⛿18¦─2─中国共産党は、日本領土南鳥島南方海底の「レアアース泥」を強奪する為に第二列島線を画定して海軍を増強しつつある。No102No.103No.104 * 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2016年2月9日 産経ニュース「海底5500メートルに希少金属 南鳥島沖合で確認
小笠原諸島南鳥島沖合の海底5500メートルで確認されたコバルトリッチクラスト海洋研究開発機構提供)
 海洋研究開発機構と高知大は9日、レアメタル希少金属)資源が含まれる海底の岩石「コバルトリッチクラスト」が小笠原諸島南鳥島沖合の、海底5500メートルに広く分布しているのを確認したと発表した。
 従来の調査より約2千メートル深い海底で初めて確認され、日本近海で推定される資源量が大幅に増える見込みだという。
 コバルトリッチクラストは、鉄やマンガンの酸化物を主成分とする海水起源の堆積岩で、コバルト、ニッケル、白金などのレアメタルも含む。小笠原諸島から沖縄にかけ広く分布しているとされる。
 1月に海洋機構が無人探査機「かいこう」で行った調査では、南鳥島の沖合約200キロにある海山の斜面で、コバルトリッチクラストが広がっているのを確認。幅30〜40センチ、厚さ3〜8センチの岩石を採取した。
 今後、岩石の組成や形成される仕組みなどを詳しく調べる方針。」
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 3月30日 産経ニュース「【海底資源「夢の泥」はいま(1)】脱・資源貧国、日本の切り札「レアアース泥」に中国の触手 南鳥島南方で探査契約
 「研究者はどうやって生活しているんですか」。2月上旬、さいたま市で開催された中学生対象の講演会。無邪気な中学生の質問と、壇上の男性との掛け合いに会場は笑いに包まれた。壇上の男性は東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター教授の加藤泰浩(54)。
 加藤はハイテク素材に欠かせないレアアース泥(でい)を約5年前、太平洋のタヒチ沖やハワイ沖の海底で世界で初めて発見した。翌年の平成24年には日本の排他的経済水域EEZ)である南鳥島(東京都小笠原村)沖でも見つけたことを公表した。海底の鉱物資源を見つけた日本人は加藤が初めてだった。
 南鳥島は、東京の南東約1860キロに浮かぶ最東端の国境。加藤の発見は一辺2キロの正三角形状の同島のEEZで、日本が自由に海底開発できることを意味する。南鳥島沖で発見されたレアアース泥は中国の陸上レアアースの20〜30倍の濃度。現在の日本のレアアースの消費量(約1・4万トン)の200年分以上が眠っているという。日本が海底レアアース開発のトップランナーとなり、「資源貧国」を脱する足がかりとなる可能性を秘めているのだ。
 しかし、中国がその行く手を阻むかもしれない。「日本より先に中国がレアアース泥を開発する可能性が出てきました」。加藤は講演会でこう危機感をあらわにした。
 22年9月7日の沖縄県石垣市尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりしてきた事件。日本でレアアースという用語が有名になったのはこの事件がきっかけだった。日本の司法当局が漁船の船長の勾留延長を決めると、中国は自国の陸上で生産されるレアアースの対日禁輸という外交カードを切った。中国は当時、世界のレアアース需要の97%を供給していた。価格は急騰し、日本は中国に翻弄された。
 このとき東大准教授だった加藤はすでに、東大の研究所にあった試料から太平洋沖の水深4千メートル以上で採取された泥にレアアースが高濃度で含まれることをつかんでいた。研究室の学生ら9人と、数年かけて集めた2千を超える泥を分析し、2カ月で論文にまとめた。「太平洋の深海泥にレアアース」。23年7月、論文は世界的科学誌「ネイチャージオサイエンス」に掲載された。加藤がこの発見の公表を急いだのは、レアアース価格をコントロールしていた中国を押さえ込みたい一心からだった。
 不穏な動きがある。
 中国は約2年前、南鳥島から南側延長線上にある550キロ四方の公海で、コバルトやプラチナを含む海底鉱物資源「コバルトリッチクラスト」を探査する契約を国際海底機構と締結した。これにより15年間の排他的権利を確保し、開発に向けた探査が可能になった。
 中国に定められた鉱区探査範囲最北の海山と南鳥島との距離は約820キロ。加藤は中国の思惑をこう推測する。「中国が獲得したコバルトリッチクラスト鉱区は、日本が獲得したクラスト鉱区よりクラストが分布する海山がはるかに少ない。中国の狙いはずばり、南鳥島南方の公海に分布するレアアース泥の探査だろう」
 中仏連携 不穏なシナリオ
 東大教授の加藤泰浩はさいたま市の講演会でもう一つ懸念を口にした。
 「中国はフランスの企業と組んで資源開発しようとしている。先にわれわれが開発したいと思ってます」
 加藤は平成26年11月から石油・天然ガス開発会社などが参加する「東大コンソーシアム」というチームを組んでレアアース泥の開発を目指している。
 中国にレアアース泥を揚げる技術はないが、世界でトップクラスといわれる仏の海洋開発会社と組むことはないか−。加藤の懸念は中仏連携のシナリオだ。
 中国主導のアジアインフラ投資銀行に仏が参加するなど、中仏は経済的に良好な間柄。レアアース泥が見つかったタヒチ沖の一部は仏の排他的経済水域EEZ)で、自国の資源に関心がない国はない。
 加藤は2月、仏大使公邸に招かれ、来日中の国会議員らとレアアースについて意見交換した。加藤は中仏の協力は十分にありうる、との見方を深めた。
 「仏と中国の企業は一緒に海底資源開発に乗り出そうとしている」。国際的な海洋動向に詳しいある研究者もこう指摘する。
 この研究者によれば、パプアニューギニアで計画されている海底熱水鉱床の揚鉱(ようこう)などに使われる船は中国が、機械は仏企業が造り、鉱石も中国企業が買い取る予定という。
 海底熱水鉱床は、海底の地中から熱水とともに噴出した鉱物が堆積してできた金や銀などを含む海底資源。日本では沖縄海域と伊豆・小笠原海域で発見されているが、沖縄海域では中国の海洋調査船が頻繁に出没しているという。しかし、経済産業省は隣国を刺激しないように公表に慎重だという。
 そしてこの研究者は中国の資源獲得に対する貪欲さを象徴するエピソードを明かす。「中国は私たちがすでに発見したところを、『わが国の調査船が沖縄トラフで発見した』とニュースで流した。学術論文として発表し、既成事実化するのは阻止できたが…」
 27年6月、中国の通信社、新華社はこんな見出しの記事を流した。
 《中国 インド洋で埋蔵量が豊富なレアアース鉱を初発見》
 実はこれも加藤がその2年前に国際学術誌に発表済みのもの。発見の手柄の既成事実化は、日本の領土である尖閣諸島を自国領と主張し続ける手法と同じだ。
 「南鳥島周辺のレアアース泥を開発する、という意志は見せておかないといけない。中国の海洋開発は日本を追い越すのが目標ですから」。こう警鐘を鳴らす研究者もいる。
 「東大コンソーシアム」は南鳥島沖から泥を引き揚げる実証試験を2年後には行いたいとしている。30・8億円と見込まれるコストが課題だが、いま日本にとって重要なのは中国に後れを取らないことだ。=敬称略
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 日本人が海底鉱物資源のレアアース泥を発見して約5年。当時、本紙は「夢の泥」として報じた。日本が「資源国」となる可能性を秘めた「夢の泥」のいまを追う。(編集委員 斎藤浩)
 【用語解説】レアアース
 レアアースはジスプロシウム(Dy)やネオジム(Nd)など17種類からなる元素の総称。「希土類」とも呼ばれる。東大の加藤泰浩教授はレアアースを豊富に含む海底泥をタヒチ沖や南鳥島沖で発見し、レアアース泥と名付けた。質量の重いものと軽いものがあり、Dyやテルビウム(Tb)など10種類は「重レアアース」と呼ばれ、陸上の鉱床では中国に集中。残るNdなどは「軽レアアース」に区分される。エアコン、スマートフォン液晶テレビLED電球からインフルエンザ治療薬の合成触媒…。私たちの生活のあらゆる物に微量ながらレアアースは使われ、「産業のビタミン」と呼ばれる。
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 3月31道 産経ニュース「【海底資源「夢の泥」はいま(2)】訒小平の戦略・中国レアアース開発で荒れ果てた山に無数の酸溶液の池 住民は歯が抜け…陸上破壊進み海洋進出か
 中国・江西省の山間部のレアアース採掘現場 =平成25年6月(宮崎紀秀氏提供)
 中国のレアアース開発は、最高指導者だったトウ小平が約24年前に改革開放と経済成長を呼びかけた「南巡講話」で述べた言葉が原動力となってきた。
 「中東有石油、中国有稀土、一定把我国稀土的優勢発揮出来」
 「中東には石油があるが、中国にはレアアースがある。中国はレアアースで優位性を発揮できるだろう」という意味だ。
 中国はレアアースの偏在性を十二分に利用してきた。レアアース鉱床は米国や豪州などの陸上にも分布しているが、中国以外では鉱床に含まれるトリウムなどの放射性元素の処理という環境問題がネックとなって開発は難しい。
 レアアースのうち、ジスプロシウムやテルビウムなどの重レアアースは、日本が得意とする最先端のハイテク製品には欠かせないが、量も少なく、中国一国がほぼ独占。平成22年9月の尖閣諸島沖縄県石垣市)沖の漁船衝突事件を機に、禁輸という強気な態度で日本を「レアアースショック」で揺さぶることができたのもこの偏在性が背景にある。
 しかし、ここにきて中国は自国の陸上レアアース資源の開発は限界だと気づき始めているとの見方も出ている。
 重レアアース鉱床は中国でも南部にしか存在しない。北京を中心に活動するジャーナリスト、宮崎紀秀(45)は3年ほど前、中国南部の江西省レアアース鉱床を取材したことがある。
 江西省の小さな村に入った宮崎の視界に飛び込んできたのは、山肌に掘られていたいくつもの貯留池だった。土に酸をかけて分離したレアアースを回収し、池にはレアアースを抽出した酸溶液をためておく。「もう取り尽くしたという感じでしたね」。荒れ果てた山に無数の穴…。乱採掘を物語っていた。
 内モンゴル自治区を取材したときは、レアアース生産による環境破壊を目の当たりにした。
 同自治区の包頭(パオトウ)は「稀土大街」(レアアース大通り)や「稀土公園」(レアアース公園)がある、レアアースで栄えた都市だ。公園にはトウ小平の似顔入りで「中東有石油 中国有稀土」と揮毫(きごう)された石壁があった。
 包頭郊外の広さ10平方キロメートルの湖の向こうに見えるレアアース関連工場。工場が半世紀ほど廃水を垂れ流したためか、湖のかなりの面積は干上がり、荒涼とした地表が広がっていた。
 湖近郊の村を訪れると、住民の多くは歯が抜けていた。村では地下水を使って生活し、農作物や家畜を育ててきた。住民の話では、30年ほど前から作物は育たなくなり、家畜も歯が黒くなって餌を食べられなくなって死んだという。
 中国の陸上レアアース乱採掘や関連工場による環境破壊−。南鳥島(東京都小笠原村)沖でレアアース泥(でい)を発見した東大教授、加藤泰浩(54)はこう指摘する。「環境問題は持続可能な資源開発の最大の障害だ。中国の陸上レアアースは近い将来開発は難しくなるかもしれない」
 南鳥島沖を含めた太平洋の海底のレアアース泥には、陸上鉱床と違ってトリウムやウランがほとんど含まれず、採掘の際に出る放射性廃棄物の問題もないという。レアアースをめぐる環境問題に直面している中国にとって、海底のレアアース泥はかなり魅力的に映っているはずだ。
 陸上から海洋へ−。中国のレアアース戦略は転換期に差し掛かっているのかもしれない。=敬称略(編集委員 斎藤浩)」
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 4月2日 産経ニュース「【海底資源「夢の泥」はいま(4)】中国が仕掛ける「第4次レアアース攻撃」、再び
 中国の精製工場で出荷を待つ重レアアースイットリウム酸化物 (小滝秀明氏提供)
 「第4次産業革命」が始まろうとしている。20世紀後半のコンピューターによる自動化の第3次に続くインターネットや人工知能による社会構造変革だ。
 日本は2020(平成32)年の東京五輪パラリンピックまでに自動運転車の普及を目指している。立体映像を観戦会場に浮かび上がらせる技術やロボットによる外国人客の案内、不審者を素早く割り出すカメラなどの開発も進む。
 南鳥島(東京都小笠原村)沖でレアアース泥(でい)を発見した東大教授、加藤泰浩(54)は「どの分野でも基盤技術として強力なモーターやディスプレーの蛍光体は必要で、レアアースが欠かせない」と話す。
 一方でその頃、別の「第4次」が訪れるとの予測がある。レアアースをめぐる危機だ。危機は中国の戦略によって10年周期で繰り返されてきた。
  ×  ×
 「第4次レアアース危機は起きてもおかしくない」と懸念を示すのはレアメタル専門商社、マテリアル・トレイディング・カンパニー社長、小滝秀明(57)。
 平成22年9月の尖閣諸島沖縄県石垣市)沖の中国漁船衝突事件を契機とした「第3次危機」。それを教訓に日本は中国に代わる生産地を探したが、ベトナム・ドンパオ鉱床やカザフスタンでは頓挫した。結局、日本はほとんどを中国に依存、中国のさじ加減一つでレアアース不足になる状況に変わりはない。
 では第4次危機はどのようにして起こるのか。
 世界最大の二酸化炭素排出国である中国は、環境対策として再生可能エネルギーの拡大を計画中。電源構成に占める割合を2020年に29%、30年に53%、50年に86%と順次引き上げていくシナリオを描く。自然エネルギーの促進で数値目標を達成したい考えだが、風力発電などのモーターに用いる強力磁石にレアアースは必要だ。
 小滝は中国のこの環境対策が第4次危機を引き起こす「口実」になると見る。
 中国は環境対策を理由にレアアースの生産量をひそかに絞った上で囲い込む。そしてレアアースを入手できなくなった日本企業に対し、レアアースを使う製品を生産する工場の中国移転を促し、その製品を日本に輸出する。そうすれば日本からの技術流出も期待できる上に、中国はただ単にレアアースだけを日本に輸出するよりも多くの利益を獲得できる−。これが小滝が想定する第4次危機に至るシナリオだ。
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 加藤は警鐘を鳴らす。「レアアースの供給に問題が生じれば2020年前後に期待される日本の技術革新が成り立たなくなる。中国以外の供給先がなかなか見つからないなか、何もせずに傍観していると日本は完全に後れを取る」
 世界の標識メーカーなどにレアアース添加の蓄光顔料を提供するネモト・ルミマテリアル社長の竹内信義(68)によると、40年前、電気自動車やハイブリッド車に欠かせないジスプロシウムは使い道がなく「ゴミ扱い」だった。それが今ではハイブリッド車の普及でレアアースの中で一番人気だ。
 竹内は訴える。「何十年後にどんな製品が出現するのか、だれも予測できないからこそレアアースが必要だ。資源のない国だからこそ、南鳥島にトライしてほしい。それには政治の役割が大きい」
 加藤によると、南鳥島沖のごく一部のレアアース泥を開発すれば、国内需要の240年分のジスプロシウムが見込めるという。
 資源確保戦略推進議連幹事長で前総務相新藤義孝(58)は「(開発は)政府の成長戦略や自民党の公約に入っている。政治は決断しているが、血税を投下するなら、役所の検証は必要だ。政治は今できる最大限のスピードアップをさせる」と話す。
 南鳥島沖のレアアース泥の開発には水深という壁が立ちはだかる。政府が現在、開発を優先しているのは日本周辺海域の水深700〜1600メートルの海底熱水鉱床。これに対し、同島沖のレアアース泥の水深は5千メートル超と深い。だが、「夢の泥」の開発は国益のためにも、夢物語で終わらせてはならないフロンティアだ。日本の産官学政の英知が試されている。=敬称略、おわり(編集委員 斎藤浩)」

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