🎵30:─2─日本は日露戦争宣戦布告詔勅草案に自衛の正当行為である事を書き込んだ。~No.72No.73 

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 2022年7月31日 MicrosoftNews KYODONEWS 共同通信日露戦争宣戦布告の詔勅草案発見 「露国の欲望は延ひて」と非難
 © KYODONEWS 柴田家門が書いたと推定される、日露戦争の宣戦布告の詔勅草案
 桂太郎内閣で内閣書記官長や文相を務めた山口県出身の官僚・政治家柴田家門(1863~1919年)の長男宅に、日露戦争の宣戦布告(1904年2月10日)の詔勅草案が残されていたことが31日、分かった。明治天皇が署名した詔勅最終稿と比べ、ロシア批判の表現が多い。
 詔勅草案は内閣罫紙12ページにわたって1行空けて記述。満州を事実上支配して朝鮮半島にも進出しようとするロシアを非難し、戦争開始を宣言する内容はほぼ同じだが「領土に対する露国の欲望は延ひて」「陸海軍備に対し異常なる拡張を加へ」「其責任挙て露国に在り」など明治天皇が署名した最終稿とは異なる表現が多かった。
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 突然、完全武装の近代的軍艦に乗った異国人が「平和的友好的な交易を求める」として眼の前に現れ時、非武装前近代的な平和な生活を送っていた現地人は、相手の穏やかな笑顔と軍艦の武器と何方を見るて判断するのか。
 現代の日本人は相手の笑顔を信用したが、昔の日本人は軍艦の武器に相手の意図を読み取った。
 所詮は、「衣の下の鎧」であり、「降り掛かる火の粉」は自分で火傷しても払い除けて消さねばならないと。
 そこには、現代日本平和憲法、第9条憲法など存在しなかった。
 事実、日本を助ける為に援軍を出してくれる親切な国など一ヵ国もなかった。
 もし日本が負ければ、日本は清国のように好き勝手に切り刻まれて分解したか、最悪はムガル帝国ビルマ王国のように滅亡して植民地となり、日本人は西洋人(白人)キリスト教徒の奴隷にさせられた。
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 明治日本は、江戸時代からの西洋列強による軍事侵略(日本の植民地化)とキリスト教による宗教侵略(日本人の奴隷化)を恐れ、警戒し、侵略されない為に国家と国民が一丸となり、国民を犠牲にしても強大な軍隊と強力な艦隊を持つ軍事国家への道を暴走した。
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 軍事小国日本にとって軍事大国ロシアとの絶望的戦争は、江戸時代後期からの避けては通れない自衛戦争であった。
 日清戦争や朝鮮内政介入は、対露戦争の為の前哨戦であった。
 つまり、明治期の日韓併合までの大陸政策は強欲な領土拡大ではなく積極的な自衛策であった。
 愛国心民族主義軍国主義そして天皇主義も、全て、日本を侵略してくるロシアに対する祖国防衛のイデオロギーであった。
 が、現代の日本人は革新的非武装中立とリベラル的平和主義で、天皇・国家・民族=国民の滅亡をかけて戦った日露戦争における日本の戦争行動を戦争犯罪と決めつけ全面否定している。
 その証拠が、命を捨てて母国日本を守った軍神(祭神)を祀る靖国神社問題である。
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 日露戦争宣戦布告詔勅草案
 Ameda
 (句読点を補い、カナをひらがなに変換しました)
 天佑を保有万世一系の皇祚を践める大日本国皇帝は忠実勇武なる汝有衆に示す。朕茲に露国に対して戦を宣す。朕か陸海軍は宜く全力を極めて露国と交戦の事に従ふへく朕か百僚有司は宜く各々其の職務に率ひ其の権能に応して国家の目的を達するに努力すへし。凡そ国際条規の範囲に於て一切の手段を尽し遺算なからむことを期せよ。惟ふに文明を平和に求め列国と友誼を篤くして以て東洋の治安を永遠に維持し各国の権利利益を損傷せすして永く帝国の安全を将来に保障すへき事態を確立するは朕夙に以て国交の要義と為し旦暮敢て違はさらむことを期す。朕か有司も亦能く朕か意を体して事に従ひ列国との関係年を逐ふて益々親厚に赴くを見る。今不幸にして露国端を開くに至る豈朕か志ならむや。
帝国の重を韓国の保全に置くや一日の故に非す。是れ両国累世の関係に因るのみならす韓国の存亡は実に帝国安危の繋る所たれはなり。然るに露国は其の清国との明約及列国に対する累次の宣言に拘はらす依然満洲に占拠し益々其の地歩を鞏固にして終に之を併呑せむとす。
 若し満洲にして露国の領有に帰せん乎韓国の保全は支持するに由なく極東の平和亦素より望むへからす。故に朕は此の機に際し切に妥協に由て時局を解決し以て平和を恒久に維持せむことを期し有司をして露国に提議し半歳の久しきに亙りて屡次折衝を重ねしめたるも露国は一も交譲の精神を以て之を迎へす 曠日弥久(こうじつびきゅう)徒(いたずら)に時局の解決を遷延せしめ陽に平和を唱道し陰に海陸の軍備を増大し以て我を屈従せしめむとす。凡そ露国か始より平和を好愛するの誠意なるもの毫も認むるに由なし。露国は既に帝国の提議を容れす韓国の安全は方に危急に瀕し帝国の国利は将に侵迫せられむとす。 事既に茲に至る。帝国か平和の交渉に依り求めむとしたる将来の保障は今日之を旗鼓の間に求むるの外なし。朕は汝有衆の忠実勇武なるに倚頼し速に平和を永遠に克復し以て帝国の光栄を保全せむことを期す。
 (御名御璽)

 口語訳〕
 天の助けによって先祖代々皇位を継承してきた家系に属する大日本国の皇帝は、忠実にして勇敢な汝ら国民に以下のことを知らせる。朕はこの文書で、ロシアに対する戦争を行うことを布告する。朕の陸軍と海軍は、ぜひとも全力をつくしてロシアと戦ってほしい。また朕のすべての部下らは、それぞれの職務や権限に応じて国家の目的が達成されるように努力してほしい。国際的な条約や規範の範囲で、あらゆる手段をつくして誤ちのないように心がけよ。朕の考えは、文明を平和的なやりかたで発展させ、諸外国との友好関係を促進することによって、アジアの安定を永遠に維持し、また、各国の権利や利益を損なわないようにしながら、末永く日本帝国の将来の安全が保障されるような状況を確立することにある。これは朕が他国と交渉する際に最も重視していることがらで、常にこうした考えに違反しないよう心がけてきた。朕の部下らも、こうした朕の意思に従ってさまざまな事柄を処理してきたので、外国との関係は年がたつにつれてますます厚い親交を結ぶに至っている。今、不幸なことにロシアと戦う事になったが、これは決して朕の意志ではない。 日本帝国が韓国の保全を重視してきたのは、昨日今日の話ではない。我が国と韓国は何世代にもわたって関わりをもっていたというだけでなく、韓国の存亡は日本帝国の安全保障に直接関係するからでもある。ところが、ロシアは、清国と締結した条約や諸外国に対して何度も行ってきた宣言に反して、今だに満州を占拠しており、満州におけるロシアの権力を着実に強化し、最終的にはこの土地を領有しようとしている。 仮に満州がロシア領になってしまえば、我が国が韓国の保全を支援したとしても意味がなくなるばかりか、東アジアにおける平和はそもそも期待できなくなってしまう。従って、朕はこうした事態に際して、何とか妥協しながら時勢のなりゆきを解決し、平和を末永く維持したいとの決意から、部下をおくってロシアと協議させ、半年の間くりかえし交渉を重ねてきた。ところが、ロシアの交渉の態度には譲り合いの精神はまったくなかった。ただいたずらに時間を空費して問題の解決を先延ばしにし、表で平和を唱えながら、陰では陸海の軍備を増強して、我が国を屈服させようとした。そもそもロシアには、始めから平和を愛する誠意が少しもみられない。ロシアはこの時点になっても日本帝国の提案に応じず、韓国の安全は今まさに危険にさらされ、日本帝国の国益は脅かされようとしている。事態は、既にここまで悪化しているのである。日本帝国は平和的な交渉によって将来の安全保障を得ようしたが、今となっては軍事によってこれを確保するしかない。朕は、汝ら国民が忠実にして勇敢であることを頼みとして、速やかに永久的な平和を回復し、日本帝国の栄光を確たるものとすることを期待する。
 (御名御璽)
 以上
 国立公文書館アジア歴史資料センターより引用
 明治天皇陛下の平和を愛し、日本が自衛の為の戦争であったかを詔勅が物語っています。
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