🌦9¦─1─尖閣諸島国有化、10年目の真実 中国激怒に野田政権「本当にまずい」、力関係が逆転。~No.30No.31No.32 

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 2022年9月9日18:29 MicrosoftNews 共同通信「米司令官「中国は無責任」 南西諸島防衛に自信
 © KYODONEWS 東京都内で取材に応じる米太平洋陸軍のフリン司令官=9日午後
 米太平洋陸軍のフリン司令官は9日、東京都内で日米両国の一部メディアの取材に応じ、ペロシ下院議長の台湾訪問に反発した中国が台湾海峡周辺で行った軍事演習について「無責任な形で軍事力を誇示した」と批判した。日米両国には南西諸島を防衛する「能力と態勢が整っている」と述べ、日米同盟の有事への備えに自信を示した。
 中国軍は8月に行った大規模軍事演習で、日本の排他的経済水域EEZ)に弾道ミサイルを落下させた。台湾情勢の緊張とともに、南西諸島防衛の強化が日米の喫緊の課題となっている。
 フリン氏は「南西諸島の一部である奄美での訓練は非常に重要だ」と語った。」
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 9月9日20:42 YAHOO!JAPANニュース「尖閣諸島国有化、10年目の真実 中国激怒に野田政権「本当にまずい」、力関係が逆転
 尖閣諸島の(手前から)南小島、北小島、魚釣島=2012年9月、沖縄県尖閣諸島朝日新聞社機から
 10年前の2012年9月11日、日本政府は尖閣諸島を民間から買い上げた。尖閣諸島の国有化だ。
 【写真】釣魚島に立てられた青天白日満地紅旗(台湾の旗)や落書き、地主…尖閣諸島の今昔
 石原慎太郎都知事(当時)が主導した尖閣諸島購入の動きが、中国の強い反発を招くと判断したうえでの国有化だった。日本は水面下で、中国に国有化の意味を繰り返し説明したが、中国の反発を抑え込めなかった。
 2008年ごろから続いていた尖閣諸島周辺海域への中国公船の侵入は、尖閣国有化を経て、ほぼ常態化した。尖閣国有化は、日中の国力の逆転を思い知らされた事件でもあった。(牧野愛博)
 2012年4月16日。石原氏が米国のシンクタンクに招かれた際、尖閣諸島の所有者から土地を買い受けることで合意していると明かした。
 当時の野田佳彦政権は驚き、首相官邸の高官を東京都幹部と接触させた。首相官邸は都の強硬な姿勢に手を焼き、国有化の方針に徐々に傾いていった。
 6月。山梨県で行われた日中外務次官級戦略対話で、佐々江賢一郎外務次官(当時)は「尖閣の平穏かつ安定的な維持・管理が重要だ」と述べ、初めて中国側に国有化の検討をにおわせた。
 日本側は当時、「国有化」ではなく、「所有権の移転」という表現を使った。「著しい現状変更は行わない」というニュアンスを込めたつもりだったが、中国外務省の張志軍次官は「日本の主張は確かに聞いた。本国に伝える」としか言わなかった。
 日本はその後も、「尖閣諸島を巡る対立をあおりたくない」という考えを中国側に伝え続けた。
 だが、中国は、日本の説明を無視するような行動を続けた。中国側から公式の場で日本を非難する発言が続いた。7月には、中国の漁業監視船3隻が尖閣諸島周辺の日本領海に侵入した。
 日本側も中国の反発はある程度予想していたが、「度を超した反応だ」と憤る声が上がった。
 8月19日。野田首相が石原知事と首相官邸でひそかに会談した。野田氏は直後から、側近たちに「本当にまずい。大変だ」と漏らし始めた。
 同月下旬、尖閣諸島の買い取りを指示した。財務省は7億円と評価していたが、所有者との協議も踏まえ、9月初め、予備費を出して20億4千万円での購入で合意した。
その頃、張志軍次官が再び来日した。アジア太平洋協力会議(APEC)で予定されていた日中首脳会談の調整のためだった。
 日本側は6月以降、中国に何度も伝えてきた説明を改めて繰り返したが、中国は最後まで納得しなかった。
 9月9日。ロシア・ウラジオストクでのAPEC会場で、胡錦濤中国国家主席が自ら野田首相に近づき、「あれだけ言ったのに、裏切られた」と尖閣国有化を批判した。
 野田首相も「ちゃんと説明した」と反論したが、胡錦濤氏は「国有化は違法だ」と突っぱねた。
 あれから10年がすぎた。今年4月末から8月末にかけて、中国海警局の艦船は138日連続で尖閣周辺を航行した。
 海上保安庁によれば、1千トン以上の船舶でみた場合、尖閣国有化当時に中国海警局の公船は40隻で、海保の51隻を下回っていた。ところが、2019年末には海警の公船は130隻にまで増えた。同年度末時点で言えば、海保巡視船(66隻)の倍近くにまでなった。
 自衛隊の元幹部は尖閣周辺での中国艦船の長期間に及ぶ行動について、「警察権を行使し、パトロールを行うという法執行機関の発想ではない。プレゼンスを示して制海権を握るという軍の動きそのものだ」と語る。
 ただ、中国の尖閣周辺での行動が目立ち始めたのは2008年ごろだった。日本政府の元高官も「中国の対外姿勢が強硬に転じたのが2008年。北京夏季五輪の成功とリーマンショックからの素早い回復を背景に、対外的に強硬な姿勢を示すべきだという軍主導の考え方が中国世論に支持された」と語る。
 別の元高官も「(中国共産党幹部が汚職スキャンダルで失脚した)薄熙来事件が起きたのも、胡錦濤政権の弱体ぶりが原因だった」と語る。
 この元高官は「当時の、民主党政権の外交にも問題があった。ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問や、李明博韓国大統領の竹島上陸もあり、民主党政権はくみしやすいと思われてしまった。尖閣国有化は、中国にうまく利用された」と語る。
 その上で、こうも指摘した。
 「日本政府の説明は中国のジャパンスクールには届いても、中南海の幹部まで届かなかったのかもしれない。届いていても、日本の影響力が限られていて、無視されたのかもしれない」
 当時、尖閣諸島の国有化を巡る外交交渉は日中の間だけで行われた。日本が同盟関係にある米国の影響力をうまく使う機会もなかった。
 日本政府内では当時、尖閣諸島に対する中国の強硬姿勢に警鐘を鳴らす声もあった。ただ、当時の米国は、ブッシュ(子)大統領からオバマ大統領に移っていく時代だった。
 当時の自衛隊幹部は「私たちの危機感を共有する米軍関係者がいても、ホワイトハウスまで危機感が届かなかった」と語る。
 オバマ大統領が尖閣諸島について「日米安全保障条約第5条の適用対象となる」となると明言したのは、2014年4月の日米首脳会談後の共同記者会見の場だった。
 あれから10年経ち、中国の視界に占める日本の存在はどんどん小さくなっている。数年前、訪日した中国政府幹部に対し、日本政府の元高官が「日本と米国は同盟関係にある。中国が米国と付き合っていくうえで、日本が中国にアドバイスできることもあるだろう」と語りかけた。この中国政府幹部は薄笑いを浮かべるだけだったという。
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