼が厚い。日本企業にどんどん投資をしてほしいが、実際には良くても現状維持で、新規投資は増えていない。反スパイ法、米中対立による関税の問題や不動産不況など、様々な理由があり、しかも日系企業としては、不況によるデフレで、自動車も含め値下げ合戦が熾烈という問題もある。中国で中国企業と戦っても儲からない。
 今、中国に一番必要なのは、家計をどうするか。これまでは、不動産が家計の資産およそ7割を占めていたが、そこが不況になってしまった。失業者増加のもともとの火種も不動産不況だ。中国共産党は5か年計画でアメリカに追いつこうと国策としてAI開発に取り組んでいるが、大卒者の失業も含め、家計が弱っている今、そちらにお金を回している場合ではない。一番大事なのは社会保障など、まだ未整備の部分にしっかりとお金をつぎ込むことだ。
 峯村健司氏(キヤノングローバル戦略研究所)も、中国国内の失業率の高さを注視する。
 中国としてはとにかく日本企業にもう撤退しないでほしい。そこに尽きる。今、中国は全振りでAIやロボットと言っているが、この流れでは結局、労働力が要らなくなる。先ほどの『主要矛盾』の考え方で説明をすると、中国国内経済の一番の矛盾は、失業率が高いこと。下手をすると、求職していない若者まで含めれば若年失業率は50%近いという統計もある。公式の統計だけでも20%近い状況だ。中国の経済官僚たちも「我々が一番気にしているのは失業率の高さ」と言っている。その中で、日本企業は改革開放以降ずっと地場、特に地方に根付いて工場を稼働させてきた製造業が多く、かなりの地方労働者を生んできた。 
 地方の厳しい現状は何立峰氏から習近平氏の耳にも入っているだろうが、いくつか漏れ伝わってきた内部講話の内容からすると、習近平氏はデフレの怖さをあまり重視していない可能性がある。安いものを買えていいじゃないかと。こうした状況に、現場で経済を指揮している何立峰氏が焦りを感じているからこそ、今回、異例の秋波を送ったという流れだと思う。
 3)なぜ中国は岩屋外務大臣を…日本の対中外交どうする
 中国の「政権幹部」が会談した岩屋前外務大臣は、高市総理とは一定の距離があるとされる。日本の対中外交はどう動くのか。番組アンカーの末延吉正氏(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)は「非常に難しいところ」と述べ、安倍政権での対応と比較する。
 第2次安倍政権では二階幹事長(当時)や福田元首相が阿吽の呼吸で動きながら、安倍総理(当時)が日米同盟プラス中国との戦略的互恵関係を打ち出した。ところが高市総理の場合、まだ政権内が大きな外交チームになっておらず、個人商店の状況。安倍さんが二階さん福田さんを上手くハンドリングしたような力は、まだこの政権にない。今回、訪中した岩屋前外務大臣ら石破前総理のグループ、さらに総務大臣を外された林芳正氏が来年秋の総裁選に向けて、高市総理とどう対峙するのか。下手をすると、国内政局の波乱要因にもなっていく。
 峯村健司氏(キヤノングローバル戦略研究所)は、中国が岩屋氏をなぜ厚遇したのかも「『矛盾論』で説明できる」と指摘する。
 『矛盾論』では、矛盾を見つけ、そこを利用する。さらに多数派工作をして、少数派を孤立させ最後に叩く。これが中国共産党の伝統的なやり方だ。今、自民党内の一番の矛盾は、高市総理と対中関係構築の考え方が異なる林氏、そして岩屋氏、石破氏のグループ。さらに中国からすると、岩屋氏の訪中に経済界も同行していることがポイント。経済界も取り込むことで、多数派工作が可能になる。
 中国が日本へのアプローチを変えた1つの証左として、9月30日に外交部が会見で「高市早苗」と呼び捨てにした。一度も肩書を呼ばないで呼び捨てにするケースは極めて珍しい。日本国内で高市氏を孤立させ、叩くという『矛盾論』的な手法を中国側が今、動かしているのではないか。
 中国と向き合うには、その意図をまず見ることが大切だ。中国が考えるのは『矛盾論』。矛盾を突いてくるので、少なくとも日本は一枚岩であるというメッセージを出していく必要がある。国益を踏まえ、何を話すのか、そのために誰と会うのか。戦略的に考えていくことが重要だ。
 (「BS朝日 日曜スクープ」2026年10月4日放送より)
 <出演者プロフィール>
 峯村健司(キヤノングローバル戦略研究所 上席研究員 中国研究センター長。米中に多彩な情報網を持つ。著書に「台湾有事と日本の危機」(PHP新書)。『中国「軍事強国」への夢』(文春新書)も監訳。中国の安全保障政策に関する報道でボーン・上田記念国際記者賞受賞)
 興梠一郎(神田外語大学教授。専門は現在中国論。外務省専門分析員などを歴任。著書に「中国激流―13億のゆくえ」(岩波新書)「毛沢東 革命と独裁の原点」(中央公論新社)など関連多数)
 末延吉正(元テレビ朝日政治部長。ジャーナリスト。東海大学平和戦略国際研究所客員教授。永田町や霞が関に独自の多彩な情報網を持つ。湾岸戦争などで各国を取材し、国際問題にも精通)
   ・   ・   ・   

🪗53:─2─中国共産党による日本分断策。訪中した岩屋毅前外相に提示された日中友好回復条件。~No.171 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 習近平主席は、高市早苗首相との首脳会談を望んでいない。
 その証拠は、中国外務省が高市早苗首相への敵意から「首相」の肩書きを付けず高市早苗と嫌悪を持って呼び捨てにしている。
 中国外務省は、中国共産党の管轄下で、中国共産党の指示・命令を忠実に従って発言し行動している。
   ・   ・   ・  
 2026年 10月2日 MicrosoftStartニュース Reuters「中国、高市首相に「極めて厳しい姿勢」と岩屋氏 対話再開は駐日大使に一任
 Yoshifumi Takemoto
 岩屋毅氏。2025年9月、ニューヨークで撮影。REUTERS/Kylie Cooper
 © Thomson Reuters
 [東京 2日 ロイター] - 訪中した岩屋毅前外相は1日、電子メールでロイターの取材に応じ、会談した王毅外相や何立峰副首相らが、高市早苗首相に対し「極めて厳しい姿勢」を見せていたと説明した。日中の対話再開を要請したところ、王氏は駐日大使に任せてあると語ったという。岩屋氏はレアアース(希土類)の対日輸出を巡るやりとりも明らかにした。
 民間経済団体の日本国際貿易促進協会(国貿促)会長として訪中した岩屋氏は、9月28日に王氏と、翌29日に何氏とそれぞれ北京で会談した。岩屋氏によると、王氏は会談の中で、日中関係について「改善が必要だ」との認識を示した。岩屋氏が「政府間の対話の窓口を開けて欲しい」と要請すると、王氏は「呉江浩(駐日)大使に任せてある」と説明したという。
 日中関係は昨年11月、高市首相が台湾有事について「存立危機事態になり得る」と国会で答弁したことをきっかけに悪化した。その後に高市氏は「日本政府のこれまでの立場は変わらない」と軌道修正とも取れる発言をしたが、岩屋氏は「中国側はこの点について不十分だと考えているようだ。不信感は相当に強い」と、今回の訪中で受けた印象を語った。また、1972年の日中共同声明に言及し、「原点を再確認することが必要だと自分は思う」とも述べた。
 日本政府は中国を「重要な隣国」と位置づけ、「あらゆるレベルで意思疎通をしていく」との方針を維持している。一方で、高市氏の台湾発言後、両国間の対話は乏しいのが現状だ。岩屋氏は「中国側が対話の窓口を閉ざしていることもあるが、こちら(日本)からのアプローチも十分ではないように思う」と指摘。「原因を作ったのはこちらなのだから、こちらから積極的に動くべきだろう。政府の一層の努力を求めたい」と期待した。
 何副首相との会談では、レアアースの対日輸出管理の適正化を要請した。何氏は「民生用であれば問題ない」と発言したという。岩屋氏は取材に、中国からの輸入が「現場ではかなり滞っている」との見方を示した上で、「中国商務省にも寄って同じ要請をしているので、個別具体的に交渉することが必要だと思う」と語った。
 「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」を掲げる高市氏の外交姿勢について、岩屋氏は「日本は大国ぶる必要はない。我が国はミドルパワーだ」とし、「日米同盟を基軸としながらも、中国と安定的な関係を構築することが日本外交の要諦であり、それを近隣諸国も望んでいる」と強調した。「結び目」としての役割を果たしていくことが大切だとの考えも示した。「花は咲き誇ったりはしない。自然体でありのままに咲いているから美しい」
 日本政府は岩屋氏の訪中について「民間の経済団体の動向」(9月30日の木原稔官房長官会見)として具体的にコメントすることを避けている。一方、高市氏は10月1日の日本テレビのインタビューで、今後の日中関係について「戦略的互恵関係を包括的に推進して建設的かつ安定的な関係を構築していく方針は一貫している」と説明。「実際に現在でも各レベルでの対話というものは続いている」と主張しつつ、「意思疎通をしっかり継続しながら、国益の観点から冷静に適切に対応していく」と訴えた。
 (竹本能文 編集:久保信博)
   ・   ・   ・   
 10月4日 YAHOO!JAPANニュース TBS NEWS DIG Powered by JNN「岩屋氏への“異例の厚遇”中国側の思惑は 高市氏「台湾発言」への怒りの訳、日中関係改善への糸口は 国交正常化から54年【サンデーモーニング・風をよむ】
 台湾有事をめぐる高市総理の発言以来、日中関係は悪化したままです。
そんな中、岩屋前外務大臣が中国を訪問し、王毅外相らが会談に応じる厚遇を受けました。
中国側にはどんな思惑があるのでしょうか。
 【写真を見る】上野動物園から消えたパンダ…冷え込む日中関係改善の糸口は?
■次はハシビロコウ? 新たなパンダ来日は“当面困難”
 じっと動かず、一点を見つめるハシビロコウ。
 2026年4月、上野動物園を視察した小池都知事が“推し”たのが、この鳥でした。
 東京都 小池百合子 知事
 「推しですね、これは。醸し出す雰囲気がなんとも“キモカワ”でいいと思います」
 PRの理由は、1月にパンダの「シャオシャオ」と「レイレイ」が中国に返還され、上野動物園からいなくなったためです。
 それから9か月。賑わいがなくなったパンダの森は、時が止まったような静けさに覆われています。
 新たなパンダの来日は、現在の厳しい日中関係を受け、当面困難な状況。
■岩屋前外務大臣の訪中に異例の“厚遇” 副首相らと会談
 そうした中、29日、岩屋毅前外務大臣の北京訪問。日本企業の幹部ら約50人を率いての訪中でした。
 29日、面会したのは経済政策を担当する何立峰副首相。
 何立峰 副首相
 「今回、岩屋会長が代表団を率いて中国を訪問したことは、中日間の経済・貿易関係の発展をさらに促進するものになると確信しています」
 日中関係が冷え込んで以来、日本の政治家と中国要人が公式に会談するのは初めて。
 岩屋毅 前外務大臣
 「日本との経済交流、民間交流については、中国側は決して後ろ向きではない。むしろ前向き、肯定的であると、私自身は受け止めた」
 「異例の厚遇」とも見えた一方で、中国側から厳しくクギをさされたのが「台湾問題」です。
 何立峰 副首相
 「一部の日本の政治家が軍国主義をよみがえらせたり、『台湾問題』において中国のレッドラインに触れたりすることが、客観的に見て、直接的・間接的に中日間の経済・貿易関係の発展に影響を及ぼすことになる」
 また、王毅外相は「現在の中日関係は再び厳しい局面に直面しており、改めて正常化を実現する必要がある」と強調したのです。
■国交正常化から54年 当時から「台湾問題」懸案に
 折しも、今回の会談が行われた9月29日は、日中にとって特別な日でした。
 今から54年前のこの日、日本と中国は共同声明に調印し、国交を正常化。この時から、「台湾問題」は大きな懸案でした。
 田中角栄 総理(1972年9月 当時)
 「誰がやっても困難な『台湾問題』とかそういう難しい問題は、自民党や政府がやり、いずれにしても日中の国交正常化は不可避だというが、私はおよその世論だと思う」
 「日中共同声明」では、中国側からは「台湾が中国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明」、日本側からは「中国の立場を十分理解し、尊重」という文言が盛り込まれました。
 その後、歴代の政権はこの問題について、台湾との関係を「非政府間の実務関係」に限定。いわゆる台湾有事の際も、日本やアメリカがどう動くのかといった点について「曖昧さ」を保ってきました。
 例えば2024年、当時の岸田総理は、台湾有事の際、日本は「存立危機事態」を認定して、集団的自衛権を行使するのかと問われても…
 岸田文雄 総理(2024年2月 当時)
 「個別具体的な状況に即し、情報を総合して判断することとなるため、一概に述べることは困難」 
 「存立危機事態」とは、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされるといった事態で、自衛隊による「武力行使」が可能となっています。
 しかし、2025年11月、高市総理は…
 高市総理(2025年11月)
 「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても『存立危機事態』になり得るケース」
 中国が台湾に武力行使した場合、「存立危機事態になり得る」として、日本の武力行使が可能と解釈できる発言となったのです。
 これに中国は発言の撤回を要求するなど猛反発。「怒り」の訳を、専門家は…
 東京女子大学(現代中国政治)高原明生 特別客員教授
 「色々な仮定の条件が加わって、やっと日本は武力を行使できるようになる。とっても複雑な話。しかし中国側は単純化して捉えてしまって『我々が台湾に出張っていったら、日本は軍を送ってくるんだ』と、『自衛隊を送ってくるんだ』と、そういう風に捉えたわけです」
 それから、まもなく1年。日中関係が冷えきった中、今回の「異例の厚遇」は何を意味するのでしょうか。
■何副首相「水が流れれば自然と水路ができる」 中国側の思惑とは?
 何立峰 副首相
 「中日国交正常化して半世紀以来、中日間の経済・貿易関係は絶えず発展を遂げてきました」
 今回、日本側を異例の厚遇で迎えた中国。何副首相は「水が流れれば自然と水路ができる」という中国の四字熟語をあげ、条件さえ整えば物事は自然に成就すると示唆したといいます。
 中国側の思惑とは…
 東京女子大学(現代中国政治)高原明生 特別客員教授
 「中国側にとってみても、厳しい対日措置をとって何か得があったかと言うと、何にもない。いま中国経済は非常に良くない。『そろそろ対日関係を変えないといけないのではないか』という声が出てきた。夏ぐらいから中国の姿勢が少し変わってきた、言ってみれば和らいできた」
 その上で、中国側はどこに落としどころを見つけようとしているのでしょうか。
 東京女子大学(現代中国政治)高原明生 特別客員教授
 「中国は拳を振り上げると高い木に高く登りすぎてしまう。降りられなくなってしまう。だから、ひとつの措置として、一番彼ら(中国)が気にしているのは経済ですから、経済交流が盛んになるような、少しずつカーテンをまずは開け、それから窓を開けるということを少しずつやっていくのではないか」
 日本企業の幹部らを率いた今回の会談を糸口に、日本と中国の関係改善はあるのか―。
 国交正常化から54年となった29日。上野動物園から返還されたパンダが四川省で公開され、日本から訪れた観光客は…
 日本人観光客
 「上野と全然変わっていないですし、可愛いですね」
 “日中友好のシンボル”が、再び日本に来ることはあるのでしょうか。
   ・   ・   ・   
 10月2日 YAHOO!JAPANニュース OBS大分放送「「誰も会わないで事態が改善するのか」岩屋毅前外相が訪中報告 高市総理の台湾有事答弁「目の前で聞いていてはっとした」 対話再開を「一歩前進」と強調
 日本国際貿易促進協会(国貿促)会長の岩屋毅前外務大臣は2日、中国・北京で習近平政権の要人との会談を終え、地元の大分県別府市で会見を開きました。高市総理の台湾有事答弁に対する中国側の「是正」要求について、「態度の軟化とは断定できない」と慎重な姿勢を示しつつも、途絶えていた要人対話の再開を「一歩前進」と評価し、今後の多層的な交流継続を訴えました。
 【写真を見る】「誰も会わないで事態が改善するのか」岩屋毅前外相が訪中報告 高市総理の台湾有事答弁「目の前で聞いていてはっとした」 対話再開を「一歩前進」と強調
■中国側の表現変化…「根拠はない」
 王毅共産党政治局員兼外相らとの会談において、中国側から高市総理の国会答弁に対する厳しい指摘が相次いだことに対し、岩屋氏は、総理がその後の国会答弁や閣議決定で軌道修正を行い、従来の政府統一見解を堅持している経緯を直接説明しました。
 岩屋氏は自身が元防衛大臣でもある立場から、高市総理の予算委員会での答弁を「目の前で聞いていて一瞬はっとした。従来の政府方針と違うのではないかと心配になった」と振り返り、存立危機事態の認定について個別具体的なケースに言及したかのように聞こえたことが中国側の「不信を生んだ原因」と説明しました。
 その上で、台湾問題の平和的解決という基本方針や1972年の「日中共同声明」をはじめとする4つの政治文書が日中関係の土台であるとし、「中国側に不信を解消させ、理解してもらうための努力を日本政府もしっかり行うべきだ」と強調しました。
 また、報道で指摘されている中国側の表現変化(「撤回」から「是正」への変化)については、「中国側がどういう意図で言葉を選んだか断定する根拠はない。総じて厳しい立場に変わりはなかった」と慎重な見解を示しました。
■対中外交姿勢について国内で反発…
 中国側の共産党政治局員2人(王毅外相、何立峰副首相)が2日連続で会談に応じた背景や手応えについて、岩屋氏はこれまで政府要人同士の面談が一切行われてこなかった経緯に触れ、「政治局員の2人が会っていただいたこと自体、対話が途絶えていた状況からすれば『一歩前進』と言えるのではないか」との受け止めを示しました。
 会談実現の要因としては、今年6月に亡くなった協会の前会長の河野洋平元衆院議長の長年の功績や国貿促への高い評価、自身が前外相として王毅氏と重ねてきた外交上の縁が重なった結果であると分析しました。
 対中外交の姿勢について、国内での反発に対しては、「誰も会わないで何か事態が改善するのかというと、決してそうではないと思う」と強調しました。
 今回の訪問について「あくまで小さな環境整備・改善のためのきっかけづくり」と捉えつつも、「一歩ずつ関係改善に向かって前に進んでいくことが大切だ」と主張しました。
 若手議員による訪中や、今後予定される経団連など経済3団体、日中友好議員連盟(日中議連)による訪問計画に触れながら、「経済界や超党派議員など、さまざまなレベルで中国との対話を根気強く続けていくべきだ。国貿促としてもその一員として努力を重ねていきたい」とし、民間や超党派による多層的な対話パイプの維持・拡大を強く呼びかけました。
   ・   ・   ・   
 10月7日 YAHOO!JAPANニュース 時事通信「中国外相「高市首相が解決を」 台湾答弁問題、岩屋氏へ伝達 72年共同声明「再確認」案応ぜず
 インタビューに答える自民党の岩屋毅前外相=7日、国会内
 9月に中国を訪問した自民党の岩屋毅前外相は7日、時事通信のインタビューに応じた。
 【主な経歴】岩屋 毅(いわや たけし)氏
 王毅共産党政治局員兼外相との会談で日中関係改善の必要性を確認したが、王氏は関係悪化の原因となった高市早苗首相の台湾有事発言について「日本の指導者が解決すべきだ」と主張したと明かした。
 岩屋氏によると、台湾発言に関して王氏に「首相の追加答弁などで政府方針は変わっていないと明らかにしている」と説明。撤回は「政治的なハードルが非常に高い」と伝え、1972年の日中共同声明の趣旨を改めて両政府で確認することにより「事実上の撤回」とするよう提案した。
 しかし、王氏は「あいまいなやり方では良くない。中国には『問題を解決するのは問題を起こした人であるべきだ』という言葉がある」と応じなかった。
 岩屋氏はまた、防衛力強化を図る日本を中国が「新型軍国主義」と批判していることを取り上げ、「控えてもらいたい」と要請した。
 王氏は「関係を改善する必要がある」と語ったものの、インタビューに岩屋氏は「高市政権に対する見方は非常に厳しいものが続いていると感じた」と振り返った。
 一方、何立峰副首相は、岩屋氏がレアアース(希土類)など重要鉱物の対日輸出管理の適正化を求めたのに対し、「軍事用途なら制限するが、民生用なら大丈夫だ。より良い管理方法を模索中だ」と回答。日中経済協力の促進に強い意欲を示したという。
 岩屋氏は日本国際貿易促進協会(国貿促)の会長として9月27~30日に訪中。北京で王、何両氏と個別に会談した。
 こうした「厚遇」には、日本を分断する狙いとの見方がある。岩屋氏は「いろいろな要素があると思うが、中国側が(日本側の)どこかと対話する必要があると考えていることは事実だろう。まず誰かが話をし、日本側には関係を改善すべきだと強く思っている人たちもいると伝えることが大事だ」と訪中の意義を強調した。 
 【関連リンク】
 高市首相、譲歩の必要なし 中国の狙いは「中立化」―米専門家
 【ひと目で分かる】最近の日中関係
 中国、高市氏答弁「是正」求める 経済協力に意欲も―副首相らと会談・岩屋前外相
 対中改善、慎重に探る 岩屋氏「厚遇」、意図見極め―日本政府
 木原官房長官、論評避ける 岩屋氏・中国外相会談巡り
   ・   ・   ・   
 10月7日 MicrosoftStartニュース All About「台湾有事のどさくさに「尖閣」も奪われる? 防衛専門家が警告する、中国“同時侵攻”の悪夢
 高橋 杉雄
 中国の本命は台湾ですが、隙を見せれば尖閣諸島も「低コスト」で奪いに来ます。防衛専門家・高橋杉雄氏が読み解く、警戒すべき「武装漁民」の上陸シナリオと、台湾有事のどさくさに紛れた「同時侵攻」の可能性とは?(画像出典:PIXTA)
 © All About, Inc.
 日本と中国との武力衝突には、2つの発火点があります。「台湾」と「東シナ海」です。中国にとっての本命はあくまで台湾であり、尖閣諸島のために無駄な戦力を使いたくないのが本音です。
 しかし、だからといって安心はできません。もし日本が隙を見せれば、彼らは「低コストで奪える」と判断して行動を起こすでしょう。さらに恐ろしいのは、台湾有事の混乱に乗じて尖閣を同時に攻めるシナリオです。
 防衛省シンクタンクの第一人者・高橋杉雄氏の著書『日本人が知っておくべき自衛隊と国防のこと』(辰巳出版)から、中国がどのような計算で動いているのか、そして日本はどう備えるべきかを紹介します。
 【画像】習近平の父が「見せしめ」にされた歴史的証拠写真。首には重い看板、群衆からの罵声…
 狙いは台湾か、尖閣か。中国が天秤にかける「2つの戦場」
 中国との武力衝突には、日本との関係では2つのシナリオがありえます。その1つが東シナ海で、もう1つが台湾です。まずは東シナ海問題について見ていきましょう。
 東シナ海問題には2つの要素があって、1つが尖閣諸島、もう1つがガス田です。
 このうちガス田については、排他的経済水域(EEZ)問題とも密接に絡んでいます。その点でたしかに大きな問題ではあるのですが、最終的には経済的な交渉で着地点を見いだすことができる可能性もあります。
 そしてもう一方の尖閣諸島は、元々の日本固有の領土に対し、台湾が後になって領有権を主張してきたものでした。
 中華人民共和国は、「台湾は中国の一部」とみなしていますから、台湾が主張すれば中国も主張することになります。そこで日中の対立事項となったのです。
 EEZ問題に近いエリアなので紛らわしいですが、根はまったく別のものです。ただし、中国にとってあくまで本命は台湾です。尖閣諸島のためにリソースを使いすぎて、台湾に振り向ける力がなくなってしまったら本末転倒です。
 ですので、日本がきちんと抑止力を高めていれば、中国に「尖閣諸島を獲得するためには、実戦という高コストが生じる」と思わせることができ、理屈上は抑止ができるのです。
 尖閣諸島有事のシナリオ
 日本では、2010年に発表された防衛大綱で、動的抑止という概念を示しました。具体的には、東シナ海域周辺でのISR(警戒・監視・偵察)を増やし、日本側には隙がなく、何をしてもこちらは把握できると中国に教えることで、既成事実化や探索行動が難しくなることを狙ったものだと考えられます。
 ところが、2012年の尖閣国有化を口実とし、中国は政府公船を継続的に送り続け、領海や接続水域に侵入してくるようになりました。
 この一連のプロセスの中で、日本側は物理的な隙を一切見せていません。しかし中国は尖閣諸島を諦めるのではなく、現状変更のギアを一段上げてきたのです。
 そのため2013年の防衛大綱では、グレーゾーン抑止をどう立て直すかが大きなテーマになりました。そこで示された方針は、相手が行動レベルを上げたら、こちらも行動レベルを上げるという明快なものでした。(※グレーゾーンとは、平時と有事の中間にある緊張状態のこと)
 これはFDO(Flexible Deterrent Options)というもので、相手の行動に合わせてこちらも自衛隊の訓練や事前展開、日米共同訓練などを実施することで、相手のエスカレーションにしっかりついていって抑止するという方法論です。
 尖閣諸島について懸念されるシナリオは、武装漁民が上がってきて、そこから軍事的な衝突にエスカレートしていく、というものです。
 一方で、中国の本命は台湾ですから、それに先立って尖閣で無用なリスクを冒そうとするとは思えません。リスクフリーなら話は別ですが、こちらが隙を見せなければ無闇に攻めてくることはないでしょう。それだけ、こちらが対策をきちんと作っていくことが大事だということです。
 ただし、台湾海峡有事が起こった際に、中国軍が同時多方面展開で尖閣占有行動に出る可能性は捨て切れません。この書籍の執筆者:高橋杉雄 プロフィール
 防衛省のシンクタンクである防衛研究所防衛政策研究室長。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。専門は国際安全保障、現代軍事戦略論、核抑止論、日米関係論。日本の防衛政策を中心に研究・発信する、我が国きっての第一人者。ウクライナ戦争勃発以降、テレビをはじめとした様々なメディアで日々解説を行っている。著書に『日本人が知っておくべき自衛隊と国防のこと』(辰巳出版)など。
   ・   ・   ・   




 中国共産党は、日本の親中派の政治家、官僚、財界人、メディア業界、教育界に対して、日中友好の為の必要にして最低条件として、高市早苗首相の国会における台湾有事発言撤回と公の場での謝罪、もしくは高市早苗首相の辞任と反中派保守政権の解体を求めている。
 中国共産党の日本における影響力は、多方面に存在している。
   ・   ・   ・   
 中国共産党が受け入れる日本の政権とは、自民党内の中国よりエセ保守か野党の反米的なリベラル左派による中道政権である。
   ・   ・   ・  
 中国共産党は、日本のエセ保守やリベラル左派の媚中派・反米派・護憲派・過激派による蹶起を望んでいる。
   ・   ・   ・   
 中国共産党は、日本に許している友好とは上下関係であり対等関係ではなく、日本に許す外交は儒教価値観に基づく朝貢関係である。
   ・   ・   ・   
 日中関係の深刻化は、明治の清仏戦争から日清戦争、大正の中国共産党の在華紡事件、ににている。
   ・   ・   ・   
 中国共産党の党是は、結党以来、変わる事のない反天皇反日である。
   ・   ・   ・   


 10月1日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「中国が日本に強烈反発…小泉防衛相の発言に「交渉の余地はない」
 荒巻俊
 引用:中国外交部のホームページ
 核兵器や原子力潜水艦の保有を巡る議論を、今年予定されている安保三文書の改定で排除すべきではないとする小泉進次郎防衛相の発言に対し、中国が批判を強めた。中国外交部の郭嘉昆報道官は30日の定例記者会見で、小泉進次郎防衛相の発言について「まず、核兵器を保有するかどうかは、日本が議論してよい問題ではない」と反発した。
 郭報道官は「日本は核兵器不拡散条約(NPT)の非核兵器国だ」とし、「核兵器を受け入れず、製造せず、保有せず、拡散させないことは、日本が回避することのできない国際法上の義務であり、交渉の余地はない」と断言した。さらに、高市早苗首相が今年2月に「非核三原則」を堅持する考えを改めて強調し、5月にも日本がNPT再検討会議で非核三原則に関する立場を変えないと確認したことなどを挙げ、小泉防衛相の発言について「国際秩序に対する重大な挑発であり、露骨な蹂躙だ」と非難した。
 また、「日本が掲げてきた非核三原則から著しく逸脱するものだ」とし、「日本の右翼勢力による核保有の企てを改めて露呈した」と強調した。郭報道官は「最近、日本は再軍事化の動きを加速させ、非核三原則を放棄しようとする一方、いわゆる『拡大抑止』構想を強化している」とし、「日本国内への核兵器配備を模索することで、段階的に核を巡る制約を緩和しようとの野心を抱き、国際社会の一線に絶えず挑戦している」と述べた。その上で「国際社会は、日本が非核三原則を順守し、NPT上の義務を厳格に履行するとともに、再軍事化と核保有の企てを全面的に放棄し、国際社会の重大な懸念に実際の行動で応えるよう求めるべきだ」と語った。
 これに先立ち、小泉防衛相は核兵器や原子力潜水艦の保有などについて、安保三文書の改定に向けた議論から排除すべきではないとの立場を示してきた。11日の記者会見でこうした考えを示したのに続き、28日のBSフジのインタビューでも、安保三文書の改定について「タブーを設けず、結論ありきではなく議論すべきだ」とし、従来の立場を改めて示した。
   ・   ・   ・   
 10月4日 YAHOO!JAPANニュース 琉球新報「「辺野古阻止」決意新た オール沖縄が知事選後初の集会 「県民大行動」に616人 沖縄
 辺野古新基地建設などに抗議する県民大行動の参加者ら=3日、名護市辺野古(The Ryukyu Shimpo Co., Ltd)
 【辺野古問題取材班】辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議は3日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で、第58回県民大行動を開いた。移設を容認する古謝玄太氏の知事就任後初の開催で、県内各地から616人(主催者発表)が参加し、「辺野古新基地建設NO!」と書かれたプラカードを掲げて、決意を新たにした。
 【速報】米兵逮捕、強盗殺人疑い 普天間基地所属の海兵隊員 那覇のホテルで発生
 集会の冒頭、同会議は声明を発表し、沖縄への過重な基地負担や安全保障上の犠牲の集中は続いていると指摘。「今こそ、新基地建設に反対する思いを確かめ合うとともに、沖縄の尊厳と自己決定権を守るため、団結を強める時だ」と強調した。
 オール沖縄会議の稲嶺進共同代表は、県知事選や県議補選でオール沖縄勢力が支持する候補が敗れたことに触れ「今回は厳しい立場に置かれたが負けてはいけない。きょうから新たなスタートを共に進んでいこう」と連帯を呼びかけた。
 玉城デニー前知事は「熱く力強い県民の意志がある限り、県内移設は絶対に実現しないと確信している」とメッセージを寄せた。
 集会の最後には、参加者全員で「私たちはこれからも闘うぞ」とシュプレヒコールを上げ、抗議の意思を示した。
 沖縄市から参加した60代女性は「多くの人が集まれば、会場も元気になると思って参加した」と話し「誰だって戦争は反対という思いは一緒だと思う。県民の声をこれからも発信していきたい」と力を込めた。
   ・   ・   ・   
 10月7日 YAHOO!JAPANニュース ダイヤモンド・オンライン「日本の防衛産業の残念な現実…大企業にとってはニッチ部門、中小は専門化しすぎて民需受注に難
 日本の防衛産業は、工業生産額の1%未満という極めて小さな規模で、大企業の一部門として埋もれています。防衛需要依存度は平均4%、中には1%以下の企業もあり、調達が途絶えても企業全体への影響は軽微です。一方で、装備品を支える数千社の中小企業は民需に転換できず、技術者や設備を守るために苦しい資金繰りを続けています。日本の安全保障を支える基盤は、静かに、しかし確実にやせ細ってきているのです。※※本稿は、桜林美佐『軍産複合体:自衛隊と防衛産業のリアル』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
● 大企業のニッチな一部門
 →前記事:『台湾有事に備えて日本がすべき事とは?ウクライナ戦争は起きた時点で「抑止に失敗」している』を読む
 それでは日本の防衛産業は今どのような状況にあるのか、防衛産業の健康診断をしてまいりましょう。まずは身長・体重に相当する基礎情報から。
 日本の工業生産額に占める防衛省向け生産額の割合は1%以下です。そして、令和2年度の防衛関連調達額は約2.5兆円とのことでした。トヨタ自動車など、数兆円もの利益を上げている企業があることを考えれば、調達額がこの程度の規模にすぎない防衛産業がいかに地味な産業分野であるかお分かり頂けるかと思います。
 防衛産業の主な企業は、諸外国のような防衛専従ではなく、大企業の一部門です。そこで、防衛装備品を担っている構図です。つまり、正確に言えば日本に「防衛産業」は存在せず、「企業の防衛部門」がそれに該当するということです。
 各企業における防衛事業の割合、つまり防衛需要依存度(防衛関連売上/会社売上)は平均で4%程度だとされています。中には1%以下の企業もあり、いずれにしても社内の存在感は小さいと言わざるを得ません。つまり、仮に防衛省からの調達がなくなって防衛部門が干上がったとしても、その会社全体にとっては大きなインパクトにはならず、大して痛くもない、ということです。
 さらに言えば、大手企業にとって防衛分野は「あまり目立って欲しくない」事業部門です。例えばエアコン大手のダイキンや建設機械大手のコマツは弾薬を製造する防衛産業でもありますが、IR(投資家向け広報)などでそうしたことを強調することはあまりないようです。大手企業のほとんどが民生品の製造・販売で利益を上げており、そちらの事業こそが本業です。防衛事業は余力で行っているに過ぎず、メインの民生品事業が順調であることが、会社の経営陣にとっても投資家にとっても最も大事だからです。
 余談ですが以前、家電セールで三菱重工のエアコンとダイキンの空気清浄機の「お得なセット」を見つけたことがありますが、この両社が日本の戦車と戦車砲弾を製造しているメーカーだと知っている人は極めて少数派でしょう。
● 民生品の受注を受けにくい会社も
 一方、こうしたプライム企業(防衛省から直接受注を受ける大企業)だけで装備品を作ることはできず、そこに連なっている数千社に及ぶ関連企業はまた事情が違います。
 装備品ごとにだいたい1000社以上のベンダー(プライム企業に部品等を提供し、防衛省とは契約を締結していない)中小企業が関わっていて、その数は、例えばF2戦闘機は約1100社、一〇式戦車は約1300社、護衛艦(DD)は約8300社と言われ、そこには有名な企業から町工場まで含まれています。
 ベンダー企業は、大手企業とは違って防衛需要依存度が高い場合が多く、ほとんど民需は行っていないというところもあります。その理由は、特殊な防衛装備品用の設備や技術者などは民生品用に流用できないという事情や、各経営者の防衛事業を担っているという責任感などです。ある会社では、受注が1年間ないという事態になり、そんな中で救世主のような民生品製造の仕事がきたというので家族は胸をなでおろしたのですが、結局それは辞退したそうです。驚いて理由を聞くと、自衛隊の装備品を作っている以上、保全の観点から防衛省関係者以外が出入りすることはやはり避けたいということでした。
 技術者も民生品部門とかけもちをすると「腕が落ちる」と言います。高度な技術力を維持するために人の流動を避けたいという声も多く聞きました。発注をしてくれなかったというのになんという忠誠心、なんというヤセ我慢なのかと驚愕するばかりですが、このような考え方は防衛産業では決して珍しくはありませんでした。こうした会社の多くは先代や先々代の社長が旧軍から仕事を受けた歴史を持っていて、その伝統を継承しているのです。
 しかし、世代交代で最近は考え方も変ってきている可能性があります。以前、このようないわゆる100年企業を訪ねた際、社長の息子さんが、受注があるのかないのか分からない防衛事業はいずれ畳んで、敷地の一部は駐車場にしたいと、こっそり打ち明けてくれたこともありました。
 問題なのは、防衛装備品の製造をしていることが必ずしも信用に繋がっていないということです。こうした町工場は、仕事がない間も設備や技術者の維持のために資金繰りをしなければならず、地元の銀行から融資を受けるわけですが、自衛隊の仕事をしているからといって地元の銀行は必ずしもいい顔をしません。
 「今回限りですよ」
 そんな言葉を突き付けられた社長さんは少なくありませんでした。今は防衛費が増えていますので、銀行の防衛産業に対する見方も変化しているかもしれませんが、予算が増えたとしても、その企業の受注があるかどうかが不透明であれば、何の保証にもならないのです。
 いくら高い技術で防衛装備品を作っていても「予見性」、つまり見通しの立たない仕事をしていては信用に繋がりません。
 桜林美佐
 【関連リンク】
 台湾有事に備えて日本がすべき事とは?ウクライナ戦争は起きた時点で「抑止に失敗」している
 「経済優先で防衛力削減」の落とし穴、国民も賛同した英サッチャー政権“軍縮”の教訓
本業は会社員「予備自衛官」のリアル、一般人なのに「射撃訓練・ほふく前進」…手当はいくら?
 JALも三菱UFJもエジキに…平デジタル大臣が「もうやられ放題。やられっ放しでいいのか」と憤るサイバー攻撃の怖すぎる実態
 早期警戒機E-2Cの背中にあるお皿は何のため?航空自衛隊のパイロットに教えてもらおう
   ・   ・   ・  
 10月3日 MicrosoftStartニュース 読売新聞「対中国関係 日本の立場を繰り返し訴えよ
 中国による日本批判は収まる兆しが見えない。政府は間髪を入れず反論し、日本の見解や立場を訴え続けるべきだ。
 自民党の岩屋毅前外相らが中国を訪れ、王毅外相、何立峰副首相とそれぞれ会談した。
 昨年11月の台湾有事を巡る高市首相の国会答弁以降、中国外交トップの王氏が日本の政治家と公式に会談したのは初めてだ。王氏は日中関係について「正常化の実現が必要」との考えを示した。
 一方で「日本側にとって急務なのは、自国指導者の台湾問題での誤った発言を早急に是正することだ」と述べた。何氏も「一部の日本の政治家が、中国の譲れない一線に挑んだ」などと主張した。
 中国は「日本が内政干渉をして台湾に武力介入しようとしている」などと内外に 喧伝(けんでん) しているが、当時の国会の議事録を読めば、事実無根であることは明らかだ。
 野党議員が、具体例を挙げて存立危機事態にあてはまるのかと 執(しつ)拗(よう) に答弁を求めた。これに対し首相は、中国が台湾を海上封鎖して米軍が来援し、中国が武力行使に踏み切った場合を例に挙げた。
 従来の政府見解から踏み込んだとされるが、台湾問題の対話による平和的解決を希望する、という日本の立場は変えていない。
 岩屋氏は「日本政府の方針は変わっていない」と説明したが、中国側の主張を前提にしたままでの応答では、中国に取り込まれたかのような印象を与えかねない。
 中国は、日本の一部国会議員の訪中も受け入れ、経済交流に前向きな姿勢を見せている。友好的とみなす人々と、首相ら「一部の政治家」を選別する狙いだろう。政府・与党は中国の意図を見極め、冷静に対処することが大切だ。
 首相答弁をきっかけに、習近平政権は高市政権が進める防衛力強化を「新型軍国主義」と呼んで 牽(けん)制(せい) するようになった。
 首相が国連総会の一般討論演説で、国連憲章の旧敵国条項の削除を求めたことに対して、中国は日本が軍国主義を復活させようとしているなどと反対を表明した。
 旧敵国条項は1995年、時代遅れだとして総会で死文化が決議され、中国もこれを支持した。
 今になって反対することは当時の決議に矛盾し、筋違いだ。日本側が総会で「日本は他国に脅威を与える軍事大国とならない」と反論したのは当然だ。
 中国は、日本と軍国主義を結びつける誤った言説を広げようとするが、軍事力で周辺国を威嚇する中国こそ軍国主義ではないか。
   ・   ・   ・   
 10月5日 MicrosoftStartニュース AFPBB News「高市首相、中国は「重要な隣国」所信表明演説
 © Yuichi YAMAZAKI/AFP
 【AFP=時事】高市早苗首相は5日、所信表明演説で中国を「重要な隣国」と位置付け、両国間において安定的な関係を構築すると誓った。
 日中関係は、高市氏が昨年11月7日の衆院予算委員会で、台湾有事をめぐって日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に該当する具体例を問われ、「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になりうるケースだと私は考える」と答弁して以来、冷え込んでいる。
 高市首相、中国は「重要な隣国」 所信表明演説
 © (c)Yuichi YAMAZAKI/AFP
 高市氏は所信表明演説で、対中関係について「中国は重要な隣国であり、課題がある中でも長年の積み重ねがある」とし、「共通の課題について意思疎通を図り、国益を守るための対話を進め、建設的かつ安定的な関係を構築していく」と述べた。
その上で「我が国の立場について主張すべきことは主張し、責任ある行動を強く求めていく」と強調した。
 所信表明演説に先立ち、先週には北京を訪問した岩屋毅前外相と中国の王毅外相が会談している。王氏は「現在の中日関係はまた厳しい局面にある。再び正常化を実現する必要がある」と述べていた。
 中国は昨年、自国民に対して日本への渡航を自粛するよう呼びかけたほか、貿易規制を導入。これにより、日本企業への重要なレアアース(稀土類)供給が大幅に減少したと報じられている。(c)AFP
   ・   ・   ・   
 10月7日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「高市首相が「中国は重要な隣国」…中国側は冷ややか、“日本の事情”を指摘
 織田昌大
 高市早苗首相が中国を「重要な隣国」と位置づけ、戦略的互恵関係を継続して推進する方針を示したことについて、中国の官製メディアは、高市政権の対中牽制姿勢に変化はないとの見方を示した。
 6日のNHKなどによると、高市首相は5日、衆参両院で行った所信表明演説で、中国を「重要な隣国」と位置づけ、「戦略的互恵関係」を引き続き推進すると表明した。
 高市首相は、中国の海洋進出や日本周辺での軍事活動、強圧的な措置、日本人の安全、人権問題などを一つ一つ挙げ、「日本として主張すべきことは主張し、中国側に責任ある行動を求めていく」と強調した。
 その一方で、日中両国の間にはさまざまな懸案が存在するものの、長い交流の歴史があると指摘し、戦略的互恵関係を引き続き推進する意向を示した。
 高市首相は先月の記者会見でも「中国は重要な隣国」と述べ、「戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築するという方針に変わりはない」と表明していた。
 ただ、中国側では今回の発言について、日中関係改善に向けた実質的な政策転換というより、日本国内外からの圧力を意識したメッセージとの見方が出ている。
 中国の官製紙・環球時報は専門家の見解を引用し、高市首相が中国を「重要な隣国」と表現するなど融和的なメッセージを発したものの、日本政府の対中基本姿勢に変化はないと主張した。
 また、中国の海洋・軍事活動などを挙げて「責任ある行動」を求めたことについても、事実上、中国を念頭に置いた圧力だと評価した。
 中国・遼寧社会科学院の呂超研究員は環球時報に対し、「高市首相の今回の発言は、日本経済界で高まっている圧力に対応するためのものだ」と主張した。
 呂氏は、中国と日本のサプライチェーンや産業ネットワークが密接に結びついている中、両国の政治的対立が経済・貿易協力にも影響を及ぼしていると指摘した。
 特に、最近の日本経済界の代表団による中国訪問を契機に、正常な経済・貿易交流を回復すべきだとの声が高まる中、高市首相が関係改善を示唆するメッセージを発したとの分析を示した。
 呂氏は、高市首相が融和的な表現を用いることで国内の圧力を和らげるとともに、日本経済界に対して説明材料を示そうとしているとの見方を示した。
   ・   ・   ・   
 10月2日 MicrosoftStartニュース 共同通信「中国外務省、高市早苗と呼び捨て 9月30日の記者会見、意図的か
 9月30日、記者会見する中国外務省の郭嘉昆副報道局長=北京(共同)
 © 共同通信
 【北京共同】香港紙、星島日報は2日、中国外務省の郭嘉昆副報道局長が9月30日の記者会見で高市政権を批判した際、「日本首相」の肩書を付けずに「高市早苗」と呼び捨てにしたと報じた。呼び捨ては異例で、同紙は意図的だったと分析。「中日関係が改善の兆しを見せるどころか、火に油を注いでいる」と指摘した。
 郭氏は小泉進次郎防衛相が核兵器や原子力潜水艦の保有に関する議論を排除すべきではないとの考えを示したことに関する質問に答えた際、高市氏を呼び捨てにした。外務省の会見録でも呼び捨てのままになっている。
 同紙は「外務省は常に言葉遣いに細心の注意を払っているため、言い間違いではない」と分析。11月に中国で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた日中首脳会談が実施される可能性は低いとした。
 外務省の林剣副報道局長も8月17日の記者会見で、高市氏による全国戦没者追悼式の式辞について問われた際、高市氏を呼び捨てにした。高市政権への批判を強める際には呼び捨てにしている可能性がある。
   ・   ・   ・   
 10月3日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「国、日本への敵意をあらわに…高市首相を「首相」と呼ばず
 望月博樹
 中国外務省が高市早苗首相を公式記者会見で肩書なしで名前だけで呼び、波紋を広げている。中国外務省が高市首相について肩書を省略したのは就任後初めてとみられる。台湾問題をめぐって中日両国の対立が長期化する中、中国の習近平国家主席の高市政権に対する不快感が外交上の表現にも表れたとの分析が出ている。
 中国外務省の郭嘉昆副報道局長は先月30日の記者会見で、小泉進次郎防衛相の核兵器や原子力潜水艦の保有に関する発言について質問を受けた際、高市首相を「高市早苗」と呼んだ。これまで使ってきた「日本の首相」や「高市首相」という呼称は用いなかった。
 中国共産党系メディア上海観察は、中国外務省が公の場で高市首相の肩書を外し、名前だけで呼んだのは初めてだと報じた。香港紙の星島日報も「中国外務省は一つ一つの表現に非常に慎重だ」とし「単なる言い間違いとは考えにくい」と分析している。
 過去の事例と比べても異例だとの見方が出ている。2001年から2006年に靖国神社を6年連続で参拝し、中国との間で激しい対立を招いた小泉純一郎元首相に対しても、中国外務省は「日本の首相」や「小泉首相」という呼称を使っていた。
 今回の記者会見でも、中国側は小泉防衛相について「現職の防衛部門の責任者」と表現した。肩書を直接使うことは避けたものの、名前だけで呼ぶ表現は避けた。高市首相に対する呼称だけが異なっていたことから、意図的な外交メッセージだとの解釈も出ている。
 中日間の対立は昨年11月、高市首相の台湾をめぐる発言をきっかけに激化した。高市首相は国会で台湾有事が日本の安全保障法制で定める「存立危機事態」に該当する可能性に言及した。これは、状況によっては自衛隊が武力を行使できることを意味すると受け止められ、中国が強く反発した。
 その後、両国政府間の高官協議や交流は事実上途絶えている。中国は高市政権に圧力をかける一方、日本国内の他の政治勢力や経済界との接触は続ける、いわゆる「選別交流」戦略を取っている。
 先月下旬に中国を訪問した岩屋毅元外相とは、中国共産党政治局員兼外相の王毅氏と何立峰副首相がそれぞれ会談した。高市政権とは距離を置きながらも日本国内の他の政治・経済勢力との関係は維持する狙いがあるとみられる。
 中国が外交上の呼称まで変えたことで、高市政権との対立が短期間で緩和されるのは難しいとの見方も出ている。台湾問題や日本の安全保障政策をめぐる両国の立場には大きな隔たりがあることから、中日関係の冷え込みが長期化する可能性が高まっている。
   ・   ・   ・   
 10月3日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「「首相」外し「高市早苗」…中国、呼称にも敵意との見方
 梶原圭介
 中国外務省が高市早苗首相に言及する際、「首相」の肩書を外し、名前だけで呼んだと、日本経済新聞(日経)が2日報じた。台湾有事を巡る発言をきっかけに日中関係の対立が続くなか、外交上の呼称にまで高市首相への敵意が表れたとの見方が出ている。
 日経によると、中国外務省の郭嘉昆副報道局長は先月30日の記者会見で、高市首相を「高市早苗」と呼んだ。小泉進次郎防衛相による核兵器や原子力潜水艦の保有に関する発言について答える中で、従来使っていた「日本首相」や「高市首相」といった呼称を省いたという。
 中国共産党系メディアの上観新聞は、中国外務省が公の場で高市首相の肩書を外し、名前だけで呼んだのは、昨年10月の就任以降初めてだと報じた。香港紙の星島日報も同日、「外務省は表現に細心の注意を払っている」とし、「言い間違いではない」と分析した。
 過去に日中関係が悪化した際と比べても異例だ。
 星島日報によると、中国外務省は2001~2006年に6年連続で靖国神社を参拝した当時の小泉純一郎首相に対しても、「日本首相」または「小泉首相」という呼称を維持していた。郭副報道局長は今回の記者会見でも、小泉防衛相を「現職の防衛部門責任者」と表現し、名前だけで呼ぶことは避けた。
 日中関係は、高市首相が昨年11月に国会で行った答弁をきっかけに悪化した。当時、高市首相は台湾有事が日本の安全保障法制上の「存立危機事態」に該当する可能性があるとの認識を示した。中国側はこれを、自衛隊による武力行使の可能性を残す発言だと受け止めて反発し、その後、両国政府間の対話や交流は途絶えた。
 ただ、中国は高市政権と距離を置いている日本の政治家や経済団体とは接触を続けている。先月下旬に中国を訪問した岩屋毅前外相は、中国共産党政治局員兼外相の王毅氏、中国の何立峰副首相とそれぞれ会談した。高市首相への圧力を強める一方、日本国内の他の勢力との交流ルートは維持している格好だ。
   ・   ・   ・   
 10月3日 MicrosoftStartニュース 政経フォーカス「中国外務省、高市首相を「高市早苗」と呼称…「首相」の肩書省く
 加藤 政人
 中国外務省が高市早苗首相に言及する際、「首相」という肩書を省き、名前だけで呼んだと日本経済新聞(日経)が2日報じた。台湾有事を巡る発言をきっかけに日中間の対立が続くなか、外交上の呼称にも高市首相への敵意が表れているとの見方が出ている。
 日経によると、中国外務省の郭嘉昆副報道局長は9月30日の記者会見で、高市首相を「高市早苗」と呼んだ。小泉進次郎防衛相の核兵器や原子力潜水艦の保有に関する発言について回答する際、従来使っていた「日本首相」や「高市首相」という呼称を省いたという。
 中国共産党系メディアの上観新聞は、中国外務省が公の場で高市首相の肩書を省き、名前だけで呼んだのは2025年10月の就任以来初めてだと伝えた。香港紙の星島日報も同日、中国外務省は表現に細心の注意を払っており、言い間違いではないと分析した。
 過去に日中関係が悪化した際と比べても異例だ。
 星島日報によると、中国外務省は2001~2006年に6年連続で靖国神社を参拝した小泉純一郎首相(当時)に対しても、「日本首相」または「小泉首相」という呼称を維持していた。郭副報道局長は今回の記者会見でも、小泉防衛相を「現職の防衛部門責任者」と表現し、名前だけで呼ぶことは避けた。
 日中間の対立は、高市首相による2025年11月の国会答弁をきっかけに深まった。当時、高市首相は台湾有事の際、安全保障法制上の「存立危機事態」に該当する可能性があると述べた。中国はこれを、自衛隊による武力行使の可能性を残す発言だと受け止めて反発し、その後、両国政府間の対話や交流が途絶えた。
 一方、中国は高市政権と距離を置く政治家や経済団体とは接触を続けている。9月下旬に中国を訪問した岩屋毅前外相は、中国の王毅共産党政治局員兼外相、何立峰副首相とそれぞれ会談した。高市首相への圧力を強める一方、日本国内の他の勢力との交流ルートは維持する姿勢を示している。
   ・   ・   ・   
 10月7日 YAHOO!JAPANニュース 時事通信「中国外務省の幹部、高市首相を呼び捨て 日本政府「敬意払うのは当然」、中国に申し入れ
 記者会見する北村俊博外務報道官=7日午後、外務省
 北村俊博外務報道官は7日の記者会見で、中国外務省の副報道局長が高市早苗首相を呼び捨てにしたとして、日本政府から中国側に申し入れを行ったと明らかにした。
 北村氏は「立場の違いがあっても、一国の指導者に敬意を払うのは国際儀礼上当然のことだ」と強調した。
 中国の郭嘉昆副報道局長は9月30日の会見で、小泉進次郎防衛相が核兵器保有に関する議論を排除すべきでないとの考えを示した件について問われた際、首相を「高市早苗」と呼び捨てにした。 
   ・   ・   ・   
 10月3日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「強烈な「鎖国令」で移動の自由を制限…習近平政権の過酷な一手が日本経済に及ぼすやばい影響
 週刊現代(講談社・隔週月曜発売)
 「出入国管理規定」が施行
 中国は9月15日、人材・技術・資産などの出国を制限する「出入国管理規定」を施行した。習近平政権による国家安全法制の総仕上げで、「鎖国令」とも称される。「国家の安全を害する恐れがある場合」という条文の規定は曖昧で、解釈によっていくらでも「移動の自由」を奪うことができる。
 © 現代ビジネス
 では、日本にどんな影響が考えられるか。
 仕事、教育、将来など様々な理由で日本へ脱出する中国富裕層は、「潤日」と呼ばれている。在日中国人約93万人のうち約10万人が潤日と目されており、かつての中華街を形成した老華僑や、'80年代の改革開放後に来日した労働力としての新華僑とは明らかに違う。
 強まる習近平の圧政
 技術と知識、そして資産があり、短期で永住許可を得られる高度専門職ビザや、経営者に与えられる経営・管理ビザで妻子を帯同して来日する。資産投資を兼ねて湾岸部のタワマンを購入、子供の教育のために文京区などに住む。日本について、安全と快適さに比して生活費が「かなり割安」と感じている層だ。
 中国政府は今後、そうした自由を許さない。高度人材は今、高く設定された国境のカベに不安と不満を募らせている。'27年秋の国家主席4期目を見据えた習政権の強圧支配は強まるばかりだ。
 【もっと読む→中国経済を楽観視するのはたったの1パーセントだけ…日系企業1427社が明かした中国ビジネスの実態】
 「週刊現代」2026年10月12日号より
   ・   ・   ・   
 10月2日 MicrosoftStartニュース Record China「日本企業に中国離れ、ピークから3割減=中国ネット「日本はどこまで衰退するのか」
 日本企業の中国撤退が相次いでいるとの報道に、中国のネットユーザーが関心を寄せている。
 © Record China
 日本企業の中国撤退が相次いでいるとの報道に、中国のネットユーザーが関心を寄せている。
 中国メディアの観察者網は9月30日、英紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの報道を引用し、帝国データバンクが9月28日に発表した報告を伝えた。
 それによると、今年6月時点で中国で事業を展開している日本企業は1万118社となり、2010年以降で最低の水準となった。24年に実施された前回調査以降、中国市場に新たに進出した日本企業は1221社で、新型コロナウイルス流行期に新たに進出した企業の総数を下回った。中国から撤退、あるいは事業継続が確認できない状態となっている企業は4137社だった。
 記事は、中国で事業を展開する日本企業の数は12年にピークの1万4394社に達したと説明し、「現在はその時から約30%減少、過去2年間だけで22%減少した」と指摘。原因として、高市早苗首相の「台湾有事」発言による日中関係の悪化と、それに伴う中国側の日本への航空便削減、ビジネス交流の減少、中国企業との価格競争などを挙げた。
 日本では、中国における労働コストの上昇、改正「反スパイ法」への懸念、中国の不動産不況なども原因に挙げられているが、同記事では触れられていない。
 同記事は、「これまで中国は高水準の対外開放を堅持し、市場化、法治化、国際化された一流のビジネス環境の構築に努めている。安定し健全な日中経済・貿易関係は、両国国民の共通の利益に合致する。われわれは改めて日本政府に対し、誤りを真摯に反省して正し、両国の正常な経済・貿易協力のための条件を整えるよう求める」との中国商務部の発表を掲載した。
 中国のネットユーザーからは「正常な現象だろう」「単に中国でうまくいかなくなっただけ」「競争に適応できなければ淘汰されるのは普通のことだ」「貿易戦争の前半から中盤にかけての産業移転では、日本は米国人以上に積極的かつ急進的だった」「国のイメージは、その国の企業への印象にも影響を与える。それが市場の原理だ」「日本の自動車メーカーも間もなく続々と中国から去っていくだろう」「中国市場という唯一の成長ポイントを失った日本企業は、一体どこまで衰退するのだろうか」といったコメントが寄せられている。(翻訳・編集/北田)
   ・   ・   ・   
 10月4日 MicrosoftStartニュース TBS NEWS「【速報】高市内閣の支持率63.0% 先月から0.5ポイント上昇 JNN世論調査
 © TBS NEWS DIG
 最新のJNNの世論調査で、高市内閣の支持率が先月の調査から0.5ポイント上昇して63.0%でした。一方、「支持しない」と答えた人は、先月から1.0ポイント下落して33.9%でした。
 各党の支持率は以下の通り。
 自民 34.7%(2.5↑)
 維新 3.2%(1.0↑)
 国民 2.9%(0.3↑)
 立憲 2.5%(0.2↓)
 参政 3.4%(1.0↓)
 公明 2.8%(1.6↑)
 民主 0.4%(-)
 みらい 0.6%(1.3↓)
 共産 2.5%(0.5↑)
 いのち 0.3%(0.0→)
 保守 0.8%(0.5↓)
 社民 0.3%(0.2↓)
 その他 0.6%(0.0→)
 支持なし41.4%(1.7↓)
 【調査方法】
 JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。10月3日(土)、4日(日)に、全国18歳以上の男女2757人〔固定735人、携帯2022人〕に調査を行い、そのうち37.1%にあたる1022人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話434人、携帯588人でした。
 インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにも、JNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。
   ・   ・   ・   

🎺04:─5─第2次世界大戦がアメリカを救ったのか? ニューディール政策の真実。~No.22No.23No.24 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2026年12月6日 YAHOO!JAPANニュース ダイヤモンド・オンライン「【学校では教えない世界史】第2次世界大戦がアメリカを救ったのか? ニューディール政策の真実
 「世界恐慌に苦しむアメリカをニューディール政策が救った」。学校でそう習った人も多いだろう。だが、公共事業や金融改革を進めても失業は高止まりし、1937年には再び景気が後退した。アメリカ経済を本格的に押し上げたのは、皮肉にも第二次世界大戦による膨大な軍需だった。では、ニューディールは失敗だったのか。そう結論づけるのも早計だ。変えたのは景気だけではなく、政府が雇用や暮らしに責任を持つという「国家の常識」だった。『地図で学ぶ「深読み」世界史』の著者が、教科書では見えないニューディール政策の真価を読み解く。
● ニューディール政策でも終わらなかった世界恐慌、アメリカ経済を救ったものとは?
 学校の世界史では、「世界恐慌に対してルーズベルトがニューディール政策を行い、アメリカ経済を立て直した」と説明されることが多い。しかし、実際のところはもう少し複雑である。
 ルーズベルトは1933年に大統領に就任すると、大規模な公共事業を行い、失業者に仕事を与えた。銀行制度を立て直し、農業を支援し、社会保障制度の基礎も作った。政府が積極的にお金を使い、経済を支えるという政策は、それまでのアメリカ政治から見れば大きな転換だった。
 ただ、これだけで世界恐慌を克服できたわけではない。1930年代後半になっても失業率は高いままで、1937年には再び景気後退が起きている。そのため現在では、「ニューディールが大恐慌を完全に終わらせた」という単純な説明はされにくい。
 では、何がアメリカ経済を本格的に回復させたのか。大きかったのが第二次世界大戦である。戦争が始まると、戦車、航空機、艦船、武器、弾薬などの需要が爆発的に増えた。工場はフル稼働し、大量の労働力が必要になる。さらに多くの男性が軍隊へ入ったため、女性など新たな労働力も産業現場へ進出した。結果として失業は急速に減っていった。
● 「ニューディールは失敗だった」は大間違い? アメリカの常識を変えた本当の功績
 だからといって、ニューディールに意味がなかったわけではない。むしろ重要なのは、「政府は不況や失業を放置するだけではいけない」という考え方を定着させたことだ。金融規制や社会保障など、その後も残った制度は多い。
 つまり、ニューディールは短期的な景気回復策としては不完全だったが、アメリカという国家のあり方そのものを変えたのである。
 政策を「成功した」「失敗した」の二択で考えると、その意味を見誤る。ニューディールの本当の重要性は、恐慌を一発で治したことではなく、国家が経済や国民生活にどこまで関わるべきなのかという常識を書き換えたところにある。
 伊藤敏
   ・   ・   ・   

🪗60:─1─日本人に必要な「独立自尊」高度人材育成は台湾に学べ。~No.186No.187 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 日本と日本人は、躍進を続ける東南アジア諸国・東南アジア人から謙虚になって学ぶ必要がある。
   ・   ・   ・   
 昭和のバブル経済までの日本は教える立場にあったが、平成のバブル崩壊の日本は教えられる立場に立たされた。
 令和の失われた30年の日本は、先進国から発展途上国並みに衰退している。
   ・   ・   ・   
 2026年10月5日 YAHOO!JAPANニュース Wedge(ウェッジ)「日本人に必要な「独立自尊」高度人材育成は台湾に学べ
 2026年7月中旬、ジェンスン・ファン氏(左)が来日し、日本企業との連携強化について言及した(YOSHIKAZU TSUNO/GETTYIMAGES)(WEDGE Online(ウェッジ・オンライン))
 2026年7月、米エヌビディア最高経営責任者(CEO)のジェンスン・ファン氏が来日し、日本の高い技術力への期待と敬意を語った。
 【図表】高度人材はどう創出されるのか?
 しかし、ファン氏の出身地である台湾が台湾積体電路製造(TSMC)を筆頭に世界の半導体サプライチェーンの圧倒的な「心臓部」となった一方、1980年代には世界シェア50%以上を誇った日本の半導体産業は現在5%未満に急落している。この後退の本質的要因は投資額ではなく、次世代を担う「高度人材」の育成不足と社会基盤の機能不全にあると考える。 
 現在、日本政府や企業が推進するDXやGX対策の多くは、デジタルスキルの詰め込みといった「既存の正解をいかに効率的に再現するか」という手法に終始しており、これでは不確実な時代にイノベーションを創出できない。
 日台の決定的な格差は、資金の差ではなく、教育の「思想」と社会を動かす「アーキテクチャー」そのものにある。アーキテクチャーとは、〝社会構造をデザインすること〟をいう。
 日本社会は福沢諭吉の唱えた「独立自尊」の精神、すなわち他者に依存せず自ら思考する姿勢を忘れ、前例に従順な人材を量産してきた。筆者が26年間日台の高等教育機関で教鞭を執った経験から、日本の構造的課題を紐解き、変革への道を提言したい。
 高度人材の真の定義と「知の昇華」
 真の「高度人材」とは、単に情報を効率的に処理するだけの存在ではない。体系化された知識に多角的な視点や独自の「ユーモア(創造的思考)」を融合させ、次世代の「インテリジェンス」へ昇華できる人物である(図)。ここでの「ユーモア」とは滑稽さではなく、既存の知識や一見無関係な事象を予期せぬ形で組み合わせ、物事を全く新しい角度から捉え直す「創造的かつオリジナルな思考プロセス」を意味する。
 これは四角四面な優等生からは決して生まれない、産業構造にブレイクスルーをもたらす着想力そのものである。自ら問いを立て、独自の視点から価値を創造できる専門家こそが「独立自尊」の人間である。AIが知識を供給する現代において重要なのは、知識を独自の創造性で融合し、新しい社会を自らデザインしていく主体性であり、これこそが高度人材の第一条件にほかならない。
 明治維新以降、日本の教育・組織システムは「優秀な兵隊」の量産に最適化されてきた。このモデルは戦後の高度成長期には有効だったが、現代でも専門性を持たずに組織の融和を優先する「ジェネラリスト」を尊ぶ風潮として根深く残る。前例踏襲を美徳とし失敗を許さない「減点主義」の組織構造こそが、異能の天才や尖った専門性を排除するイノベーションの最大の阻害要因である。
 「独立自尊の専門家」とは、自らの専門性を深めつつ人間社会との有機的関係を理解し、領域横断的な「掛け算」を起こせる集団である。
 例えば、ナノテクノロジーを深掘りしつつ新素材に社会的価値を付与できる材料科学者や、あるいは一見ハイテクノロジーとは無縁に思える伝統領域であっても、銀座で体得した江戸前寿司の職人技に台湾の最先端IoT・AIコールドチェーン(低温物流網)を掛け合わせ、アジア市場に「究極の食体験」という新たなビジネスモデルを社会実装してみせる異能の台湾人寿司職人がこれに該当する。彼らは単なる技術の担い手ではなく、異なる領域のエコシステムを有機的に繋ぐシステムデザイナーである。このような独立自尊の個人が互いを尊重し合う関係性からこそ「共創エコシステム」は生まれる。
 硬直化した日本の組織構造を打破するためには、個人の主体性を担保する「組織の余白」へのパラダイムシフトが不可欠である。
 独立自尊の人間を増やすには、教育の本質を根本から捉え直さなければならない。教育の真の役割は知識の注入ではなく、学習者の「心に火を灯すこと」である。学びの原動力は義務感ではなく、内発的な情熱や尽きることのない好奇心だ。詰め込み型のアプローチでは、パラダイムが激変する現代に対応できない。
 一度、心に火が灯った人間は、環境に左右されず自律的な「自己学習」を継続する。自ら問いを立て、情報を探索し、学び続けるサイクルを通じて、批判的思考力や領域横断的な情報統合能力が自然と養われる。自己学習を重ねた人間は、同調圧力に過度に左右されず、自分の軸で考え適切な判断を下せる。既存の権威を鵜呑みにせず「本当にこれが正しいのか」を検証する批判精神こそが、ドラスティックなシステム変革を引き起こす原点となる。
 高度人材の育成には、教育の軸足を現実社会に根差した「実学(未だ解のない複雑な課題への対応)」へとシフトさせ、学習者の心に火を灯すことが不可欠である。そのためには、この実学に根差した「問題解決型・課題設定型学習(PBL)」を、あらゆる教育段階の核に据えるべきだ。この思想を国家規模で体現し成功しているのが台湾である。台湾が2019年から導入した新学習指導要領「108課綱」の核心である「素養教育」は、まさにこの実学主義を具現化したものである。
 台湾では試験至上主義を排除し、地域や産業のリアルな課題をテーマに、学生自らが問いを設定し対話しながら自律的に学ぶ環境を社会全体で構築している。対する日本には、「100点満点からの減点評価」や過度な正解主義、失敗を恐れる風土がある。
 この病理を打破するには、暗記型試験を段階的に廃止し、授業の大部分をプロジェクト型学習に置き換え、学生が試行錯誤できる環境を提供するべきだ。自ら課題を設定し他者と協力する原体験が、社会の設計力を飛躍的に磨き上げる(表)。
 台湾モデルにみる「高度人材育成」
 台湾の成功を象徴するのが、国立陽明交通大学をはじめとするトップ7校に設置された「国家重点領域研究学院」である。筆者が所属する「国立陽明交通大学・産学創新研究学院」もその一つであり、大学内における半導体エコシステムにおいて産業界と最も密接な連携の下に運営されている学院である。そこでも、幼少期からの批判的思考教育を土台に、以下の3つのダイナミックな「アーキテクチャー」改革が実行されている。
 (1)法制面の抜本的改革(産学創新条例)
 21年制定の「産学創新条例」により、大学を縛る行政規制を大幅に緩和し、研究学院に独立した運営権を付与した。トップ企業からの巨額出資と政府補助金を「1対1のマッチングファンド形式」でプールし柔軟に運用できる自由度が、世界標準の研究環境を支えている。
 (2)人文学(Humanity)と先端科学の徹底的な「分離融合」(分離融合:単に文系と理系の枠組みを混ぜ合わせる「文理融合」にとどまらず、これまで切り離されていた異分野や二項対立の概念を根本から結合させ、全く新しい価値やパラダイムを創出することを指す。)
 医学系トップの陽明大学と理工系トップの交通大学が合併した「国立陽明交通大学」では、バイオ、AI、半導体を融合した超領域的探究が行われている。文理の壁を破壊し、技術を人間社会にどう調和させ未来をデザインするかという思想が根底にあり、かつての日本のように優れた技術を持ちながらシステムデザインを描けずに敗退した罠を乗り越える力を養っている。
 (3)博士課程人材の「義務化」によるR&Dの高度化と対等な産学連携
 すべての共同研究計画に「最低1人以上の博士課程人材をチームに含めること」を厳格にルール化している。最先端の試作環境を学生に開放し、企業と大学が対等に競い合う実戦環境により、学生は指示を待つ作業員ではなく「未来の産業を自ら設計するアーキテクト」へと変貌する。
 さらに、少子化を背景に世界中から優秀な留学生を戦略的に呼び込み高度人材として定着させる国策も推進されている。
 日本に向けた4つの構造改革提言
 日本の最大の課題は、産業側の「減点主義・同質性」と教育側の「正解再現型・タコツボ化」の負の連鎖にある。これを打破するため、4つの具体的な施策を強く提言する。
 (1)全段階を通じた「心に火を灯す」カリキュラムの全面改定と教員の意識改革
 日本全国の教育現場に蔓延するマークシート式等の暗記型試験を原則廃止し、授業の大部分をPBLへと置き換える。大学では文理の分断を解体し、「人文学」を基盤にダブルメジャー(二重専攻)を標準化する。教員は知識の伝達者から、学生の「自己学習」を促すファシリテーターへと役割を180度転換すべきだ。
 (2)メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への完全なる移行
 新卒一括採用や年功序列を排し、職務内容と必要スキルを定義するジョブディスクリプションを導入する。個人の成果に適切な対価を支払う報酬体系へ刷新し、高度人材(特に博士)が流動的に活躍できる環境を整える。こうした成果主義やジョブ型雇用は、台湾では公務員を含むほぼすべての業種で標準化されている(台湾はすべての業種が専門家集団である)。
 多くの日本企業が行っている新卒一括採用は、平たくいえば大学での学びが重視されにくい仕組みだ。そのため、台湾に比べて高度人材を育成できず、イノベーションを生み出しにくくなったのが今の日本ではないか。時間はかかるだろうが、この悪循環を断ち切ることは日本の将来にとって死活的に重要である。
 (3)自前主義からの脱却による「産業の専業化」と「大学発スタートアップ」の国家的推進
 すべてを社内で抱え込む自前主義を脱し、コアコンピテンシーに集中する専業化を進める。規制緩和と資金供給により、大学発スタートアップを国家レベルで強力に後押しする。鍵は、日本の強みである「ディープテック分野における精密なものづくり精神」や「現場に蓄積された深い暗黙知・基礎研究の層の厚さ」を土台に、リアルな技術、大学の知、スタートアップを融合させ、日本独自の「技術立国型スタートアップ・エコシステム」を確立することだ。
 (4)「サイエンスパーク」の日本各地への構築と、加点主義による共創エコシステムの実現
 台湾の新竹科学園区等をモデルに、大学、最先端企業、スタートアップ、政府支援機関が物理的に近接して交流する「サイエンスパーク」を地方に形成する。企業資金と政府予算を1対1のマッチングファンド形式でプールする仕組みを法制化し、失敗を次の成功への資産として歓迎する「加点主義」の社会風土とアジャイル(俊敏性と柔軟性)な組織文化を定着させる。
 台湾の躍進は個人の能力がある日突然向上したからではなく、時代の変化を見据えて教育思想、社会システム、雇用慣行を融合・共創型へと完全にリデザインした結果である。
 日本が再び国際社会での存在感を取り戻すには、個人の努力を強いる精神論や根性論をただちにやめ、この冷徹なシステム改革に挑むほかない。前例踏襲を捨て去り、次世代の心に真の内発的な火を灯すことで、自立した個人が互いに高め合う持続可能な未来が開かれる。
 我々は今一度、慶應義塾創設者・福沢諭吉が唱えた理想社会の在り方「経世済民」と、それを支える「独立自尊」という高度人材の在り方を見つめ直すべきだ。福沢は欧米列強によるアジアの植民地化を目の当たりにし、「一人ひとりが自立していなければ、国家の独立も守れない」と確信した。組織に依存し前例を盲信する「思考停止に陥った国民」を脱却し、主体的で強い個人を育てることこそが、現代の経済競争、ひいては最大の国防にほかならない。
 寒川誠二
   ・   ・   ・  

🌊8:─1─プーチン大統領は日本を復讐主義国家と呼び日本の軍国化懸念を表明した。~No.23No.24No.25 

   ・   ・   ・    
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 ロシアは、中国共産党はソ連と同様に信用できない。
   ・   ・   ・   
 核武装のロシアは、本心から非核武装の日本との友好関係など望んではいない。
   ・   ・   ・   
 2026年10月1日 MicrosoftStartニュース 東スポWEB「【佐藤優コラム】ロシアの対日論調に重要な変化…日本を「復讐主義国家」と呼び始めた
 プーチン大統領(ロイター)
 © 東スポWEB
 ロシアの対日論調に重要な変化が生じている。9月26日、ラブロフ外相はニューヨークで開かれた第81回国連総会の一般討論演説で、日本とドイツを名指しし、「軍事化と復讐主義の道に踏み出した両国は、安全保障理事会の追加議席を求めることはできない」と述べた。ロシアの外交専門誌『国際生活』が伝えた。
 ロシアが日本の国連安保理常任理事国入りに反対すること自体は新しくない。ラブロフ氏は2023年にも、日本とドイツが加われば西側の過剰代表がさらに強まると主張していた。しかし今回重要なのは、「軍事化」と「復讐主義」という概念が加わったことである。
 ロシア語の「レヴァンシズム」は、単なる強硬姿勢を意味しない。戦争で失った領土や国際的地位を取り戻し、戦後秩序を修正しようとする政治的傾向を意味する。ソ連時代には西ドイツ批判で頻繁に用いられた言葉だ。それを現代の日本に適用したことは、ロシアが日本の防衛政策を個別の安全保障政策としてではなく、第二次世界大戦の結果を覆そうとする動きとして描き始めたことを意味する。
 さらにロシアは、日本国内に展開された米軍の中距離ミサイル発射装置「タイフーン」の撤去を要求している。演習後、鹿児島県の鹿屋航空基地から沖縄県の嘉手納基地へ移される予定と報じられているが、ロシア側が求めているのは日本国内での移動ではなく、日本領域からの撤去である。嘉手納への移送が、「米国の中距離ミサイル戦力を受け入れる日本」という新たな対日批判の材料になる可能性がある。
 ここで注意すべきは、ロシアの批判が北方領土や日米同盟といった二国間問題から、日本の国際的地位そのものへ広がったことだ。日本を「復讐主義国家」と位置づければ、安保理常任理事国入りへの反対を「戦後秩序を守るため」と説明できる。さらにアジア、アフリカ、ラテンアメリカの代表拡大論と結びつければ、「ロシア対日本」ではなく「グローバル・サウス対過剰代表された西側」という構図に変えることもできる。
 日本政府は個々の発言に反論するだけでは不十分だ。ロシアが日本をどのような言葉で位置づけ、その言葉をどの国際的文脈に接続しようとしているのかを継続的に分析する必要がある。「復讐主義」がロシア外交の定型語になるかどうかを注視すべきだ。
   ・   ・   ・   
10月2日 MicrosoftStartニュース 産経新聞「「日本の軍国化懸念」プーチン露大統領、中国と歩調 NATOへの核報復も示唆
 ロシアのプーチン大統領は1日、日露関係について「ロシアの姿勢は変わっていない」とした上で、「制裁を科したのは日本だ」と述べて関係悪化の責任を日本に転嫁した。「日本の軍国化を懸念している」とも表明し、日本の防衛力強化に対する反発を強める中国と足並みを揃えた。モスクワで開催された国際会議「バルダイ」全体会合で、会場からの質問に答えた。
 北大西洋条約機構(NATO)に関しては、ロシア領がNATO加盟国から攻撃を受けた場合は「あらゆる兵器を展開することが選択肢に含まれる」と明言し、核兵器による報復を示唆した。
 プーチン政権は9月以降、NATOがロシアの飛び地カリーニングラード州周辺で威嚇的な活動をしているとして非難。一方、NATO側はロシアによる「グレーゾーン攻撃」が激化しているとして懸念を強めており、双方の緊張が高まっている。
 プーチン氏はこの日、ウクライナで露軍が「9月だけで1301平方キロを占領した」と強調した。「問題は土地ではない」とも述べ、ウクライナが中立国化などの露側の要求に応じることが和平に必要だとする従来の立場を繰り返した。
 ウクライナ軍事メディア「ディープステート」は、露軍が9月に占領した地域はほぼないとしている。
   ・   ・   ・   
 10月5日 MicrosoftStartニュース FNNプライムオンライン「日本によるロシアへの追加制裁を受けロシア外務省が対抗措置を表明
 © FNNプライムオンライン
 日本によるロシアへの追加制裁を受け、ロシア外務省は「日本にとって関心のある分野を対象に」対抗措置を取ると表明しました。
 ロシア外務省のザハロワ報道官は5日、日本が2日に発表した追加制裁について、「日本政府は、両国関係にわずかに残っているものをさらに悪化させる、軽率な行動を取り続けている」と批判しました。
 また、高市政権の対応は「ウクライナを長期的な平和の実現を遠ざけている」と主張しました。
 そのうえで、「日本の非友好的な行動には相応の対抗措置を取る」とし、「日本にとって関心のある分野を対象とする」としています。
 具体的な措置の内容は明らかにしていません。
 ロシアへの制裁をめぐっては、日本政府は2日、軍事関連の33団体と9個人に対する資産凍結などの追加措置を発表しました。
 さらに、制裁を回避してロシア産原油などを輸送する「影の船団」の船舶35隻も対象とし、保険や船舶修繕などの取引を規制するとしています。
   ・   ・   ・   

 ロシアによる日本侵略の脅威は江戸時代後期から存在していた。
 近世日本は、キリスト教大国ロシアの侵略から日本国・天皇・民族・宗教を守るべく、近代天皇中央集権体制を築き、海外・大陸の戦争に勝利する軍隊と艦隊を新設するべく軍国主義政策を暴走させ軍国化した。
   ・   ・   ・   
 ソ連・コミンテルン(共産主義インターナショナル)は、日本国を破壊し天皇制度を廃絶し天皇を死滅し民族神話を消滅させるべく、日本人共産主義者に27年テーゼ・32年テーゼを送った。
   ・   ・   ・  
 中国共産党は、ソ連の示唆に従い、昭和天皇と皇族を惨殺すべく付け狙っていた日本人の共産主義者・無政府主義者テロリストを支援していた。
   ・   ・   ・    


 10月4日 MicrosoftStartニュース 朝日新聞「北朝鮮から弾道ミサイルが発射 日本の排他的経済水域外に落下
 韓国軍合同参謀本部によると、3日午前6時半ごろ、北朝鮮東部の元山(ウォンサン)付近から日本海に向けて弾道ミサイル1発が発射された。飛距離は700キロ以上としている。
 日本政府も3日朝、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表した。防衛省によると、すでに落下したと推定され、落下地点は日本の排他的経済水域(EEZ)の外という。
 【関連記事】
 ロシアと蜜月、止まらぬ北朝鮮の核開発 トランプ氏条件交渉への懸念
 中国軍、日本EEZ内で射撃訓練 「日本への示威」か 日本側は警戒感
 中国、EEZ内の射撃訓練の狙いは 沖ノ鳥島巡り「主張」の可能性も
   ・   ・   ・   
 10月4日 MicrosoftStartニュース Record China「プーチン氏「間もなく誰もが中国製の車に乗り換えることになるだろう」―中国メディア
 ロシアのプーチン大統領は1日、国際有識者会議のバルダイ・クラブ討論会で、「欧州の自動車産業は深刻な危機に陥っている」とし、「われわれは皆、間もなく中国製の車に乗り換えることになるだろう」と述べた。
 © Record China
 中国メディアの観察者網によると、ロシアのプーチン大統領は1日、モスクワで開かれた国際有識者会議のバルダイ・クラブ討論会で、「欧州の自動車産業は深刻な危機に陥っている」とし、「われわれは皆、間もなく中国製の車に乗り換えることになるだろう」と述べた。
 プーチン氏は「欧州の自動車産業はどうなっているのか。深刻な危機に陥っている。工場は閉鎖されているだろう。われわれは皆、間もなく中国製の車に乗り換えることになるだろう」とし、「それが良いことなのか悪いことなのかは分からないが、(中国製の車は)安価で高品質だ」と付け加えた。
 さらに、中国の自動車産業における「過剰生産能力」に対する西側諸国の批判を退け、最終的な結果は常に消費需要によって決まるという市場の基本原則を改めて強調した。
 また「深刻な危機と苦境に陥っているのは欧州の自動車産業だけではない。欧州の冶金および関連産業、化学・医薬品産業も同様だ」とも指摘した。
 プーチン氏は、ロシアはいわゆる「文明国」とは異なり、中国の製造業者に行政上の制限や制裁を課すことを基本的に拒否しているとし、「ロシア側としては、国内市場の輸入量を安定して増やせるよう、中国のパートナーと共に互恵の機会を模索する方向により傾いている」と述べた。(翻訳・編集/柳川)
 関連記事
 中国人の国慶節旅行先トップ10から日本が消失=中国ネット「良いこと」「本当の理由を…」
   ・   ・   ・   
 10月4日 YAHOO!JAPANニュース AFP「プーチン氏はウクライナ侵攻の「過ち」認められず、元ロシア首相インタビュー
 仏パリでAFPの取材に応じたロシアの元首相、ミハイル・カシヤノフ氏(2026年10月3日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News(AFP=時事)
 【AFP=時事】経済の低迷や国民・エリート層の不安が高まっているにもかかわらず、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にはウクライナ侵攻を終わらせるための交渉に応じる準備ができていない──。プーチン政権下で首相を務めた経験を持つミハイル・カシヤノフ氏(68)が3日、AFPの取材で語った。
 【関連記事】プーチン氏、「攻撃されれば反撃せざるを得ない」と警告 核兵器使用も排除せず
 2000年から2004年までロシアの首相を務めたカシヤノフ氏は、パリでAFPのインタビューに応じた。
 2022年に始まったウクライナ侵攻が誤った判断だったとプーチン氏は気づいているが、それでも一度決めた方針は曲げず、このまま継続すると決めているとし、「自ら犯した過ちを認めることができないのだ。ウクライナは脆弱だとする治安機関からの報告を鵜呑みにしたのだろう」との見方を示した。
 同氏はまた、来年中に戦争が終わるとは思えないとし、米イラン対立に伴う原油価格の高騰や、クレムリン(ロシア大統領府)への対応をめぐる米欧諸国間の意見対立がプーチン氏を勢いづかせているのだと指摘した。
 「プーチン氏はもちろん高笑いしている」とし、「一切の譲歩をすることなく戦争を継続できると明確に信じている。そして、ウクライナに対する消耗戦に勝利しつつあると確信しているのだろう」と語った。
 さらに、これから訪れる冬はウクライナにとって特に過酷なものになりかねないと警告。西側諸国に対し、結束を固めてクレムリンに「心理的圧力をかける」とともに、激しさを増すロシアによる民間インフラへの攻撃を防ぐため、パトリオットミサイル防衛システムを至急ウクライナ政府に供給するよう求めた。
 7日に74歳の誕生日を迎えるKGB(ソ連国家保安委員会)出身のプーチン氏は、ロシア国民が自国の戦争を支持していると主張する。先月行われた選挙では与党が記録的な圧倒的多数を獲得しており、これが軍事行動への支持の表れだとした。しかし、専門家らからは、選挙そのものが厳重に統制されていたと指摘する声が上がっている。
■「事実上の全体主義国家」
 2022年にロシアを脱出したカシヤノフ氏は、ラトビアの首都リガで亡命生活を送っている。ロシア当局は2023年、同氏をスパイと同義の「外国のエージェント(代理人)」に指定した。
 プーチン政権を批判する同氏は、ロシアの指導機構・エリート層のメンバーの一部と現在も連絡を取り合っていると明かし、「支配層には恐怖が渦巻いている。誰もが戦争の終結を望んでいる。圧倒的多数がそうだ」と語った。
 「違いはどのような形での終結を望んでいるかだ。勝利による終結を望む者もいれば、プーチン氏の敗北による終結を望む者もおり、単に結果に関わらず終わってほしいと願う者もいる」
 一方、一般のロシア市民の間では、死傷する兵士が増えていることや食料価格の高騰にもかかわらず「反政府運動の兆候は見られない」とし、「ロシアの人々は過去30年にわたる高インフレで耐えることに慣れてしまった」と指摘する。
 ただし、新たに大規模な軍事動員が実施された場合には、街頭デモの引き金となる可能性があると付け加えた。
 反プーチン派の亡命者団体がパリで主催した集会の合間に取材に応じたカシヤノフ氏は、ロシアがここ数年で「事実上の全体主義国家」になったと指摘した。
 「ロシア社会には無力感や不信感、厳しい緊張感が漂っている」とし、「負の感情が互いに高まる中で、人々は自身の家族の中に閉じこもっている」と語った。
 プーチン氏により解任された後、カシヤノフ氏は野党勢力に加わり、クレムリンの最も辛辣な批判者の一人となった。侵攻開始とその長期化は同氏にとっても衝撃だった。カシヤノフ氏は2022年、戦争は約2年続く可能性があるとAFPに述べていた。
■計算高いシニシスト
 プーチン氏は1日、飛び地カリーニングラード州が攻撃された場合「保有するあらゆる兵器」の使用を検討すると述べたことについて、カシヤノフ氏は西側諸国がプーチン氏の武力による脅しに威圧されるべきではないと強調した。
 「西側諸国や欧州の最大の過ちは、プーチン氏を恐れすぎていることだ。彼は見かけほど強くはない」「プーチン氏は多くの欧州人以上に核のボタンを恐れている」と、満員となった会場の聴衆に向けて語り掛けた。
 カシヤノフ氏は、プーチン氏が海外に対して自身を「サイコパス」だと信じ込ませたがっているが、実際には単に「極めて計算高いシニシスト」に過ぎないとし、「そして彼はゲームの賭け金を吊り上げているのだ」と指摘した。
 また「ハイブリッド攻撃」を次々に仕掛けて西側を挑発し、対抗措置をとらせて、それを自らに有利な形で利用しようとしているとも語った。「彼は揺さぶりをかけてくる」とし、「彼が理解する唯一の行動様式は、KGB学校で学んだものだけだ。彼自身が私にそう語っていた」と明かした。
 しかし、カシヤノフ氏はプーチン氏が欧州との全面戦争を準備しているとは信じていないと述べた。
 「プーチンが望んでいるのはリスペクト(敬意)だ。全欧州にそれを力ずくで認めさせたいのだ」【翻訳編集】 AFPBB News
 【関連リンク】
 ロシア、元首相を「外国のエージェント」指定 ウクライナ侵攻反対で
 ウクライナへの欧州軍展開は「ロシアに対する戦争」 プーチン氏が警告
 プーチン氏「ロシアは誰からも何も奪わず、盗まず、国有化もしない」
 ウクライナの前線で何が起きているか~ロシアの侵攻に耐え、反撃するシステム
 【地球コラム】プーチン氏、択捉島なぜ訪問? ウクライナ視察は却下 日本のナイーブな期待が破綻
   ・   ・   ・   
 10月4日 YAHOO!JAPANニュース TBS NEWS DIG Powered by JNN「岩屋氏への“異例の厚遇”中国側の思惑は 高市氏「台湾発言」への怒りの訳、日中関係改善への糸口は 国交正常化から54年【サンデーモーニング・風をよむ】
 台湾有事をめぐる高市総理の発言以来、日中関係は悪化したままです。
そんな中、岩屋前外務大臣が中国を訪問し、王毅外相らが会談に応じる厚遇を受けました。
中国側にはどんな思惑があるのでしょうか。
 【写真を見る】上野動物園から消えたパンダ…冷え込む日中関係改善の糸口は?
■次はハシビロコウ? 新たなパンダ来日は“当面困難”
 じっと動かず、一点を見つめるハシビロコウ。
 2026年4月、上野動物園を視察した小池都知事が“推し”たのが、この鳥でした。
 東京都 小池百合子 知事
 「推しですね、これは。醸し出す雰囲気がなんとも“キモカワ”でいいと思います」
 PRの理由は、1月にパンダの「シャオシャオ」と「レイレイ」が中国に返還され、上野動物園からいなくなったためです。
 それから9か月。賑わいがなくなったパンダの森は、時が止まったような静けさに覆われています。
 新たなパンダの来日は、現在の厳しい日中関係を受け、当面困難な状況。
■岩屋前外務大臣の訪中に異例の“厚遇” 副首相らと会談
 そうした中、29日、岩屋毅前外務大臣の北京訪問。日本企業の幹部ら約50人を率いての訪中でした。
 29日、面会したのは経済政策を担当する何立峰副首相。
 何立峰 副首相
 「今回、岩屋会長が代表団を率いて中国を訪問したことは、中日間の経済・貿易関係の発展をさらに促進するものになると確信しています」
 日中関係が冷え込んで以来、日本の政治家と中国要人が公式に会談するのは初めて。
 岩屋毅 前外務大臣
 「日本との経済交流、民間交流については、中国側は決して後ろ向きではない。むしろ前向き、肯定的であると、私自身は受け止めた」
 「異例の厚遇」とも見えた一方で、中国側から厳しくクギをさされたのが「台湾問題」です。
 何立峰 副首相
 「一部の日本の政治家が軍国主義をよみがえらせたり、『台湾問題』において中国のレッドラインに触れたりすることが、客観的に見て、直接的・間接的に中日間の経済・貿易関係の発展に影響を及ぼすことになる」
 また、王毅外相は「現在の中日関係は再び厳しい局面に直面しており、改めて正常化を実現する必要がある」と強調したのです。
■国交正常化から54年 当時から「台湾問題」懸案に
 折しも、今回の会談が行われた9月29日は、日中にとって特別な日でした。
 今から54年前のこの日、日本と中国は共同声明に調印し、国交を正常化。この時から、「台湾問題」は大きな懸案でした。
 田中角栄 総理(1972年9月 当時)
 「誰がやっても困難な『台湾問題』とかそういう難しい問題は、自民党や政府がやり、いずれにしても日中の国交正常化は不可避だというが、私はおよその世論だと思う」
 「日中共同声明」では、中国側からは「台湾が中国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明」、日本側からは「中国の立場を十分理解し、尊重」という文言が盛り込まれました。
 その後、歴代の政権はこの問題について、台湾との関係を「非政府間の実務関係」に限定。いわゆる台湾有事の際も、日本やアメリカがどう動くのかといった点について「曖昧さ」を保ってきました。
 例えば2024年、当時の岸田総理は、台湾有事の際、日本は「存立危機事態」を認定して、集団的自衛権を行使するのかと問われても…
 岸田文雄 総理(2024年2月 当時)
 「個別具体的な状況に即し、情報を総合して判断することとなるため、一概に述べることは困難」 
 「存立危機事態」とは、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされるといった事態で、自衛隊による「武力行使」が可能となっています。
 しかし、2025年11月、高市総理は…
 高市総理(2025年11月)
 「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても『存立危機事態』になり得るケース」
 中国が台湾に武力行使した場合、「存立危機事態になり得る」として、日本の武力行使が可能と解釈できる発言となったのです。
 これに中国は発言の撤回を要求するなど猛反発。「怒り」の訳を、専門家は…
 東京女子大学(現代中国政治)高原明生 特別客員教授
 「色々な仮定の条件が加わって、やっと日本は武力を行使できるようになる。とっても複雑な話。しかし中国側は単純化して捉えてしまって『我々が台湾に出張っていったら、日本は軍を送ってくるんだ』と、『自衛隊を送ってくるんだ』と、そういう風に捉えたわけです」
 それから、まもなく1年。日中関係が冷えきった中、今回の「異例の厚遇」は何を意味するのでしょうか。
■何副首相「水が流れれば自然と水路ができる」 中国側の思惑とは?
 何立峰 副首相
 「中日国交正常化して半世紀以来、中日間の経済・貿易関係は絶えず発展を遂げてきました」
 今回、日本側を異例の厚遇で迎えた中国。何副首相は「水が流れれば自然と水路ができる」という中国の四字熟語をあげ、条件さえ整えば物事は自然に成就すると示唆したといいます。
 中国側の思惑とは…
 東京女子大学(現代中国政治)高原明生 特別客員教授
 「中国側にとってみても、厳しい対日措置をとって何か得があったかと言うと、何にもない。いま中国経済は非常に良くない。『そろそろ対日関係を変えないといけないのではないか』という声が出てきた。夏ぐらいから中国の姿勢が少し変わってきた、言ってみれば和らいできた」
 その上で、中国側はどこに落としどころを見つけようとしているのでしょうか。
 東京女子大学(現代中国政治)高原明生 特別客員教授
「中国は拳を振り上げると高い木に高く登りすぎてしまう。降りられなくなってしまう。だから、ひとつの措置として、一番彼ら(中国)が気にしているのは経済ですから、経済交流が盛んになるような、少しずつカーテンをまずは開け、それから窓を開けるということを少しずつやっていくのではないか」
 日本企業の幹部らを率いた今回の会談を糸口に、日本と中国の関係改善はあるのか―。
 国交正常化から54年となった29日。上野動物園から返還されたパンダが四川省で公開され、日本から訪れた観光客は…
 日本人観光客
 「上野と全然変わっていないですし、可愛いですね」
 “日中友好のシンボル”が、再び日本に来ることはあるのでしょうか。
   ・   ・   ・   

🎼02:─1・④─歴史は『自分たちの現在地』を知る鍵。~No.2 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 現代日本人は、時代劇が好きだが歴史は好きではない。
   ・   ・   ・   
 2026年10月2日 YAHOO!JAPANニュース HugKum「「歴史は『自分たちの現在地』を知る鍵」――大ヒット書籍『超!やばい日本史』監修・本郷和人先生が語る、歴史を学ぶ本当の意味とは
 ふざけているようで、全て史料に基づいたエピソード! 大ヒット中の『超!やばい日本史』
 シリーズ累計100万部を超える人気の歴史本『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』の監修を務める歴史学者・本郷和人先生
 小学校6年生くらいから社会科で本格的に始まる歴史の勉強。大河ドラマやアニメなど、歴史好きになるきっかけは身近にあふれている一方、勉強としての歴史は「暗記ばかりでつまらない」と感じる子どもも少なくありません。
 【画像】『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』書籍より
 そんな中、シリーズ累計100万部を超える人気の歴史本が、偉人たちの「すごい」と「やばい」の両面を描いた『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』(ダイヤモンド社)。いま多くの子どもたちに読まれ、大人までも引き込んでいます。
 監修を務める歴史学者・本郷和人先生に、本書の魅力やご自身が歴史を好きになった子ども時代のこと、歴史を学ぶ意味について伺いました。
―― 『超!やばい日本史』は、偉人たちの「すごい」業績と、教科書には載らない「やばい」一面をあわせて紹介する歴史本です。子ども向けでありながら大人にも読まれていますが、なぜここまで受け入れられていると思いますか?
 本郷先生:実は、なぜこんなに売れているのか、監修した僕にもよくわからないんです(笑)。歴史に関する書籍は、詳しければいいわけでも、わかりやすければいいわけでもない。本当に難しいところです。
 ただ、そもそも日本史は、みんなが興味を持っている分野なんですね。街を歩けば神社やお寺があり、テレビでは大河ドラマも放送されています。
 学校では高学年になると地域の歴史から日本史の学びが始まりますが、気になるし、学ばなければいけない気もするけれど、どこかとっつきづらいところがある。そんなふうに感じている人たちに、「楽しい」「面白い」を入り口にした入門書として手に取りやすかったことが大きいのではないでしょうか。
――「すごい」エピソードは広く知られたものが多い一方、「豊臣秀吉が愛する妻に『うんこ』連発の手紙を送る」など、「やばい」エピソードは本当に「やばい」ですよね。
 本郷先生:子どもがいちばん食いつくのは、やはり「うんこ」ですから(笑)。「うんこ」とタイトルがついた本も以前、人気になっていましたしね。
 ただ、この本はふざけているように見えて、書き残された史料があるからこそ、それを参照して書いています。秀吉の手紙はもちろん、徳川家康の「武田信玄が怖すぎてうんこをもらす」エピソードも肖像画が残っていたり。昔の人もきちんと記録を残していて、実際に書かれたものがあるんです。そこが面白いところですね。
――本郷先生がとくにお気に入りの歴史上の人物はいますか?
 本郷先生:この本の漫画でいえば、卑弥呼です。卑弥呼は『魏志倭人伝』によると「かなりのおばあちゃん」だったと書かれているので、若い美人に描かれていたりすると「嘘でしょう」となるのですが、この本のイラストレーター(和田ラヂヲ)さんはしっかりとおばあちゃんに、それでいて魅力的に描いている。これはもう、天才の仕事だと思いましたね。
 そもそも歴史上の人物の顔は、確かなことがわからないものが多いんですよ。例えば、武田信玄の肖像として知られてきた画像は、今では「実は信玄ではないのではないか」と言われています。足利尊氏とされてきた騎馬武者像も、源頼朝の肖像も、実際は違うのではないかという話は多くあります。
 聖徳太子も、教科書などで有名だった「聖徳太子二王子像」が、描かれた服装から「聖徳太子ではないだろう。100年ほど後ろの時代の人物なのではないか」という話になりました。着ているものは、それほど大事なんです。
――これから書籍を手に取るご家庭も多いと思います。何歳くらいから読める本でしょうか?
 本郷先生:この本は漫画がとても面白いんです。トラウマになるような内容でもありませんから、漫画から入っていただければと思います。漢字にルビもふってありますし、親御さんと一緒なら、小さいお子さんでも楽しめるかもしれませんね。
 「勉強」じゃなかったから覚えられた。本郷少年の歴史との出合い
――先生ご自身は、どんなきっかけで歴史を好きになったのですか?
 本郷先生:今では信じられないかもしれませんが、子どもの頃は小児ぜんそくで体が弱かったんです。だから、僕のヒーローは野口英世だったんですね。彼のようになりたいという思いから、野口英世やシュバイツァー博士といった医学者たちの伝記を読み、歴史を好きになりました。
――そのあと、どのように歴史の勉強を?
 本郷先生:勉強しようとした記憶はないですね。ただ楽しんでいただけです。
 よく覚えているのは、小学5、6年の頃のこと。中学受験の塾に通っていたのですが、ちょうどその頃、近くにマクドナルドができたんです。母親に「ハンバーガーを買う」と言ってお金をもらい、そのお金で歴史の本を買っていました(笑)。勉強のためではなく、面白いから買っていたんです。柴田錬三郎の本とか、いろいろ読んでいましたね。テレビの時代劇も観ていたと思います。
――それだけ好きだと、知識も相当なものだったのではないでしょうか。
 本郷先生:小学5、6年の担任の先生が「本郷は、たまには授業をやらないと欲求不満になるから」と言って、僕が先生の代わりに授業をしたことが何度かあります。
――小学生が、先生の代わりに授業を!
 本郷先生:中学、高校のときもありました。「本郷くん、教員室に来てください」と呼ばれて行くと、社会の先生から電話がかかってきていて、「昨日飲みすぎたから、今日の授業をやっておいてくれ」と(笑)。「どこまで進んでいますか」と聞くと「アヘン戦争と変法運動」ということだったので、そこから授業をしました。
――すごいエピソードです…。
 本郷先生:本当に好きだったら、どんなことでも覚えられるんです。でも、当時あったのは知識だけで、歴史をどう捉えるかとか、そういう深い話はできていないですよ。
 歴史を知ると「どこへ行けばいいか」が見えてくる
――「歴史は暗記科目でつまらない」と感じている子も多いと思います。本郷先生は歴史を学ぶ面白さや価値は、どこにあるとお考えですか?
 本郷先生:学問というのは、江戸時代なら寺子屋で学ぶ「読み書きそろばん」から始まります。その次にみんなが学びたいと思うのが「我々はどこから来たのか、そしてどこへ行くのか」という問題で、この「どこから来たのか」にあたるのが歴史です。どこから来たのかを自分なりにイメージできれば、おのずとどこへ行けばいいのかも見えてきます。
 よく使う比喩なのですが、目隠しをされてぐるぐる回された後、ぱっと目隠しを外されて「今、自分がどこにいるかわかりますか」と言われたら、座標軸がわからなくなりますよね。歴史を知らないのは、まさにこの座標軸を見失った状態。歴史を学べば、「昔、こういうことがあった」とわかる。過去がわかるから現在地を知ることができ、その先も見えてくるのです。
――過去を知ることが、未来を考えることにつながるんですね。
 本郷先生:東大で授業をしていた頃、理系の大学院生に「先生、科学は宗教になりますか?」と聞かれて、驚いたことがあります。科学は右肩上がりに発展していくものだと、なんとなく思い込んでいますよね。しかし考えてみると、原子爆弾の分野は、あえて前に進んでいません。クローンの問題もそうです。神の領域に踏み込みそうになると、人間は知恵を働かせて、あえて立ち止まる。そう考えると、科学は右肩上がりではないのです。
 『やばい日本史』でも、原子爆弾の話題だけは「ここは笑ってはいけない」と、ギャグなしで慎重に扱いました。過去を知っていれば、「ただ前進すればいいというものではないかもしれない」ということもわかるようになる。笑ってはいけないところも知ることができる。そこにも、歴史を学ぶ意味があるのかなと思います。
――最後に、ご家庭でお子様と一緒に歴史に触れるなら、何がおすすめですか?
 本郷先生:もちろん、『やばい日本史』を読んでほしいです(笑)。ぜひ親御さんもご一緒に。勉強するんじゃなくて、楽しんでほしいですね。
 身近なところでは、お城やお寺、神社に行ってみるのもいいんじゃないですか。御城印や御朱印を集めるのも楽しいと思いますよ。10人のお子さんにそうした機会を設けたら、3人くらいは歴史を好きになる子がいるかもしれない。そうすると、その子たちが将来、僕のお得意様になってくれる可能性がありますから、ぜひよろしくお願いします(笑)。
 【お話を聞いたのは…】
 本郷和人|歴史学者/藤田医科大学リベラルアーツセンター長
 東京都出身。東京大学・同大学院で石井進氏・五味文彦氏に師事し日本中世史を学ぶ。東京大学史料編纂所教授を務め、2026年退官。同年4月、藤田医科大学リベラルアーツセンター長に就任。主な著書に『新・中世王権論』『日本史のツボ』(ともに文芸春秋)、『戦いの日本史』(KADOKAWA)、『戦国武将の明暗』(新潮社)など。
 取材・文/ミノシマタカコ
   ・   ・   ・   

🎹07:─6・②─中国共産党は絶対に口にしない日本軍との不都合な真実。~No.29 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2026年9月30日 YAHOO!JAPANニュース デイリー新潮「習近平が絶対に口にしない「不都合な真実」 毛沢東は日本軍に感謝していた
 ワシントンのホワイトハウスで会談に臨むトランプ米大統領と中国の習近平国家主席(2026年9月24日)(新潮社)
 9月24日、米中首脳会談の後に開かれた夕食会で、中国の習近平国家主席は、かつて中国とアメリカの人民は共に日本の軍国主義に抵抗し、戦ったという歴史観を口にした。
 【写真を見る】「習近平」が知っていても絶対に口にしない“不都合な事実”
 中華民国も中国の一部であるという彼の認識からすれば、これは嘘ではないということになるのかもしれない。
 しかし周主席が知っていても絶対に口にしない事実がある。それは中華人民共和国の建国の父である毛沢東は、日本軍に対して感謝の念を抱いていたということだ。
 中国問題の専門家である遠藤誉氏の著書『毛沢東 日本軍と共謀した男』を読めば、「日本の軍国主義」が悪玉だとする中国共産党の歴史観は木っ端みじんに砕かれるだろう。
 むしろ、中国共産党が天下を取れたのは、他ならぬ「日本軍」と協力したからである、という事実が明確に浮かび上がってくるのだ(以下は、同書をもとに再構成しました)。
 日本軍に情報を売っていた毛沢東
 (写真左から)彭麗媛夫人、習主席、トランプ大統領(新潮社)
 「日本軍の進攻に感謝する」──。こう明確に言い切った中国人がいる。他でもない、「建国の父」毛沢東だ。これは1956年9月4日、訪中した元日本軍中将、遠藤三郎に対して毛沢東が言った言葉だ。
 日中戦争の時期、毛沢東は「国共合作」で得た国民党の情報を日本に売り、巨額の情報提供料を得ていた。それどころか、潘漢年(はんかんねん)というスパイを通じ、日本軍に停戦を申し入れてもいる。毛沢東の基本戦略は、日本軍との戦いは蒋介石の国民党軍に任せ、温存していた力を日本軍が去った後の「国民党潰し」に使い、自分が「皇帝」になることにあったからだ。いわば、「建国の父」が自ら、人民を売っていたのである。
 毛沢東は戦後も一貫して、日本の軍人と協力しようとしていた。
 「私は皇軍に感謝している」──。日中戦争の時期、実は毛沢東は蒋介石や国民党軍の情報を日本に売り、巨額の情報提供料をせしめていた。中国研究の第一人者が、徹底調査した資料で物語る「中国共産党の不都合な真実」 『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮社)
 日本の敗戦後に4年間続いた国共内戦は、共産党の勝利に終わる。中国共産党は49年に中華人民共和国の建国を宣言した。とはいえ、中華人民共和国が国連に加盟するのは71年なので、それまでは「国際的に承認された中国」は中華民国(台湾)のままだった。だから、中国人の意識の中では戦後も「国共内戦」は続いていたのだ。
 当時は中共も台湾も「日本軍人の力を使って」相手を潰すことを考えており、日本の軍人は中台が奪い合う対象だったのだ。
 毛沢東は、日本の支那派遣軍総司令官だった岡村寧次大将を中国に招きたかったが、戦後に蒋介石と太いパイプを築いた岡村は「白団(パイダン)」という元日本軍人による軍事顧問団をつくって台湾を支援していたため、代わりに招聘したのが遠藤中将だった。毛沢東の「日本軍に感謝する」発言が、他ならぬ元日本軍人に対してなされたのには、そういう背景があった。
 ちなみに毛沢東は、日本軍の「侵略」という言い方は、一貫して使っていない。使っていないが、日本人の側が贖罪意識から、毛沢東の使う「進攻」という表現を「侵攻」「侵略」と言い換えている例は多々ある。
 『毛沢東 日本軍と共謀した男』によると、徹底したリアリストだった毛沢東は、彼に会いに来る日本人がみな左翼で、誰もが判で押したように「謝罪」ばかり口にすることにうんざりしていたという。それもそのはずだ。彼が欲しかったのは「左翼の謝罪」ではなく、「元日本軍人の協力」だったのだから。
 【関連リンク】
 【関連記事】毛沢東は「南京大虐殺」とは一度も言わなかった 中国共産党に「歴史認識」を問う資格はない!
   ・   ・   ・   
 

 第1次上海事変は、昭和天皇を爆殺しようとしたキリスト教系朝鮮人テロリスト(国家の英雄)の拠点とするキリスト教会が上海にあり、日本軍は昭和天皇や皇族を守るべくテロリスト拠点を粉砕した。
 第2次上海事変で日本軍が戦った抗日軍とは、蒋介石の中国国民党軍とヒトラーのドイツ軍事顧問団の連合軍であった。ドイツ軍需産業とユダヤ系国際金融資本は、ファシスト中国を支援していた。
 中ソ不可侵条約で、ソ連は正規軍を抗日軍に派遣していた。
 毛沢東・中国共産党は、蒋介石政権や国民党軍の機密情報を日本軍や汪兆銘政権に流し、その見返りとして延安地方のアヘンを日本軍支配地経由で北京・上海・天津などの大都会に密売して軍資金を稼いでいた。
 毛沢東系中国共産党中央と日本軍・汪兆銘軍の戦闘はニセ物の戦争で、中国共産党地方傍系は党中央の指示に従わず日本軍と戦っていた。
 党中央は、党の方針に従わない地方傍系を粛清した。
   ・   ・   ・    


 10月1日 YAHOO!JAPANニュース 日テレNEWS NNN「習主席の国立公文書館見学でサンフランシスコ講和条約の展示に中国側が激怒…直前に撤去 米NPR報じる
 先週、中国の習近平国家主席が訪米した際行われた国立公文書館の見学で、中国側がサンフランシスコ講和条約の展示に激怒し、直前に撤去されていたと、アメリカの公共ラジオNPRが報じました。
 【画像】トランプ大統領“習主席は私の気持ちをよく理解している”台湾めぐり
 トランプ大統領と中国の習近平国家主席は25日、国立公文書館を見学しましたが、NPRによりますと中国側が、前日に「サンフランシスコ講和条約」が展示に含まれている事を知り激怒したため、土壇場で撤去されたと伝えました。
 この条約は台湾の主権的地位を未確定としていて、中国側が激怒したのは、条約は日本とアメリカにより署名され、中国は署名していないからだと述べたと報じています。
 ホワイトハウスの代表取材によると、アメリカ側はほかにも1844年に当時の清とアメリカの間で締結されたいわゆる不平等条約とされる「望厦条約」や万里の長城の石などの展示も用意していましたが、それらも一緒に撤去されていました。
 NPRはこの一件について、「米中関係で台湾がいかにデリケートな問題であるか、また歴史解釈のわずかな相違が、依然、外交政策に影響を及ぼすことを示している」と伝えています。
   ・   ・   ・   
 10月1日 YAHOO!JAPANニュース「WWⅡの同盟国・米中の敵国は日本 そこに潜む中国の恐るべき「新型軍国主義・日本とG2」構図
 訪米した習近平国家主席とトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)
 9月26日のコラム<トランプ「中国は同盟国」発言は事前に習近平と調整 梯子を外された高市首相>の「追記3」に書いたように、米中首脳会談の成果文書にさえ「米中は第二次世界大戦のときは同盟国だった」事実を明記した。これは、9月22日に国連総会で「国連憲章から敵国条項を削除せよ」と主張した高市首相と「トランプ・習近平」ペアが真っ向から対峙する形を招いている。
 本稿では、それならなぜトランプ大統領が「第二次世界大戦時の同盟国」宣言を持ち出すに至ったのかに関して考察し、2025年11月の「高市発言」後、中国が日本を「新型軍国主義国家」として批判し始めた事実との間の「恐るべき構図」を紐解くこととする。
 キーワードは「フライング・タイガース」だ。
◆「フライング・タイガース活用」の発端は江沢民 トランプ発言までの流れ
 『毛沢東 日本軍と共謀した男』で詳述したように、共産中国「建国の父」毛沢東は、死ぬまで一度も「抗日戦争勝利」を祝賀したことがない。日本軍に勝利したのは「中華民国」の蒋介石なので、蒋介石を打倒して中国共産党による「新中国(=中華人民共和国)」を誕生させようとしていた毛沢東は「抗日戦争勝利」を祝賀することは政敵・蒋介石に「おめでとう!」と言うことになるので、絶対に祝賀させなかった。
 毛沢東が逝去した1976年以降は、小規模ながら各地域主催で「抗日戦争勝利記念」が祝賀されることはあっても、全国規模で祝賀されるようになったのは1995年からである。
 なぜなら1991年12月に旧ソ連が崩壊し、長年にわたって激しかった「中ソ対立」が消え、1995年5月に、当時の国家主席だった江沢民が初めてモスクワで開催された「反ファシスト戦争勝利記念祝賀大会」に招待された。
 大会に出席した江沢民は興奮した。
 実際は反ファシスト戦争において、日本軍と戦ったのは「中華民国」で、「中華人民共和国」は日本敗戦の4年後である1949年に誕生した国だ。したがって胸を張って「日本軍の侵略戦争に勝利したのは中華人民共和国である」とは言えない。
 だというのに、この私が「反ファシスト戦勝勝利者側」の戦列に入れて貰えた…!
 この事実は江沢民の自尊心を激しく刺激し、1995年9月から中国国内でも大々的に全国規模で「抗日戦争勝利・反ファシスト戦争勝利記念日」として祝賀されるようになったのである。「抗日戦争勝利記念」だけでなく「反ファシスト戦争勝利記念」というのが必ず付いているのは、このことが原因だ。
 しかし、中国人民は日本軍の侵略と戦っても、ドイツやイタリアなど、いわゆる「日独伊・三国同盟」による「ファシスト国家」と戦ったわけではない。そこで「反ファシスト」であることを印象付けるために、江沢民は翌10月に米国にいる「フライング・タイガース」の老兵を「抗日戦争・反ファシスト戦争勝利50周年記念」行事の一環として招聘し「権威を付けた」のである。「反ファシスト」という、格上げされた共産中国を見せるために「フライング・タイガース」を利用したのだ。
 招待された側にジェフリー・グリーン(Jeffrey Greene)という人物がいた。グリーン自身は元米海兵隊パイロットでフライング・タイガース老兵ではないのだが、1995年のフライング・タイガース老兵訪中団に同行し、ドキュメンタリーを制作。グリーンはは1998年に米国の民間非営利団体である「米中航空遺産基金会(Sino-American Aviation Heritage Foundation)」を設立した。
 2007年にはフライング・タイガースの歴史や史跡の保存を目的とする別の民間団体「フライング・タイガース歴史協会」も設立され、米中航空遺産基金会と互いに協力しながら大きな役割を果たしていく。
 習近平政権の2013年代になると、駐米中国大使(崔天凱)はフライング・タイガースの歴史は習近平が唱える「新型大国関係」の軸になるとして盛大な招待会を開催。
 その後の経緯は図表1に示したが、これらに呼応したトランプ1.0政権における当時のトランプ大統領の動きも見逃せない。2018年12月20日、トランプは中国系米国人の第二次世界大戦従軍者全体を表彰する法律にサインしたのだ。続いて2019年1月29日、ワシントンの退役軍人省本部で、5人の中国系「第二次世界大戦」退役軍人を表彰する式典を開催した。その5人の中にフライング・タイガースのエンジニアがいた。
 ただ、この法案はトランプ本人が発案したものではなく、中国系米国人団体であるC.A.C.A.(Chinese American Citizens Alliance=中国系米国人市民同盟。1895年設立)が2016年から進めた運動を受け、2017年に共和・民主両党議員が法案化し、上下両院を通過したものだ。
 こういった米中双方からの相互作用を受け、図表1にある通り、2025年9月19日に、トランプと習近平が電話会談をして「米中は第二次世界大戦で肩を並べて戦った盟友」であり、フライング・タイガース遺族を天安門の楼閣に招いた事実を確認し「トランプ・習近平間の共通認識」へと持って行った。
 トランプはこの時期、10月末日に予定されている韓国での米中首脳会談を控えてウキウキしており、その勢いで韓国での米中首脳会談を「G2ミーティング」と称してはしゃいでいた。習近平が周到に仕掛けた「戦略的誘導」に完全に乗った形だ。
 図表1:フライング・タイガースに関する米中間の相互作用
 公開された情報を基に筆者作成
 かくして、冒頭で述べた9月26日のコラム<トランプ「中国は同盟国」発言は事前に習近平と調整 梯子を外された高市首相>で書いたトランプの「中国は第二次世界大戦における米国の同盟国」発言が出てくるのである。
 これは2013年9月17日に駐米中国大使が「フライング・タイガースの歴史は新型大国関係(G2)の軸を成す」と発言した通り、「フライング・タイガースはG2構想の精神的軸を形成し、米中がかつて同盟国であった」という事実を米中首脳が合意文書で確認し合うところにまで至ったということになる。
◆高市首相の「国連憲章の敵国条項」撤廃要求と、習近平が非難する「新型軍国主義国家・日本」の恐るべき構図
 このような凄まじいことが米中間で進んでいるとも知らず、日本では周知の如く、2025年11月7日の高市首相による台湾有事に関する、いわゆる「高市発言」が出てくるわけだ。
 習近平にとっては「待ってました」と言わんばかりのタイミングでの「高市発言」だった。
 中国は図表2に示したように日本を「新型軍国主義国家」と称して、激しく非難し、同時に習近平とトランプの距離を縮めていく。
 図表2:「高市発言」が招いた中国の「新型軍国主義国家」としての日本批判と「習近平・トランプ」の呼応
 公開された情報を基に筆者作成
 図表2の出来事を一つ一つ説明すると膨大な文字数を必要とするので、詳細は省き、結果的に如何なる構図になっているかをご説明したい。
 1.高市首相は米中がどのように呼応しながら「G2構想」を形成すべく動いたかを全く知らずに、迂闊にも2025年11月7日に「高市発言」を放った。図表1にある現象が進んでいることに全く気付いていない(=世界が見えていない)中での発言だ。
 2.米中で呼応しながら「フライング・タイガース」を用いて「第二次世界大戦では米中は同盟国だった」という構図の中には、「米中が力を合わせて戦った敵国は日本だった」ということが含まれている。
 3.現在もなお、日本を米中共通の敵国にするためには「高市発言」は願ってもないタイミングでの発言だった。
 4.国連憲章の「敵国条項」には、第二次世界大戦において連合国と戦った(日独伊三ヵ国からなる)ファシズム国家が、もし再び「軍国主義化」すれば「国連の承認なしに被害国は軍事的制裁を与えることができるというニュアンスのことが謳われている。
 5.そこで中国は日本を「新型軍国主義国家」として徹底して非難し、「敵国条項」が今も現実として「生きている」という枠組みの中に日本を填め込んだ。
 6.その時に同時進行していたのが「第二次世界大戦のとき米中は同盟国として日本と戦った」という事実の再認識で、それを米中首脳会談の合意文書の中に書き込むという芸当まで習近平は「トランプと共に」成し遂げたのである。
 7.なお中国は村山談話(日本は第二次世界大戦でアジアなど周辺諸国に多大な苦痛と損害をもたらしたことを謝罪した談話)が発表された1995年には国連憲章から敵国状況を削除することに賛成票を投じたが、「現在は状況が違う」として図表2の2026年9月23日の欄にあるように「重要な現実的意義がある」としている。
 これが如何に危険なものであるか、高市早苗は自覚していないし、日本政府も認識していない。その欠如はどこから来たかというと、何としても自民党が政権を維持していたいという鈍化した自民党議員の権勢欲であり、何よりも高市早苗の「高い支持率を得たい」という名声欲から来たものと判断することができる。そのためには、日本国の将来や日本国民の真の幸せなどはどうでもよく、戦争を知らない、そして中国に対して優越感を味わっていたい一部の若者たちの心に響くよう、「もう台湾が大好きで大好きで…」などと発言し、台湾有事に日本は立ち向かうという勇ましい言葉で支持率を高めていくという気持ちしかないからだ。
 いま日本がすべきは米中の「G2構想」の実態を知ることであり、その枠組みの中に日本が落とし込まれている現実を認識することだ。それができなければ、日本は終わる。高市早苗の権勢欲が日本を弱体化させるところに追い込んでいく。
 警鐘を鳴らしたい。
 なお本コラムは中国問題グローバル研究所の論考から転載したものである。
 遠藤誉
 中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国長春市で中共軍による食糧封鎖に遭い家族を餓死で失う。1953年日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。内閣府総合科学技術会議専門委員(小泉政権)や中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『G2構想 勝つのは米国か中国か』、『台湾軍事機密文書が語る中国「抗日戦争」の真相』、『米中新産業WAR トランプは習近平に勝てるのか?』、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。
   ・   ・   ・   

🎺24:─3─アメリカは真珠湾の悲劇で世界の大国に激変した。〜No.123 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2026年9月30日 YAHOO!JAPANニュース ダイヤモンド・オンライン「アメリカはいつ「世界の大国」へ変わったのか? 真珠湾だけでは語れない大転換
 アメリカはいつ「世界の大国」へ変わったのか。第二次世界大戦への参戦、そして真珠湾攻撃は大きな転機だった。だが、その変化は一夜にして起きたわけではない。世界恐慌に直面したルーズベルトは、ニューディールで国家の役割を変え、参戦前からイギリスやソ連を支援し、さらに戦後の国際秩序まで構想していた。国内問題への対応から世界への関与へ――その歩みをたどると、20世紀のアメリカが「内向きの国」から世界を動かす大国へ変貌した過程が見えてくる。『地図で学ぶ「深読み」世界史』の著者が、ルーズベルト時代の転換点を読み解く。
● ニューディールは本当にアメリカを救ったのか?
 第二次世界大戦の指導者というと、チャーチル、ヒトラー、ムッソリーニ、スターリンなど、強烈な個性を持つ人物が並ぶ。その中で、意外に語ることが多いのがアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトである。彼は一言でいえば、「功罪相半ばする」人物だった。
 最大の功績として知られるのが、世界恐慌への対応である。1933年に大統領に就任すると、ニューディール政策を掲げ、公共事業や金融改革、社会保障制度の整備などを進めた。それまで政府は経済に介入しすぎるべきではないという考え方が強かったが、ルーズベルトは国家が積極的に雇用や生活を支える方向へと舵を切った。
● 「アメリカ経済を本格回復させたのは『戦争』だった」
 ただし、ニューディールによってアメリカ経済が完全に立ち直ったわけではない。失業率はなお高く、1937年には再び景気が悪化した。最終的にアメリカ経済を強く押し上げたのは、第二次世界大戦による膨大な軍需だったという見方が強い。兵器や航空機、車両などの生産が爆発的に増え、失業問題も急速に改善した。
 ここにルーズベルト評価の難しさがある。ニューディールは不況を完全には終わらせなかったが、政府が社会保障や雇用に責任を持つという新しい常識を作った。一方で、経済の本格回復には戦争という巨大な外部要因が必要だった。
● 真珠湾の前から始まっていた「世界の大国」への転換
 さらに彼は、戦争そのものにも深く関わっていく。参戦前からイギリスやソ連への支援を進め、真珠湾攻撃後には本格的な戦時指導者となった。その一方で、戦後には現在の国際連合へとつながる秩序を構想した。
 世界恐慌への対処から第二次世界大戦、そして戦後世界の設計まで、一人の大統領の在任中にすべてがつながっている。ルーズベルトが面白いのは、単なる「偉大な大統領」ではなく、内向きだったアメリカが世界的な大国へと変わっていく過程そのものを体現した人物だからなのである。
 伊藤敏
   ・   ・   ・   

⏱81:ー3・③ー中国共産党の新鎖国政策で日本から中国人観光客が消える。~No.182 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 中国共産党の日本に対する飴と鞭。
   ・   ・   ・    
 2026年9月24日 YAHOO!JAPANニュース プレジデントオンライン「ついに日本から中国人観光客が消える…習近平が始めた一般市民からパスポートを取り上げる「ヤバい鎖国政策」
 中国政府は自国民の出国を制限できる「出入国管理規定」を9月15日から施行した。中国事情に詳しいジャーナリストの中島恵さんは「AI、半導体、レアアースなど先端企業の技術者などが対象で、一般人の出入国は制限しないとされている。だが取材を進めると、中国政府の発表とは異なる実態が見えてきた」という――。
 【写真をみる】「親日」の中国人男性(30代)が上司から没収された物
■中国で始まった「鎖国」政策
 9月15日、中国は「出入国管理に関する国務院規定(第841号)」を施行した。同規定は「出入国者の合法的権益を保障すること、国家主権や安全、発展の利益を守ること」を目的として、2013年に施行された「出入国管理法」に基づき、実施されたものだ。
 具体的にはAI(人工知能)、半導体、希土類(レアアース)など先端企業の技術者、公務員、企業幹部、汚職などで捜査中の人物の出入国を制限するもので、留学や観光などの一般人の出入国は制限しないと言われている。
 だが、SNSを見ると、すでに多くの一般人から「上司にパスポートを取り上げられている」「空港のイミグレーションで突然出国できないと告げられた」「新規パスポートの申請ができない」といった悲鳴にも似た声が上がっており、出入国に関する不安や戸惑いが広がっている。
 奇しくも、中国では10月1日から国慶節の大型連休(7日間)が始まる。例年ならば、海外旅行の人気渡航先ランキングなどが早々とSNSに出回るが、今年はそうした記事はあまり多くない。
■中国人観光客が日本から消える日
 中国メディア「第一財経日報」の8月の報道によると、中秋節(9月25日〜27日)と国慶節(10月1日〜7日)の間の平日に休暇を取ると合計で13連休となり、海外旅行ではオーストラリア、ニュージーランド、インドネシア、モルディブ、ヨーロッパなどが人気だという。
 しかし、昨年の高市早苗首相の「台湾有事」に関する発言後、中国政府が日本への渡航自粛の注意喚起をしたことに加え、今回の同規定が引き金となって、訪日観光客は大幅な減少が予想される。それだけでなく、もしかしたら、将来的に「中国人観光客が日本からほとんどいなくなる日」が来る可能性さえあると考えられる。
 中国・上海市の企業に勤務する30代の男性、張さん(仮名)は大の日本好きで、年に1〜2回のペースで日本旅行にやってきている。楽しみは各地の温泉巡りや居酒屋巡り。地方のひなびた温泉にのんびりと浸かり、居酒屋の縄のれんをくぐって郷土料理に舌鼓を打つことだ。張さんいわく「日本のよさは地方の人の温かさ、食事のおいしさ、懐かしさを感じる雰囲気にある」そうだ。
■上司にパスポートを没収された
 だが、彼のウィーチャットを見るかぎり、ここ1年以上来日した形跡がない。何か理由があってSNSに書かなかっただけなのか、張さんにウィーチャット以外の方法で連絡を取ってみたところ、冴えない様子で返信があった。
 「実は、しばらく前から会社の上司にパスポートを取り上げられているんです。私だけでなく同僚の中にも同じ人がいます。それで大好きな日本に行けなくなってしまいました(涙)……日本の温泉が恋しいのですが……」
 張さんは大学卒業後、上海市内の企業に勤務しており、品行方正。留学経験はないが、英語が堪能で、日本語も独学で学んでいる。技術者ではなく、それ以外の職種だ。そんなごく一般人の男性でさえ、上司にパスポートを取り上げられているとは、一体、何が起こっているのか。
 実は、私は以前も同様の話を小耳に挟んだことがあった。コロナ禍の2021年ごろ、内陸部のある大学の教授から聞いた話だ。
■「出国できませんから!」と怒鳴られ
 コロナ禍のとき、中国各地で「健康コード」という個人の行動履歴やPCR検査の結果などが記録されているアプリが開発されたことを覚えている人がいるかもしれない。当時、その大学では毎朝、SNSで学部の責任者に自分の健康コードを提示して「問題なし」と連絡する義務があった。何時間も連絡しないと上層部から連絡がきて大変な騒ぎになる。さらに、省をまたぐ外出と海外渡航は、原則禁止となった。
 その教授によれば「この時期以降、パスポートを上司に取り上げられているという話をあちこちで聞くようになりました。対象者は公務員、国有企業の社員、一部の大学の教員」で、中国共産党幹部ももちろん含まれる。だが、一般企業の会社員からは、そうした話を聞くことはなかった。ただし、「空港で突然、出国を止められた」というケースは数年前からすでに起きていた。
 2023年〜24年頃、私の友人が上海から来日しようと空港のイミグレーションに並んでいたところ、自分のすぐ前の人がカウンターで口論していた。よく聞いてみると係員から「とにかく、あなたは出国できませんから!」と怒鳴られていたという。その人は別室に無理やり連行された様子だったので、その後どうしたかわからないが、友人は私に「怖いですよね」と話していた。
■真の目的は「身辺調査」か
 そのときは「どうしてだろう……」「何か悪いことをしたのかな?」という会話だけで終わり、気にも留めなかったが、有効なパスポートとビザを有しているのにもかかわらず、明確な理由を告げないまま出国させないという例は、中国各地で静かに起きていたようだ。
 それが表沙汰になることはほとんどなく、当事者は泣き寝入りするだけだったかもしれないが、今回の規定により、中国のSNS上では「出国できない理由を知りたい」「もし出国できても、帰国できない可能性はあるのか」などさまざまな噂が飛び交っており、弁護士などの専門家が動画で規定の内容を解説している。
 それを見てみると、「虚偽の出入国、滞在申請は許可されない」といった当たり前のことが語られており、とくに目新しい情報は見つからなかった。だが、中国の知人によると、パスポートを取り上げるのは、その人の身辺調査をするという名目があるようだ。
 たとえ本人の思想、行動、社会生活に問題がなくても、家族や交友関係を調べ上げるという情報もある。中国ではパスポートがなくても身分証だけで調査は十分可能だが、パスポートを取り上げるという行為自体に出国意欲を抑止する効果が見込めるだろうという。
■訪日観光客が激増している一方で
 規定を見ると、「戦争、武力衝突、治安悪化、自然災害、感染症などのリスクが高い国・地域への渡航は慎重に検討するよう注意喚起し、渡航を思いとどまらせる」という項目がある。具体的な国・地域名は明記されていないが、昨年、高市首相の「台湾有事」発言により関係が悪化した日本はそれに該当すると考えられる。逆にいうと、もし今、海外旅行に行くなら、中国との関係が良好な国・地域に限られると言える。
 日本政府観光局(JNTO)の発表によると、今年8月の訪日観光客数は309万8900人だった。前年同期比9.6%減となったものの、韓国、マレーシアなど14カ国・地域で8月として過去最高を記録した。
 一方、中国の今年1月〜8月の総数は290万4600人で前年同期比56.7%減だった。JNTOが発表した概況には、中国政府による注意喚起のほか、スクールホリデーの影響、航空便の減便の影響もあると書かれているが、国内景気の悪化や、同規定が施行される予定であることも影響した可能性がある。
■厳しさを増すVPNの利用規制
 さらに、不穏な動きとして、最近、中国ではVPN(仮想プライベートネットワーク)の利用が規制される動きもあるという。中国では海外のSNS、ニュースサイトなどの閲覧は以前から厳しく規制されており、海外の情報を得ようとする場合はVPNを使用するしかない。
 有料と無料のVPNがあり、多くの人が利用しているが、中国に住む知人は有料のVPNでも「閲覧が以前より難しくなっている」と嘆いていた。従来も中国で政治的イベントなどが行われる場合などは一時的に閲覧が制限されることがあったが、そうした時間帯が増えているという話だ。
 知人は「海外の情報=必ずしも有害な情報というわけではないのに、閲覧が制限されることに強いストレスを感じる中国人は多いと思います。物理的な出国を制限するだけでなく、情報面でも中国人に海外の情報をインプットさせない、海外に目を向けさせないという、まるで鎖国のような政府の方針に強い憤りを感じます」と話していた。
■ささやかな望みすら叶わない国に
 今回の規定の背景には、国内の技術流出を防ぐこと、富裕層の資金をこれ以上海外に持ち出させないこと、移民・移住・留学などの仲介業者を規制することなどがあると言われている。だが、一般人のささやかな楽しみである海外旅行まで規制する動きがあることに、市民の間からはため息が漏れている。
 以前から中国人の団体旅行は政府の胸ひとつで停止と解禁が繰り返されてきたが、現在は、本来自由であるはずの個人旅行でさえ大手を振って行けないような雰囲気だ。むろん、現状は、多くの人がイミグレーションで止められるわけではなく、ほとんどの人は問題なく出国できるだろう。だが、別に悪いことをしていないのに、イミグレーションのカウンター前で極度に緊張してしまう人がいるということ自体、気の毒に感じる。
 張さんのように「ただ日本の温泉にのんびりと浸かりたいだけ」という個人のささやかな望みさえ叶えられないことは、あまりにも理不尽だし、日本にとっても残念なことではないかと思わせられる。

                  • -

 中島 恵(なかじま・けい)
 フリージャーナリスト
 山梨県生まれ。主に中国、東アジアの社会事情、経済事情などを雑誌・ネット等に執筆。著書は『なぜ中国人は財布を持たないのか』(日経プレミアシリーズ)、『爆買い後、彼らはどこに向かうのか』(プレジデント社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか』(中央公論新社)、『中国人は見ている。』『日本の「中国人」社会』(ともに、日経プレミアシリーズ)など多数。新著に『中国人のお金の使い道 彼らはどれほどお金持ちになったのか』(PHP新書)、『いま中国人は中国をこう見る』『中国人が日本を買う理由』『日本のなかの中国』(日経プレミアシリーズ)などがある。

                  • -

【関連記事】
日本には習近平の野望を打ち砕く「切り札」がある...中国による「孫子の兵法的・世界制圧」にある致命的な弱点【習近平3選】
   ・   ・   ・   
 9月30日 YAHOO!JAPANニュース TBS NEWS DIG Powered by JNN「訪中した岩屋前外務大臣に異例の“厚遇” 王毅外相ら習近平政権の指導部や何立峰副首相とも会談 日本政府内からは冷静な見方も
 中国を訪問した岩屋前外務大臣は、習近平政権の要人と相次いで会談し、異例の“厚遇”を受けました。政府からは、対話を評価する一方で、冷静な声もあがっています。
 中国・北京を訪問した岩屋前外務大臣。きのう会談したのは、何立峰副首相です。岩屋氏らの訪中を「経済・貿易の発展をさらに促すと確信している」と期待感も示す一方、日本側を批判する発言もありました。
 中国 何立峰 副首相
 「一部の日本の政治家が軍国主義をよみがえらせたり、台湾問題で中国のレッドラインに触れたりしたことが、直接的・間接的に中日間の経済発展に影響を及ぼしている」
 岩屋氏は、28日には王毅外相ら習近平政権の指導部とも会談。高市総理の「台湾有事発言」以降、政府間の関係が冷え込むなか、異例の“厚遇”を受けました。
 政府からは評価の声があがる一方、冷静な見方も…
 政権幹部
 「これまではアクセスもできなかった中で、変化の兆しはあります。良い傾向になってきてますよね」
 外務省幹部
 「日本政府がしっかりパイプを持って対話をやれていないのも現実だ。これで関係が良くなればよいが、メッセージを見る限り、それもないでしょう」
 自民党 岩屋毅 前外務大臣
 「政府にしっかり努力をしていただいて、その(日中の)隙間を埋めていく。そして、原点にしっかり戻っていく」
 木原官房長官はきのうの会見で、「政府としては引き続き適切な対応をおこなっていく」と述べています。
   ・   ・   ・   
 9月30日 YAHOO!JAPANニュース 東洋経済オンライン「「言葉の変化に注意しろ」 岩屋×王毅会談に秘められた中国の変心、「最悪の日中関係」改善へ中国が見せた“譲歩”のサイン
 中国の王毅外相(右)と会談した日本の岩屋毅前外相。その際の発言が注目されている(写真:新華社/アフロ)(東洋経済オンライン)
 「差し迫った課題は、日本の指導者が台湾問題での誤った言動を速やかに是正することだ」
 【写真あり】岩屋氏だけではなかった! 中国の「変心」を感じ取った訪中議員とは?
 中国外務省は9月28日、王毅外相が日本の岩屋毅前外相と会談し、史上最悪といわれる日中関係を改善するための条件を示したことを発表した。
 日本語が堪能で駐日大使を務めたこともある王氏は、24人しかいない共産党政治局のメンバー。親日派として知られ、共産党の中で高位にある王氏が岩屋氏との面会に応じたことは、日本にとって小さくない驚きだった。
 昨年11月7日の衆院予算委員会で、高市早苗首相が台湾有事について「どう考えても存立危機事態になりうる」と発言して以来、関係が大きくこじれている日本と中国。これが現状打開への糸口になりうるのか。
■「撤回」から「是正」へ、中国が出した“サイン”
 「中国はこれまで日本に高市首相の発言の『撤回』を求めていたが、今回は『是正』だ。このサインを見逃すべきではない」
 志士の会の緒方林太郎衆院議員は、王氏の発言についてこう述べた。元外務官僚として外交の機微を熟知する緒方氏は、「中国側の言葉の変化に注意することが重要」と主張する。
 実際に中国は当初、台湾有事をめぐる高市首相の発言について「撤回」の要求を繰り返していた。だが、5月18日の外務報道官会見では「日本が最もすべきことは、台湾に関する誤った言動をできるだけ早急に“是正”」と変化した。
 また、6月18日の会見でも「日本側が中日関係の改善を心から望むのなら、中日間の4つの政治文書と自らの約束を順守し、実際の行動によって中日関係の政治的基礎を守るべきであり、言行不一致であってはならない」とし、台湾有事発言の“撤回”について言及しなかった。
 「4つの政治文書」とは、1972年の「日中共同声明」、78年の「日中平和友好条約」、98年の「平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言」、そして2008年の「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明」を指す。
 台湾について、1972年の「日中共同声明」は「台湾は中華人民共和国の領土の不可分の一部」であり、日本は「中華人民共和国政府の立場を十分“理解”し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」ことを宣言した。
 すなわち、日本としては中国の主張を尊重するが、台湾が中国領土であると明言するわけではない――。こうした微妙な表現は、条文を担当した栗山尚一条約課長(当時)らの苦心の賜物だった。
 78年の「日中平和友好条約」では「主権・領土保全と内政不干渉」を明記し、98年の「日中共同宣言」では「中国はひとつ」であることを確認。さらに2008年の「日中共同宣言」では、「日本側は日中共同声明において表明した立場を引き続き堅持」としている。
■訪中議員が感じた「雪解けの兆候」
 高市首相の台湾発言をめぐる中国側の「変化」は、さまざまなところで見ることができた。
 8月下旬に訪中し、中国共産党中央対外連絡部の陸慷副部長と会談した公明党の伊佐進一衆院議員は「中国側は『高市首相の答弁を撤回しない限り、対日政策を変更することはない』の一点張りだった」と証言。強硬姿勢を崩さなかったという。
 その一方で、このときの会談が対話の糸口を見つけるための雰囲気作りであることに合意。「雪解けの兆候」も感じられたようだ。
 また、超党派の日中議連の若手議員8人が9月19日に訪中し、中国外務省の劉彬次官補や民間外交を担う「中国人民対外友好協会」の楊万明会長が対応したが、それに先立つ9月16日に在日中国大使館のXのアカウントは楊氏の声明を投稿。高市首相に対する批判とともに、「日本側に対して、誤りを是正し、中日間の4つの政治文書の原則と精神を遵守し、両国関係の正常な発展のために条件を整えるよう促す」とポストした。
 「こうした動きを注視すべきだ」と、前出の緒方氏は主張する。「中国は、これまで共同宣言などで使ってきた『中国はひとつ』という言葉を日本に言ってほしいということ。今年11月には深圳市でAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が行われ、中国がホスト国を務めるが、日中関係が現状のままではまずいので、関係改善を狙っているはず」。
 要するに中国が意図するところは、高市首相に「台湾有事発言」を「なかったこと」にさせるのではなく、これまで日中両国が認識していた「事実」でもって「上書き」させるということになった。ある意味で中国からの譲歩ともいえる。
 「4つの文書はいずれも自民党政権時に作成されたもので、高市首相がそれを踏襲しても矛盾はない」と緒方氏は語る。「日本の外務省も国家安全保障局も、それに気づいているはず。あとは高市首相がどのタイミングで表明するかだろう」。
 王氏から「是正発言」を引き出した岩屋氏は9月29日、習近平主席の側近中の側近として知られる何立峰副首相と面会。岩屋氏は50人の企業役員を率いて訪中した日本国際貿易促進協会会長として、何氏に民生レアアースの対日輸出許可手続きの迅速化を求め、何氏から「民生分野であれば問題がない」と承諾する回答を引き出した。
■高市政権が見つめ直すべき「外交の基本」
 なお、こうした動きについて、中国はもちろん、日本政府も無関係であるはずがない。
 8月下旬に訪中した伊佐議員は『月刊日本』26年10月号のインタビューで、「訪問の全行程に在中国日本大使館の館員が同行した」「私の発言内容は政府と事前に打ち合わせも踏まえて決めたもの」と述べ、訪中が日本政府の了承を得たものであること、および大使館から日本政府に詳細に報告されていることを認めている。
 日本と中華人民共和国は54年前の9月29日、正式に国交を樹立した。米中が正式に国交を樹立する7年も前の出来事だった。当時の中国国務院総理だった周恩来氏は「飲水思源」(困ったときに助けてくれた人の恩義を忘れない)の故事成句を好んで使用した。
 1978年10月に来日した鄧小平副主席(当時)は、ロッキード事件で検察の追及を受けていた田中角栄元首相の私邸を訪問し、「水を飲むときに、井戸を掘った人々のことを忘れない」と日中国交正常化に尽くした功を労った。
 このように国と国との歴史を丁寧につづっていくことこそが、外交の基本ではないだろうか。
 安積 明子 :ジャーナリスト
 【関連リンク】
 日本企業の「中国離れ」の実態 撤退の裏で…進出が増えた"意外な業種" ランキングで見る日本企業の中国進出事情
 「売国」と590万回も叩かれた岩屋毅議員が激白、ネットのデマに歪められる民主主義の危機に「保守政治家」が取るべき道
 過去最悪レベルの日中関係《中国で「日本人です」と言うのが少し怖かった、そして実際に言ってみた》緊張走った瞬間も
 「いまの日本は清朝に似ている」豊かさゆえの"思考停止"に危機感を抱く中国人記者が、無償で在日外国人を取材し続ける理由
 中国富裕層が語る「あまり満足できなかった日本観光」の内容 訪日客が激減している"日中関係の緊張"以外の要因
   ・   ・   ・   

🪗57:─4─高市首相は「第2次世界大戦」への言及に驚きトランプ大統領に緊急電話。~No.181No.182 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日中関係悪化は、良い意味での老獪な政治力を持たないリベラル派・中道派の政治家が原因であった。
   ・   ・   ・  
 現代日本で、三島由紀夫が警鐘を鳴らした日本人が各分野で指導的立場に増え始めている。
   ・   ・   ・   
2026-08-29
🪗53:─1─中国共産党幹部は日本議員団に「首相の台湾発言撤回しなければ対日政策変わらない」と語る。~No.170No.171 
   ・   ・   ・   
 2026年9月28日 MicrosoftStartニュース 政経フォーカス「「第2次世界大戦」への言及に驚き…高市首相、トランプ大統領に緊急電話
 中村 大輔
 トランプ大統領と習近平国家主席が抗日戦争を持ち出す
 高市首相「今や日米は最も信頼し合える同盟国」
 高市早苗首相は米中首脳会談終了後の26日、ドナルド・トランプ米大統領と約20分間の電話会談を行い、日米同盟を改めて確認した。これに先立ち、ワシントンで会談したトランプ大統領と中国の習近平国家主席が、抗日戦争だった第2次世界大戦に言及して米中協力を強調したことを受け、火消しを急いだ形だ。
 高市首相は電話会談後、首相官邸で記者団に「(トランプ)大統領から詳細な説明があった。経済や安全保障など、中国をめぐる様々な課題を中心に意見交換を行い、日米の連携を確認した」と述べた。その上で、「日米は今や最も信頼し合える同盟国になったと伝え、地域と世界の平和と安定に共に貢献していくことを確認した」と付け加えた。
 トランプ大統領は米中首脳会談の冒頭発言で、まず第2次世界大戦に言及した。トランプ大統領は「われわれが共通の利益に焦点を合わせれば、成し遂げられることは多い」と述べ、第2次世界大戦中に米国が中国へ秘密裏に派遣したパイロット部隊「フライング・タイガース」に言及した。習主席は続く晩さん会で、「抗日戦争中、中国は数百人の米国人パイロットを救い、その代償として数十万人の命を失った」とし、「血と炎の中で結ばれたこの友情は、世代から世代へと永遠に受け継がれていくだろう」と述べた。中国の軍事的膨張や米国の対中戦略が揺らぐことを警戒する日本にとって、トランプ大統領の「第2次世界大戦発言」は不快なものとならざるを得ない。
 これを受け、高市首相は25日、記者団に「(日米間で)戦争はあったが、その後、しっかりと和解し、関係を深め、今では非常に強い絆で結ばれた同盟国として互いに信頼し合える関係にある」と述べた。現在の米国の同盟国は中国ではなく日本であることを強調したものだ。
 高市首相はトランプ大統領が習主席と会談する前の22日、ニューヨークの国連総会会場で別途首脳会談を行うなど、トランプ大統領の対中認識をきめ細かくフォローする外交戦略を展開している。日本は3月にも北京での米中首脳会談が予定されると、高市首相のホワイトハウス訪問を働きかけ、実現させた。5月に北京で習主席と会談したトランプ大統領は、帰国途中の大統領専用機エアフォースワンの機内から高市首相に電話し、首脳会談の結果を説明したことがある。
 読まれています
 北朝鮮、ドローン・ミサイル同時攻撃訓練…「追加攻撃の成功率高める」
 トランプ氏と習近平氏、親密さをアピールしただけ
   ・   ・   ・   


 日中戦争で日本軍が戦った中国軍とは、蒋介石の国民党政権(中華民国、ファシスト・中国)であって毛沢東の中国共産党ではなく、毛沢東は「敵の敵は味方」戦術から日本軍と汪兆銘政権と裏取引していた。
 毛沢東の戦略は、日中戦争後、日本軍との戦争で疲弊した蒋介石との内戦で勝利する事であった。
 中国共産党は、昭和天皇と皇族を惨殺すべく付け狙っていた日本人の共産主義者・無政府主義者テロリストを支援していた。
 ソ連・中国共産党・国際的共産主義勢力は、ロシア革命におけるニコライ2世皇帝とその家族惨殺を日本で再演するべく、日本で敗戦人民共産主義革命を起こし天皇制度を廃絶し、昭和天皇と皇族を処刑するべく日本人の共産主義者・無政府主義者を敗戦利得者として日本へ送り返していた。
   ・   ・   ・   
 中国共産党は、媚中派・反米派・護憲派に対して日中友好の再構築の為には高市首相の台湾有事発言撤回か高市首相の辞任・保守派政権の倒閣を求めている。
   ・   ・   ・   
 中国共産党が、日本に許す日中友好とは上下関係であって対等関係ではなく、日本に強要している日本の外交は朝貢外交である。
   ・   ・   ・   
 バブル崩壊までは昭和的な利権や収賄で裏金を掻き集める強欲な政治屋が問題とされたが、バブル崩壊後は大学の政治クラブで政治議論を楽しむ青白きインテリの純朴純真な学生的政治家が急増した。
 学生的政治家には、海千山千の政治力はなく、現実的な政略はなく、正しい世界観や国家観、歴史観を持っていない。
 学生的政治家とは、メディアが面白おかしく持て囃したOOチルドレンといわれる俄政治家達で、素人政治家の事である。
   ・   ・   ・   


 9月28日 YAHOO!JAPANニュース 女性自身「成果強調2日後に「中国は同盟国」…元大使が解説 トランプ氏の掌返しで露呈した高市首相の“深刻な読み違え”と「日中関係は1945年に戻った」
 昨年10月の訪日以来、トランプ大統領との親密ぶりをアピールしてきた高市首相だが(高市首相の公式Xアカウントより)(WEB女性自身)
9月24日に行われた米中首脳会談で、トランプ米大統領(80)から思わぬ言葉が飛び出した。
 【写真あり】変わった握手!? 9月22日の会談でのトランプ大統領と高市首相
 「共通の利益を追求することで、第二次世界大戦では我々は同盟国にさえなった」
 中国を第二次世界大戦時の“同盟国”と表現したのだ。さらに、日本と戦った米国人義勇航空隊「フライング・タイガース」にも言及し、「我々の国民が協力してあの戦争に勝ったように、習主席と私も協力していく」と現在の米中関係へつなげた。
 これに習近平国家主席(73)も、「第二次世界大戦中、中国と米国の人々はファシストの侵略に対して肩を並べて戦った」と応じた。さらに同日夜の国賓晩餐会では、「80年以上前、中米両国人民は肩を並べて、日本軍国主義の侵略者と戦った」と、日本を名指しした。
 翌25日、一連の発言について記者から問われた高市早苗首相(65)は、「これは第三国間のやり取りでございますので、逐一について私からコメントすることはございません」としたうえで、日米関係について「戦争はありましたけれども、その後ですね、しっかりと和解を果たして、関係を深めて、今は非常に強い絆で結ばれた同盟国としてお互いに信頼し合える関係であると思っております」と述べた。
 しかし、政府は困惑を隠せないでいるという。
 「米中会談のわずか2日前、高市首相は日米首脳会談を行い、米中首脳会談を念頭に『中国をめぐる諸課題についてタイムリーに意見交換を行った』と説明。『日米同盟の強さを世界に示すものになった』と成果を強調していました。
 ところが、その後の米中会談で、トランプ大統領のほうから先に、中国を第二次世界大戦時の“同盟国”とする発言が飛び出した。日本側にとっては、想定外の展開だったといえます」(政治部記者)
■「第二次大戦で米中は同盟国」トランプ氏の発言に習氏も呼応
 駐ウズベキスタン大使、外務省国際情報局長、駐イラン大使などを歴任した東アジア共同体研究所理事・所長の孫崎享さん(83)も、この展開には驚いたという。
 「米中が対立一辺倒ではない関係を目指すだろうとは考えていました。ただ、今回のように『第二次世界大戦で米中は協力した』というところまで踏み込むとは思っていなかった。これは、多くの人の予想を超えたと思います」
 孫崎さんが問題視するのは、その直前まで日本側が日米首脳会談を成果として捉えていたことだ。
 「台湾問題について、アメリカが中国に譲歩するような姿勢を取っては困る、態度を鮮明にしてほしいという思いがあった。だからこそ高市さんはアメリカに行った。ところが、その直後に180度違うようなことが出てきた。そういう意味では、日本側の情報収集能力の欠如だと思います」
 孫崎さんは、日本が従来、米軍を中心とする米国の安全保障関係者とのパイプに依存してきたため、「トランプ本人との接点が非常に薄い」と指摘する。
 「トランプが何を考えているのかということを、十分に把握できていなかった。これは非常に深刻な結果です」
 高市首相の「台湾有事」発言で日中関係は1945年に戻った
 そして孫崎さんは、今回の米中の歴史認識を考えるうえで、高市首相の台湾有事をめぐる発言が重要だと見ている。
 1972年の日中共同声明で、日本は中華人民共和国政府を「中国の唯一の合法政府」と承認。中国側が「台湾は中華人民共和国の領土の不可分の一部」と表明したことについて、日本はその立場を「十分理解し、尊重する」とした。同時に中国は、日本に対する戦争賠償請求を放棄している。孫崎さんはこう語る。
 「1972年に日中は和解しました。第二次世界大戦をめぐる問題に一応ピリオドを打ち、新しい協力関係をつくろうとした。ところが、高市さんの台湾有事をめぐる発言は、その前提を根底から覆すものだったわけです」
 その結果、中国側の視点では何が起こるのか。
 「中国側から見れば、いろいろな合意を積み重ねてきたけれど、それを日本側が覆したわけだから、日中関係の起点は1945年に戻った、という論理になります。そうなると、中国が第二次世界大戦で日本と戦った“戦勝国”であるという位置づけが、これからの東アジアの秩序を考えるうえで、非常に重要になってくる。
 そこに今回、トランプ大統領が乗ってきた。中国国民党軍を支援して日本軍と戦った米国人義勇航空隊『フライング・タイガース』にまで言及したわけです。つまり、当時の日本を相手に米中が協力したという歴史です。その構図をトランプがいま持ち出してきたことは、非常に重要です」
■「中国と戦う合理性がない」トランプ氏が見ている現実
 では、なぜトランプ氏は中国との関係安定化を図るのか。孫崎さんが挙げる一つが、台湾海峡をめぐる軍事的な現実だ。
 「戦闘機そのものを見れば、アメリカのほうが優秀かもしれない。しかし、戦闘機には飛び立つ基地が必要です。沖縄の基地が攻撃されれば、戦闘機が飛び立てなくなる。イデオロギー的に『中国と戦え』と言っていても、実際に戦えば非常に厳しい。場合によっては負けるということを、トランプも知っていると思います」
 実際、米ランド研究所が2016年に公表した米中戦争に関する報告書でも、中国の軍事能力の向上によって、米国はもはや「迅速かつ決定的な勝利」を確信できず、戦争が長期化する可能性が指摘されている。そして、もう一つが経済だ。
 「トランプが考えているのは、経済的にどう利益を得ていくか、ということです。軍事的に中国と戦うことには合理性がない。一方で、AIなどの経済分野では中国との関係から得られる利益があります」
 実際、今回の米中首脳会談でもAIは主要テーマの一つとなった。習主席は「中米はともにAI大国だ」と述べ、両国による協力を呼びかけている。
■日本はどうすればいいのか「イデオロギーではなく数字を」
 米中が対立を管理しながら関係の安定を模索するなか、日本はどうすればいいのか。孫崎さんが最も懸念するのは、日本経済だ。
 「日本経済が復活するためには、世界最高水準の研究開発に接続していかなければなりません。ところが日本自身には以前ほどの力がなくなっている。その一方で、研究開発を強力に推進している中国と関係も切ろうとしています」
 そして、これまで日本が前提としてきた考え方そのものが揺らいでいるという。
 「非常に大きな問題は、『アメリカに追随していれば安全と繁栄が得られる』という従来の図式が崩れてきていることです」
 だからこそ必要なのは、「中国が好きか嫌いか」という感情やイデオロギーではなく、冷静に“日本の利益”を考えることだと孫崎さんは訴える。
 「外交というのは、相手の言い分と自分の言い分があって、その間でどう折り合いをつけるかを考えるものでしょう。相手の言い分を全部無視するというのは、外交ではない」
 そして最後に、こう語った。
 「イデオロギー的なことより、私たちはやはり『事実』を知らなければいけない。日中関係においても、こういう関係を取れば日本にどのようなプラスがあるのか、逆にこうすればどのようなマイナスがあるのか。それを客観的に把握する。そういう冷静な判断をしなければいけないと思います」
   ・   ・   ・   
 9月29日 MicrosoftStartニュース 政経フォーカス「「現在、日本は挑発者ではない」台湾代表が中国に反論 第2次大戦の“対日共闘”巡り
 深瀬 真紀
 「当時、中国共産党政権は存在せず…日本軍とは小規模なゲリラ戦」
 「現在の挑発者は中国、日本ではない」
 兪大㵢(アレクサンダー・ユー)駐米台北経済文化代表処代表(駐米台湾大使に相当)は、第2次世界大戦当時、米国とともに日本と戦ったのは中国共産党ではなく中華民国政府だったとして、中国が関連する歴史を歪曲していると主張した。
 兪代表は27日(現地時間)、CBSの報道番組「フェイス・ザ・ネーション」に出演し、このように述べた。
 兪代表は、ドナルド・トランプ米大統領が米国人で構成された義勇航空部隊「フライング・タイガース(飛虎隊)」の歴史的な活躍に言及した一方、習近平中国国家主席は第2次世界大戦当時、中国共産党が日本軍と戦ったことを強調しようとしたと指摘。その上で「それは事実ではない」と主張した。
 兪代表は当時の写真を示しながら、「フライング・タイガースの戦闘機にはわれわれ(台湾)の旗が使われ、機体にはわれわれの国章が描かれていた」と説明した。
 さらに、「中国共産党政権は1949年以前には存在していなかった」とし、「中国共産党軍は第2次世界大戦当時、日本軍を相手に小規模なゲリラ戦を行っただけだ」と主張した。
 兪代表は「トランプ大統領が述べたように、米国と中国は戦争で勇敢にともに戦った。しかし、当時米国とともに戦ったのは中華民国政府であり、習近平氏ではない」と述べ、「この問題を客観的に見る必要がある」と語った。
 また、「1949年以降、中国軍は朝鮮戦争で米国と戦い、米軍に死者を出した」と述べ、関連する歴史を客観的かつ正確に捉えるべきだと強調した。
 兪代表はさらに、中国が現在、米中両国は「新たな軍国主義」に対抗すべきだと主張して日本を暗に指し、フィリピンや台湾まで挑発勢力として位置付けているのは事実の歪曲だと批判した。
 その上で、「現在、攻撃的な行動を取っているのは中国だ」とし、「アジア太平洋地域の第1列島線で緊張を生み出している当事者は中国だ」と主張した。
 続けて、「中国は米国による台湾への武器売却を問題視し、米国と同盟国の関係を引き裂こうとしている」と述べ、「現在、日本は挑発者ではない」と強調した。
 兪代表は、米中首脳会談と台湾問題についても、米国の対台湾政策に変化はないとの見方を示した。
 「多くの人が台湾について言及するのを聞いた。トランプ大統領も台湾に関する質問に答える中で言及したが、台湾は米中首脳会談で協議された議題ではない」と述べた。
 さらに、「実際、双方が発表した会談の結果文書にも台湾への言及はなかった」と説明した。
 兪代表は、中国側が台湾問題を根本的な問題と位置付けている一方、米国側はこれに呼応しなかったとして、米国の台湾に対する立場に変化はないと強調した。
   ・   ・   ・   
 9月28日 Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE「【ヤフコメで話題】「第二次大戦の『中国』は中華民国」「歴史認識の曖昧さに台湾側の反発」 - 米中首脳発言と台湾の立場を巡る議論
 第二次世界大戦時の『中国』の位置づけや、米中首脳発言における歴史認識について、Yahoo!ニュースのコメント欄で話題になっています。
 コメントでは、戦時中にアメリカと共に日本と戦ったのは中華民国(現在の台湾政府)であり、中華人民共和国は戦後に成立した国であるという指摘が複数見られます。米中首脳会談で『中国は米国の同盟国だった』とされたことに対し、台湾側からは『その中国は中華民国のことではないか』という声や、歴史が都合よく塗り替えられているとの懸念が示されています。
また、米国や中国が現在の国際関係や外交上の都合で歴史認識を曖昧にしているのではないかという意見や、台湾の立場や歴史的事実を正しく伝える必要性を訴える声もあります。
 みんなの反応
 - 米中首脳発言の歴史認識に違和感を覚え、台湾の立場が軽視されていると感じます。
 - 第二次大戦時の中国は中華民国だったという事実を、国際社会がもっと意識すべきだと思います。
 - 歴史が外交の都合で曖昧にされることに、台湾や日本が危機感を持つのは当然だと感じました。
――――
 この記事は、投稿されたコメント情報をもとにAIが作成しています。 参照したコメント情報は、【関連記事】内の「『中華民国』についてのみんなの反応」をご覧ください。
   ・   ・   ・   
 9月29日 MicrosoftStartニュース FNNプライムオンライン「高市総理の「旧敵国条項」早期削除に反発 中国は「現在も極めて重要」と主張 北朝鮮「日本は依然として敵国」 国連総会で答弁権行使
 © FNNプライムオンライン
 日本が削除を求めている国連憲章の「旧敵国条項」をめぐり、中国は国連総会で改めて削除に反対する立場を示しました。
 北朝鮮も日本の削除要求を強く批判しました。
 国連総会の一般討論は28日に最終日を迎え、すべての演説が終わったあと、各国が相手国の発言に反論する「答弁権」を行使しました。
 中国は高市総理が22日の演説で「旧敵国条項」の早期削除を求めたことに反発。
 この条項について、軍国主義が再び国際平和と安全を脅かすことを防ぐための重要な制度だとして、「現在も極めて重要だ」と主張しました。
 さらに、日本が再軍備を進めているとし、「地域と世界の平和と安定への現実の脅威だ」と強く批判しました。
 北朝鮮も「日本は国連憲章上、依然として敵国だ」と主張し、条項の削除要求を「恥ずべきことでばかげている」と批判しました。
 関連記事
 岩屋前外務大臣が中国・王毅外相と会談 台湾巡る「誤った言動の是正」の要求に「両国関係が原点に立ち返るようにしたい」
 せっかく政権交代の機運が盛り上がっているのに、やはりこの人の一言がすべてをぶち壊す
   ・   ・   ・   
 9月29日 MicrosoftStartニュース 読売新聞「中国外相、日中関係の正常化に向け高市首相の国会答弁「是正」が必要との認識示す…岩屋前外相と会談
 【北京=東慶一郎】中国の 王毅(ワンイー) 外相(共産党政治局員)が28日、日本国際貿易促進協会(国貿促)会長として北京を訪問中の岩屋毅前外相と会談した。中国外務省によると、王氏は、日中関係の正常化のため、昨年11月の台湾有事を巡る高市首相の国会答弁の「是正」が必要との認識を示した。
 岩屋前外相(左)と中国の王毅外相(28日、北京で)=中国外務省ホームページから
 © 読売新聞
 この答弁で日中関係が冷え込んで以降、中国政府が外交トップの王氏と日本の政治家との会談を発表するのは初めて。
 王氏は、来年が日中国交正常化55周年にあたることに触れ、「現在の中日関係は厳しい局面にあり、再び正常化を実現する必要がある」と強調した。その上で「日本側にとって急務なのは、自国の指導者の台湾問題での誤った発言を早急に是正することだ」と述べた。歴史問題でも「正しい態度」を取るよう求めた。
 中国側によると、岩屋氏は「日本は過去の教訓を忘れるべきでなく、政治家は日本が平和的発展の道を歩み続けるよう努めなければならない」と応じた。
 ◇
 木原官房長官は29日午前の記者会見で、岩屋氏と王氏の会談に関連し、「懸案や意見の相違があるからこそ、日中間の幅広い分野で重層的な意思疎通を行っていくことが重要だ」と指摘。王氏が高市氏の国会答弁の是正を求めたことについては、岩屋氏が国貿促会長として訪中したことを踏まえ「民間経済団体の動向であり、政府としてのコメントは控える」と述べた。
 関連するビデオ: 岩屋氏×王毅氏会談 日本政府の反応は 日中関係改善の糸口に? (日テレNEWS NNN)
   ・   ・   ・   
 9月29日 MicrosoftStartニュース 毎日新聞「中国の王毅外相が関係正常化の条件を提示 岩屋前外相との会談で
 中国の王毅外相=北京市内で2026年3月8日午前10時半ごろ、河津啓介撮影
 中国外務省は28日、王毅外相が同日、北京市内で、日本国際貿易促進協会(国貿促)の会長を務める岩屋毅前外相と会談したと発表した。悪化する日中関係を正常化する条件として、王氏は「差し迫った課題は、日本の指導者が台湾問題での誤った言動を速やかに是正することだ」と述べ、高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁を改めて問題視した。
 中国外務省によると、王氏は「現在、中日関係は再び難しい局面に直面しており、正常化を実現する必要がある」と指摘。そのうえで、岩屋氏らに対して「日本が正しい選択をし、合格点の答案を提出できるように、国貿促や有識者が後押しすることを期待する」と述べた。
 国貿促は日中間の経済・貿易交流の窓口団体。6月に死去した河野洋平元衆院議長の後任として岩屋氏が会長に就任して初訪中していた。【北京・河津啓介】
 関連するビデオ: 岩屋氏×王毅氏会談 日本政府の反応は 日中関係改善の糸口に? (日テレNEWS NNN)
   ・   ・   ・   
 9月29日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「「日本側がまず改めよ」…中国の王毅氏が日本に突きつけた“要求”とは
 有馬侑之介
 中国の王毅外相は、岩屋毅元外務大臣と会談し、高市早苗首相の台湾を巡る発言を速やかに是正するよう求めた。日中関係が悪化して以降、中国の外交トップと日本の政治家との会談が公式に発表されたのは初めてだ。
 29日、中国外交部や日本メディアによると、王外相は前日、中国・北京で日本国際貿易促進協会の会長として訪中した岩屋元外務大臣と会談したという。会談は人民大会堂で約1時間行われたと協会側は伝えた。岩屋外相は日本企業の関係者らとともに27日から4日間の日程で中国を訪問している。
 王外相は会談で「現在の日中関係は再び厳しい局面に直面しており、改めて正常化を実現する必要がある」とし、「日本側にとって喫緊の課題は、日本の指導者による台湾問題を巡る誤った言動を速やかに是正することだ」と述べた。昨年11月の高市首相による台湾有事を巡る国会答弁を念頭に置いた発言だ。
 さらに王外相は、歴史問題に対する日本の姿勢についても問題視した。中国は高市政権への批判を続ける一方、経済交流を担う日本の民間団体との接触は公式に発表した。中国が対話相手を選別しながら日本の政財界に働きかけると同時に、高市政権に圧力をかける狙いがあるとの見方が出ている。
 中国外交部の発表によると、岩屋元外務大臣は「現在の日中関係を憂慮している」とし、同協会の前会長である河野洋平前衆院議長の遺志を継ぎ、両国関係の改善に取り組む考えを示したという。日本国際貿易促進協会は、中国との貿易・経済交流に取り組む団体だ。代表団は当初、6月に訪中する予定だったが、当時会長を務めていた河野氏が死去したため、日程を延期していた。
   ・   ・   ・   
 9月29日 MicrosoftStartニュース 読売新聞「岩屋前外相と会談した何立峰副首相、日中関係悪化の原因は「台湾問題で中国の譲れない一線に挑んだこと」
 29日、北京の人民大会堂で、中国の何立峰副首相(右)と会談する日本国際貿易促進協会会長の岩屋毅前外相=代表撮影
 © 読売新聞
 【北京=東慶一郎】中国を訪問中の日本国際貿易促進協会(国貿促)の岩屋毅会長(前外相)らは29日、北京の人民大会堂で、中国の 何立峰(フォーリーフォン) 副首相(共産党政治局員)と会談した。何氏は、日中関係悪化の原因について「一部の日本の政治家が軍国主義を正当化し、台湾問題で中国の譲れない一線に挑んだこと」だと主張した。
 何氏は「誤った言論の後の困難や矛盾は克服できる」とも述べ、経済・貿易分野での協力を促進したい考えを示した。関係者によると、岩屋氏はレアアース(希土類)を含むデュアルユース(軍民両用)製品の輸出規制や邦人の安全確保について対応を求めた。
 岩屋氏らは28日には 王毅(ワンイー) 外相(党政治局員)とも会談した。昨年11月の台湾有事を巡る高市首相の国会答弁以降、共産党指導部メンバーが日本の政治家と公式に会談するのは初めて。 習近平(シージンピン) 政権として、友好団体を優遇して高市政権を揺さぶる狙いもあるとみられる。
 中国外務省によると、王氏は会談で、「中日関係は厳しい局面にあり、正常化を実現する必要がある」と強調した。その上で「日本側にとって急務なのは、自国指導者の台湾問題での誤った発言を早急に是正することだ」と述べた。
 関連するビデオ: 岩屋氏×王毅氏会談 日本政府の反応は 日中関係改善の糸口に? (日テレNEWS NNN)
   ・   ・   ・   
 9月29日 MicrosoftStartニュース TBS NEWS「日中国交正常化から54年 中国外務省「誤った言動を速やかに改める必要がある」
 © TBS NEWS DIG
 日本と中国の国交正常化から54年となった29日、中国外務省の報道官は、高市総理の台湾有事をめぐる国会答弁を念頭に「誤った言動を速やかに改める必要がある」と訴えました。
 中国外務省 郭嘉昆 報道官
 「半世紀以上が経過した今日、中日関係は再び厳しい局面を迎えており、その根源は両国関係の政治的基礎が深刻に破壊されたことにある」
 中国外務省の郭嘉昆報道官は29日の会見でこのように述べたうえで、高市総理の台湾有事をめぐる国会答弁などを念頭に「中日国交正常化の初心と日本が中国に対して行った政治的約束に背いている」と主張。
 「日本にとって差し迫っていることは、自国の指導者による台湾問題をめぐる誤った言動を速やかに改めることだ」と訴えました。
   ・   ・   ・   
 9月27日 MicrosoftStartニュース TBS NEWS「ロシア外相 「日本とドイツは軍国主義の道歩んでいる」常任理事国入りに反対 国連総会で演説
 © TBS NEWS DIG
 ロシアの外相がニューヨークの国連本部で演説し、安全保障理事会の改革をめぐり、日本とドイツの常任理事国入りに反対しました。
 ロシアのラブロフ外相は26日、国連総会の一般討論演説で、日本とドイツについて「軍国主義と報復主義の道を歩んでいる」と批判。
 その上で、安全保障理事会の改革において「西側諸国に追加の議席を割り当てるべきではない」と述べ、常任理事国入りに反対する立場を強調しました。
 一方で、アジアやアフリカ、ラテンアメリカの代表権拡大には賛成するとし、ブラジルとインドの立候補に支持を表明しています。
 関連するビデオ: ロシア・ラブロフ外相 日本の常任理事国入り認めてはならない 国連総会で演説 (日テレNEWS NNN)
   ・   ・   ・  
 9月27日 YAHOO!JAPANニュース 読売新聞オンライン「露外相、日本とドイツの安保理常任理事国入りに反対方針…「軍国主義の道を歩んでいる」
 セルゲイ・ラブロフ外相(26日)=ロイター
 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は26日、国連総会の一般討論演説で、国連安全保障理事会改革をめぐり、日本とドイツが「軍国主義の道を歩んでいる」として、両国が目指す安保理常任理事国入りに反対する方針を示した。
 【写真】「体格がきゃしゃ」という指摘も…ロシアに派遣された北朝鮮兵とされる映像
 ラブロフ氏は、米英仏露中の5か国で構成する常任理事国について、アジアやアフリカ、南米にも拡大する必要性を指摘し、ブラジルとインドの常任理事国入りを支持する意向も示した。
 ロシアによるウクライナ侵略を巡っては、兵器を供給するなどしてウクライナを支援する欧州諸国に対し、「平和的解決を妨げ、交渉を台無しにするためあらゆることを行っている」と非難した。
 【関連記事】
 ロシア軍事ブロガー「恐れていたことが、ついに起こった」
  ロシアは「日本を主権国家として見ていない」…慶大教授「日本が攻められた可能性も否定できず」
 北海道と北方領土つなぐ海底通信ケーブル、ついに発見
 首相国連演説 安保理改革の具体案を示せ
   ・   ・   ・   
 9月29日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「「日本は認めない」ロシアが国連で“名指し拒否”…安保理改革で見えた“意外な線引き”
 梶原圭介
 政府は、国連安全保障理事会の常任理事国入りを巡るロシア側の批判について反論した。
 28日、日本経済新聞などによると、木原稔官房長官は同日の記者会見で、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣の発言について「事実と異なる」と指摘し、日本が国連総会で答弁権を行使して立場を明らかにしたという。
 ラブロフ外務大臣は26日(現地時間)、米ニューヨークで行った国連総会の演説で安保理改革に言及した。
 ラブロフ氏は、西側諸国はすでに過剰に代表されていると主張し、日本とドイツに新たな常任理事国の議席を与えるべきではないとの考えを示した。
 ロシア側は、日本とドイツについて「軍事化と報復主義の道を進んでいる」と主張した。一方で、ブラジルとインドを支持し、アフリカの代表性を拡大すべきだとの立場を示した。政府側は演説後、発言権を行使して反論した。
 御巫智洋国連次席大使は、日本について「平和国家」であると強調し、「自由、民主主義、基本的人権は、日本のあらゆる決定と行動を支える揺るぎない基盤だ」と述べた。
 木原官房長官も、日本は戦後、自由や民主主義、法の支配を重視し、世界の平和と繁栄に貢献してきたとの立場を示した。
 今回の対立の背景には、安保理改革を巡る議席拡大問題がある。
 日本はドイツ、ブラジル、インドと「G4」を構成し、常任理事国と非常任理事国の双方を増やす安保理改革を求めてきた。
 4カ国の外務大臣は22日、ニューヨークで会談し、アフリカやアジア太平洋地域などの代表性も高めるべきだとする共同声明を発表した。
 ロシアは同じG4の中でも、ブラジルとインドを支持する一方、日本とドイツの常任理事国入りには反対している。
 日本はこれまで、安保理の非常任理事国を12回務めている。木原官房長官は「国際社会の幅広い関係国と連携しながら、安保理改革の実現に向けて粘り強く取り組んでいく」と述べた。
   ・   ・   ・   
 9月29日 YAHOO!JAPANニュース テレビ朝日系(ANN)「ロシア「日本の政権信頼に値せず」 外務省高官が米軍持ち込みのミサイルめぐり批判
 ロシア外務省の高官が「日本の政権は信頼に値しない」と日本にアメリカ軍が持ち込んだミサイルシステムをめぐり批判しました。
 ロシアの新聞「イズベスチヤ」は28日、「ロシアは日本の約束を信じていない」などとする記事を掲載し、アメリカ軍が6月から続く演習で鹿児島県に展開した中距離ミサイルシステム「タイフォン」について報じました。
 この中でロシア外務省のルデンコ次官は「日本は演習が終われば撤去を約束したが、いまの日本の政権は信頼に値しない」などと述べ「約束が無視されるなら対抗すると警告した」と明らかにしました。
 ロシア政府は今月3日に日本側に撤去を求める文書を送って以降、批判を繰り返しています。
 一方、防衛省は25日、「タイフォン」が来月にも沖縄県のアメリカ軍嘉手納基地に移され、保管されると発表しています。
   ・   ・   ・   
 9月28日 YAHOO!JAPANニュース 選挙ドットコム「日本はいまだ”敵国”なのか?国連憲章に残る条項と削除を要求してきた歴史を今野忍記者が解説
 日本はいまだ”敵国”なのか?国連憲章に残る条項と削除を要求してきた歴史を今野忍記者が解説
 2026年9月25日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、9月22日(現地時間)の国連総会での高市早苗総理が行った一般討論演説の中で言及した国連憲章の「旧敵国条項」の削除について、政治ジャーナリストの今野忍記者が解説!MC期日前氏も驚いた戦後から続く歴史的な経緯とは?
 旧敵国条項とは?
 今野記者:9月22日に高市総理の日中首脳会談と米中首脳会談がありましたね。特に何か大きく決めるわけではなく、日米会談は米中会談の前に台湾問題などで中国に寄り添いすぎないよう、高市総理からトランプさんに吹き込むための会談でした。
 米中会談は台湾問題などのオンゴーイングなものを現状維持でいきましょうということを確認するもので、結果はまだ全て出てきていませんが台湾への武器輸出の話などもおそらくこのまま進めない方向です。トランプさんも中間選挙までに中国と揉めたくないし、中国もアメリカと揉めたくない。どちらも揉めたくないので現状維持のまま11月・12月の会談に臨むという結果でした。
 その前に行われたのが国連総会です。これは何かと言うと、年に1回行われ、今年で70回目くらいになります。日本の総理で国連演説でここまでハッキリと言った人は、僕も限られた時間の中で調べてみた範囲では過去にあまりいないと思います。
 国連(United Nations)とはそもそも後から作られた「国際連合」ではなく、第二次世界大戦の「連合国」なんですよ。連合国と敵対した国という表記だと気まずいので、日本の外務省が「国際連合」という訳を当てたんです。
 MC期日前氏:本来は敵だった方が名前を変えて、中に入っている。
 今野記者:そうです。英語では「United Nations」で、第二次世界大戦の連合国そのものの名称です。日本語で「国際連合」と訳したことで別物に見えますが、全く一緒です。一緒ということは、戦勝国側の軍事的な集まりがベースにあるため、国連憲章には「敵国条項」が残っているんです。53条、77条、107条と3つありますが、特に有名なのが53条です。
 敵国とは簡単に言えば日本、ドイツ、イタリアなどの旧枢軸国やハンガリー、フィンランドなどです。憲章内に具体的に国名が書いてあるわけではありません。
 MC期日前氏:具体的に名指しされているわけではないんですね。
 今野記者:第二次世界大戦で連合国の敵だった国、という意味です。日本やドイツは該当してしまいますが、直接国名が書かれているわけではありません。
 MC期日前氏:それでも怖いですよね。安保理の許可なしで再び武力行使していいというルールがあるということですか?
 今野記者:そうです。例えるなら、マンションで70年前に問題を起こした住民に対して「理事会の決議なしで追い出していい」という特約が残っているようなものです。
 戦争はどちらから見るかですから、向こうから見たら問題だったとしても、僕らから見たら正当な抗議活動だったということもあります。この70年間マンションの管理費を払い続けてきたのは誰なんだという話ですよ。日本は世界2位や3位の分担金を払い、戦争もせず模範的な住民だったのに、「気に入らなければ追い出す」という特約が残っているのはおかしいですよね。時代遅れですよね。
 MC期日前氏:日本目線で行くと、確かにそうですね。
 今野記者:国連もそれは分かっていて、経緯を話すと1995年の国連総会で155対0で「敵国条項を削除しよう」と合意され、2005年にも首脳レベルで削除が決意されました。
 しかし、2025年秋に中国が高市総理の「台湾有事」に関する発言(存立危機事態になりうるという趣旨)を捉えて、台湾に日本が再び侵略してくるのかと誤解をして対日牽制を持ち出してきたわけです。
 敵国条項を消すには加盟国の3分の2以上の批准と、常任理事国5カ国(米・英・仏・中・ロ)すべての批准が必要で、1カ国でも反対すれば止まってしまうという非常に高いハードルがあります。
 MC期日前氏:3分の2よりも常任理事国の5カ国の方が基本一致しないですよね。
 今野記者:除を決意した時点で現在は死文化しているから放っておけという意見もありますが、中国がことあるごとにこの条項を持ち出して牽制してくる以上、日本から見るとまだ生きている条項と言えます。
 今野記者:今は厳しくなっちゃったよね。1995年の段階で一気に進めるべきだったのかもしれません。削除を決意した時点で現在は死文化しているから放っておけという意見もありますが、中国がことあるごとにこの条項を持ち出して牽制してくる以上、日本から見るとまだ生きている条項と言えます。
 高市総理の全てを評価するわけではありませんが、高市総理がこのタイミングで完全な死文化を訴えたことには非常に意味があると思います。国連改革(常任理事国・非常任理事国の拡大など)の一環としてスピーチしています。(中略)(国際政治学者の)東野篤子先生もブログで「高市政権の思いつきではなく、日本が数十年求めてきた課題だ」と書かれていましたが、まさにその通りで、歴代総理が毎年訴えてこなかったことこそが問題だったと言えます。
 強いて言えば、同じく敵国条項に該当するドイツ、イタリア、フィンランド、ハンガリーなどと事前に根回しをし、連携すべきだったと思います。敵国条項に該当する国が連名で訴え出ればより効果的だったと思います。
 【関連記事】
 日本はいまだ”敵国”なのか?国連憲章に残る条項と削除を要求してきた歴史を今野忍記者が解説
 ICC制裁をめぐる日本側の「戦略」とは!?日米首脳会談の成果と今後の注目ポイントを毎日・田中裕之記者が解説
 中道分裂で野党支持率は群雄割拠状態に!内閣支持回復の要因は?2026年9月電話×ネットハイブリッド調査【JX米重克洋氏解説】
 高市総理流「アンケート人事」の肝は?朝日新聞の林尚行記者が三つのポイントを解説
   ・   ・   ・   
 9月28日 YAHOO!JAPANニュース 文化放送ニュース「「ちゃんと書いてよ、新聞記事で」米中首脳会談報道に経済評論家が物申す
 9月28日(月) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~8時00分)が放送され、月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と米中首脳会談について意見を交わした。
 全体を通してご覧いただくことをお勧めしたい
 寺島「アメリカのホワイトハウスは25日、ワシントンで行われた米中首脳会談の合意事項をまとめたファクトシートを公表しました。AIをめぐる対話枠組みの創設のほか、アメリカと中国の両国が第二次世界大戦で同盟国として戦った歴史を明記しました。中国が重視する台湾問題には文書では触れませんでした。週末、米中首脳会談、今回の会談ですが上念さん、こちらどうご覧になってますか?」
 上念「日本の新聞は言葉尻とか捉えて「同盟国って書いた」とか、そんなことばっか言ってるんですけど、ちょっと全体を通してご覧いただくことをお勧めしたいなと。ざっくり言うと米中首脳会談の前に日米首脳会談がありました。終わったらすぐトランプさんから電話がかかってきて「こんな内容を話しといたんで」と「段取り、大丈夫ね」と「打ち合わせ通りね」みたいな電話までいただきました」
 寺島「日米でね、電話会談」
 上念「どんだけ丁寧な営業マンですかと。今時、三越の外商さんぐらいですよ、そこまでやってくれるの」
 寺島「そうですか(笑)」
 上念「いやもう、アメリカ、丁寧にやってくれてありがとうございます、みたいな話なんですけど。この流れを見るだけで、もう自明でしょと。さらに晩餐会でレ・ミゼラブルの歌が流れ、台湾のテレサ・テンさんの歌も流れてね。それから中国の胡錦濤時代を懐かしむ、あの頃は良かったなみたいな歌が流れたりとかしてね。習近平はレ・ミゼラブルの歌知らなかったみたいで思わず拍手しちゃうんですけど、それ、民衆が立ち上がる前夜の歌だぜ、みたいな。そういう皮肉の効いたこともやらかしね。合意文書の中身を見てみると、これは元産経新聞の北京支局長だった矢板明夫さんがいみじくもツイッター、Xに書かれてるんですけど、アメリカはだからメンツをあげたと。習近平に」
 寺島「はあ、なるほど」
 上念「中身取りましたと。中身って何かというと、土・豆・泥・飛行機。これ、4つ取りましたと。土はレアアースね。豆は大豆、買わせる。泥はフェンタニルの規制ね。飛行機はボーイング。でもこれも、実は前に会った時に約束してたやつをまだやってないのみたいな話なんですけど。もう一回、そこはネジ巻きましたと。逆にメンツを与えるっていうのはコストゼロですよね。「いやー、習近平さん素晴らしいですね」全部言葉ですから」
 寺島「あと迎えに行ってね、基地までね」
 上念「それから、第二次大戦、同盟国として戦ったって言うんですけど、その時に存在してなかった国がありますよね。中華人民共和国、略してPRC。だからチャイナって書いてあるけど、PRCって書いてないじゃん。(笑)ファクトシート見たんですけど、A4で2ページぐらいあるんですよ。その中で1行だけ戦ったってことを思い出して話しましたって書いたんですよ。しかもそれはチャイナでPRCじゃないんですよ。その2行目に、戦後はずっとアメリカ軍が戦力を前方展開したことによって――これ要は米軍基地のことですけどね、日本にある――自由で開かれたインド太平洋ができて、それでアメリカ発展してきたんだって書いてあって。自由で開かれたインド太平洋って誰の言葉?安倍さんの言葉ですよね。そういうのをちゃんと書いてよ、新聞記事で。なんで一介の経済評論家のオレが、そんなこと解説しなきゃいけないんだって思ったんですけど、何なんでしょうね」
   ・   ・   ・   
 9月30日 MicrosoftStartニュース 産経新聞「中国は旧敵国条項で日本を攻撃できるか 国際法学者・浅田氏「軍事行動の根拠にならない」
 同志社大の浅田正彦教授(本人提供)
 © 産経新聞
 高市早苗首相が国連総会で早急な削除を求めた国連憲章の「旧敵国条項」。中国は昨年11月、日本に対し、安全保障理事会の許可を得ずに直接軍事行動を取る権利を国連憲章が認めていると主張した。旧敵国条項に法的拘束力は残っているのか。国際法学者の浅田正彦・同志社大教授に聞いた。
──旧敵国条項は一般に「死文化している」と説明されるが、条文は残っている。法的拘束力はあるのか
 「条文が残っているからといって、国連憲章の他の規定とまったく同じ法的拘束力があるとはいえない。条約が残っていても、長期間にわたって適用されず、当事国も適用しないものとして扱っている場合に、その条約が実質的な効力を失う『廃用』という考え方がある。条約の個々の規定についても同様の考え方が当てはまりうる」
 「さらに、1995年に国連総会が旧敵国条項を『時代遅れ』であるとして、削除する意図を表明する決議を採択し、2005年の国連60周年首脳会合の成果文書では削除すると『決意』した。中国は95年の決議に賛成投票しているし、05年の成果文書はコンセンサスで採択されている。中国もその合意に加わっている。この意味は非常に重い」
──では、中国が旧敵国条項を根拠に日本への軍事行動が可能だとする主張は、間違いなのか
 「100%間違いだというのは、法律家としてはなかなかいえない。条文そのものが形式的に残っている。99%間違っていても、実際に規定がある。ただ、規定が残っていることと、現在もその規定をそのまま適用できることは別の問題だ」
 中国単独の軍事行動「根拠にならない」
──中国大使館は昨年11月、日本が再び侵略政策を取った場合、中国などには安保理の許可を得ずに直接軍事行動を取る権利があるとの趣旨をX(旧ツイッター)に投稿した。この解釈は成り立つのか
 「そこには非常に問題がある。国連憲章は武力行使を原則として禁止している。53条の敵国条項だけを取り出して、現在の国際社会で中国が日本に対して自由に武力行使できるという話にはならない。武力行使禁止規則の発展が、旧敵国条項を上書きしたという『後法優先』の考え方もありうる」
──53条には、安保理の許可を必要としない例外がある
 「53条は、第二次大戦の旧敵国が再び侵略する事態に備えたもので、地域的取極による措置という限定もある。しかも、国連が侵略防止に責任を負うまでという戦後の過渡的な規定だ。国連発足80年後に適用できるような規定ではない。現在も中国が単独で日本に直接軍事行動を取れるという根拠にはならない」
 日本は「平和愛好国」として加盟
──そもそも現在の日本を「敵国」として扱えるのか
 「国連憲章では、国連に加盟できるのは『平和愛好国』とされている。日本は1956年に国連加盟を認められた。安保理と国連総会の双方が全会一致で『平和愛好国』と認めた。その国をいつまでも旧敵国として扱うというのは整合しない」
 「国連憲章には加盟国の『主権平等』という原則もある。国連加盟後も、一部の加盟国だけを旧敵国として二級の加盟国のように扱い続けるのは、主権平等との関係でも問題になる」
──日本は53条の解釈を正面から主張すべきか
 「そこは注意した方がいい。53条の細かな解釈に入り込みすぎると、逆に現在も有効であることを前提に議論しているようにも見えてしまう」
──では、どう反論するのが適切か
 「まず、旧敵国条項は95年、05年の国際社会の合意によって時代遅れとされ、削除することが決意されており、死文化しているということだ。これが大前提である。その上で、仮に53条が現在も適用できるとしても、中国のいうような武力行使が認められる規定ではない、という議論もできる」
──「死文化している」という表現自体は、法律的にも適切なのか
 「いいと思う。私自身、国際法の教科書で旧敵国条項について『死文化している』という表現を使っている」
 高市首相の削除要求「自然な対応」
──高市首相は国連総会で、旧敵国条項は日本の「誇りと名誉」に関わるとして早急な削除を求めた
 「削除を求めること自体はいいと思う。条文として残っている以上、自然な対応だ。これまでは死文化しているのだから、わざわざ問題にする必要はないという考え方もあったと思う。しかし、中国が実際に持ち出してきた。そういう状況で日本が黙っているのは良くない」
──実際の条文削除には国連憲章の改正が必要になる
 「簡単ではない。国連憲章の改正には安保理のすべての常任理事国の批准が必要であり、中国やロシアの対応からして、極めて困難である。さらに、多くの国にとって、旧敵国条項はすでに死文化しているとの認識だろう。そういう国々にとって、旧敵国条項削除のためだけに憲章改正を優先課題にする動機はそれほど強くない」
 新決議やICJ活用にはリスク
──条文削除とは別に、新たな国連総会決議や国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見を活用する考えもある
 「そこは少し慎重に考えた方がいい。新しい決議を出して中国が反対すれば、05年にはコンセンサスだったものが後退したように見える可能性もある。05年の合意は、旧敵国条項を巡る国際社会の最新のコンセンサスだ。それを生かす方がいいのではないか」
 「ICJについても、旧敵国条項が現在も法的に有効なのかという議論が始まり、中国はもちろん、中国の友好国などから、まだ生きているという主張が出てくる可能性もある。マルチの場に持ち込むことにはリスクがある」
──日本は何をすべきか
 「まず日本として、なぜ旧敵国条項が現在は『死文化』しているのか、法的な議論をきちんと整理することだ。95年の決議、05年の成果文書、中国自身がそれに賛成、同意していること、日本が『平和愛好国』として国連加盟を認められたこと、主権平等の原則、武力行使禁止との関係。そうした法的な論拠を整理して国際社会に示し、各国に理解を求めていく。マルチの場では、不適切な発言に対しては適宜に反論権を行使して反論することが重要であるが、二国間でも一国一国に丁寧に説明していくことが重要だ」
 「日本は少し遠慮しすぎる」
──高市首相の削除要求には「寝た子を起こす」との見方もある
 「そうは思わない。中国が実際に持ち出している以上、日本が何も言わないというのはおかしい。削除を求めたからといって、すぐに削除できるわけではないが、日本の立場を明確にする意味はある」
──中国をさらに刺激する可能性はないか
 「だからといって黙っているという話にはならないと思う。中国が言っていることに法的な問題があるのであれば、日本はその問題をきちんと指摘すればいい」
──日本外交に求められる姿勢は
 「日本は少し遠慮しすぎるところがある。国益に直接関係する問題については、おかしいものはおかしいと言って何が悪いのか。言うべきことは、きちんと言った方がいいと思う」
 (聞き手・奥原慎平)
 ◇
 【プロフィル】浅田正彦(あさだ・まさひこ)氏 同志社大教授、京都大名誉教授。京都大から博士(法学)。専門は国際法。京都大大学院修了後、岡山大教授、京都大教授などを歴任し、2021年から同志社大教授。国連安全保障理事会の北朝鮮制裁専門家パネル委員、国際法学会代表理事などを歴任。21年の国連総会で国連国際法委員会(ILC)委員に選出され、23年から委員を務める。
 日中「旧敵国条項」で応酬 国連総会一般討論
   ・   ・   ・   

🪗59:─1─なぜリベラル・左派は若者や貧困者の支持を失い弱体化したのか。~No.184No.185 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 保守対リベラル・左派。
 保守と右翼・右派は違う。
   ・   ・   ・  
 飯山陽「かつてのリベラルは自国の貧困層などを守る政策を提示することで支持を得ていました。ところが、今のリベラルは違います。貧困層より外国人を優遇する。外国人を入れることが自国に利益になるというわけです。そのために、貧困層はリベラルを支持しなくなった。自分たちの利益を代弁してくれないから当然です。今や保守のほうが貧困層を守る側に立っています」
   ・   ・   ・   
 2026年9月25日 YAHOO!JAPANニュース ABEMA TIMES「「話が長い」「上から目線」…日本のリベラルは嫌われる? 政治学者が指摘する“弱者憑依”とは?「“自分こそが代弁者”のスタンスに違和感」
 日本のリベラルは再び共感を得られるようになるのか
 沖縄県知事選挙で今月、12年ぶりに保守系の知事が誕生した。約15万票という大差で敗れた玉城デニー氏は選挙結果を受け止めるとしながらも「政府の圧力に対して、どう立ち向かっていくか、これからの動きだと思います」と述べた。玉城氏を強く支援した共産党の田村委員長は「高市政権が玉城デニー体制を転覆するためにはどんな手でも使うという姿勢で官邸と自民党がこの選挙に介入した」と発言。これに対しSNS上では「負けたら政府やSNSのせいってそれでいいの?」「違う意見を聞かない姿勢がリベラル離れにつながっているのでは」といった批判の声が広がった。
 【映像】「分析対象にされた」慶應女子が語ったリベラルへの“違和感”
 一方、リベラルを自負する慶應義塾大学の学生・白坂リサ氏が保守的な論調で知られる雑誌『WiLL』を購入し「考え方は違えど興味深い、ワクワクする面白さがあった」とX(旧ツイッター)に投稿したところ、同じリベラル層から批判を受けるという出来事も起き、話題となった。
 本来、寛容や自由を掲げてきたリベラルはなぜ今、「対話できない」と批判されるのか。そして、なぜ選挙でまとまれないのか。『ABEMA Prime』では、日本のリベラルの現状とその行方について考えた。
■「分析対象にされた」——白坂氏が語る批判への違和感
 白坂氏は『WiLL』購入の経緯について、早稲田大学の保守系サークルの前代表・藤井雄太がXに投稿していた文章を読み、共同体の希薄化や現代人の孤独といった問題を保守的な立場から論じていた点に興味を持ったためだと説明する。その藤井氏の原稿が同誌7月号に掲載されていたことを知り、初めて購入したという。
 するとリベラル系論客から「右傾化するリベラル学生」の例として取り上げられ、「思想的変遷を博士論文で分析したら面白いのでは」とコメントされたほか、「差別煽動を行ってきた右翼雑誌を肯定的に持ち上げるのは良くない」との批判も受けた。
 白坂氏は「分析対象にされたことがまず腹立たしかった。対等に意見してくれるならいいんですけど、上から分析されるというのは納得がいかない。問題意識を共有しているなら、どの雑誌に(寄稿が)載っていてもいいじゃないですか」と述べる。
 一方で、藤井氏の論考については一定の共感も示した。「幼い頃から北朝鮮の核実験や尖閣周辺の衝突事件、東日本大震災、コロナといったものが日常としてあったからこそ、若者の危機管理意識が強くなって、昨今の保守化という現象が起きているんじゃないかという分析は、かなり共感しました」と語る。
 これに対し、東京都立大学大学院で社会学を研究する山下佳也氏は、「WiLLを評価するなんて恥ずかしいと言っている人たちは、仲間を失うのが怖いだけの人たちなので、しょうがない」と一定の理解を示す一方、「白坂さんは最近、共同体の中で然るべき位置にいて、人間関係に恵まれていれば幸せに暮らせるという感じの発信が多い。それ自体がダメとは言いませんが、保守なら保守で保守論客としてやっていけばいいだけで、そんなにリベラルにこだわる必要はないのではないか」と指摘する。
 白坂氏はこれに応じ、「リベラリズムが重視する“個人の意志”というものは、何もないところからは生まれない。経験や関係性、その土地の慣習や様式から生まれてくる。そういう関係性を保障するものが保守的な感性から発生するもので、その自覚的な感性をリベラル的な感性が守るという循環構造があると思い、“保守リベラル宣言”のようなことを言いました。保守とリベラルはそこまで対立概念ではない」と説明する。
 白熱する議論の中で、リベラルは「話が長い」と指摘される場面も。白坂氏は心当たりがあるようなリアクションをとったが、山下氏は「おっしゃる通りだが、リベラルの『話が短くなっている』ことも問題。今、一番話が長いのって石破さん(石破茂・自民党前総裁)とかじゃないですか」と指摘した。
■「弱者憑依」がリベラルを蝕む——白井氏の仮説
 指摘されがちなリベラルの課題
 京都精華大学教員で政治学者の白井聡氏は、日本のリベラルが勢いを失っている背景について独自の分析を展開した。白井氏は「弱者憑依」という言葉を用いて、リベラルが抱える問題を指摘する。
 白井氏は、いわゆる“リベラル”の政治家が市民団体の集会などで「弱者のために頑張ります」と繰り返し訴える姿に、強い違和感を持つようになったという。「それは聴衆に対して『あんたたちは弱者だ』と言っているということじゃないですか。弱い、弱い、だから私のような者が助けてあげる。だから私に一票を入れなさいと言っているわけです。面と向かってお前は弱いんだという発言を、失礼じゃないと感じさせる言い方はないですよ」と述べる。
 さらに「この論理でいくと、弱者が多ければ多いほどいいという話になってしまう。本来政治の役割は、困っている人に手助けをして、強くなってもらうことのはずなのに、弱者を弱者のままに留めておく、あるいは弱者に転げ落ちそうな人にどんどんそうなっていくよう誘導してしまうような政治になってしまう。そのように国民にも見えているから、リベラルが弱くなっているんじゃないか」と分析。さらに白井氏は「自分こそが弱者の代弁者だ」というレトリックを使うことで「お前の主張は強者の論理だ」と相手の主張を退けることができるとして、こうした論法が乱用されているとの見方を示した。
 コラムニストの河崎環氏は、左翼的な活動家の親戚に囲まれて育った自身の経験を踏まえ、「彼らは絶対変わらないから、ある意味では筋は通っている。ただリベラルというふわっとした言葉は、戦後ずっと気分として優等生で、この意見を言っている限りはちゃんとした教育を受けてきた人、みたいな使われ方をしてきたと思う」と語る。経済学者の柿埜真吾氏も「リベラルという言葉自体が、90年代にソ連崩壊で理想をなくした人たちが看板を掛け替える形で使い始めた言葉で、そもそも何なのかがはっきりしなかったことが今の状況の一因」と自身の見方を示した。
■「夢のビジョン」なければまとまれない——再生への道筋
 ニューヨークでは“民主社会主義者”のマムダニ市長が奮闘している
 なぜリベラル・左派系の政党は選挙でまとまらないのか。白井氏は「勝てないから分裂するのか、分裂するから勝てないのかという話で、自民党は損してでもまとまった方が得という発想で固まることができる。一方、権力を持っていない側は分配できる利権が少ないため、勝てないとなると対立が起こりやすく、ますます分裂する」とその背景について自身の見方を示す。
 その上で白井氏は「まとまるためには、勝ったらこうできるんだというビジョンをリアルに想像できなければならない。幕末に薩摩と長州は蛤御門の変で実際に戦争するほどの対立関係だったが、幕府を倒して権力を取れるという展望が見えたから恨みを脇に置けた。今も同じで、いろんな違いや過去のいさかいを水に流せるのは、勝ち筋がリアルに見えた時だと思う」と語る。
 山下氏も「現実を直視するだけでは薩長同盟は組めない。現実を遥かに超えた夢があるからこそ現実を乗り越えられる。現実と夢の両方を取り戻す必要がある」と語った。
 柿埜氏は経済的な観点から「ニューヨーク市長選でマムダニ氏が当選した理由の一つは住宅や物価の問題への訴えだが、彼は同時に規制改革も訴えている。経済と人権は切れているわけではない。財産権は一種の人権とつながっている部分がある。弱者の小さなまとまりを集めるだけではなく、社会全体として夢のあるビジョンを示していかないと勝てない」と指摘する。
 白坂氏は「リベラルは制度や秩序からこぼれ落ちてしまった人を救い上げるというイメージがある。私自身、もともとこぼれ落ちた側の人間だという認識があるので、そういう人を救うという考え方は今も信じているし、そうありたい。保守とリベラルは循環してあるべきだ」と述べた。
 この日MCを務めた松陰寺太勇(ぺこぱ)は「権力を取ることが目的になってしまっていて、どういう日本にしたいのかという旗がないと集まれないと思う。それがまとまれない理由じゃないか」と語り、同じくMCの岸谷蘭丸も「何を成し遂げたいのかという明確な未来が見えないと、批判だけが出尽くして建設的なものが出てこない。何を期待すればいいかが分からない、というのが今の状況なのかな」と締めくくった。
 (『ABEMA Prime』より)
   ・   ・   ・   
 2月18日 朝日新聞「リベラル層にも届かなくなった日本のリベラル 「正論」よりも未来を
 有料記事
 聞き手・上地一姫
 吹き出しアイコン藤田直哉さんら
 専修大学の岡田憲治教授=2026年2月13日、東京都世田谷区、上地一姫撮影
 リベラル勢力の衰退が言われて久しい。衆院選で自民党が圧勝し、「生活者ファースト」をうたった中道改革連合が大敗した理由や背景について、「なぜリベラルは敗(ま)け続けるのか」(集英社インターナショナル)の著者、岡田憲治・専修大教授(政治学)に聞きました。
 【インタビュー連載】この国のゆくえ
 衆院選で高市首相の率いる自民党が圧勝しました。大きな力を得た政権は、数々の分野で「国論を二分する政策」を推し進めようとしています。国のかたちはどう変わるのか。日本はどこに向かうのか。国内外の識者にインタビューします。
――今回の衆院選では、「リベラル政党」が大敗したと評価されています。
 「小選挙区で野党が乱立すれば自然にこうなるのですが、それだけではありません。リベラルと言われる政治家たちは、正論をぶつ、批判ばかりで具体的な提案もしない人たち、と有権者から受け取られてしまった可能性が高いです」
 「私の知る高校生は、中道改革連合の共同代表たちが話している様子をYouTubeで見て、『ないわー』と反応していました。彼らにとって旧立憲議員のイメージは、正しさを押しつける感じの悪い社会科教師。高齢男性だからというわけではなく、女性議員であっても似たイメージだそうです」
 「リベラルが負けた」では見誤る
――そもそもリベラルとは何ですか。
 「本来は、国家よりも個人、伝統よりも新しい価値観を優先し、公正な競争のために適宜市場に介入する政治思想を指します。今回、中道は抽象的な『人間の尊厳の重視』を掲げていましたが、野田佳彦共同代表はリアルに社会が直面する状況を言語化して、具体的に選択肢を示すことができなかった。これまでコアだった支持者に去られ、潜在的なリベラル層の受け皿にもなりませんでした」
――逆に、高市早苗首相はなぜ支持されたのでしょうか。
 「高市氏は国家権威主義的な政治家です。示した政策のすじが正しいかは別として、『大きな決断をしなければいけない』などと言語化して選択肢を示し、リーダーらしさを強調しました。くらしや将来に不安を抱えた人たちには、『はっきり言う』『逃げない』『変えてくれそう』と映ったようです。有権者は、政治家やメディアが思うほど『リベラルか保守か』という観点で政党を判断していないと思います」
 自民党の開票センターで、当選確実になった候補者名に笑顔で花をつける高市早苗首相=2026年2月8日午後9時42分、東京・永田町の党本部
――今回の選挙結果から、「日本社会が右傾化している」と言えるわけではない、と。
 「権威主義的な国家を求める人たちが大勢を占めているわけではないと思っています。たとえば、リベラル寄りの価値観といえる『選択的夫婦別姓の導入』については、各種世論調査でも『賛成』が上回っています。30代、40代の働く女性たちは、家庭のことを全て背負わされるような20世紀のシステムに戻りたいとは思っていない。単純に『リベラルが負けた』というおおざっぱな表現では、今日起こっていることを見誤ります」
 「自民党が316議席もとっ…
 この記事は有料記事です。残り1294文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
   ・   ・   ・   
 2021年9月9日 朝日新聞「寛容になれと不寛容に主張 支持広がらぬリベラル勢力、固定客見誤る
 有料記事
 聞き手・石川智也
 吹き出しアイコン田中俊之さんら
 内閣支持率が低下しても、野党第1党の支持率は1桁台のまま。迫る衆院選で、リベラル勢力は政権批判の受け皿になれるのか。安倍政権下の国政選挙で6連敗した理由は、野党も支持者も潔癖主義に陥っていることにある――。政治学者の岡田憲治さんはリベラル派の立場から、リベラル勢力をそう批判し続けてきた。そして自戒の念から「友を失っても仲間を増やせ」という境地にたどり着いたという。その真意を聞いた。
    ◇
――衆院選に向けて8日、野党4党が共通政策をまとめました。ただ、立憲民主党と国民民主党、支援団体の連合は、共産党との関係をめぐって距離が縮まりません。
 「横浜市長選で事実上の野党統一候補が勝利したことと併せ、弾みをつけたとリベラル陣営は思っているでしょうが、この共闘は『ガラスの結束』です。対等性を欠いた、共産党に一方的に支援させる選挙協力はいつでも空中分解し得ます」
 「互いに譲り合い、選挙区での候補者調整と比例区での統一名簿作成を全国で進めなければ、今回も野党の敗北は目に見えています」
――前回衆院選で、自民・公明両党の得票率計は選挙区も比例区も50%に届かず、野党候補が競合した220余りの選挙区のうち、その得票計が与党候補を上回った選挙区は60以上ありました。
 「つまり小学生にもわかる必勝法があるのに、ゲームの仕組みを無視してバラバラに戦い、与党候補に議席をプレゼントしてきたわけです。自民公認、公明推薦の候補に対し野党候補が乱立していたら、最初から勝負あり。有権者は、勝つ気があるのか?と萎(な)えます。小異を捨てて大同につき、仲間を増やし、政策を実現するために政権を目指すという議会政治の本道を踏み外したことをやっているリベラルが、連戦連敗したのは必然です」
 「過半数を取れないまでも、伯仲国会を実現できれば、常任委員会の委員長ポストをかなり獲得できます。審議拒否により定足数を不足させ、委員会を開かせないという戦術も使えますが、いまは委員会を開く与野党交渉すらできない。憲政を破壊しているとしか言いようのないこの8年の政権運営・国会運営を許してきたのは、野党にも大きな責任があります」
 リベラル派の集会で苦言を呈すると強い反発を受けるという岡田さん。今春まで小学校のPTA会長を務め、義務と負担だらけを変えると筋論でみんなが喜ぶであろう改革を進めたら、一時「周囲は敵だらけ」という状況に陥ったそうです。記事の後半ではその過程で見いだした「政治の原義」について語っています。
 「正しい主張をすれば支持される」という幻想
――しかし、政策のすり合わせが不十分な共闘は、選挙目当ての「野合」との批判を招くのでは。
 「自民党の右派と公明党の政…
 この記事は有料記事です。残り5593文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
   ・   ・   ・   
 2024年3月4日 ダイヤモンド・オンライン「「リベラル知識人」はなぜ嫌われるのか?ノーベル賞作家が暴いた欺瞞とは
 東 浩紀: 批評家、作家
 日本の「リベラル」と呼ばれる勢力は、近年勢いを失い続けています。現代の若者も保守化傾向にあり、ネットでもリベラルへの反発が激化するばかりです。なぜリベラルだけが苦境に陥るのか、日本の保守とリベラルの対立の実態から、リベラル勢力の問題を探ります。※本稿は、東浩紀『訂正可能性の哲学』(ゲンロン叢書)の一部を抜粋・編集したものです。
 なぜリベラルは苦境に立たされる?
 日本ではこの10年、左派あるいはリベラルと呼ばれる勢力が退潮し続けている。
 とりわけ、2016年に学生主導の新しい運動だったSEALDsが解散し、2017年に民進党が実質的に解体して以降は、坂を転がり落ちるように支持を失っている。
 けっして与党が支持されているわけではない。2022年に安倍晋三元首相が銃撃されたあと、半年ほどはむしろかつてなく自民党批判が高まった。しかし左派系野党はその批判を支持に変えることができない。ネットでもリベラルへの反発は年々激化している。大学人や知識人の声は大衆に届かなくなった。左派は社会の分断が進んでいるのが原因だというが、それならば保守も同じ条件だ。明らかにリベラルだけが苦境に陥っている。
 なぜそんな非対称性が生じているのか。
 保守とリベラル、本来は対立するものではない
 そもそもリベラルとはなんだろうか。とりわけ、保守と対立するものとしてのリベラルとはなんだろうか。
 保守とリベラルの対立は「右」と「左」の対立に重ねて理解されることが多い。とりわけネットではそのように理解されている。思想史的にはその用法は正しくない。
 保守は「革新」と対立し、社会変革への消極的な態度を示す言葉である。他方でリベラルは「自由」という意味の言葉で、個人と社会の関係を示している。それゆえ保守とリベラルは本来は対立しない。たとえば、個人の自由を重んじるがゆえに、逆に社会の急進的な変革に慎重だという立場は十分にありうる。その場合はリベラルな保守主義者ということになる。
 アメリカの保守とリベラルとの違い
 にもかかわらず、なぜいまの日本では保守とリベラルが対立して理解されているのだろうか。そこにはねじれた経緯がある。政治学者の宇野重規は『日本の保守とリベラル』と題された著作で、次のような説明を与えている。
 保守とリベラルの対立はそもそもアメリカのものである。アメリカの二大政党制では、共和党は「保守」で、民主党は「リベラル」だとされている。ではアメリカでなぜその対立が有効に機能したかといえば、それは、同国では、いわゆる「左」、すなわち共産主義や社会主義が政治的な力をもつことがなかったからである。
 アメリカでは、皆がリベラリズムを支持しているという前提のうえで、古典的なリベラリズムを守る側が「保守」、現代的なリベラリズムを推進する側が「リベラル」だという独特の差異化が成立した。他方で冷戦期のヨーロッパでは、政治はまずはリベラリズムと共産主義の対立によって、つまり右と左の対立によって語られていた。日本はこの点では、アメリカよりヨーロッパにはるかに近かった。
 日本の保守とリベラルは便利なレッテル
 ところが厄介なことに、冷戦構造が崩壊し、「左」の存在感がなくなった1990年代以降、日本でも、皆がリベラリズムを支持しているという前提が曖昧なまま、その保守とリベラルの対立が新たな政治の軸として輸入されることになってしまった。
 結果として、宇野も指摘するように、アメリカ式に保守とリベラルを対立させてはいるものの、実態は「かつての看板だけを替えたものであり、今もなお本質的には『右(保守)』と『左(革新)』の対抗図式が持続していると捉えることも可能」な状況が生まれてしまった(※宇野重規『日本の保守とリベラル』、中公選書、2023年、17頁)。いま日本の若い世代がリベラルと左派をほぼ同義で用いるのはこのためだ。
 以上の経緯からわかるように、いまの日本における保守とリベラルの対立は、じつは保守主義やリベラリズムの実質とはあまり関係がない。かといって冷戦時代の左右対立がそのまま引き継がれているわけでもない。
 ではそれはなにを意味しているのかといえば、両者はじつは、いま人々が漠然と感覚している、政治や社会へのふたつの異なった態度への便利なレッテルでしかなくなっているのではないか。
 宇野は別の著作で次のように指摘している。
 「あえていえば、仲間との関係を優先する立場が保守と、普遍的な連帯を主張する立場がリベラルと親和性をもつといえる。このことは、政治において、共同体の内部における『コモン・センス(共通感覚)』を重視するか、あるいは、自由で平等な個人の間の相互性を重視するかという違いとも連動し、今後の社会を論じていく上での有力な対立軸となるであろう」(※宇野重規『保守主義とは何か』、中公新書、2016年、204―205頁 一部省略)
 この規定は簡潔だが的を射ている。冷戦が終わってすでに30年以上が経っている。共産主義は実質的に終わっている。確かに書店の人文書の棚には、資本主義は終わる、共産主義には未来があるとうたった本がいまだに並んでいる。けれどもだれもそれが具体的な政策につながる言葉だとは信じていない。かつての左右対立は機能していない。そもそも保守と社会変革も対立していない。
 いまの日本では、むしろ保守勢力こそが社会制度の改革を進めている。逆にリベラルは、護憲に代表されるように、しばしば「保守的」な主張をしている。
 ではどこに保守とリベラルの対立の淵源を求めるべきかといえば、もはやそれは連帯の範囲の差異ぐらいにしか現れていないのではないか。ぼくの考えでは、それが宇野が指摘していることである。
 保守とリベラルの対立は閉鎖性と開放性の対立と重なる
 主義主張ではなく、連帯の感覚の対立
 保守もリベラルも抽象的な目標では一致する。
 たとえば弱者を支援しろといわれて反対する政治家はいない。けれどもリベラルはそこで、できるだけ広く「弱者」を捉え、国籍や階級、ジェンダーなどを超えた普遍的な制度を構築しようとする。それに対して保守はまず「わたしたち」のなかの「弱者」を救おうとする。むろん、その「わたしたち」の内実は事例により異なる。「わたしたち日本人」のこともあれば「わたしたち男性」「わたしたち富裕層」のこともある。
 いずれにせよ、そのような共同体を優先させる発想、それそのものがリベラルにとっては反倫理的で許しがたいということになる。他方で保守にとっては、身近な弱者を救わなくてなにが政治だということになろう。いまの日本の保守とリベラルの対立は、抽象的な主義主張の対立としてというより、そのような連帯の感覚の対立として捉えたほうが理解しやすい。
 これは、いまの日本で使われている保守とリベラルの対立が、(本書でいう)閉鎖性と開放性の対立にほぼ重なっていることを意味している。保守は共同体が閉じていることを前提としている。そのうえで仲間を守る。それに対してリベラルは、共同体は開かれるべきだと信じる。だから保守を批判する。
 それゆえ、ここまで検討してきた開放性をめぐる逆説は、保守とリベラルの非対称性を考えるうえでも重要な示唆を与えてくれる。法や制度は万人に開かれねばならない。それは正しい。だれも反対しない。けれども肝心の閉鎖性と開放性の対立がそれほど自明なものではない。
 現在は左派に階級闘争のような実質的な理念がない。それゆえ、いまの左派、つまりリベラルは、自分たちの倫理的な優位を保証するため、形式的な開放性の理念に頼るほかなくなっている。
 けれども、ここまで繰り返し指摘してきたように、開かれている場を志向すること、それそのものが別の視点からは閉鎖的にみえることがある。これはけっして抽象的な話ではない。現実にいま日本のリベラルは、彼らの自意識とは裏腹に、閉じた「リベラル村」をつくり、アカデミズムでの特権や文化事業への補助金など、既得権益の保持に汲々としている人々だとみなされ始めている。
 リベラルが抱える問題
 そんな意見は一部の「ネトウヨ」が言っているだけだ、と鼻で笑う読者もいるかもしれない。その認識は誤っている。左派への厳しい視線はもはやネットだけのものではないし、日本だけのものでもない。
 たとえば2021年には、作家のカズオ・イシグロのあるインタビューが話題になった。彼は次のように述べている。
 「俗に言うリベラルアーツ系、あるいはインテリ系の人々は、実はとても狭い世界の中で暮らしています。東京からパリ、ロサンゼルスなどを飛び回ってあたかも国際的に暮らしていると思いがちですが、実はどこへ行っても自分と似たような人たちとしか会っていないのです」(※カズオ・イシグロ、倉沢美左「カズオ・イシグロ語る「感情優先社会」の危うさ」、「東洋経済オンライン」、2021年3月4日)。
 書影『訂正可能性の哲学』(ゲンロン叢書)
 『訂正可能性の哲学』(ゲンロン叢書)
 東浩紀 著
 イシグロは2017年のノーベル文学賞受賞者で、リベラルを代表する世界的な作家である。そんな彼が漏らしたこの述懐は、現在の「リベラル知識人」たちが、世界の市民と連帯しているかのようにふるまいながら、じつのところは同じ信条や生活習慣をもつ同じ階層の人々とつるみ、同じような話題について同じような言葉でしゃべっているだけの実態を鋭く抉り出している。
 保守は閉ざされたムラから出発する。リベラルはそれを批判する。けれども、そんなリベラルも結局は別のムラをつくることしかできないのだとすれば、最初から開き直りムラを肯定する保守のほうが強い。いまリベラルが保守よりも弱いのは、原理にまで遡ればそのような問題なのではないか。
 〈ニュースな本〉をフォローすると、最新記事の通知がメールで届きます。リンク先の「+フォロー」ボタンをクリックしてください。
   ・   ・   ・   

🪗57:─3─1995年の国連総会で旧敵国条項は時代遅れになったとする決議で賛成155、反対0、棄権3で採択された。~No.180No.181No.182 

  ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2026年9月27日 MicrosoftStartニュース アサ芸プラス「中国が高市首相に前言撤回のイチャモンをつけた国連憲章「旧敵国条項」削除反対…これでいったい何が起きるのか
 © アサ芸プラス
 国連憲章には、第二次世界大戦で連合国の敵だった国々を指す規定が今も残る。いわゆる「旧敵国条項」だ。日本の国名は書かれていないが、日本やドイツなどが対象にあたると理解されてきた。終戦から81年が経ってなお、条文は削除されないまま残っている。この条項が日中外交の焦点として、改めて浮かび上がったのだ。
 きっかけは、高市早苗首相が現地時間9月22日の国連総会演説で、条項の削除を求めたことだ。翌23日、中国外務省の郭嘉昆報道官は、条項には「現在も重要な現実的意義がある」と反発した。ファシズムや軍国主義の再来を防ぐための取り決めであり、日本は憲章の全内容を受け入れて国連に加盟した、というのが中国側の言い分だ。中国外務省は8月以降の会見でも条項を持ち出しており、今回が初めてではない。
 だが、中国も以前はこの条項を「時代遅れ」と認める決議に賛成している。1995年の国連総会で、旧敵国条項は時代遅れになったとする決議が賛成155、反対0、棄権3で採択された。これに中国は賛成票を投じている。
 決議には将来、条文を削除するための改正手続きを始める意向が盛り込まれた。あれから31年。同じ国が「今も意義がある」と言う。その決議で削除が決まったわけではないが、中国は当時の賛成票をどう説明するのか。9月23日の会見では、1995年の決議にはいっさい触れていない。
 条項が今も有効ならば、何が起きるのか。中国は安保理の許可なしに日本を攻撃できるのか、という疑問も出てくる。第53条には、地域的な取り決めによる強制行動について、安保理の許可を要する原則の例外がある。
 第107条は、第二次大戦の結果、連合国側が日本やドイツなどに対して取った措置を、国連憲章によって無効にしないと定める。どちらも中国が、今の日本を攻撃してよいと書いた条文ではない。
 日本政府は一貫して、いかなる国も旧敵国条項を援用する余地はないという立場をとっており、2024年の政府答弁書でもそう明示している。条文が残っていることと、それを実際に使えることは別の話だ。
 決意文書が中国を含む加盟国の合意で採択された
 2005年の国連首脳会合では、国連憲章に残る「敵国」への言及を削除する決意を盛り込んだ文書が、中国を含む加盟国の合意で採択された。それでも条文が消えないのは、決意の表明だけでは憲章を書き換えられないからだ。改正には国連総会で3分の2の賛成を得た上、加盟国の3分の2が国内で批准しなければならない。中国を含む常任理事国5カ国すべての批准が必要だ。
 そのハードルの高さから、日本政府は安保理改革と合わせて進める考えを示してきたが、21年前の合意は今なお、条文の削除へとつながってはいない。
 かつて「時代遅れ」とする決議に賛成し、削除する決意にも加わった中国が、今は条項の意義を強調する。高市首相の演説に続く中国側の反発で、条文が残る問題と、中国の過去の判断と現在の主張との食い違いが改めて浮き彫りになったのである。
 (ケン高田)
   ・   ・   ・   

🪗58:─1─中国工作船による日本の海底ケーブル切断計画。日本の安全保障の危機。~No.183 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 中国共産党の本性は「衣の下の鎧」で、笑顔は本心を隠した仮面にすぎない。
 中国共産党は、日本に対して戦わずして勝つ孫文を仕掛けている。
 中国共産党は、媚中派反米派護憲派に反高市・反保守の蹶起を促している。
 中国共産党は、昭和天皇や皇族を惨殺すべく付け狙っていた日本人の共産主義者・無政府主義者テロリストを支援していた。
   ・   ・   ・    
 2026年9月23日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「台湾有事で中国の標的となる日本の生命線「海底ケーブル」実はこんなにも脆弱だった
 ロバート・D・エルドリッヂ(政治学者・台湾外交部フェロー・淡江大学客員研究員・元米海兵隊太平洋基地政務外交部次長)
 日本を支えている目に触れないネットワーク
 第2次高市改造内閣の発足を機に、政府は、日本と日本が関係を持つ諸外国にとっての重要インフラである海底ケーブル問題への対応を、優先課題とすべきである。とりわけ、問題の規模を考えれば、省庁横断的な「政府一体」の取り組みが不可欠となる。
 海底ケーブル問題は複数の省庁と複数の閣僚にまたがっているため、この問題に専念できる「海底ケーブル担当大臣」を時限的に新設する必要さえあるかもしれない。それは、日本がこの問題を真剣に受け止めていることを世界に示すことになる。
 日本の安全は、領海を巡視する艦船、領空を守る航空機、そして数千キロに及ぶ海岸線沿いの監視所に配置された自衛官だけに依存しているのではない。海底に敷設された、ほとんど目に見えないネットワークにも支えられている。
 光ファイバー海底ケーブルは、日本の国際データ通信量のおよそ99%を担っている。金融取引、政府通信、クラウド・コンピューティング、軍事上の連携、産業サプライチェーン、報道、そして日常の電話・インターネットサービスは、いずれも海底ケーブルに依存する。したがって、これらは単なる通信インフラではない。日本の戦略的な生命線であると同時に、最大級の脆弱性の一つとなり得る。
 日本を取り巻く海底ケーブル網 by TelegioGraphy
 © 現代ビジネス
 日本が海底ケーブルに依存する背景には、地理的条件がある。島国である日本には、大陸国家が利用しているような、国境を越えて広がる大規模な陸上光ファイバー網が存在しない。衛星は不可欠な予備手段や特殊用途のサービスを提供するが、現時点では、現代の光ファイバーケーブルが備える容量、速度、費用対効果を代替できない。人工知能、データセンター、金融技術、クラウドサービスが拡大するにつれて、日本の大容量国際通信への依存はさらに強まる。
 リスクもまた集中している
 日本は世界の海底ケーブル網における重要な結節点であり、少なくとも20カ所の国際海底ケーブル陸揚げ企業も国際的に重要な役割を担う。NECをはじめとする企業は高度なケーブル製造・敷設能力を有し、日本は米国、フランスと並ぶ世界有数の海底ケーブル製造国の一つとなっている。これは国力の一つであるが、だからといってネットワーク内の弱点を覆い隠すものと考えてはならない。
 脆弱性の一つは、地理的な集中である。多くの国際海底ケーブルは、千葉県の房総半島周辺や三重県の志摩半島周辺など、比較的限られた地域に陸揚げされている。ケーブルを大都市圏や既存の通信インフラに効率よく接続できるため、商業面・技術面では合理的である。しかし戦略面では、問題が起きたとき障害が集中する危険を生む。大地震、津波、組織的な破壊工作、あるいは陸揚げ施設への攻撃によって、複数のシステムが同時に途絶する可能性がある。
 © 現代ビジネス
 日本の地震環境は、この危険をさらに増大させる。海底地震、地滑り、強い海流は、広い範囲で複数のケーブルを損傷し得る。2011年の東日本大震災は、現代の通信網に相当程度の冗長性が備わっていることを示した一方、自然災害が電力供給、沿岸施設、陸上回線を同時に襲い得ることも明らかにした。想定される南海トラフ地震も、日本の太平洋岸に沿うケーブル経路や陸揚局に同様の影響を与える可能性がある。
 より日常的な脅威は、漁具や船舶の錨から生じる。国際電気通信連合によれば、世界の海底ケーブルでは年間およそ150件から200件の障害が発生し、その80%以上は、主として漁業や引きずられた錨など、人間の海上活動によって引き起こされている。こうした事故の大半は偶発的なものである。
 台湾危機で標的となる
 しかし、同じ行為を意図的に行いながら、実行者――特に中国やロシア――が事故だったと主張することも可能である。この曖昧さこそ、海底での破壊工作を、攻撃的な「グレーゾーン」威圧の手段として特に魅力的なものにしている。
 © 現代ビジネス
 バルト海周辺や台湾周辺で近年発生した事案は、この問題を示している。2025年1月には台湾北部付近で4本の国際海底ケーブルが損傷し、翌月に起きた別のケーブル損傷事件では、台湾当局が中国資本の船舶の船長を起訴した。こうした事件の捜査では、不注意と敵対的意図を区別しなければならないが、公開された証拠だけでは明確な結論を出せない場合もある。それでも、所有関係が不透明で、異常な動きを見せ、または潜在的な敵対国と関係する船舶が繰り返し損傷事案に関与する場合、単なる事故として片づけることはできない。
 台湾または東シナ海をめぐる危機が発生すれば、日本の海底ケーブルが標的となることは疑いない。敵対国は、日本を完全に通信遮断する必要さえないかもしれない。慎重に選んだ複数の経路を切断し、陸揚げ施設を損傷させ、ネットワーク管理システムを攻撃し、あるいは通信の信頼性に対する不安を生じさせるだけで、金融市場を減速させ、物流を混乱させ、自衛隊の活動を困難にし、国民の信頼を弱めるには十分であろう。
 ケーブルの安全保障は、物理的な切断だけの問題ではない。陸揚局やネットワーク管理システムは、サイバー攻撃、諜報活動、サプライチェーンへの侵入にさらされている。ケーブル経路が監視される可能性があるほか、障害や修理作業に関する情報からネットワークの弱点が明らかになることもある。所有権や保守管理の仕組みが複数国の管轄にまたがることも多く、責任関係はさらに複雑になる。国際法上、海底ケーブルの故意の損傷は禁止されているが、係争海域での法執行は困難であり、行為主体の特定も容易ではない。また、既存の平時の権限は、組織的なグレーゾーン活動への対応を想定していない場合がある。
 修理能力も、もう一つの懸念である。ケーブルの修理には、特殊な作業船、訓練された乗組員、交換用ケーブル、そして進入する必要がある海域を管轄する国の許可が必要となる。専用の修理船は世界的にも比較的少ない。大規模な地域災害、または複数システムに対する同時攻撃が発生した場合、日本は限られた修理能力をめぐって他国と競合し、復旧が遅れる恐れがある。戦時には、修理船そのものが脅威にさらされたり、損傷海域への接近を阻止されたりする可能性もある。
 海底ケーブル安全保障戦略を
 したがって、日本には包括的な海底ケーブル安全保障戦略が必要である。
 第一に、ケーブル経路と陸揚げ局の地理的分散を加速すべきである。新たな接続は、従来の房総・志摩地域への集中を避け、九州、北海道、日本海沿岸、そして戦略的に適切な島嶼を一層活用して分散させるべきである。陸揚げ局からの陸上バックホール回線も同様に分散させなければならない。陸揚げ地点を移しても、通信が再び一つの脆弱な経路に集中するのであれば、効果は乏しい。
 第二に、政府は、訓練された乗組員、国内生産部品、交換機材の防護された備蓄を含め、日本が管理できる十分なケーブル敷設・修理能力を確保すべきである。ケーブル修理は、災害対応、サイバー防衛、事業継続計画とともに、国家的な緊急事態訓練に組み込む必要がある。
 第三に、日本は重要なケーブル経路と陸揚地点周辺の海洋監視を強化しなければならない。海上保安庁、海上自衛隊、警察、通信事業者、情報機関には、船舶追跡データ、ケーブル障害情報、不審行動の兆候を迅速に共有する仕組みが必要である。無人潜水機、海底センサー、衛星、人工知能は異常な活動の発見に役立つ可能性がある。ただし、すべてのケーブルを全長にわたって警戒するという不可能な任務を目指すのではなく、最重要地域に監視を集中すべきである。
 第四に、制度上の責任を明確にしなければならない。総務省は電気通信を所管し、海上保安庁は海上法執行の第一義的責任を負う。また、自衛隊は重要な監視能力と緊急対応能力を有する。日本は、通常のケーブル事故がどの時点で国家安全保障上の事案となるのか、その際にどの機関が主導権を握るのかについて、明確な手続きを定めるべきである。
 © 現代ビジネス
 最後に、日本は米国、オーストラリア、台湾、欧州のパートナー、太平洋島嶼国との協力を深めるべきである。これには、情報共有、修理体制の連携、共同訓練、信頼できるサプライチェーン、安全な地域ケーブル網の整備支援を含める必要がある。低軌道衛星システムを含む衛星通信は、緊急時の冗長性を提供すべきであるが、光ファイバー海底ケーブルの代替ではなく、補完手段として位置づけなければならない。
 かつて日本は、インフラ政策の主要な判断基準を経済効率に置いていた。しかし現在の安全保障環境が求める基準は、それとは異なる。すなわち、強靱性である。冗長化された経路、予備容量、専用修理船は、平時には高価に見えるかもしれない。しかし、自然災害や意図的な攻撃が発生すれば、その価値は計り知れない。日本の海底ケーブルを守るということは、究極的には、最も困難な状況下でも国家が通信し、統治し、貿易を行い、自国を防衛し続けられるようにすることである。ケーブルはほとんど目に見えないが、戦略的に見過ごされる存在であってはならない。
 【あわせて読む】中国による「日本の海底ケーブル切断」作戦が苛烈化していた…!復旧に2週間以上、自衛隊も為す術なし
   ・   ・   ・   
 9月23日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「「次の戦場は海底だ」ドローン戦争がついに潜る…150万kmの海底ケーブル巡り各国が争奪戦
 織田昌大
 ウクライナ戦争で空を覆ったドローン競争が、海中へと広がっている。世界全体で150万kmを超える海底通信ケーブルや送電線、エネルギーパイプラインを軍艦や潜水艦だけで常時監視するのは難しいとの判断から、各国や防衛企業が自律型無人潜水機(AUV・水中ドローン)や海底センサー、通信技術の開発への投資を拡大している。相手国の水中ドローンを探知・追跡・識別する任務まで登場し、海底が新たな軍事競争の場として浮上している。
 米CNBCは19日(現地時間)、海底通信ケーブルやエネルギー施設を狙った破壊行為への懸念が高まる中、政府や企業が海底の監視・防衛技術の確保に乗り出していると報じた。
 各国の警戒を高めた代表的な事件が、2022年9月にバルト海の海底で起きたノルドストリームのガスパイプライン爆発だ。ロシア産天然ガスをドイツに送るために建設されたガスパイプラインが爆発で損傷し、調査当局は意図的な破壊行為と判断した。北極圏や台湾周辺でも海底インフラの損傷事例が相次ぎ、冷戦終結後、比較的注目されてこなかった海底施設の脆弱性が改めて浮き彫りになった。
 通信市場調査会社テレジオグラフィーによると、2026年初めの時点で世界で運用されている海底通信ケーブルは150万kmを超えるという。これに石油・ガスパイプラインや国家間の電力網、洋上風力発電所から陸上に電力を送る海底送電線まで加わり、保護すべき範囲はさらに広がっている。
 問題は、この巨大なネットワークすべてを軍艦や潜水艦で守ることはできないという点にある。多くの海底インフラは民間企業が所有・運営してきたため、これまでの役割は維持・保守や偶発的な損傷への対応が中心だった。しかし、意図的な破壊や戦時下の状況にまで備える必要があるとの要求が高まり、政府や軍の役割も同時に大きくなっている。
 英国王立国際問題研究所(チャタムハウス)の上級研究員であるカトヤ・ベゴ氏はCNBCに対し、「我々の経済全体がこうしたインフラの上に成り立っている」と述べ、脅威を取り巻く環境の変化が海底の問題を前面に押し出したと指摘した。ベゴ氏は、冷戦後、長年にわたり海底防衛がなおざりにされてきただけに、現在は大幅な「遅れを取り戻す」必要がある状況だと説明した。
 ウクライナ戦争で遠隔操作される空中ドローンが戦争のあり方を変えたことも、海底技術の開発を促している。ベゴ氏は、海と海底が無人・自律システムが拡大する「次の戦場」になると表現した。
 引用:韓国水産資源公団
 防衛業界も急速に動いている。イタリアの造船会社フィンカンティエリは7月、水中・水上ドローンや海洋測量、海底通信の能力を強化するため、関連企業4社の支配持分を取得するのに約6億ユーロ(約1,080億5,000万円)を投じると明らかにした。
 フィンカンティエリの最高経営責任者(CEO)であるピエロベルト・フォルジェロ氏は、100年以上にわたる潜水艦製造の経験を基盤に、従来の大型潜水艦中心の事業から、小型潜水艇やドローン、海底通信までを網羅する分野へ事業を拡大する構想を示した。将来的には、水上艦艇が「母艦」の役割を担い、海底面と水中を行き来する複数の無人システムを指揮する形も提示した。
   ・   ・   ・   
 9月26日 MicrosoftStartニュース 共同通信「【独自】中国、尖閣沖EEZ内を集中調査 「柵状」に航行、情報収集か
 中国自然資源省所属の海洋調査船「向陽紅22」=7月(海上保安庁提供)
 © 共同通信
 中国政府の海洋調査船が3~7月、沖縄県・尖閣諸島西側の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、南北約66キロ、東西約11キロの長方形の海域を柵状に塗りつぶすように航行して集中的な調査活動を行っていたことが26日、共同通信による船舶自動識別装置(AIS)の航跡データ分析で分かった。中国が台湾有事を見据え、この海域で海底地形などの情報を収集している可能性がある。日本政府もこの動きを確認、外交ルートで抗議するとともに警戒を強めている。
 尖閣を含む南西諸島沖のEEZでは今年、海洋調査目的とみられる中国調査船の航行が急増。25日までに13件に上り、6件だった2025年から倍増した。日本の外務省は、沿岸国に事前の同意を得ない科学的調査は国連海洋法条約に違反するとしている。
 航跡データによると、中国自然資源省所属の海洋調査船「向陽紅22」は3~7月の計5回にわたり、尖閣諸島の西約50キロの海域を航行。5回の航跡をつなぐと、地図上に長方形が現れた。
 尖閣諸島周辺の中国調査船の航跡
 © 共同通信
   ・   ・   ・   
 9月24日 YAHOO!JAPANニュース 産経新聞「日本の中国脅威論は「対中偏見や蔑視が原因」Xで物議を醸した薛剣大阪総領事、挨拶で批判
 建国77周年祝賀レセプションで参加者と話す薛剣氏=9月24日、大阪市
 中国の薛剣(せつ・けん)駐大阪総領事は24日、大阪市内で開催した建国77周年祝賀レセプションであいさつし、「日本側が中国をこれまでにない『最大の戦略的な挑戦』とみなしていることには強い疑問を抱かざるを得ない」と言及した。その原因として「明治維新以来、日本社会に根付いている対中偏見や蔑視にあると考える。これらが、日本国民による中国への正しい認識を著しく妨げている」と批判した。
 その上で、「中国は脅威ではなく、尊重し親しむべきパートナーである。中国をありのままに理解することこそが、日本にとって最大の安全保障となる」と述べた。
 薛剣氏は2021年6月に着任。昨年11月、高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁にXで「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない」と投稿して物議を醸した。」
   ・   ・   ・   
 9月24日 YAHOO!JAPANニュース 産経新聞「駐日中国大使が日中関係「正常化」へ「見識ある人々」の努力求める 都内で建国記念式典
 9月24日、都内で開いた中国建国77年の祝賀式典であいさつする呉江浩駐日大使(田中靖人撮影)
 中国の建国を祝う在日中国大使館主催のレセプションが24日、都内で開かれた。呉江浩駐日大使はあいさつで、現在の日中関係は「厳しい情勢にある」とした上で、関係を「正常な軌道」に戻すために「双方の見識ある人々が積極的な役割を果たすよう期待する」と述べた。
 呉氏は「台湾問題は中国の核心的利益の核心」だとし、日中間の「4つの政治文書」に反する「言論と行動」によって「両国関係の政治的基礎が深刻に破壊された」と述べた。間接的に台湾有事を巡る昨年11月の高市早苗首相の国会答弁を批判した。その上で、日中双方の「見識ある人々」に「当面の難局を克服する」努力を求めた。
 中華人民共和国は1949年10月1日に建国された。式典には、日中の政財界などから約1400人が参加。日本側から日中友好議員連盟の森山裕会長(前自民党幹事長)や日本国際貿易促進協会の岩屋毅会長(前外相)らが出席した。(田中靖人)
   ・   ・   ・   
9月24日 YAHOO!JAPANニュース 文春オンライン「「中国経済は破綻寸前?」「習近平は孤立無援?」日本人が抱く〈大きな誤解〉を国際政治学者・佐橋亮氏が一刀両断する
 国際政治学者の佐橋亮氏が、「底線」という言葉を軸に国際情勢を考える連載「 底線思考 」。第3回では中国の現在地について考察した。
 ◆◆◆
 中国への日本人の誤解
 習近平 Ⓒ時事通信社
 日本には、中国に関して三つの負のイメージがあるように見える。実のところ、中国専門家ですら、こうしたイメージを繰り返し再生産したりもする。第一に、中国経済は破綻に向かっている。第二に、中国では権力闘争が常に激しく、また最近では軍との関係にも緊張が見られ、それが危機につながりかねない。第三に、国際的には孤立を深めている。こうした決めつけは、必ずしも正しくない。今回は中国の実像に迫ってこれらのイメージを検証する。そこから見えてくる本当の中国の危うさは、習近平の下で国家の物理的な強靭さを高める一方で、判断の修正を行うための柔軟さに欠け、世界情勢の見極めにも誤算の余地を残すことにある。それが私たちの底線を破りかねない。
 中国経済は、確かに近年、全てが順風満帆というわけではない。不動産がその典型例だ。しかし、依然として強さもある。科学技術のエコシステムは、アメリカが舌を巻くほど良く構築されている。中速に成長する製造・技術大国と、低温の家計・不動産・民間経済が同居していると考えるのがよいだろう。
 GDP成長率は、今年上半期で4.7%。付加価値額でみると装備製造業は9.3%増、ハイテク製造業は13.3%増である一方、不動産開発投資は減少し、民間投資やインフラ投資も減少を見せている。それは、中国政府自身が認めているところだ。
 中国経済の強み
 しかし、戦略産業の生産力、外国企業を引き留める競争環境は確かなものだ。中国の製造業の付加価値シェアは2024年に世界の32%に達している。多国籍企業は、中国内に残りつつ、中国外にも拠点を増設するように動いている。中国市場向けの事業は中国内部で完結させ、中国外の市場向けには、中国以外の供給・生産能力を増やす。そして中国内では、中国企業との連携を深めている。一見すると矛盾したこの動きの背景には、「中国で戦わなければいけない」という強い確信がある。中国が安い生産拠点ということではない。中国で中国企業と競り合うことが、世界で中国企業と競争するための学習の場になると考えている。米中ビジネス評議会は、中国は企業のための「ボクシングジム」のようなものだと表現した。在中ドイツ商工会も、中国に知識と専門性を移転するだけでなく、本国に環流させる双方向の動きを観察した。
 各国が中国を信頼しているわけでなくとも吸い寄せられているのが実態だ。2025年末から本年初頭にかけて英・仏・独・加などの首脳が相次いで訪中した。スターマー(当時)は英首相として8年ぶりの訪中で、アストラゼネカは今後4年で150億ドルの対中投資を表明した。ドイツ首相のメルツは約30人の経営者を帯同し、前任のショルツが使った「システミック・ライバル」という、中国の国際的振る舞いを牽制する表現を避けた。経済安全保障を熱心に説くアメリカでさえ、2026年1月にトランプが講演で「中国を入れてやれ」と中国からの投資に前向きな発言を行ったが、5月の訪中でも多くのビジネスリーダーを引き連れ、習近平との交渉に直接付き添ったとも言われる。
 中国経済の強みは、個別企業の成功というより、技術が産業間を回る仕組みにある。米議会に提出された米中経済・安全保障調査委員会の報告書は、これを「イノベーションが連動するフライホイール(弾み車)」と呼ぶ。たとえばEVで磨かれたバッテリー、モーター、冷却系、低価格部品、自動運転ソフトは、ヒューマノイドロボットへ転用される。中国製部品を使えばロボットの単価を3分の2削減できるとの試算もある。研究室の発見を工場へ移し、工場での改良を次の産業へ回す。中国の競争力はこの循環の速さにある。
 こうした強い経済力を背景に、中国は世界を惹きつけようともしている。例えば最近では、アフリカの多くの国への関税ゼロ政策が象徴的だ。アジアでも、環太平洋経済連携協定(CPTPP)に非加盟の中国が、2026年5月のAPEC貿易相会合の議長国という立場を利用して、加盟各国を事前の承認なく招く形で「RCEP・CPTPPメンバー対話」を開催した。加盟国の一部は不参加で応じたが、中国がCPTPP加入の正当性を既成事実化しようとした動きとして波紋を呼んだ。中国経済の力は、国家の力だけによるものではないが、その経済力が中国をボトムアップで支えている。
 ※約9000字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』と『文藝春秋』2026年10月号に掲載されています(佐橋亮「 『強靱国家』中国はどこでつまずくか 」)。
・盤石な地位の習近平
・中国は、どこでつまずくのか
・台湾をめぐる最大の誤算
 佐橋 亮/文藝春秋 2026年10月号
   ・   ・   ・