⏱66:ー1ー洗脳教育を受けた中国Z世代に増幅される愛国主義と反日感情。~No.153No.154 

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 ソ連中国共産党などの共産主義国では、子供達に対して洗脳教育が行い、共産党の方針・大義・正義を実現する為に意のままに動かしていた。
 その象徴的な事例が、文化大革命による青少年で組織した紅衛兵で、数千万人が虐殺された。
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 2024年10月28日14:02 YAHOO!JAPANニュース 中央日報日本語版「【コラム】中国Z世代の愛国主義
 中国の国旗[Pixabay]
 中国でも「Z世代」の区分は韓国と大きく違わない。概略15歳から29歳までを指す。成長期からインターネットと携帯電話に触れており、個性が強いという特徴も同じだ。しかし彼らには韓国Z世代とは違う独特な一面がある。何か。
 中国は今年国慶節(10月1日)に1週間以上の連休だった。連休期間、特に人気を呼んだのが紅色の観光だ。韓国の言葉に訳すなら愛国観光。井岡山・延安などの革命聖地は全国から駆せ参じた観光客で連休期間はずっと混雑した。中国統計局は紅色観光の支出が昨年の国慶節に比べて約40%増えたと明らかにしている。
 若年層が多かった。統計は「紅色観光全体の約58%が10代後半から30代初め」と明らかにしている。Z世代が愛国観光の主力群ということだ。主要旅行会社はZ世代を狙った「紅色商品」を出してもいる。中国Z世代が韓国と異なる一点は、まさにこの国家観だったということだ。
 個性、個人主義などZ世代の特性と「愛国」は相容れない組み合わせだ。それでもなぜ彼らは紅色観光に出かけるのか。本『中国敗北』を書いた黄亜平はその原因を教育に見出している。黄は1970、1980年代生まれの者よりも1990年以降に生まれた若者世代のほうがかえって「反自由的」と分析する。彼らが学校教育を受け始めた2000年以降のカリキュラムが共産理論、民族主義などをより強調しているためだ。実際に若者たちに1989年天安門事態について聞いても何も知らない。学ばないためだ。習近平時期の「中国の夢」を強調して愛国教育に「中華主義」が追加された。スマートフォン武装したZ世代若者たちは「中華民族の偉大な復興」を率先して叫ぶ。
 「紅色教育」は経済現場では愛国消費で、文化では愛国映画として現れる。愛国観光もその一つの破片だ。一歩間違えれば極端な方向に流れやすい。満州事変93周年だった9月18日、広東省深圳で日本人小学生が暴漢に襲撃されて殺害されたのはこれを示している。6月には吉林市で米国人4人が凶器で襲われている。犯行の根底に歪んだ愛国主義が席を占めていることを否定できない。
 革命戦士には柔軟性というものがある。しかし教育を受けた共産主義者(educated communist)はもっと過激で、教条的という特徴を持つ。中国Z世代の盲目的愛国主義がまた誰を狙うことになるのか、彼らを見る外部の視線は痛いばかりだ。
 ハン・ウドク/チャイナラボ上級記者
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 10月28日12:01 YAHOO!JAPANニュース 東洋経済オンライン「中国の根強い「反日感情」裏にある“国民のリアル”。現地の学校教育に触れて感じた様々なこと
 2012年の反日デモの様子。現在も反日投稿が相次ぐ(写真:AP/アフロ)
 新聞社で10年ちょっと働き、未婚で息子を出産。日常生活に疲弊を感じ、追い詰められる中で息子とともに日本を飛び出すことを決断した、経済ジャーナリストの浦上早苗さん。向かった先の中国での日々や出会った人々との交流を記録した『崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』を上梓した浦上さんが、中国での反日感情を巡る問題を語ります。
 【写真】2012年の尖閣諸島領有を巡るデモでは一部が暴徒化。スーパーも被害に遭う
■中国での反日教育のリアルな状況
 深センの日本人小学校児童の殺害事件を機に、中国人の反日感情について聞かれることが増えた。
 筆者は中国の大学院に留学し、その後別の大学で教鞭を執った。その間、小学生の息子を現地の小学校に通わせていた。
 広大な国土に、日本の10倍の人口が暮らし、省が違うだけで文化や発展度合いがまったく異なる中国全体の反日感情を語ることは難しいが、中国の教育現場にさまざまな立場で身を置いた一個人の経験から、反日教育反日感情のリアルな状況を紹介したい。
 中国政府が「反日教育」をカリキュラムとして実施しているという話は聞いたことがない。とはいうものの、日中戦争(中国では「抗日戦争」と呼ばれる)は小学校低学年の授業で取り上げられる。
 国語だったか道徳だったか、息子の小1の教科書に日本軍と戦った八路軍の英雄物語が掲載され、「日本軍を追い返したぞ」と喜ぶ人民たちの挿絵が添えられていた。ただ、日本軍が中国を侵略したのは史実だし、日中戦争中華人民共和国の建国と切っても切り離せない歴史の1ページだけに、教科書で取り上げること自体は理解できた。
 深セン日本人学校の事件が起きた9月18日は、旧日本軍が南満州鉄道の一部を爆破し、満州事変の発端となった柳条湖事件の発生日と重なった。中国で「国恥日」と呼ばれるこの日は、筆者や息子の通学路にある建物の電光掲示板に「918を忘れるな」とサインが流れていた。
 テレビをつければ八路軍日本兵と戦う「抗日ドラマ」がしょっちゅう放送されている。中国に住み始めたときは「日本軍への敵意はこんなに強いのか」とおののいた。
■国に貢献したい一方でアニメが好き
 ただ中国生活に慣れてくると、別の側面も見えるようになった。
 抗日ドラマは日本の「時代劇」のようなジャンルとして定着しているだけでなく、コメディありカンフーあり、果ては日本兵と中国人将校の恋愛ありと、史実から完全に離れてエンタメ化していた。
 そして若者は抗日ドラマではなく、日本のアニメやドラマを通じて日本のイメージを形成している。筆者が日本語を教えていた大学では、学生がECサイトで日本の制服風の上下をクラス全員分購入し写真撮影をしていたし、日本でアニメや映画の舞台を巡る聖地巡礼が大流行した。
 人民解放軍に入って国に貢献したいと夢を語る男子学生は、アニメ『進撃の巨人』の「心臓を捧げよ」ポーズをしてみせた。
 中国の国際的な存在感が高まる中で成長した今の20~30代は、母国に誇りを持つ愛国者が多い。だからといって、共産党を信仰しているわけでもない。
 大学時代に努力して共産党員になった30代の女性は「就職に有利と言われていたし、親も『大きなチャンスをもらえた』と喜んだので党員になった。でも実際にはメリットがなくて、党員になるために費やした時間がもったいなかった。共産党を嫌いというわけではないが、特段の感情がない」と淡々と話した。(過去記事:「共産党100周年」中国の若者達が語る党への本音)
 選挙権がないから政治は他人事だ。日本に対しても旅行先、留学先、転職先というように、自分の人生を豊かにするための選択肢の1つとして捉えている。
 若者に限らず今の50歳くらいまでの中国人は超現実主義で、何事も進学や就職、昇進・昇給にプラスになるかに基づいて判断する。
 筆者が中国の博士課程に在籍していた2010年代前半、共産党の思想の基盤にもなっているマルクス主義に関する必修科目がそれまでの倍に増えた。授業を担当する教員は「最近資本主義がはびこっているから、政府の方針で基本思想の教育を強化することになった」と説明した。
 だが、政府が思想教育に躍起になっても現場ではあっという間に骨抜きにされる。筆者が期末のレポートに四苦八苦していると、中国人の同級生が「マルクスは中学生のときからやっているから対策はばっちり」と、レポートのテンプレートがぎっしり詰まったUSBを貸してくれた。「共産党宣言が短いからお勧めだよ。資本論は長いからやめたほうがいい」と言い添えて。
尖閣問題のさなかに日本語の授業
 2012年には尖閣諸島の領有権を巡って日中関係が悪化し、成都で大規模な反日デモが発生した。
 その頃筆者は、息子が通っていた現地小学校の校長から、総合学習の時間に日本語クラスを開いてほしいと依頼された。
 日中関係が緊張し、「日本人と分かったらタクシーで乗車拒否される」という噂も流れていた時期なので、日本語なんか教えたら保護者から苦情が来るのではと心配したが杞憂だった。息子の担任教師には、「あなたが授業を代わってくれるから、その時間に自分のやりたいことができる」と感謝された。
 同じころ、警察に引っ越しの届け出に行くと、女性警察官に「尖閣問題をどう考えているか」と聞かれた。「国と国はいろいろ問題があるけど、私は中国人の友人とうまくやっているし、政治のことは気にせずやるべきことをやるしかない」と答えたら、警察官は頷きながらパスポートを返してくれた。
 国同士の関係がどうであっても、生活に特段の変化はなかった(尖閣諸島のごたごたのときは、日本語を大声で話さないように多少は構えたものの)。
 そんな話を中国で暮らした経験がある人にすると、「大連は特殊だからね」と返ってくることがある。
 筆者が生活していた大連は日本企業が集積し、非常に親日的な都市として知られる。外にいるときに急に雨が降ってきて息子と2人で雨宿りをしていると、隣に立っていた知らない女性がタクシーを止めて「方向が一緒なら乗ってください」と同乗させてくれたこともあった。
 その女性は運転手に「この人日本人だから、タクシーを自分で捕まえられないと思って、見るに見かねて声を掛けたのよ。子ども連れだしね」と話していた。
反日感情は個人による
 たしかに大連は特殊かもしれないが、結局は反日感情は個人によるとしか言いようがない。
 親日都市の大連にだって「日本人お断り」と垂れ幕を掲げたレストランがあったし、「犬と日本人は近づくな」というサインをつけたバイクに遭遇したこともある。
 東日本大震災が起きたときは、息子の学校の保護者が参加するグループチャットに不謹慎な書き込みをする人もいた。
 東京電力が昨年8月に福島第1原発の処理水放出に踏み切ったとき、どこで会ったかも覚えていない中国人から「お前は汚染水放出について何も思わないのか」とメッセージが来た。
 それでも、筆者は中国人からリアルに敵意を向けられたことはほとんどない。むしろ2010年代後半の訪日旅行大ブーム以降は、プロパガンダに影響されず、自身の経験を基に日本を語る中国人が増えていると感じることが多い。
 昨年、四川省の奥地でタクシーに乗ったとき、運転手が「5年前に日本に旅行して富士山を見た」というので、こんな地域に住むタクシー運転手も日本に遊びに行く時代になったのか、と感慨深かった。チベットに隣接するそのエリアは、日本に行くにも飛行機で6時間ほどかかり、東南アジアの方が圧倒的に近いからだ。
 日本人学校の児童が襲撃される事件が相次ぎ、中国に関わる日本人は普段可視化されない猛烈な敵意・悪意を認識し、衝撃を受けている。筆者もその1人だ。SNS反日嫌日投稿が事件の引き金になったとの説もささやかれている。
 日本での生活が長いある中国人女性は、「SNS反日投稿をする人の相当数は、注目を集めるためにやっているのでは」と語る。
 この女性は2010年代前半から後半にかけて、中国メディアの日本語版の運営に従事していた。当初は中国の国営メディアと配信契約を結び、政治経済記事を翻訳して公開していたが、ヤフーニュースなどのプラットフォームに記事を配信するようになると、「中国の民度ヤバい」といった中国人や共産党を嘲笑・否定する記事のアクセスが伸びることに気づき、「嫌中」「反中」コンテンツの量産に傾斜していった。
 それだけでは収まらず「嫌韓」「反韓」にも手を伸ばし、配信した記事がヤフーニュースのコメントやSNSで荒れるほど、トラフィック流入し、多くの広告収入を得ることができた。
■対立を煽ることがメディアの利益に
 女性は「対立を煽ることが運営するメディアの利益になった。SNS反日コンテンツを発信する人の多くは承認欲求を満たしたり、ストレスを発散したり、何らかの利益を得たいと考えているのではないか」と推測し、こう付け加えた。
 「発信するほうは政治的意図なくやっているけど、そういう発信に影響されて日本への敵意を強める人はいるだろうね。私たちは嫌中、嫌韓コンテンツをたくさん配信してSNSのフォロワーも獲得したが、ある時プラットフォーマーに『有害な影響を与える恐れがある』と配信契約を切られ、メディアとして立ち行かなくなった。社長も私も今は別の仕事をしている」
 浦上 早苗 :経済ジャーナリスト
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 2024年24日 YAHOO!JAPANニュース「日本に移住する中国人富裕層、その実数が不明確な理由
 中島恵ジャーナリスト
 中国リスクなどを背景に、中国人富裕層の日本への移住が増え続けている。実は、富裕層だけでなく、一般企業の会社員など中間層にまでその幅は広がっているが、実態は不明だ。
 というのも、出入国在留管理庁の統計だけでは、その数を正確に把握することができないからだ。とくに富裕層の場合、従来、いわれてきたような「経営・管理」ビザを取得して来日しているとは限らず、さまざまな手段を取っているからだ。
 在留中国人が取得する主なビザ
 筆者はこの7~8年、「日本のなかの中国」「在日中国人」を取材し、複数の書籍でその詳細を紹介してきた。現在、日本に住む中国人の在留資格で最も多いのは、2023年末の同統計によると「永住者」で約33万人に上る。
 続いて多いのは、「留学」ビザ(約13万6000人)。その次は一般企業の会社員などが取得することが多い「技術・人文知識・国際業務」ビザ(約9万2000人)だ。日本企業、あるいは日本にある中国系企業、外資系企業などにつとめる会社員の多くは、これを取得して日本で働いている。
 この3つの在留資格の取得者だけで、全在日中国人(約82万人)の半数以上を占めている。
 富裕層など、近年、日本に「潤」(ルン=移民、移住などを意味する隠語)してくる人々の多くは、これまで、日本で貿易など事業の経営を行い、その管理などに従事するための在留資格「経営・管理」ビザを取得することが多いといわれてきた。
 同ビザで在留できる期間は3カ月(または4カ月)、6カ月、1年、3年、5年などの種類があり、23年末には約1万9000人がこれを取得し、日本に滞在していた。そのため、とくに中国のゼロコロナ明けの23年初頭から日本に移住してくる富裕層の実数は、この数字がほぼ当てはまるだろうと認識されてきた。
 だが、知人の行政書士や、在日中国人らに話を聞いてみると、必ずしも同ビザを使って来日する富裕層ばかりではないという。
 ある知人によれば「『経営・管理』ビザで来日すると、日本に独立した事業所を確保したり、初期投資として500万円以上を用意したり、職員を雇用したりしなければならず、ハードルが高いです。むろん、お金持ちは、それくらいのことは可能でしょうが、その後もビザのために事業を継続したり、管理したりするのは面倒。そのため、別のビザを取得しようと考える人もいるのです」という。
 経営者でも「留学」ビザを取得する
 たとえば、前述の「技術・人文知識・国際業務」ビザだ。富裕層は中国ですでに企業経営していたり、不動産などで莫大な財産を築いたりした人が多く、悠々自適の生活を送っているが、「日本に安く滞在するため」の手段として、一般企業の会社員と同じ在留資格を得ようとする人もいるという。
 とくに、最近では、都内を中心に、在日中国人が代表をつとめる中国系企業が非常に多いため、そこに在籍する形を取るのが、手っ取り早い方法だ。取得後、本当に、その会社に毎日出勤して仕事をしているかは不明だが……。
 また、「留学」ビザを取得するという方法もある。40~50代の経営者であっても、日本語を学びたいという理由で「留学」ビザを得て、日本語学校に通いながら日本で暮らすことはもちろん可能だ。年齢は関係ないので、そうした形態を取るケースもある。
 筆者が今年初め、著書で紹介するために取材した桜美林大学では、2019年から、中国語によるMBA経営学修士)プログラムを開設しており、24年度は19人の中国人が入学したということだった。彼らの多くは中国の経営者、起業家だが、同MBAに入学することで「留学」ビザを取得し、日本にやってくることも可能だと聞いた。
 このように、日本に移住してくる中国人富裕層が取得するビザはさまざまある。そのため、その実数を正確に把握することは難しくなっているのだ。
 在日中国人の人口が佐賀県山梨県を超えて、日本の都道府県レベルの人数になったことは脅威か?
 中島恵
 ジャーナリスト
 なかじま・けい ジャーナリスト。著書は最新刊から順に「日本のなかの中国」「中国人が日本を買う理由」「いま中国人は中国をこう見る」(日経プレミア)、「中国人のお金の使い道」(PHP新書)、「中国人は見ている。」「日本の『中国人』社会」「なぜ中国人は財布を持たないのか」「中国人の誤解 日本人の誤解」「中国人エリートは日本人をこう見る」(以上、日経プレミア)、「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」「中国人エリートは日本をめざす」(以上、中央公論新社)、「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか」「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(以上、プレジデント社)など多数。主に中国を取材。
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