🐇12:─1─仕事はできるが横暴な人は長い目で見れば生産性悪化は必至。~No.12 

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 2024年1月29日 MicrosoftStartニュース NEWSポストセブン「「仕事はできるが横暴な人」は有用なのか 長い目で見れば生産性悪化は必至
 安楽智大投手による同僚へのパワーハラスメント行為について、記者会見で頭を下げる楽天の森井誠之球団社長(左)。2023年11月30日(時事通信フォト)
 © NEWSポストセブン 提供
 出世する人は嫌なヤツばかり、ということを、なぜかどの組織でも言われ続けてきた。今でも「仕事はできるが横暴な人」が様々な職場には存在し、それを容認することが仕事をすることなのだと思い込まされている。だが、どんな地位にある人であっても、どれだけ仕事ができる人であっても、人の尊厳を傷つけてよいという理由にはならない。ライターの宮添優氏が、「仕事は出来るが横暴な人」によって苦しんだ体験や、容認することで自分もハラスメントに加担してしまった後悔についてレポートする。
 【写真】セクハラで社長解任
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 いま「仕事はできるが横暴な人」と言われて、あなたの頭に一人、いや数人の顔が思い浮かぶのではないだろうか。なぜ、こうした横暴な人たちが問題にされないのかと疑問を持っても、仕事はできるので難があっても置いておきたいという上司の意向が後ろ盾になり、あるいは部下たちからは、人間性に問題はあるが仕事ができるのでいてもらわないと困る、といった理由を説明され、私やあなたたちの職場に存在しつづけている。だが、本当にそれで良いのか。
 プロ野球楽天ゴールデンイーグルスが、自由契約を言い渡した安樂智大選手に、チームメートへのハラスメント行為があったと公表すると、自分たちの職場のあり方を改めて考える人がSNS上にも複数現れ、議論が展開された。そして、ネットだけでなくリアルでも「仕事はできるが横暴な人」問題について考え直している人たちがいる。
 パワハラがあることでの損失
 「安楽選手の件は、私も原稿を書きながら色々と考えました。プレー(仕事)は文句なしだが、部下へのパワハラやセクハラがひどい、という同僚や上司がわんさかいるので。ああいうのを許すと、組織全体が腐るのは間違いない」
 こう振り返るのは、大手スポーツ紙のプロ野球担当記者・笹塚勇平さん(仮名・20代)。笹塚さんは、楽天を事実上のクビになった安樂選手の取材を通じて、自身の環境を見直さざるを得なかったという。
 「安樂選手はピッチャーで、この数年は登板機会も多く、チームの中枢選手と言って良よかった。しかし、成績が上がるほど部下へのパワハラやセクハラが過激になり、他の選手もその実態を把握しているのに言えなかった。まさに『仕事はできるが横暴な人』の典型です。重要な戦力を失ったチーム側も相当に苦しいはずですが、処分が遅かったという指摘はあっても、セクハラやパワハラを許さないという球団の姿勢は評価されてよいはずです。うちの会社は旧態依然というほかありません」(笹塚さん)
 笹塚さん自身、新人記者時代に、壮絶なパワハラで有名だが仕事の鬼という上司にコテンパンにやられたとき、その都度、別の上司から「あれくらい耐えられないと記者になれない」とアドバイスを受けた。では今、あのときの体験が役立っているかと言われたら「パワハラ、セクハラを耐えたから記者になった、という奴なんか信用できない」と冷静に評価する。
 「一言で言えば、強引で意固地。社内的な人間関係などの問題も多々、起こすが、それでも最終的には大きく見える形になる仕事をするから、上司たちからの覚えもめでたい。でも、部下からは上ばかり見て下を見ない”ヒラメ”だと陰口を叩かれていました」
 都内の大手物流会社で係長を務める本田芳樹さん(仮名・40代)は、入社以来何年もの間、10歳ほど年上のやり手部長から怒鳴られたり公衆の面前で罵詈雑言を浴びせられたりした。しかし部長は、難しいプロジェクトをまとめたり、大きな案件をこなすリーダー役として社内で知られており、幹部からも一目置かれる存在だったという。そんな状態が長く続いて、社内では横暴部長の存在は「当たり前」「仕方ないこと」として誰もが捉えていた。しかし、5年ほど前、本田さんや会社の仲間たちの意識が一気に変わる出来事があった。
 「当時、部長の配下にいた新入社員や若手社員が、部長の日常的なパワハラを理由に出社拒否すると言い出したんです。でも、幹部など上の人たちは”今までの若手は耐えてきたんだ”とか”若手の我慢強さが足りない”と判断し、どうせ部下はやめないと考えていた。ところが、3人の部下が、あっけなく辞めました。部長の首もともこれで涼しくなるかと思いきや、パワハラは相変わらず」(本田さん)
 幹部たちは、3人もの若手社員が去ったのに「有能な部長に辞められたら困る」「大きな仕事を誰がやるのか」と部長の配置転換などに難色を示した。ところが、間も無く別の部下たちからも退職や部署異動の願いが続々寄せられたことで、部長はついに失脚。閑職へと追いやられたが、それでもまだ幹部の一部は「部長の穴を埋められるわけがない」と言い続けていた。ところが結局、部長のパワハラが消えたおかげで、様々な業務がスムーズにすすむようになり、若手は上司にビクビクしなくなった分、明るく仕事に励むようになれたのだ。
 「あの人にしかできない、という仕事は確かにあるかもしれません。ただ、そこで考えるのを辞めてしまってはダメなんです。目先の利益にとらわれて将来の展望を持たないのと同じで、パワハラがあることでの損失が計り知れないことも認識すべきです。今では、部長にしかできないとされてきた仕事は若手がすんなりこなしていて、結局部長はパワハラを使って仕事を独占しようとしていただけじゃないのかとすら思っています」(本田さん)
 声が大きい人が、実力以上に力があるように振る舞い、成果も大きいように見せるのはよくあることだ。変化を嫌う組織では、その大きな声に惑わされ、彼らにいいようにされているのかもしれない。
 長い目で見れば結局、生産性を悪くする
 「仕事はできるが横暴な人」が生き残るのは、その上司たちの意向が根強いことは前に紹介した通りである。そして、パワハラやセクハラが横行する会社は若手の定着率も低く、結果的に会社は成長しない。一見、ものすごく当たり前のことではあるが、パワハラ・セクハラ社員を大切に抱えている会社幹部たちは、目先の利益や儲けのために「致し方ない」と見て見ぬふりをする。たとえそれが犯罪であっても、である。
 「専務のセクハラは、社内ではセクハラとは捉えられていないほど、日常的でした。私自身、お尻を触られたり、肩を抱かれたりしたことがあり最初は驚いていました。ですが、専務は仕事ができるし、気に入られないと出世に響くと我慢しているうちに、結果的にわたしたちも専務のセクハラを許していた。そう指摘されて、初めて我に返りました」
 都内の食品卸会社に勤務する伊藤由里さん(仮名・30代)は、入社直後、専務があまりにも自然に”セクハラ”を行うことに唖然とした。何しろ、新人研修の時でさえ「伊藤ちゃんはボンキュボンで素晴らしい」などと言い放ち、つい先日までは学生だった伊藤さんら新人社員を怯ませたのだ。しかし、専務は会社にとって非常に重要な存在であり、社内報や業界紙にしばしば登場しては「食品業界の未来」などといった難しいテーマの寄稿を行うなど内外に知られた存在であった為か、セクハラを咎める上司は皆無だったという。
 「年齢の近い女性の上司なんか、セクハラされて喜んでいるようにも見えました。これがこの会社の普通だし、専務がいなければ私たちの仕事もなくなると感じてしまっていました。実際、会社上層部には専務へのクレームもまったく無かったんです」(伊藤さん)
 入社から5年ほどが経った頃、数人の女性社員たちが「専務のセクハラに対する抗議」と「セクハラ専務を許す会社への抗議」を行うと聞き、即座に頭をよぎったのは「専務がいなくなって大丈夫なの」という不安だったという。
 「結局、私自身も専務のセクハラを許してしまっていた1人。セクハラがいけないこと、とは思わず、それくらいで専務を辞めさせてあなたたちの仕事はどうなるの、と。ただ、この時に旗振り役だった女性上司が、今まで専務のセクハラが理由で何人もの女性社員が辞めたこと、辞めた女性社員は会社の雰囲気に飲まれて被害の訴えを出せなかったことなどを教えてくれました。その時に初めて、自分もセクハラをする側にいたのかと情けなくて悲しく、恥ずかしいと感じました」(伊藤さん)
 ベテラン女性社員や男性上司の一部からは、なお専務を擁護する声も聞かれたが、伊藤さんが「時代が変わりかけていたのかもしれない」というように、役員会で専務の異動があっさりと決定した。以来、セクハラはもちろんパワハラを許さないという空気が会社中に醸成され、年齢や立場に関係なくものが言い合える、風通しの良い職場になったという。
 「専務がいなくなった損失は確かにありました。でも、そのまま黙認していては、若手がみんなやめて会社がなくなっていたかもしれない。損得勘定で考えるのはおかしいかもしれませんが、長い目でみれば結局セクハラやパワハラは生産性を低下させるだけ。何より、セクハラやパワハラが許される世の中ではダメなんです」(伊藤さん)
 翻って、私たちの職場ではどうだろうか。今なお、敏腕だがパワハラばかり、人付き合いはピカイチだがセクハラばかり……そんな人が大きな顔をしてのさばってはいないだろうか。それを許しているのが自分自身であり、そのせいで組織の可能性の芽すら摘み取っているという事実と、しっかり対峙すべきだろう。
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 4月3日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「職場を破壊する「他人を攻撃せずにはいられない人たち」がもたらす「深刻な悪影響」
 根性論を押しつける、相手を見下す、人によって態度を変える、自己保身しか頭にない……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか?発売即重版が決まった話題書『職場を腐らせる人たち』では、ベストセラー著者が豊富な臨床例から明かす。
 腐ったミカンのように…
 〈私は企業や金融機関などで定期的にメンタルヘルスの相談に乗っているのだが、そこでも職場を腐らせる人に関する苦情をしばしば聞かされる。もっとも、当の本人は自分自身の言動が周囲に及ぼす影響について自覚していない場合がほとんどで、面談の際も「悩んでいることはありません」「何も問題はありません」といった答えが返ってくることが多い。これでは、みな頭を抱えるはずだと妙に納得する。〉(『職場を腐らせる人たち』より)
 〈職場を腐らせる人が一人でもいると、腐ったミカンと同様に職場全体に腐敗が広がっていく。だから、早めに気づいて対処する必要があるのだが、職場を腐らせる人は攻撃的な意図を必ずしも丸出しにするわけではなく、ときには攻撃の気配さえ押し殺して、巧妙に仕掛けてくる。そのため、なかなか気づけない。〉(『職場を腐らせる人たち』より)
 ベストセラー精神科医による最新刊『職場を腐らせる人たち』では、根性論を持ち込む上司や相手によって態度を変える人など、どんな職場にもいるやっかいな人の事例と頭の中を分析している。
 期待はすぐに捨てるべき
 では、『職場を腐らせる人たち』が身近にいる場合、何ができるのだろうか。
 〈職場を腐らせる人を変えるのは至難の業なので、「根気強く言い聞かせれば改心してくれるだろう」「謙譲の美徳をもってすれば反省してくれるだろう」などと期待してはいけない。そういう期待は、願望と現実を混同する幻想的願望充足にほかならない。だから、すぐに捨て去るべきだ。そのうえで、どうすれば実害を少なくできるかを考えるしかない。〉(『職場を腐らせる人たち』より)
 〈職場を腐らせる人を変えるのは至難の業なので、「根気強く言い聞かせれば改心してくれるだろう」「謙譲の美徳をもってすれば反省してくれるだろう」などと期待してはいけない。そういう期待は、願望と現実を混同する幻想的願望充足にほかならない。だから、すぐに捨て去るべきだ。そのうえで、どうすれば実害を少なくできるかを考えるしかない。〉(『職場を腐らせる人たち』より)
 『職場を腐らせる人たち』では、気づくこと、見きわめることなど基本的なやれることを紹介しながら、「ターゲットにされやすい人の特徴」なども掘り下げる。「ターゲットが抵抗も反撃もしないのは、弱くて、恐怖を抱いているからだと受け止め、相手の平和主義や無抵抗の上にあぐらをかいて、平気で傷つけたり痛めつけたりする」人たちに抗っていきたい。
 つづく「どの会社にもいる「他人を見下し、自己保身に走る」職場を腐らせる人たちの正体」では、「最も多い悩みは職場の人間関係に関するもので、だいたい職場を腐らせる人がらみ」「職場を腐らせる人が一人でもいると、腐ったミカンと同様に職場全体に腐敗が広がっていく」という著者が問題をシャープに語る。
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 2023年12月21日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「多くの日本人が知らない、じつは「上司になればなるほど無能になる」という組織の大問題
 なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか? 張り紙が増えると事故も増える理由とは? 飲み残しを放置する夫は経営が下手?
 仕事から家庭、恋愛、科学、歴史まで、東京大学史上初の経営学博士が、人生の不条理と不都合の根本原因をひもとく注目の新刊『世界は経営でできている』。
 一見経営と無関係なテーマに経営を見出すことで、経営の概念と世界の見方がガラリと変わる!
 人は無能になる職階にまで出世する
 「働かないおじさん」問題やブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)現象が話題になって久しいが、仕事と組織をめぐる問題は尽きない。
 なぜ、仕事は、組織は、うまくいかないのだろうか。
 〈残念なことに、むしろ無意味な何かを生み出すことを仕事だと思っていたり、恐ろしいことにこれこそが経営だと思っていたりする人もいる。
 なぜここまで会社には真の意味での仕事/価値を創り出す「経営」をおこなっている上司がいないのだろうか。その一つの理由は、「人は無能になる職階にまで出世する」という数理的に証明できる法則があるためである。〉(『世界は経営でできている』より)
 『世界は経営でできている』では、「次から失敗は巧妙に隠されるようになる。失敗は上司が気付いたときには取り返しがつかないほどに肥大化するようになる」とも語られる。
 組織の上層部は無能だらけになるわけ
 一体、「人は無能になる職階にまで出世する」とはどういうことだろうか。
 〈特定の職階で優秀だったものが次の職階でも優秀である確率は低い。ただし上位階層のポストの数は少ないのでこれ自体はあまり問題でもない。問題なのは、確率論的にいって「特定の職階では優秀だったが次の職階では優秀でない人」が多数いるということだ。
 彼らは新しい職階では評価されないため、さらに上位の職階に進まずに適性のない職階にとどまることになる。こうしたことがあらゆる職階で起こると組織の上層部は無能だらけになるわけである。〉(『世界は経営でできている』より)
 職階の数が多い組織ほどこうなる。つまり、上司が無能な組織はあちこちに存在するのだ。
 『世界は経営でできている』では、「すべての人が大なり小なりこうした無意味な仕事もどきを作りだしている。本当の責任はすべての人にある」とも指摘される。
 仕事をどのように「経営」していくのか。すべての働く人が問い続けなければならない。
 つづく「会社役員の「営業成績が平均未満の人間はクビ」発言が「決定的に間違っているワケ」」では、経営思考が足りない企業で起きうる「悲劇」について分析する。
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