⏱74:ー1ーこの1年で劇的悪化した中国人の対日感情、背後にあるものの“正体”。~No.169No.170 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 中国共産党は、柔やかに「日中友好」を語りながら、国外の人民達に民族主義愛国主義反日無罪と愛国有理で団結を命じ、国内を反日・反米でまとめる為にメディアと教育を使って反日教育を進めている。
 反日行為は、犯罪者ではなく人民の英雄である。
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 中国共産党の正統性は、ファシスト中国(国民党)との国内戦に勝利した事ではなく、日本との国外戦に勝利した事である。
 中国共産党が日本に押し付けてくる「歴史の鑑」とは、日本が中国を侵略した事ではなく、日中戦争で中国が勝利した事、つまり「中国は戦勝国で、日本は敗戦国・戦犯国である」と言う事である。
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 中国共産党は、日本軍・日本陸軍A級戦犯の「1,000万人以上の中国人民を助けた」という歴史的人道貢献を帳消しにする為に、「30万人以上を虐殺した」という第二回南京事件と「日本軍は2,000万人以上を殺した」という抗日戦争を創作しA級戦犯を祀る靖国神社を糾弾している。
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2024-08-14
💖目次)─8─近代天皇A級戦犯靖国神社による歴史的人道貢献。~No.1 * 
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 2024年12月8日 YAHOO!JAPANニュース SOCCER DIGEST Web「「中国を野放しにして、彼らにやりたい放題やられるのは…」日本戦での国歌妨害、乱入者、レーザー攻撃に識者が改めて苦言「スタジアムの状況は行き過ぎた印象」
 「中国側も動いてほしい」
 日本戦では乱入者騒ぎがあるなどハプニングがあった。 写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)
 日本国歌へのブーイングでの妨害、ピッチへの乱入者、日本選手へのレーザーポインターでの攻撃。北中米ワールドカップ・アジア予選の日本戦、中国のホームゲーム(11月19日。試合は日本が3-1と勝利)はある意味荒れた。これに対し、識者の河治良幸は独自の見解を述べている。
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 「中国のみんなが悪いわけではないですが、あのスタジアムの状況は行き過ぎた印象です。AFCFIFAに動いてもらいたいです。レーザー騒動はアウェーのバーレーン戦でもありましたけど、正直、中国を野放しにして、彼らにやりたい放題やられるのはどうかと思います」
 この試合に限った話ではないが、それでも河治氏は「中国側も動いてほしい」と改善を求めた。
 「中国は世界の大国ですから、威信をかけてやってもらいたいです」
 ちなみに、中国は現在グループCで最下位だが、本大会出場のチャンスは十分にある。
<グループCの順位表/2024年11月19日現在)
1位/日本/勝点16/5勝1分/22得点・2失点
2位/オーストラリア/勝点7/1勝4分1敗/6得点・5失点
3位/インドネシア/勝点6/1勝3分2敗/6得点・9失点
4位/サウジアラビア/勝点6/1勝3分2敗/3得点・6失点
5位/バーレーン/勝点6/1勝3分2敗/5得点・10失点
6位/中国/勝点6/2勝4敗/6得点・16失点
 すでに日本との連戦を終えている中国の今後のスケジュールは以下のとおり。
7節・3月20日サウジアラビア戦(A)
8節・3月25日/オーストラリア戦(H)
9節・6月5日/インドネシア戦(A)
10節・6月10日/バ―レーン戦(H)
 まずはアウェーのサウジアラビア戦で勝点をもぎ取って勢いに乗りたい。
 構成●サッカーダイジェストTV編集部
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 12月8日 YAHOO!JAPANニュース JBpress「目立った材料はないのにこの1年で「劇的悪化」した中国人の対日感情、背後にあるものの“正体”
 (画像:Andy.LIU/Shutterstock)
■ 日本人の対中感情は昨年と同水準だが……
 言論NPOが12月2日に発表した「第20回日中共世論調査」が、日本の中国ウォッチャーの間で、ひとしきり話題を呼んでいる。それは、日本側が眉を顰(ひそ)めるような中国側の回答が散見されたためだ。私も言論NPO有識者調査に回答している身なので、今回はそのことを掘り下げてみたい。
 【写真】反日的な内容を含む投稿が溢れている中国のSNS。当局が取り締まりを強化することもない
 世論調査の設問は多岐にわたったが、その中で「相手国に対する印象」の項目がある。日本人から中国を見て、「良い印象を持っている/どちらかといえば良い印象を持っている」と答えた人は、全体の10.6%だった。2割を下回るのは、習近平総書記が誕生した2012年以来、13年連続だ。
 逆に、中国に「良くない印象を持っている/どちらかといえば良くない印象を持っている」と答えた人は、全体の89.0%に上った。この質問への同様の回答が8割を超えるのも、やはり習近平総書記が誕生した2012年以来、13年連続だ。
 こうした日本人の回答は、普段日本で暮らしている「肌感覚」として、いわば予想の範囲内である。問題は、中国人の回答の方だ。
 中国人から日本を見て、「良い印象を持っている/どちらかといえば良い印象を持っている」と答えた人は、全体の12.3%。昨年は37.0%だったので、わずか1年のうちに25ポイント近く下がったことになる。
 また、中国人から日本を見て、「良くない印象を持っている/どちらかといえば良くない印象を持っている」と答えた人は、全体の87.7%。昨年は62.9%だったので、やはりわずか1年のうちに25ポイント近く上昇したことになる。
 こうした傾向は、次の設問「現在の日中関係」でも顕著だった。「良い/どちらかといえば良い」は、日本側の回答者で2.3%(毎度のこととはいえ、トホホな数字だ)、中国側の回答者で8.6%。「悪い/どちらかといえば悪い」は、日本側の回答者で52.9%、中国側の回答者で76.0%だった。
 日本側の回答は例年とほぼ変化なかったのに対し、中国側の回答は大きく変化した。すなわち、それぞれ昨年の17.5%から8.6%へ、昨年の41.2%から76.0%へと変化したのだ。
■ この1年で激変、中国人の対日感情
 さらに、次の設問へと続く。「今後の日中関係」の設問だが、「良くなっていく/どちらかといえば良くなっていく」と回答したのは、日本側が7.0%で中国側が9.6%。逆に「悪くなっていく/どちらかといえば悪くなっていく」と回答したのは、日本側が32.9%、中国側が75.0%だった。
 こちらも、日本側の回答はほぼ例年並みだった。それに対し、中国側はそれぞれ、昨年の31.6%から9.6%へ、昨年の40.1%から75.0%へと、大きく変化したのである。
 もう一つ設問が続いた。「日中関係の重要性」についてである。「重要である/どちらかといえば重要である」と回答したのは、日本側が67.1%、中国側が26.8%。逆に「重要ではない/どちらかといえば重要ではない」と回答したのは、日本側が5.0%、中国側が59.6%だった。
 ところがこちらも、日本側の回答が例年とほぼ変化なしだったのに対し、中国側はそれぞれ、昨年の60.1%から26.8%へ、昨年の19.1%から59.6%へと、大幅に変化したのである。
 この4問から推定できるのは、中国側の対日感情が、この一年で急激にヒステリックになってきていることだ。
■ 対日感情を悪化させた原因は何か
 その理由は、本来なら、明確な形を伴って表れるはずである。例えば、2012年に中国人の対日感情が急激に悪化したが、それは当時の野田佳彦民主党政権が、尖閣諸島を国有化したためだった。
 ところが今回は、そうした明快な事由がないのだ。それなのに、まるで「突然変異」のように、中国人が日本に対して角(つの)を立て始めた――。
 中国ウォッチャーとして、推定できることはある。それは、次のような三段論法だ。中国経済がますます悪化している→人々がストレス解消をスマホSNS動画に求める→日本批判のSNS動画が大量に出回る。
 実際、日本人として見るに堪えないような動画が、中国のSNS上で大量に流布している。中国当局は、習近平政権の悪口をアップしようものなら「秒殺」(1秒で削除)するのに、まるで根拠のない日本叩きの動画に対しては、実に腰が重い。
 今年6月に蘇州の日本人学校関係者が襲われ、9月には深圳の日本人学校の10歳の邦人児童が刺殺された。この頃には、「日本人学校は対中国スパイ養成学校」といった無茶苦茶なSNS動画が、大量に拡散されていた。仕事にありつけなくてムシャクシャしている失業者が、そうした動画を見て、「反日無罪」のような気持ちを抱いて犯行に及んだ可能性もあるのだ。
 このため、日本はそうしたデマ動画を取り締まるよう、中国側に要請している。石破茂首相は、10月10日にラオスで李強首相と会談した時も、11月14日にペルーで習近平国家主席と会談した時も、重ねてそのことを伝えている。北京の金杉憲治駐中国日本大使も同様だ。
 それでも、日本の外交関係者に聞くと、中国側は馬耳東風だという。中国政府としては、多くの国民が不景気でムシャクシャしている中で、ほとんど唯一の楽しみであるSNS動画まで取り締まってしまうと、国民の「怒りの矛先」が中国政府に向かうのではと懸念しているのだろう。
■ 対日感情を好転させるためにできること
 そうした中、日本が取れる施策として、いっそのこと中国人の「ノービザ観光」を解禁してはどうだろう? (中国は11月30日に日本人の「ノービザ観光」を解禁した)
 そんなことをしたら大量の中国人が日本へ入国し、かつ帰国しなくなるという反論が出ることは分かっている。
 だが、「一度日本を訪れた中国人の多くは親日になる」という経験則もある。実際、今回の調査には、中国人に対する「渡航経験別日本に対する印象」という項目もあった。「渡航経験あり」という中国人は、日本に対して「良い印象を持っている」13.4%、「どちらかといえば良い印象を持っている」42.2%、「どちらかといえば悪い印象を持っている」33.2%、「悪い印象を持っている」11.2%だった。つまり、「日本肯定派」が55.6%と、過半数を占めるのだ。
 それに対し、「渡航経験なし」という中国人はそれぞれ、0.2%、2.6%、44.6%、52.6%だった。こちらの「日本肯定派」はわずか2.8%に過ぎない。
 日本への渡航経験によって、これほど顕著に差が出るのである。そのため、次のような三段論法が成り立ちはしないだろうか。訪日中国人を増やす→親日中国人が増加する→中国政府の対日政策が宥和する。
 周知のように、来月にはアメリカでドナルド・トランプ政権が発足する。どうも究極の「アメリカ・ファースト政権」になりそうだし、わが石破政権との相性も、イマイチのように映る。
 つまり、これからはますます、日本は自分で自分の身を守らなければならないということだ。それなら、「最大の脅威」である中国に対して、「硬軟織り交ぜる」べきではないか。
 「硬」は、言うまでもなく、日本防衛をこれまで以上に堅固にするということだ。前任の岸田文雄政権は、5年で43兆円という防衛予算や反撃能力強化などで、中国に対抗していくレールを敷いた。
 一方で、「軟」にあたるのが、中国人の「親日意識」を高めることだ。もちろん、日本のマンガやアニメなども有用だろうが、やはり百聞は一見に如かずである。大勢の中国人に日本を見てもらい、日本を好きになって帰ってもらうことも、広義の「日本の防衛」になると思うのである。
 近藤 大介
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 12月8日 MicrosoftStartニュース Record China「「日本が好きなら中国から出ていけ」=そんな酷いコメントが来る現状を変えたい―中国人学生
 「新芽」というサークルを作った。日本のアニメをきっかけに、日本文化に興味を持った学生たちが集まり、サークルには和気藹々な雰囲気が漂っていた。写真は大阪。
 © Record China
 「日本文化に興味がある人は、ぜひ私たちのサークルへ」
 チラシを配っている後輩たちの姿を見ていて、私はふと3年前を思い出した。
 大学に入り、日本語を勉強し始め、日本文化に興味を持っているから、「新芽」というサークルを作った。日本のアニメをきっかけに、日本文化に興味を持った学生たちが集まり、サークルには和気藹々な雰囲気が漂っていた。
 毎週の金曜日の夜8時から、それは私たちの「お祭り騒ぎ」の時間だ。アニメ会や茶道会、読書会など、様々なテーマで活動を行い、皆は夜遅くまで語り合い、なかなか帰る気配を見せなかった。コロナが原因で日本に行けないにも関わらず、皆ができる限りの空想の中の日本について一所懸命分かち合う姿を見て、私はこのサークルを立ち上げて本当に良かったと、しみじみ思った。
 ある日、サークルの一人がこんな話をした。「このサークルに日本人が居てくれたら良いのに」。確かにそうだ。一人でも二人でも良いから日本人が居たら面白いだろう。そこで、「日本人の友達募集」という動画を、ツイッターやユーチューブにアップロードした。しかし、2週間経っても、応募した日本人も現れず、皆が落ち込んでいたところ、待望の日本人からのメッセージを貰った。「中国に興味があります。『新芽』に入れてもらえませんか」。
 こうして、「新芽」には新しい血液が注がれたのである。大阪在住の木村さんのおかげで、毎週の金曜日はさらに盛り上がり、関西弁についても色々教えてもらい、木村さんにも中国のことを紹介した。そして木村さんは「機会があれば、ぜひ中国に行ってみたい」と言った。海を隔てているとはいえ、両国の青年たちが、ビデオ電話1本でこのように自由に語り合えることは、科学技術の発展に負うところが多いと言えるだろう。
 2022年の年末、新型コロナウィルス対策が緩和され、ポストコロナ時代の幕が徐々に開いてきて、日本に行って木村さんと会う事も現実味を帯びてきた。実際に日本に行き、会ってみたいという気持ちにも掻き立てられ、「新芽・日本ツアー」という企画を考えに入れた。その後、サークルの皆でスケジュールや、費用など細かいところまで相談し合い、皆の顔は隠しきれないほどの興奮で赤くなり、目鼻さえ踊っているように見えた。
 「新芽・日本ツアー」のポスターをSNSに載せ、他に参加者や協力者を募ったところ、「新芽」は思いも及ばなかったサイバー暴力に襲われた。「そこまで日本が好きなら、中国から出ていけ。二度と帰ってくるな」「これは新型詐欺に決まっている」「海外に行かず、中国を旅行しろ」。こういった目も当てられぬコメントを見ていると、怒りというより、悲しい気分になった。
 中日両国は学び合い手を握って歴史の道を歩んできたのだ。しかしある日、大喧嘩して仲間割れしてしまった。時間が経つにつれ、再び交流し合うようになったが、わだかまりが祟って、昔の仲の良かった時のような関係に戻れない。そのため、これからすべきことは、先ずはわだかまりを捨てることだろう。
 関連するビデオ: 日中の国民感情悪化…“デマの影響”も 改善の方策は? 両国識者が議論 (日テレNEWS NNN)
 酷いコメント欄を見て、若者としての私たち「新芽」は、その現象を変えたいと思っている。「わだかまりを捨てる」という考えを中国の人にも、日本の人にも伝えたいと思っている。この考えをSNSに載せた。いまだ批判の声はあるが、一方で、支持してくれる声も徐々に増えてきた。
 「中国には、このような国際的な交流意識を持つ青年がいてほしい」「日本のいい文化を持ち帰ると同時に、中国の良さもきちんと伝えてね」。このようなコメントを見て、心の底から潤いが生まれてきた。まるで国のために戦う兵士のような勇ましい心地になった。「新芽」はこれからどうなるのか、乞うご期待である。
■原題:ポストコロナ時代の日中交流 ―私の体験と提言
■執筆者:王珊珊(四川外国語大学)
 ※本文は、第19回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「囲碁の智恵を日中交流に生かそう」(段躍中編、日本僑報社、2023年)より転載・編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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 11月16日 YAHOO!JAPANニュース「35人死亡し現場は血の海…中国で無差別殺傷事件が多発する理由、「社会への不満」で日本人も標的になる恐れ
 車が暴走し多数の人をはねた体育施設前に手向けられた花=12日、中国広東省珠海市(写真:共同通信社
 中国で無差別殺傷事件が相次いでいる。閉塞感が高まる中で「社会への報復」を狙ったものとされるが、11日に広東省で起きた35人を車で殺害した事件は中国のみならず世界に衝撃を与えた。こうした事件は今後も連鎖していく可能性があり、日本人も標的にされかねない。
 (福島 香織:ジャーナリスト)
 中国社会で、いわゆる社会報復性の無差別殺人事件、単独犯によるテロ的襲撃事件が後を絶たない。日本人にとっては、深圳市の日本人小学校前で登校中の10歳男児が母親の前で無職ナイフ男に殺害されたショッキングな事件の記憶が新しい。中国では理由もなく突然襲撃され、無差別に殺害される事件が実は頻繁に起きている状況を知っただろう。
 中国社会が経済的に低迷し、専制政治の中で不条理に自らの権利や財産、そして安全を奪われる人々が、さらに弱者に向かって暴力をふるって、その不条理を訴えるのがこの社会報復性テロだ。その中でも恐ろしいのが、凶器がナイフなどではなく自動車による「撞人」と呼ばれる犯行である。
 ナイフで一度に大量の人間を殺害することは難しいが、車を使えば数十人規模を一気に殺害できるからだ。先日11日夜、国際航空展開催間近の中国広東省珠海体育センターで、まさに共産党史上最悪とも言われる「撞人」事件が起きた。
 11日午後7時48分ごろ、珠海体育センターの運動場では、市民がジョギングや体操、行進やダンスの練習などをしていた。おそらくは200人ぐらいが利用していただろう。そこに囲いを乗り越えて小型SUV(スポーツユーティリティビーグル)が突然、猛スピードで乗り込んできて、群衆に突っ込み、人々を追い回し、跳ね飛ばしひき殺したのだった。
 車が暴走し多数の人をはねた体育施設に設置された柵=12日、中国広東省珠海市(写真:共同通信社
 半径50メートルほどの運動場で何十人もの人たちが血だまりの中に倒れ、うめいている様子が動画で拡散されていた。車はそのまま現場から走り去ったが、およそ2キロ離れた地点で警察に捕まり、運転していた62歳の男が逮捕された。
 運動場にはすぐに救急車が駆け付け、負傷者を4つの病院に分けて搬送した。公式発表では35人が死亡、43人が重傷を負った。車にはねられてはいないが、ショックで失神した人や気分が悪くなった人も大勢いたという。
 犯人の動機はまだ詳しくはわかっていないが、離婚して財産分与に不満を抱えていたらしい。この体育センターが裁判所の前にあったことが犯行現場に選ばれたのではないか、という見方もある。
 現場は血の海となり、犠牲者の運動靴などが散乱。警察はその血だまりを高圧放水で洗い流している様子の動画がネット上で拡散されていた。
 だが当局は、この事故現場の阿鼻叫喚の動画や報道、それにまつわるコメントなどをすぐに削除し、報道統制を敷いている。公式メディアは最小限の情報を報じるだけで、そのコメント欄は統制された。
 事故後の現場には、犠牲者の死を悼む市民が献花に訪れようとしたが、警官が配置され排除されていた。また外国メディアの取材が立ち入らないようにしている。被害者が搬送された病院も同じで、その家族がメディアと接触しないよう、取材を受けないように警官や係員が配置された。
 死傷者の数は公式発表より多いという証言もあり、当局はこの事件に関してはかなり神経質に情報を統制している。
 目撃者によると、犯人は老人といってもいいような容貌だったとか。最近、中国では今回のような社会不満を無関係・無防備な人々に向ける社会報復性テロ事件が多発してい。
 今年、車の暴走事件が6700件以上も
 ナイフで無差別に人を襲う事件を中国語では「砍人」と言い、車で人を無差別にはねる事件を「撞人」と言う。ちなみに、橋やビルから自殺する事件を「跳楼」「跳橋」と言い、こうしたキーワードは最近の中国の世相を表す事件として、頻繁に見る。こうした事件は模倣性があり、一つ起きると、繰り返される。
 たとえば小学校の前で子供をナイフで襲う社会報復性のテロ事件が一つ起きると、その後、同じパターンの事件が繰り返される。
 車で無差別に人を襲う事件も当然これが初めてではない。広東省でいえば、昨年1月11日、広州市天河区の体育東路でBMWが次々と通行人をはね6人が死亡、29人負傷した事件がある。犯人は一審で死刑判決が出た。
 中国・深圳での日本人男児殺害事件=2024年9月(写真:ロイター/アフロ)
 今年3月19日には、この一日だけで、北京、遼寧省瀋陽浙江省台州の3カ所で車で人を無差別にはねる事件が相次いだ。北京では1人死亡17人負傷、瀋陽では3人死亡1人負傷、台州では職業技術学院の校区で事件が発生し10人の学生を含む19人が次々はねられ3人が死亡。犯人はいずれも20代男だ。
 今年3月はこのほか、1日、8日、16日にも同様の事件が起き、20日間で私が確認できるだけで7件の「撞人」事件が起きている。今年10月には山東省青島市の人民路で共産党を罵りながら逆走する自動車が、コンクリートミキサー車や何台もの車を巻き込む大事故を起こした。10月21日は、武漢の農村でも車が故意に暴走して、22人を次々とはね、7人死亡11人重傷。この時点の中国メディアによれば、こうしたわざと人をはねる自動車暴走事件は今年だけで6758件ある、という。
 このような事件が近年、特に多いのは、一つには中国社会の閉塞感の高まりがある。経済低迷が続き、失業率が高まり、不動産や株価は下がるが、生活物価は高騰、イデオロギー統制、情報統制が厳しく、未来に希望が持てない状況が続いている。こうした状況で不満が高まるも、その不満を公言することははばかられ、内心の鬱屈がどんどん膨らんでいる。
 「情緒感染」が起きやすい中国社会
 中国当局は今年に入って「四無人員」と呼ばれる「配偶者子供なし(家族なし)」「仕事定収入なし」「正常なコミュニケーションなし(友達・社会との接点なし)」「資産なし」の人や、「五失人員」と呼ばれる「投資失敗」「生活失意」「心理失衡」「人間関係失敗」「精神失調」に当たる人を社会の安全を脅かすリスク要因とみなして、監視強化対象としている。それほどに「四無五失人員」が増えており、社会が不安化しているということだ。
 こうした人々は、普段平静を装っていても、ちょっとした刺激がきっかけとなって、怒りを爆発させたり、不安でパニックを起こしたりして、ときに連鎖反応を引き起こし、一種の「情緒感染」のようなものが起きやすくなる。
 この「情緒感染」は、私の経験上、中国人には特に起こりやすい気がする。たとえば、反日デモなどが、その典型だ。
 中国の大規模反日デモは私も何度も現場で取材したことがあるが、デモに参加している人たちの中には、普段から筋金入りの反日というわけではない人も大勢いる。むしろ、日本製品や日本のサブカルチャーが大好きで、日本旅行に行きたがる人も少なくなかった。
 だが、日頃の暮しにうっぷんを抱えている場合、当局が反日などの方向に不満を発散させるよう誘導すれば、正常な判断ができずにその方向に一斉に向かい始めることがある。反日デモが終わった後に、彼らになぜデモに参加したのか、と問い詰めると、バツが悪そうに「なんか、そういう気分になった」みたいなことをよく言う。
 古くは毛沢東文化大革命紅衛兵も、私は人民の「情緒感染」の特性を知った上で、それを誘導して、劉少奇打倒の権力闘争に利用したものだと私は見ている。胡耀邦の死が、大規模な追悼集会を引き起こしたのも情緒感染ではないか。そうした情緒感染した若者の集会を、趙紫陽が鄧小平との権力闘争に利用しようとして失敗したのが天安門事件の一つの側面であったと思う。
 中国共産党は、こうした情緒感染に陥った人々を利用してきたが、あまり規模が拡大しすぎるとコントロール不可能になり、最終的にはその不満や感情の矛先が共産党自身に向かうことがある。それを恐れて、当局は報道統制や情報隠蔽、あるいは禁足令などで人民を情報や外部刺激からシャットダウンしようとするのではないか。
 こうした一種の情緒の感染というのは、どこの国でも経験している。だからこそ自殺などの報道については、最近のメディアは過剰に報道しないように注意する。ただ、中国の場合、こうした情緒感染や、それによる連鎖行動や集団行動が往々にして政治的意味を持つようになりがちだ。
 日本人は自衛を強化する必要がある
 たとえば最近の中国で話題になった、若者が夜に自転車に乗って鄭州から開封に行く「開封夜騎」と呼ばれた集団行動も「情緒感染」的だ。6月に最初にこうした行動をとった4人の女子大生やそれをまねし始めた大学生たちにも、もともとは明確な理由などなかった。
 だが、それが大勢の人々に共感を呼び、拡大していく過程で、五星紅旗を掲げたり、「台湾統一は必然」「日本軍国主義を打倒せよ」といったプラカードを掲げたりして、政治的意味を持ちだした。最終的には鄭州の公道が自転車で身動きが取れないほどの集団行動に拡大した。この行動がコントロールを逸することを当局が恐れて、11月9日には河南省の大学では学生たちの外出が禁止されてしまった。
 中国専制政治には、周囲と同じ方向に走り出しやすい中国社会の状況を都合よく利用しようとするズルさがある。そして、こうした情緒感染的な集団行動が政治的意味を持ちやすい環境は、専制政治がそれをコントロールできなくなったときに、誰にも止められない暴走エネルギーとなりやすい。それは、ときに政権を転覆させる革命になったり、国家を長期間、機能マヒに陥らせたりするのだ。
 中国共産党がすぐに情報を封鎖したり、隠蔽したり、あるいは人民の移動統制を強化したりするのは、中国人の「情緒感染」の怖さを知っているからだろう。
 中国で仕事をしたり、留学をしたり、生活をしたりする邦人に伝えたいことは、今の中国社会で、人民が受ける抑圧、ストレスが非常に大きく膨らんでおり、こうした情緒感染による暴力事件、群衆事件がかなり起きやすくなっているということだ。
 一度起きた事件のパターンは連鎖し、模倣され、繰り返されやすい。日本人は、そうした抑圧のはけ口になる可能性があるということを、改めて繰り返しておく。くれぐれも、巻き込まれないように自衛を心がけるようにしてほしい。
 福島 香織(ふくしま・かおり):ジャーナリスト
 大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。おもに中国の政治経済社会をテーマに取材。主な著書に『なぜ中国は台湾を併合できないのか』(PHP研究所、2023)、『習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン』(かや書房、2023)など。
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