⛿34¦─6─台湾有事で中国の在留邦人10万人は取り残されるのか。〜No.189 

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 2023年7月31日 YAHOO!JAPANニュース 東洋経済オンライン「迫り来る「台湾有事」に日本企業は無防備。中国の在留邦人10万人は取り残されるのか
 台湾海峡波高し。デザイン/小林由依、杉山未記、藤本麻衣、中村方香
 台湾海峡の緊張が高まっている。中国が台湾統一(併合)に向けて武力侵攻する日がくるのか。7月31日発売『週刊東洋経済』の特集「台湾リスク」では、日本企業に迫り来る台湾有事の全シナリオを示した。
 【図表】中国、台湾とその主要都市の在留邦人数
 7月なかばの3連休。東京・市谷の防衛省近くにあるホテルの一室は、戦時さながらの緊張感に包まれた。「台湾有事」への対応シミュレーションが行われていたのだ。民間シンクタンク「日本戦略研究フォーラム(JFSS)」が主催し2021年から毎年1回行われている取り組みで、3回目の今年は米国や台湾からも有識者が多数参加した。
 今回のシミュレーションでは27年を想定して、中国と台湾の間で発生しうる軍事衝突のシナリオを3つ用意。刻々と変化する事態に、参加した国会議員が「大臣」として判断を下していく設定だ。事務次官クラスの元官僚や将官級の自衛隊OBが補佐役を務める。
■「事態認定」の難しさ
 今年のシミュレーションの想定時期が27年とされたのは、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有など防衛3文書に盛り込まれた防衛力整備が実現するタイミングだからだ。同時に中国人民解放軍の創立100年の節目、かつ中国の習近平国家主席が3期目を終える直前でもある。さらなる任期延長を目指す習主席が、レガシーづくりのために台湾統一を急ぐ、という予測は米軍関係者からしきりに発信されている。
 シミュレーションで首相役を務めた小野寺五典衆議院議員(元防衛相)が最も頭を悩ませたのが、「事態認定」の難しさだ。自衛隊が防衛出動するには、政府が「武力攻撃事態(日本への武力攻撃に対して個別的自衛権を行使)」「存立危機事態(密接な関係にある他国、つまり米国への武力攻撃に対して集団的自衛権を行使)」のいずれかに認定する必要がある。
 中国からのサイバー攻撃により日本国内に大規模停電と通信障害が発生し、沖縄県先島諸島への海底ケーブルが切断されたという想定に際し、防衛省サイドは「武力攻撃予測事態」の認定を要請した。これは「武力攻撃事態」の一歩手前の準備期間で、認定されれば自衛隊による空港・港湾・道路の優先利用や住民避難が可能になる。日本側が有事に備えていることを中国側に示す抑止効果もある。
 しかし小野寺「首相」は認定を見送った。
 理由の1つは、日本が先に事態をエスカレートさせたと国際社会でみられるのを避けるため。もう1つは、中国にいる日本人に退避の時間をつくるためだ。小野寺氏は昨年も同様の判断を下している。
 中国には約10万人の日本人が住んでいる。事態認定はいわば中国を敵国と見なす行為であり、そうなれば中国にいる日本人が危険にさらされるおそれがある。中国の外に脱出するための時間を確保する必要があるというのが小野寺氏の考えだった。
 この判断には異議もある。事態が動く中で自衛隊の展開が遅れるからだ。また、多少時間ができたところで、実際に10万人もの在留邦人が逃げ切れる保証はない。
 JFSSのシミュレーションに第1回から参加し続けている尾上定正・元空将は「米国のバイデン大統領はロシアのウクライナ侵攻に際して、ロシアやウクライナにいる米国人の救出作戦は行わないと明言した。有事の際に、在外邦人保護のため政府のできる役割は限られているのが現実だ」と話す。
■中国脱出は現実的に無理
 台湾有事に備え台湾駐在員の退避計画を作成した企業はあっても、中国駐在員のそれを用意している日本企業はまずない。「退避計画を作成していることが中国人社員に知られた瞬間に組織が回らなくなるし、中国当局からのバッシングも必至だ」(中国ビジネスに詳しい商社関係者)。
 多くの企業では、いったんは検討してもすぐ「現実的に無理」という結論に至る。せいぜい「駐在員に1年間有効なオープン航空券を渡しておく」という程度のことでお茶を濁しているようだ。
 「世界の工場」中国は日本企業にとって重要な生産基盤だ。現在も高水準の投資が続いているが、その位置づけは下がりつつある。国際協力銀行が製造業企業に「今後3年程度の有望な事業展開先国・地域」を聞くアンケート調査では、中国の得票率が長期低落傾向だ。
 米中対立に続いて台湾有事という異次元のリスクが浮上した今、中国ビジネスの将来像を描くのは以前よりずっと難しくなってきた。
 本当に武力衝突が始まれば、そのダメージは東アジアにとどまらない。半導体産業において、台湾積体電路製造(TSMC)をはじめとする台湾企業の存在は圧倒的で台湾勢のシェアは先端品では9割に及ぶ。米国のヘインズ国家情報長官は5月に上院軍事委員会で、「台湾の半導体供給が止まれば、世界経済は年間6000億~1兆ドル以上の打撃を受ける可能性がある」と証言した。
 日本にとって台湾有事は、絶対に発生を避けたい事態だ。中国を含む東アジア全域に張り巡らせてきたサプライチェーンが破壊されることの打撃は計り知れない。
■米軍が緊張感を演出している面も
 米国発の議論をそのまま受け取る必要はない。装備体系の更新を急ぎたい米軍が、「台湾有事が27年に迫っている」という緊張感を演出している面もあるからだ。
 前防衛大学校長で6月まで米スタンフォード大学に滞在していた国分良成・慶応大学名誉教授は、最近の講演会で「米国で台湾有事の議論を主導しているのは、ワシントンにいる安全保障系の戦略家たちばかりだ。中国や台湾の内情を踏まえた分析はあまり見られない」と話した。
 確率論や常識では考えにくいが、ひとたび実現すれば壊滅的な被害をもたらすリスクを「ブラックスワン」と呼ぶ。日本にとって台湾有事はまさにこれだ。最悪の事態を想定しておくのが安全保障の要諦だが、その論理だけでは社会は回らない。まして企業には個別の判断があって当然だ。自分のビジネスにとっての最適解を見つけるために、バランスよく情報を集め台湾をめぐるファクトを正確に理解しておきたい。
 西村 豪太 :東洋経済 コラムニスト
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 護憲派・反自衛隊派のエセ保守やリベラル左派は、中国に滞在する日本人を自衛隊を派遣するのではなく平和的な外交の話し合いで助けるきべきだと本気で考えてる。
 つまりは、彼等には国外にいる日本国民を助ける気はない。
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 日中戦争の発端であった第二次上海事変は、軍国日本が「邦人現地保護」の国是から上海の日本人を助けるべく軍隊を派遣した事から始まった。
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 徳川幕府が、日本人の海外渡航を死罪を持って禁止したのは、日本人が外国の紛争に巻き込まれない為であり、もし他国に滞在している日本人数百人、数千人が現地人に虐殺されたら日本の統治者として復讐しなければならないからである。
 外国との戦争を回避する為に、死罪という国禁を犯して渡航する日本人に対して「自己責任」として見捨てた。
 つまり、誰かが助けてくれるという「甘え」は許さなかった。
 徳川幕府は、自分と家族の生命財産は自助努力の原則をうち捨て、公助の責任も共助の義務を放棄していた。それが、徳川の平和の実情であった。
 年貢=税金を払わない日本人を助ける義理はない、と言う事である。
 それが、江戸時代のブラック社会であった。
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