🎼12:─1─中国共産党による台湾統一の次は「日本のフィンランド化(中立化)」。〜No.16No.17 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 日本は、理想的平和学を学んでも歴史的地政学や現実的戦争学を学ばない。
   ・   ・   ・   
 人口が激減し衰退する日本・円貨は、世界市場でエネルギー・食糧・物資・その他で中国・元貨に買い負けする。
   ・   ・   ・  
 国力とは、経済力と軍事力である。
   ・   ・   ・   
 歴史的事実として、大国の良心や大陸の矜持などはない。
   ・   ・   ・   
 中国共産党は、尖閣諸島・沖縄、沖ノ鳥島、北海道を日本から強奪する事を狙っている。
 日本国内には、中国人移民が増えてきている。
   ・   ・   ・   
 2024年4月14日 YAHOO!JAPANニュース JBpress「中国が目論む「台湾統一の次は日本のフィンランド化」、台湾有事の地政学から考える日本のエネルギー戦略
 台湾統一の野心を隠さない中国の習近平国家主席が狙うものとは…(写真:新華社/アフロ)
 私はエネルギー政策の専門家であるが、エネルギーとは、何よりも戦略物資であり、20世紀の戦争の多くはエネルギーを巡るものだった。したがってエネルギー政策を論じるならば、本来は、まずは地政学や安全保障から入らねばならない。だが平和ボケの日本においては、エネルギー専門家と称していても、環境のことは知っていても、地政学も安全保障も全く知らない方が大半である。そこで本稿では、日本を巡る地政学状況について述べ、いま安全保障の観点においてエネルギー政策はどうあるべきか、指摘したい。
 【画像】中国が突破したい「第一列島線」はこのライン
 (杉山 大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
■ 中国の歴史観における台湾統一の必然性
 1949年に中国は共産党独裁国家になった。以来、文化大革命では凄惨な虐殺があり、またウイグルチベットなどでのジェノサイドが長らく指摘されてきた。このような独裁政権は、ひとたび権力を手放すと、たちまち報復の対象になる。このことは、冷戦末期の東欧における独裁者の処刑など、枚挙に暇がない。
 中国共産党は、1989年の天安門事件で、その深淵を見た。あと少しで彼らは破滅するところだった。
 中国共産党が台湾独立を決して認めることができないのは、台湾が「中国人による、民主的な、もう一つの中国」であることを容認できないからだ。共産党独裁体制に代わるものが存在しうること、そして中国国内の人権問題を批判し、共産党の正統性を批判することは断じて許されない。
 したがって、最も悪くても、親中的な、つまり中国共産党を批判しない台湾であるべきであり、もっといえば、中国共産党の下に統一されるべきである、となる。
 以上は本音の部分であるが、台湾統一の必然性は、中国ならではの歴史観で愛国的に物語られている。
 つまるところ、中国は歴史的に一つであるゆえ、その一部である台湾は当然に統一されねばならない、というものだ。
 中国の歴史観では、古代より現在まで、天命を受けた正統な王朝が存在する。秦、漢、唐、宋、元、明、清、そして中華人民共和国というわけだ。現実には元・清をはじめ異民族王朝も多く、漢民族はむしろ差別されていたこともあった。また、宋のように版図は狭い領域に限られていたり、長い分裂時代もあったりした。
■ 「化外の地」と呼ばれた台湾だが…
 だが、それらのことはこの「統一された中国」という世界観――「天に二日なく、地に二王無し」という観念を何ら覆すものではない。観念が事実を凌駕することは洋の東西を問わないが、中国においては特にこれがはなはだしい。
 台湾は歴史的に中国の一部であったことはほとんどなく、「化外の地」と呼ばれたように中国は版図として認識してこなかった。ところが毛沢東に追われた蔣介石が逃げ込んで、中華民国を台湾において成立させてからは、必ずや統一すべき不可分の領土とされた。
 この際に米国海軍が毛沢東の台湾攻撃を阻んだことは、アヘン戦争以来の中国の屈辱の歴史に新たなエピソードを加えることになった。
 習近平は中国が世界の大国となる「中国の夢」構想を公表しているが、そのブレーンである軍人の劉明福は、「米国は南北戦争終結させたことが発展の礎となった。台湾統一は中国にとっての南北戦争であり、必ずや勝利しなければならず、それが発展の前提になる」と書いている。
■ 中国の平和的台頭を目指した鄧小平
 中国は文化大革命で国家経済が崩壊した後、権力を掌握した鄧小平によって改革開放路線に転じ、やがて社会主義市場経済を標榜するに至った。それはつまり共産党独裁の政治に口出しをしない限りにおいて、自由な経済活動を認めるという、国民との暗黙の契約だった。欧米や日本の技術を採り入れることで、歴史的に知識水準が高い中国は、飛躍的な経済発展を遂げることができた。
 1989年の天安門事件では経済制裁を受けたが、欧米諸国は、1991年に冷戦が終結したこともあり、まず経済成長すれば、中国も民主主義を受け入れるようになる、というユートピア的な幻想を抱くに至った。
 中国も「韜光養晦*」「平和的台頭」などの言葉で知られるように、まずは経済力を蓄えること、そのためには屈辱も忍ぶ、という行動をとった。 *能力を隠して力を蓄えること。最高指導者、鄧小平氏による中国の外交・安保の方針とされる
 中国はグローバリゼーションの波に迎え入れられて、2001年にはWTO世界貿易機関)加盟も認められた。だが習近平時代になって、共産主義独裁を強化し、南沙諸島の領土拡大や戦狼外交などに象徴されるように、自由陣営に挑戦する態度を顕わにするようになった。
■ 「経済成長したら民主主義に」など誰も約束していない
 米政治学者のマイケル・ピルズベリーは、著書『China 2049』において、これが中国の陰謀であり欧米は騙されたとしているが、これは当たっていない。
 そもそも中国は経済成長したら民主主義になるなどと全く約束していない。のみならず、自分が弱いときには、屈辱に耐えて実力を付けることに専念するというのは、「臥薪嘗胆」の故事など、中国の歴史に繰り返し現れるモチーフである。中国としてはごく当たり前の行動様式であって、陰謀として示し合わせる必要すらないことである。
 さて、いま力を蓄えた中国は、急速に軍備を強化し、西太平洋においては米国と互角以上に戦える戦力を身につけた。
 それでも台湾に上陸作戦をするとなると、米軍が介入した場合には敗戦するか、少なくとも多大な損害を余儀なくされると見られている。
 これに代わる手段として台湾を軍艦と臨検によって海上封鎖する可能性も指摘されており、この場合、米軍が介入しなければ台湾は短期間で降伏せざるを得ないだろう。
 いずれにせよ台湾が中国の手に落ちれば、どうなるか。
■ 中国による台湾統一は何をもたらすか
 まず何よりも、台湾の人々の不幸である。言論・政治の自由は徹底的に弾圧されるだろう。これはウイグルで、香港で、すでに起きたことの繰り返しである。民主主義を推進してきた人々は、凄惨な運命をたどることになる。これは台湾の友人である日本としても、人道上、看過できることではない。
 日本にとっても、直接的な影響は甚大である。
 台湾東岸は軍事化され、西太平洋における軍事バランスは一気に中国に傾くことになる。かつて中曽根首相は日本を不沈空母であると述べて物議を醸したが、軍事的な意味合いだけを見れば、これは当たっている。
 台湾から日本に連なる第一列島線とは、事実上は、一連の不沈空母である。そこには陸海空軍の基地を配することができて、中国海軍の太平洋への移動を封じ込める強力な手段となる。
■ 日本や韓国の海上輸送路は封鎖される
 中国から見れば太平洋への出口にこの第一列島線が連なっており、中国海軍はその海峡を通らねば太平洋に出ることができない。第一列島線の西側は浅い東シナ海なので潜水艦活動も捕捉されやすい。台湾を奪取することで、この地理的な制約から中国は一気に解放される。
 台湾東岸には基地が設置され、潜水艦が西太平洋を航行するようになるだろう。また台湾にはドローンやミサイルが無数に配備される。これは日本そして韓国の海上輸送路をほぼ完全に封鎖する能力を持つだろう。
 経済的には、半導体やエレクトロニクスなどの台湾の技術とそれを支える人材を、中国が掌中に収めることになる。これは中国の経済成長のみならず、軍備の近代化にもおおいに寄与することになるだろう。
 台湾は世界最大の半導体生産能力を有しており、台湾からの輸出が途絶えると、世界中で半導体不足が生じ、この経済被害は莫大なものになる。
■ 経済制裁に実効性はあるのか
 もちろん台湾を併合するとなると、米国などは経済制裁を科すであろうが、これがどの程度効くのかは予断を許さない。まして、これが中国による台湾統一を抑止する効果があるかというと、ますます疑わしい。
 いまウクライナに侵攻したロシアには経済制裁が科されており、これは当然予見できたことではあるが、結局のところロシアを抑止することはできなかったのが現実である。
 仮に対中経済制裁が奏功して中国経済が弱体化するとしても、対イラン制裁や対北朝鮮制裁がそうであるように、それが独裁体制を覆さず権力を維持できるのであれば、習近平にとってはどうでもよいことかもしれない。それよりも、台湾を統一して毛沢東以来の悲願を達成するということの方が重要と考えても全く不思議はない。
■ 台湾統一の次は、日本を中立状態にする
 台湾を統一し、中国がますます強大になれば、中国は日本をどうするか。
 日本は、中国のすぐ隣にあって、独裁体制を批判し民主主義で繁栄している。いまの台湾に次いで、中国共産党を脅かす不愉快な存在だ。のみならず、宿敵である米国と軍事同盟を結び、中国に対抗する軍事力をつけている。
 まずこの状況を変えること、少なくとも、中国政権への批判を止めさせることを中国は狙っている。やがては日本を、米国から距離を置いた中立状態にすることを目指している。前述の劉明福は、「2049年には中国が軍事・経済大国となり、米国と互角になって、日本も米国の属国ではなく中立化するのが望ましい」と述べている。
 実際のところ、台湾を統一した後、ますます中国の経済力が高まれば、その影響下での工作活動によって、日本の言論や政治に影響を与え、日本政府が中国政府への批判を取り締まるように仕向けることができるかもしれない。また、反米世論を煽って米軍基地を日本から撤退させるというシナリオも成立するかもしれない。
 かつてフィンランドは、隣国ソ連からの強力な影響力の下、何とか民主主義体制を維持したものの、ソ連を批判しない親ソ連的な中立を保った。このような「フィンランド化」を日本に対して仕掛けることは中国の選択肢の一つである。
 中国には、日本を米国から引き離し、親中的中立にする動機がある。親中的中立とは、日本の言論や政治が制限されることを意味する。これは日本の自由と民主の死である。このフィンランド化を抑止することも日本の重要な地政学的課題である。
■ 日本が簡単に屈服すると思わせてはいけない
 日本のいまの喫緊の課題は、中国が台湾統一をしないよう、抑止することである。台湾統一は、上述のような人道的、軍事的、経済的、地政学的な理由から看過できないからである。
 抑止のためには、「中国が台湾統一を試みれば、必ずや米軍が介入し、中国は敗北して、中国共産党習近平政権も滅びる」と中国に思わせておかねばならない。このためには、米軍介入時に基地を提供するがゆえに、必然的に台湾有事に巻き込まれる日本が、簡単に屈服すると思わせてはいけない。
 まず防衛力を強化することは重要である。この点はすでに国家レベルで認識されるに至り、防衛費は増額されてGDPの2%となった。
 具体的な対策も打たれている。ミサイル攻撃などから国民を守るシェルターの整備が始まった。中国の中距離ミサイルに対抗するために、日本もトマホークを米国から購入して配備することになった。また多くの識者が意見を述べている。航空機が敵のミサイルの第一撃で飛行場において破壊されないように防護する設備が必要である。長期的には核共有や核武装が必要という意見もある。
■ 第二次世界大戦時と変わらず、エネルギー供給が日本のアキレス腱
 本稿で最後に強調したいのは、こういった防衛装備だけではなく、シーレーンによる補給の確保についてである。
 先の第二次世界大戦でも、日本は石油などの戦略物資の輸入を封鎖され、これが敗因の一つとなった。いまでも、日本にとってエネルギー供給がきわめて脆弱なアキレス腱であることには何ら変わりはない。
 この点については、以前この連載で、食料とエネルギーの継戦能力整備の必要性を論じた(下記の関連記事を参照)。次回は、もう一つの抑止力向上策として、米国からの石油・ガスの輸入の拡大を提案したい。
   ・   ・   ・   
 4月14日18:35 YAHOO!JAPANニュース 沖縄ニュースQAB「「沖縄から全国に広がる戦争準備」那覇市で講演会
 台湾有事を念頭においた自衛隊の配備など、日本やアメリカ、中国の動きから沖縄の今について考える講演会が14日、那覇市で開かれました。
 この講演会は、自衛隊の配備や訓練が強化される現状など「台湾有事」を想定した軍事要塞化が急速に進む沖縄の今について考えてもらおうと開かれたものです。
 講演では、軍事ジャーナリストの小西誠さんが登壇し、政府が防衛力強化の一環として整備する特定利用空港・港湾について、軍事強化は、ミサイル基地化の次の段階に入り、民間の空港、港湾では軍事優先を念頭においた整備が全国で急速に進められていると指摘しました。
 軍事ジャーナリスト小西誠さん「軍民共用化された場合、たんなる平時から有事に使うだけじゃない、滑走路を使うだけじゃないということ。弾薬庫を作ったり、掩体壕を作ったり、そうやって軍事化していくということですね」
 また座談会では軍事ジャーナリストの田岡俊次さんも登壇し、「アメリカや中国、台湾、日本が戦争を回避するためにも、現状維持こそが最良の安全保障だ」と訴えました。
 会場を訪れた人たちは、登壇者の話を熱心に聞き入っていました。
   ・   ・   ・   
 4月14日 琉球朝日放送「名護市で辺野古新基地反対集会「子や孫への責任」
 ※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
 名護市辺野古への新基地建設反対を訴える集会が14日、軟弱地盤の工事が行われている大浦湾を臨む浜で行われました。
 大浦湾での軟弱地盤の工事は県が2021年11月に不承認としましたが、裁判を経て、去年12月に国が代執行で承認し、ことし1月10日、沖縄防衛局が軟弱地盤の工事に着手しました。
 玉城知事「辺野古の新基地建設は絶対に認めないという思い、沖縄を再び戦場にさせないという心からの願いは、先の未来の子たち孫たちに私たちが今取れる最大の責任」
 工事現場を見渡せる名護市瀬嵩の浜で14日、集会が開かれ、新基地建設の断念をあらためて政府に求めました。
 参加者「戦争に関わるもの、一切反対している。そういう強い思いで参加した」参加者「沖縄の未来に関わることなので、もっと熱くなってほしいと思いました」
 参加者は雨の降る中、プラカードを掲げるなどして抗議の意思を示していました。
   ・   ・   ・   


 エセ保守とリベラル左派は、反米派・反安保派、護憲派・反自衛隊派として、日本は米中対立で同盟国アメリカに味方するなく中立を保つ事を求めている。
   ・   ・   ・   
 中国共産党が日本に望んでいる中立化とは、李氏朝鮮日露戦争時に日露両国に味方しないという「局外中立」であった。
 反日李氏朝鮮は、裏でロシアの味方をして日本軍の軍事情報をロシア軍に流していた。
 日本軍にとって、ロシア軍との間に存在する朝鮮、ロシア軍と戦う日本軍の後方に存在する朝鮮が邪魔であった。
 米中両国にとって、当時の朝鮮の位置にあるのが現代の日本である。
 米中が戦争すれば、その戦場は中間に存在する日本で、中立宣言は中国に味方しアメリカに敵対する事であり、中立化したからと言って攻撃されな保障はない。
 日本が安保条約でアメリカの味方をすれば中国軍は日本を攻撃するし、日本が中国に降伏して中国軍が占領すれ中国に味方すればばアメリカ軍は日本を攻撃する。
 歴史的事実として、中国共産党が中立宣言をした日本を攻撃しないと言っても、攻撃しないという保障はない。
 中国共産党は常識人・知識人であっても信用に足る教養人・良識人ではない。
 それが、歴史学であり地政学・戦争学である。
   ・   ・   ・   
 中国共産党国防動員法、国家情報法、国家安全法、香港国家安全維持法(国安法)、中国データ三法(中国サイバーセキュリティ法、中国データセキュリティ法、中国個人情報保護法)、反外国制裁法、改正反スパイ法、対外関係法。愛国主義教育法。改正国家秘密保護法。
   ・   ・   ・   
 中国共産党による反日洗脳教育、反日ヘイト教育。
   ・   ・   ・   
 中国共産党は、日本のビッグ・データを集め、日本のSNSを監視している。
   ・   ・   ・   
 中国共産党支配下では、自由・民主主義はないし、人道も人権も人命もなく、さらには道徳さえない。
   ・   ・   ・   
 会社法中国共産党規約は、中国共産党の党員が3人以上いる企業では党支部を設置しなければならないと規定されている。
 中国共産党員は9,000万人以上いる。
   ・   ・   ・   
2024-04-14
🐖68」─1─中国共産党は大学運営の権限を一本化して学内の学長事務室を閉鎖した。~No.311No.312No.313 



 2023年2月2日 YAHOO!JAPANニュース JBpress「強大化する中国、日本は最強の対抗手段である半導体規制で米国と連携せよ
 【前編】対中デカップリングをどう進めるか
 2022年8月に米下院のペロシ議長訪台を受け、中国・人民解放軍は大規模演習を実施した。強大化する中国への対抗策が大きなテーマになっている(写真:新華社/アフロ)
 経済的・軍事的に強大となる中国に対し、米国は先端半導体や関連する製造装置の輸出規制を強化し、日本や欧州などにも同調するよう求めている。中国側の反発や対中ビジネスへの影響を懸念する声もあるが、中国の脅威に対抗するツールになっているのがこの半導体輸出規制だ。米国が本気で臨むなら、日本の強みである製造装置や化学薬品の技術を死守するためにも歩調を合わせるべきだろう。日本が直面する「対中デカップリング」について考えてみたい。
 (杉山大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
 中国の軍事費は日本の6倍
 中国は強大になった。軍事費は30兆円に達し日本の6倍もあり、増え続けている。
 東アジア地域においては、軍事的にも米国と互角になりつつある。航空母艦(空母)や大陸間弾道弾(ICBM)についてはまだ米国の方が優勢だが、射程500kmから5500kmの間の中距離ミサイルは、中国が2000基であるのに対して日本・米国はゼロという状態である。米国は、2019年に破棄されるまで、ロシアとの中距離核戦力(INF)禁止条約があったこともあり、配備が遅れた。
 ウクライナ戦争では、米国の最優先順位は「核戦争の回避」であり、そのために自らは参戦していない。さて中国も、ロシア同様に、すでに米国を射程とする大陸間弾道ミサイル保有している。このため、台湾や日本で有事があっても、やはり米国は核戦争の回避を最優先して、そのために台湾や日本に犠牲を強いることになるかもしれない。
 台湾有事のシミュレーションを実施した米国のシンクタンク戦略国際問題研究所CSIS)の報告書では、中国は台湾への軍事進攻には失敗する。中国の中距離ミサイル射程の外の太平洋上から発射される米国の空対艦「オフスタンドミサイル」による攻撃で、中国から台湾へ上陸する艦船がことごとく沈められる、というシナリオだ。ただし米国も原子力空母2隻と数千人の兵士を失うといった大損害を受ける、とされる。
 このとき米国は、かつての朝鮮戦争ベトナム戦争同様に、日本の基地から爆撃機・戦闘機を飛ばし、また日本において補給をする。このため日本の基地もミサイル攻撃の対象となり、自衛隊は大きな損失を出すことになる。
 Premium会員登録のご案内
 こちらはJBpress Premium会員(有料会員)限定のコンテンツです。
 有料会員登録(月額 550円[税込]、最初の月は無料)をしてお読みください。
   ・   ・   ・   
 2023年2月23日 YAHOO!JAPANニュース JBpress「中国を抑止する継戦能力は日本にあるのか?武器弾薬以外にエネルギー、食料も
 防衛費倍増でも備え不足では干上がってしまう
 沖縄県うるま市沖縄石油基地(写真:アフロ)
 自衛隊には弾薬の備蓄が2カ月分しかないと報道されるなど、日本の「継戦能力」が問題視されるようになった。このような事態を改善すべく、防衛費は倍増されてGDP国内総生産)の2%となったことはよく知られている。その一方で、武器弾薬だけあっても、戦争は継続できない。エネルギーや物資の補給がなければ日本は干上がってしまう。
 (杉山大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
 台湾が中国の勢力圏に入ると何が起こるか
 米国戦略国際問題研究所CSIS)の報告書が話題になった。台湾有事のシミュレーションで、中国が台湾へ上陸作戦を仕掛け、武力統一を図るというものだ。米国と日本が戦争に巻き込まれ、双方ともに多大な損害を出すが、中国の台湾上陸部隊の艦船を米国がことごとく沈めることによって、中国は台湾の占領には失敗する、という。
 だがこのシミュレーションは最初の1カ月だけが対象である。これが泥沼化して長期化するかもしれない。
 あるいは、米国が介入をためらって中国は台湾併合に成功するかもしれない。
 さらには、中国は台湾への政治工作に成功し、台湾政府が中国への「自主的な」併合を表明する可能性だってある。このような平和裏の併合こそ、中国が最も望んでいる形であろう。
 武力を伴うか伴わないか、このいずれにせよ、台湾が中国の勢力圏にひとたび入るとどうなるか。
 Premium会員登録のご案内
 こちらはJBpress Premium会員(有料会員)限定のコンテンツです。
 有料会員登録(月額 550円[税込]、最初の月は無料)をしてお読みください。
   ・   ・   ・   
 2023年6月26日 YAHOO!JAPANニュース JBpress「台湾有事を抑止するエネルギー政策とは?日本の備えはこれで大丈夫なのか
 まったく緊張感がないエネルギー白書、継戦能力を高めるために必要なこと
 台湾海峡通過の米駆逐艦に中国戦艦が「異常接近」する事態も起きている(写真提供:U.S. Navy/Naval Air Crewman (Helicopter) 1st Class Dalton Cooper/ロイター/アフロ)
 エネルギー白書が発表された。台湾有事にはどう備えているだろうか。読んでみて愕然としたのだが、「台湾」という言葉は統計の説明と各国のエネルギー状況を概説する部分の一部に出てくるのみ。「シーレーン」という言葉に至ってはそもそも一度も出てこない。これで大丈夫なのだろうか? 日本の置かれている状況、そして緊急に採るべき対策について考えてみたい。
 (杉山大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
 中国による台湾の軍事侵攻は「時間の問題」との見方
 6月6日に閣議決定されたエネルギー白書(正式名称:令和4年度エネルギーに関する年次報告 )には、「エネルギーの安定供給」については書いてある。だが過去10年間に発行された白書と大筋では何ら変わるものではない。
 エネルギー供給の多様化を図ること、石油などの備蓄をすること、資源供給国との関係を強化すること、などが書いてある。また、台風や津波などの自然災害への防災の強化についても指摘している。これらはいずれも大事だけれども、日本の事態はもっと切迫している。
 特に、台湾有事のリスクは高まっている。中国の習近平政権は、これまでの慣例を覆して3期目(2023年から2027年まで)に入った。この間に中国が台湾併合に動くとの見方が高まっている。
 「ヒゲの隊長」の愛称で知られる佐藤正久自民党国防会長は、中国の公式文書や人事に基づいて、習近平政権が台湾に軍事侵攻するリスクは極めて高く、する・しないの問題というより、いつするか、という時間の問題だとみている(佐藤氏の著書『中国の侵略に討ち勝つハイブリッド防衛 日本に迫る複合危機勃発のXデー』による)。米国でも同様の見方をする識者が多い。
 キヤノングローバル戦略研究所の峯村健司氏は、それに加えて、台湾統一は習近平氏自身の最重要な関心事でもあり、また、台湾統一に関しては中国国民の幅広い支持があることを指摘する。
 Premium会員登録のご案内
 こちらはJBpress Premium会員(有料会員)限定のコンテンツです。
 有料会員登録(月額 550円[税込]、最初の月は無料)をしてお読みください。
   ・   ・   ・   
 2023年7月4日 YAHOO!JAPANニュース JBpress「リスク高まる台湾有事、食料と半導体という「2つのコメ」に備えはあるか
 習近平政権3期目、有事における日本の継戦能力を考える
 中国の習近平国家主席は台湾問題で武力行使に出る可能性を否定しない(写真:新華社/アフロ)
 2023年に始まった習近平政権3期目に台湾有事のリスクが高まるとみられることから、前回記事を含めこれまでに、日本はシーレーン喪失に備えてエネルギー備蓄を強化するなど、継戦能力の構築が必要だと指摘してきた。今回は、台湾有事における食料備蓄と、産業のコメと呼ばれる半導体供給について深掘りし、台湾有事を抑止するために必要な日本の備えとは何かを論じる。
 ◎前回記事『台湾有事を抑止するエネルギー政策とは?日本の備えはこれで大丈夫なのか』を読む
 (杉山大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
 私たちは毎日2〜3kgの石油を「食べている」
 日本の一次エネルギー消費は、全てのエネルギーを石油に換算すると年間約4億トンに上る。これは1人あたりだと年間3トンとなる。1日あたりにすれば1人10キログラムで、日本人は毎日これだけの石油を消費している勘定になる。
 このうち、2割から3割程度が食料供給のために使われているとみられ、毎日2キログラムないし3キログラムの石油を「食べている」ことになる。
 だが実際の1人あたりの摂取熱量は2000キロカロリー前後で、これを石油に換算すると200グラムぐらいにしかならない(ということは、脂身だらけの200グラムのステーキを食べたら、それで1日分のカロリーになる!)。つまり我々は実際に摂取する熱量の10倍以上ものエネルギーを石油などの形で消費している。
 なぜこんなに食料供給にエネルギーを消費するかというと、農作物をつくるための肥料・農薬の生産に始まり、農業機械を動かし、トラックで輸送し、食品加工をし、冷蔵・冷凍を行う、といった具合に、あらゆる場面でエネルギーを使うからだ。
 前回の記事『台湾有事を抑止するエネルギー政策とは?日本の備えはこれで大丈夫なのか』で述べたように、台湾有事が起きて日本のシーレーンが危機にさらされると、エネルギー供給の途絶が危惧される。それに対する備えが必要なこともすでに書いた通りだが、備えをしても大幅なエネルギー供給の減少は避けられないかもしれない。
 そのような状況になっても、飢え死にすることなく、1年ぐらいは生き延びるようにする必要がある。いざというとき、普段我々が享受している「エネルギー多消費型の食料供給」は全く機能しなくなることを覚悟しなければならないのだ。
 ではどうすればよいか。
 Premium会員登録のご案内
 こちらはJBpress Premium会員(有料会員)限定のコンテンツです。
 有料会員登録(月額 550円[税込]、最初の月は無料)をしてお読みください。
   ・   ・   ・