⛿4¦─3─日本の反撃能力保有決定に中国共産党は震撼している。〜No.16 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 歴史が証明するところでは、軍事力の信奉者である中国は戦争して勝てない相手や反撃されて甚大な被害を受ける恐れがある敵には手を出さなかった。
 中国が日本を侵略して日本人を虐殺しなかったのは、両国の間に海が日本の防波堤として存在したからではなく、日本の軍事力を恐れたからである。
 現代の日本人は、本当の歴史を知らないし理解できない。
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 2022年12月17日15:00 YAHOO!JAPANニュース ZAKZAK iza「日本「反撃能力保有」に〝中国震撼〟 空母「遼寧」など艦艇6隻で威嚇 安保3文書を閣議決定、岸田首相「防衛力を抜本強化」 米国は高く評価
 新たな国家安全保障戦略など「安保3文書」を決定し会見する岸田文雄首相=16日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
 岸田文雄首相は16日夜、国家安全保障戦略など「安保3文書」を閣議決定したことを受け、首相官邸で記者会見した。3文書は、敵ミサイル拠点などへの打撃力を持つことで攻撃を躊躇(ちゅうちょ)させる「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有を明記するなど、戦後の安保政策を大きく転換する内容となった。「増税ありきの財源論」や「首相の説明不足」などへの批判もあるが、日本を取り巻く安全保障環境の悪化を受けた「防衛力強化」は避けられない。同盟国・米国などが高く評価する一方、中国は反発したのか空母「遼寧」など艦艇6隻を沖縄周辺に送り込んできた。
 習近平
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 「わが国の周辺国、地域において、核・ミサイル能力の強化、あるいは急激な軍備増強、力による一方的な現状変更の試みなどの動きが一層、顕著になっている」「現在の自衛隊の能力で、わが国に対する脅威を抑止できるか」「率直に申し上げて、現状は十分ではない」「私は首相として国民の命、暮らし、事業を守るために、防衛力を抜本強化していく」
岸田首相は注目の記者会見で、こう決意を語った。
 「安保3文書」は、日本が「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」との認識を示したうえで、中国や北朝鮮を念頭に「力による一方的な現状変更の圧力が高まっている」と指摘した。
 共産党一党独裁のもと、軍事的覇権拡大を進める中国の動向を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と記した。
 「反撃能力」保有をはじめとする「防衛力強化の重要性」を訴え、一連の施策が「安全保障政策を実践面から大きく転換する」とも強調した。
具体的には、米国製巡航ミサイル「トマホーク」など、複数の長射程ミサイルを順次配備する。宇宙・サイバー・電磁波などの新たな領域と陸海空を有機的に融合する「多次元統合防衛力」を構築する。
 自衛隊では長く予算不足を強いられてきたため、弾薬・誘導弾が必要数量に足りていないうえ、戦闘機などが、他の機体から部品を外して転用する「共食い修理」が続けられてきた。今回、こうした状況も解消する。
 来年度から5年間の防衛力整備経費を約43兆円と定め、インフラ整備など防衛力を補完する予算を含め、2027年度に「対GDP(国内総生産)比2%」に達することを目指すとした。
 防衛費の財源については、安倍晋三元首相が日本経済への打撃を考慮して提示していた「防衛国債」を排除し、財務省の筋書きなのか「増税」方針を強行する構えだ。防衛力には力強い経済が不可欠であり、自民党安倍派を中心に反発は続いている。それを意識したのか、次のようにも語った。
 「安倍政権において成立した安全保障関連法によって、いかなる事態においても切れ目なく対応できる態勢がすでに法律的、あるいは理論的に整っているが、今回、新たな3文書を取りまとめることで、実践面からも安全保障体制を強化することとなる」
 日本の決意と覚悟が込められた「安保3文書」を、米国は歓迎した。
 ジョー・バイデン米大統領は16日、ツイッターに「(日米同盟は)自由で開かれたインド太平洋の礎石であり、日本の貢献を歓迎する」と投稿した。ジェイク・サリバン大統領補佐官も同日、「日本は歴史的な一歩を踏み出した」とする声明を発表した。
渡部悦和氏が懸念「いまだに非核三原則
 一方、中国外務省の汪文斌報道官は16日の記者会見で、「中国への中傷に断固として反対する」「アジア近隣国の安保上の懸念を尊重し、軍事、安保分野で言動を慎むよう改めて促す」などと語った。自国の異常な軍備増強を棚に上げた暴言というしかない。
 さらに、中国海軍の空母「遼寧」と、ミサイル駆逐艦3隻、フリゲート艦1隻、高速戦闘支援艦1隻の計6隻の艦艇が16日、沖縄本島宮古島の間を南下して東シナ海から太平洋に航行した。防衛省統合幕僚監部が同日発表した。「安保3文書」への軍事的威嚇のようだ。
 今回の「安保3文書」をどう見るか。
 元陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏は「画期的な内容だ。NATO北大西洋条約機構)並みの『防衛費のGDP比2%』の目標を明記したことで、実質的に防衛戦略の大転換となった。『反撃能力』も明記し、長射程ミサイルの順次配備など具体的整備と予算を確保したことも大きな前進だ」と評価する。
 ただ、懸念される点もあるという。
 渡部氏は「ロシアのウクライナ侵攻では『核抑止』が重要なポイントと認識されたが、いまだに『非核三原則を維持』という。『専守防衛の堅持』も(日本の国土が戦場になることを意味するが)、長年の抑制的な安全保障政策の根本を変えられなかった。防衛費増額の財源も『国債発行』が通常の考え方だと思う。増税では日本経済の成長を抑制する。経済と安全保障は一体不可分であるはずだ」と語った。
 大きな決断をした岸田首相だが、問題は山積している」
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 専守防衛に徹するとは、「中国軍、北朝鮮軍、ロシア軍の攻撃で日本人が殺されてから反撃する」と言う事である。
 つまり、国家、政府は「国民を見殺しにする」と言う事である。
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 日本国内には、日本国の国益より中国共産党を助けようとする親中派媚中派、反米派・反安保派、護憲派・反自衛隊派、反天皇反民族反日的日本人達。
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 日本の国民世論では、武器を持って日本を守るとした日本人は約12%に過ぎない。
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 侵略国は、幾ら「戦争はしません、平和を希望します」と宣言しても、平和的な話し合いを行ったとしても、侵略してくる時は侵略してくる。
 それが、ロシアのウクライナ侵略戦争であった。
 戦争決定権は、侵略者にあって侵略され殺される側にはない。
 チェコスロバキアは、ナチス・ドイツとの戦争を避けるべく、ヒトラーが割譲を要求したドイツ人が多く住むズデーテン地方(住民人口の3割がドイツ人)を引き渡した。少数派に過ぎなかったズデーテン・ドイツ人党と親ドイツ派は分離独立運動を激化させた。チェコスロバキア政府は、チェコスロバキアに分離し、チェコをドイツ領とし、スロバキアをドイツの属領にする事を認め、地上から独立国チェコスロバキアが消滅した。
 イギリスとフランスの国民は、ナチス・ドイツとの戦争を回避し平和が保たれたとしてチェコスロバキアの解体を大歓迎した。
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 12月20日23:13 YAHOO!JAPANニュース 産経新聞「立民「反撃能力」玉虫色 政府定義には反対
 立憲民主党「次の内閣」閣議で発言する泉健太代表=20日午後、国会内(矢島康弘撮影) 
立憲民主党は20日、政府が国家安全保障戦略など「安保3文書」を閣議決定したことを踏まえ、「外交・安全保障戦略の方向性」と題する文書をまとめ、発表した。政府が3文書に明記した敵のミサイル拠点などを攻撃する「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有については「賛同できない」とする一方で、焦点だった「他国領域へのミサイル打撃力の保有」に関しては明確な立場を示さず、玉虫色の決着となった。
 文書は党外交・安保戦略プロジェクトチームなどの合同会議(座長・玄葉光一郎元外相)が検討し、20日の党会合「次の内閣(ネクストキャビネット=NC)」閣議で了承された。 
 NC閣議の後、玄葉氏は文書について「国会での党の主張の土台になる」と強調。反撃能力などに関する見解について、長妻昭政調会長は「よく読めば理解いただける」と語った。
 その言葉通り、反撃能力に関する記述は「よく読まなければ分からない」表現になった。
 まず、政府が3文書で定義した「反撃能力」については「賛同できない」と明記。その理由として①先制攻撃となるリスクが大きい②(政府は)存立危機事態下での相手領域内への攻撃を否定していない③専守防衛を逸脱する可能性がある-ことを列挙した。
 一方で、ミサイル長射程化の必要性は容認。事実上、反撃能力と同じ能力を指す「他国領域へのミサイル打撃力」の保有について「政策的な必要性と合理性を満たし、憲法に基づく専守防衛と適合するものでなければならない」と記した。
 これだけでは、立民が「他国領域へのミサイル打撃力」を保有すべきだと考えているのかは判然としない。玄葉氏は「いわゆる反撃能力の保有、行使一般について否定しているものではない」と説明したが、党内リベラル派の慎重論に配慮し、文書上は曖昧な表現に落ち着いた。
 玄葉氏は日本維新の会や国民民主党が反撃能力を容認したことに言及。「主要野党のすべてが賛成して、国会での議論が有意義になるのか。これも立派な一つの見解だ」と強調した。(大橋拓史)
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 12月22日5:00 MicrosoftStartニュース 読売新聞「中国空母打撃群が「南西諸島攻撃」訓練…習氏指示で安保3文書決定の日に開始
 【北京=大木聖馬】今月16日から沖縄県南方の西太平洋で活動している中国軍の空母「遼寧」を中心とする空母打撃群が、日本の南西諸島への攻撃を想定した訓練を実施していることがわかった。中国政府関係者が明らかにした。習近平(シージンピン)国家主席が、日本政府の「国家安全保障戦略」など安保3文書の閣議決定に時期を合わせて訓練を開始するよう指示したという。
 中国海軍の空母「遼寧」=防衛省提供
 © 読売新聞
 中国政府関係者によると、演習期間は16~26日で、空母打撃群には遼寧のほか、対地攻撃も可能な最新鋭大型ミサイル駆逐艦「055型」も複数、参加している。日本が南西諸島へのミサイル配備を検討していることへの「対抗戦略」として、西太平洋の海上から、南西諸島へのミサイル発射を想定した遠距離打撃の訓練を行うという。艦載機の夜間発着艦訓練も行っている。
 空母打撃群の冬季演習は例年、12月頃に年間計画に基づいて実施しているが、日本が16日に3文書を閣議決定したことを受け、習氏が「同じ日に遼寧の冬季遠洋訓練を実施する」よう命じた。演習期間中、台湾に対する戦略爆撃機による東西からの挟撃訓練も行う。
 日本の防衛省によると、遼寧などの空母打撃群は16日に沖縄本島宮古島の間を抜けて太平洋に出て、17日に沖大東島の西南西260キロ・メートル、20日に北大東島の東北東450キロ・メートルを航行しているのが確認された。20日までに艦載機と艦載ヘリによる計約130回の発着艦を実施したという。艦載機なら南西諸島まで5~10分で到達可能な海域だ。
 中国は「積極防御」の軍事戦略をとっているが、米国防総省は「積極防御は攻撃の準備を行う敵に対する先制攻撃を伴う可能性がある」と指摘している。
 安保3文書は反撃能力の保有を明記したが、習政権は日本が南西諸島にミサイルを多数配備することを警戒しており、中国政府関係者は「演習をもって日本の対中安保戦略をたたく」と狙いを話した。
 中国国防省によると、中国海軍は21日から、浙江省舟山沖でもロシア海軍と合同演習を開始した。対潜水艦や海上封鎖などの訓練を行うとしている。
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 12月22日17:00 YAHOO!JAPANニュース 夕刊フジ「沖縄の離島住民、中国の軍事的脅威リアルに 弾道ミサイル5発、76ミリ砲搭載の海警局船派遣も 玉城デニー知事の目に入らずか 仲新城誠氏
 沖縄県玉城デニー知事=2020年12月撮影
 【回顧2022】
 日本を取り巻く安全保障環境の悪化を受け、岸田文雄内閣は先週16日、「反撃能力の保有」などを明記した「安保3文書」を改定した。沖縄近くの日本のEEZ排他的経済水域)内に弾道ミサイル5発を撃ち込み、尖閣諸島周辺海域に海警局船を連日侵入させる中国の動向を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と記した。これに反発したのか、中国海軍の空母「遼寧」や、ミサイル駆逐艦など計6隻が、沖縄南方の太平洋上で訓練を続けている。八重山日報社編集主幹の仲新城誠氏は、沖縄の離島住民の深刻な危機感と、玉城デニー知事の埋めがたい温度差に迫った。
 【写真】沖縄南方でうごめている中国の空母「遼寧
 沖縄の離島住民にとって2022年、中国の軍事的脅威は一気にリアルなものとなった。最も衝撃的だったのは、中国が8月、日本最西端の与那国島や、最南端の有人島波照間島周辺に弾道ミサイルを撃ち込んできたことだ。
 中国が台湾を包囲した軍事演習の一環である。「日本が台湾有事に介入すれば、沖縄に容赦なくミサイルの雨を降らせる」と明確に予告したに等しい。
 石垣市の中山義隆市長は「好むと好まざるとにかかわらず、私たちの島は、いざ『台湾有事』が起こった際、何らかの影響がある」と言明した。市議会も「台湾有事」の影響を調査する特別委員会を設置した。今や島の政治、行政、経済関係者は「台湾有事」「国民保護」といったワードを日常的に使っている。
 軍事演習から時を移さず、中国は尖閣諸島でも新たな挑発に出た。周辺海域では既に中国海警局の艦船が常駐しているが、中国は11月、過去最大級となる76ミリ砲を搭載した艦船を派遣してきた。デモンストレーションのように領海侵入させた。周辺を航行する日本漁船も、中国艦船から接近や追尾などの威嚇にさらされ続けている。
 ミサイルで離島住民の不安を大きく煽り立てながら、反省の色もなく尖閣周辺で攻勢に出る中国の姿勢を見ていると「確信犯だ」と思わざるを得ない。
 つまり22年に入って中国はもはや、日本が軍事的な標的であることを隠そうともしなくなった。特に沖縄に関しては、攻撃の「秒読み態勢」に入ったことさえ示唆している。
 日本政府は年末近くになって、「防衛費の大幅増額」「反撃能力の保有」「沖縄の陸上自衛隊増強」へと慌ただしい動きを見せた。独裁者である習近平国家主席がいったん決断すれば、台湾から尖閣諸島与那国島石垣島宮古島と、中国の侵略が燎原の火のごとく広がることを、遅ればせながら悟ったのだろう。
 しかし、八重山諸島から400キロ北上した沖縄本島では、ガラリと雰囲気が変わる。
 政府の「安全保障関連3文書」が閣議決定されたことを受け、玉城デニー知事は「詳細が明らかにされないまま」だとして、「非常に残念」とコメントした。「抑止力の強化がかえって地域の緊張を高め、不測の事態が生じることを懸念している」と批判した。
 防衛費の財源が増税国債かなどといった考えの違いはあるが、政府が何も手を打たないのは、離島住民を守る義務を放棄するようなものだ。沖縄本島という「王国」に住む知事には、離島という辺境は目に入っていないのかもしれない。
 沖縄本島からさらに海を隔てた本土となると、離島の危機は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」の状態ではないか。泰平の世がもう終わったことを、ほとんどの国民が気づいていない。
■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。
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 12月22日 YAHOO!JAPANニュース 産経新聞「共産・志位氏「国民運動で野党共闘を再構築」 結党100年の節目を振り返る
 会見する共産党志位和夫委員長=22日午後、国会内(矢島康弘撮影)
 共産党志位和夫委員長は22日の記者会見で、結党100年となった令和4年を振り返った。政府による安保3文書の決定を念頭に「ロシアによるウクライナ侵略という逆流を利用した大軍拡の合唱が起こり、いまなお続いている。来年は国民の力で逆流を押し返していく年にしていきたい」と述べた。
 立憲民主党などとの野党共闘については「後退した」と評価した上で、「敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有憲法違反、軍事費2倍はとんでもないという国民的な運動を起こしていく中で、共闘の再構築を図っていきたい」と語った。
 ただ、最近の立民は共産が距離を置く日本維新の会との共闘を重視している。改憲を掲げる維新への配慮から、先の臨時国会では憲法審査会の開催にブレーキをかける場面はほとんどなかった。また、事実上、反撃能力と同じ能力を指す「他国領域へのミサイル打撃力」の保有は明確に否定しておらず、共産との足並みがそろうかは不透明だ。
 22日は紙代急騰を受け、機関紙『しんぶん赤旗』が来年1月からページ数を減らすことも判明した。赤旗購読費は政党交付金を受け取っていない党の財政基盤となっており、読者離れにつながることは避けたいのが本音だ。志位氏は会見で「いろいろな工夫をしてみたが、どうしても減ページで対応せざるを得ないという決断に至った」と説明。党員と赤旗読者を再来年1月の党大会までに1・3倍にする方針も示した。(内藤慎二)
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 12月22日20時30分 産経新聞「敵基地攻撃能力 立憲「賛同できない」 長射程ミサイル保有には理解
 有料記事立憲
 神沢和敬
 写真・図版
 「外交・安全保障戦略の方向性」の内容について説明する立憲民主党玄葉光一郎元外相=2022年12月20日午後2時48分、国会、神沢和敬撮影
 写真・図版
 政府が保有を宣言する相手領域内への「敵基地攻撃能力(反撃能力)」について、立憲民主党20日、先制攻撃となりかねず「賛同できない」とする見解をまとめた。他方、長射程のミサイル保有の必要性を認めることも盛り込んだ。
 立憲がまとめたのは、党方針「外交・安全保障戦略の方向性」。それによると、政府が掲げる「敵基地攻撃能力」について「我が国に対する攻撃の着手」の正確な判断は困難で、「先制攻撃となるリスクが大きい」と懸念を表明。専守防衛の立場を揺るがす可能性もあることなどから、「『自公合意に基づく政府の反撃能力』には賛同できない」とする考えを示した。
 一方、日本周辺の安全保障環境が不安定化していることから、「時代の変化に対応した質の高い防衛力の整備は着実に行わなければならない」と指摘。軍事的な侵攻を抑止、排除するためにも「ミサイルの長射程化など、ミサイル能力の向上は必要」とし、防衛力整備に理解を示した。
 党執行部は、リベラル派の支…
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 12月23日17:00 YAHOO!JAPANニュース 朝日新聞デジタル「立憲・泉氏「専守防衛に徹するが、長射程ミサイルの整備は必要」
 記者会見で発言する立憲民主党泉健太代表=2022年12月23日午前11時、国会、鬼原民幸撮影
立憲民主党泉健太代表(発言録)
 党の外交・安全保障戦略の方向性を今月20日に取りまとめた。野党第1党として責任のある、現実的な内容だ。専守防衛に徹することを明確にした。相手の領域内にあるミサイル発射拠点などを攻撃する「敵基地攻撃能力(反撃能力)」はあいまいで、時の政権になんの前触れもなく行使するかどうかを決められてしまうのではないかと、非常に懸念を持っている。政策的な必要性と合理性を満たし、専守防衛と適合するか否か、ここを見極めた上で判断するべきだ。
 【写真】記者会見で質問に答える立憲民主党泉健太代表=2022年12月23日午前11時、国会、鬼原民幸撮影
 日本の国土は本当に広く、保有するミサイルがこれまでの射程でいいとはならない。長射程のミサイルを整備しなければ防衛すら危ういのであれば、装備品の能力向上はやらなきゃいけない。財源は歳出改革をまず最優先させるべきで、(5年間の防衛費)43兆円の妥当性も通常国会で議論していきたい。(記者会見で)
 朝日新聞社
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 12月23日19:54 YAHOO!JAPAN 朝日新聞デジタル「ニュース安保3文書の閣議決定を批判 立憲デモクラシーの会の憲法学者ら声明
 記者会見する中野晃一・上智大教授(左端)ら「立憲デモクラシーの会」の政治学者や憲法学者=2022年12月23日午後4時12分、国会内、北野隆一撮影
 敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を含む国家安全保障戦略(NSS)など安保関連3文書が閣議決定されたことに対し、憲法学者政治学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」が23日、国会内で記者会見し、「防衛政策の転換は東アジアにおける緊張を高め、軍拡競争を招く」と批判する声明を発表した。
 【写真】記者会見する長谷部恭男・早稲田大教授(右から2人目)ら「立憲デモクラシーの会」の憲法学者政治学者=2022年12月23日午後4時6分、国会内、北野隆一撮影
 同会は声明で「先制攻撃と自衛のための反撃は区分が不明確。敵基地攻撃能力の保有専守防衛という日本の防衛政策の基本理念を否定する」と指摘した。
 防衛費増額についても「GDP国内総生産)比2%という結論に合わせた空虚なもの」として「税負担の増加は国民の疲弊を招く」と批判した。手続き面でも「国会で説明せず内閣と与党だけで重大な政策転換を行った」として「国民不在、国会無視の独断」と断じた。
 憲法学者の長谷部恭男・早稲田大教授は「なぜ軍拡を進めるのかについて、安全保障上の必要性や合理性に関する説明が欠けている」と批判。政治学者の中野晃一・上智大教授も「国会で説明せず、閉会後に独断でなし崩し的に閣議決定した。2014年に安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定だけで決めた手法が、いよいよ先鋭化している」と述べた。(編集委員・北野隆一)
 朝日新聞社
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 12月24日4:00 YAHOO!JAPANニュース 八重山日報「【視点】防衛強化、批判する相手が違う
 政府が進める防衛力強化に対し、玉城デニー知事の批判的な姿勢が目立っている。
 反撃能力(敵基地攻撃能力)保有などを盛り込んだ政府の安全保障3文書改定を巡り、玉城知事は「詳細が明らかにされないまま閣議決定され、非常に残念」とコメントを出した。
 報道各社の新春インタビューでは、防衛省が沖縄の陸上自衛隊を増強する方針を示していることに対し「自衛隊の増強は、さらなる基地負担増にほかならない」と述べた。
 12月23日の定例記者会見でも「私の認識では、敵基地攻撃能力は保有できない」と明言した。
 知事が沖縄を取り巻く国際情勢を直視しないような発言を繰り返しているのは残念だ。
 今年は沖縄にとって厳しい年だった。隣の軍事超大国である中国が、平和を願う県民の心情を一顧だにせず、沖縄に対する露骨な脅迫や威嚇をさらに強めてきたからだ。
 最も衝撃的だったのは、8月、中国が台湾を包囲する軍事演習を行い、与那国島波照間島の周辺に数発の弾道ミサイルを撃ち込んだことだ。その後の報道で、習近平国家主席が直接、日本のEEZ排他的経済水域)内を狙うよう軍部に指示したことが明らかになった。
 これは将来の台湾侵攻を念頭に、日本が介入の動きを見せた場合、八重山の島々をミサイル攻撃すると宣言したに等しい。
 防衛省統合幕僚監部によると、中国空母「遼寧」を中心とした海軍艦隊は12月17日から22日までに、沖縄周辺の太平洋上で戦闘機などの離発着訓練を180回繰り返している。
 5月にも同様の動きがあったが、今回は日本の安保関連3文書改定のタイミングを狙った示威行為との見方が強い。
 空母からの戦闘機離発着訓練は、自国防衛のためではなく、明らかに他国への攻撃を想定したものだ。わざわざ沖縄と目の鼻の先で、このような訓練を行う意図は何か。台湾も念頭にあろうが、沖縄に対するあからさまな軍事的威圧と言わねばならない。
 石垣市の行政区域である尖閣諸島周辺でも、中国は過去最大級とされる76㍉砲を搭載した艦船を新たに派遣した。中国艦船の領海侵入は恒常的に繰り返され、日本漁船に接近、追尾する操業妨害行為は、今年、すでに11件を数える。
 中国は尖閣諸島を「台湾に付属する島々」と位置付けており、台湾有事と尖閣有事は連動する可能性が高い。
 自衛隊関係者は、中国が台湾侵攻と並行し、背後の守りを固めるため、周辺にある与那国島石垣島への攻撃に踏み切るかも知れないとの見方を示している。しかもその時期は、国際情勢にもよるが、数年以内の可能性が高いという。
 沖縄戦を経験した県民は戦後70年余り、沖縄を平和の発信拠点とすることを念じ、中国、台湾を含めたアジア諸国や地域と地道な交流を続けてきた。
 中国はその沖縄を、自らの野望のため、あえて戦禍に巻き込もうとするのか。そもそも台湾侵攻は断じて許されるべきではない。知事は防衛力強化を図る日本政府にではなく、誇大妄想的な隣国の独裁者に対し、明確な抗議の意思を示してもらいたい。
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 12月28日 MicrosoftStartニュース FNNプライムオンライン「【速報】日本周辺で中国が空母艦載機の発着艦260回 太平洋に展開後、繰り返し
 防衛省は28日、太平洋の日本周辺海域に展開している中国海軍の空母「遼寧」で、艦載戦闘機による発着艦が繰り返し行われ、27日までに約260回に達したと発表した。
 【速報】日本周辺で中国が空母艦載機の発着艦260回 太平洋に展開後、繰り返し
 © FNNプライムオンライン
 防衛省によると、今月16日に東シナ海から太平洋に入った空母「遼寧」など中国海軍の艦艇は、23日以降、沖ノ鳥島の南の海域から沖大東島の東の海域にかけて航行している。
 23日、26日、27日には、「遼寧」の艦載機による発着艦が行われ、戦闘機によるもの約40回、ヘリコプターによるもの約40回の計約80回の発着艦を確認した。
 「遼寧」では、17日から22日にかけても発着艦が繰り返し確認されていて、日本周辺海域での発着艦の実績は、計260回に達したという。
 日本側は、海上自衛隊護衛艦「いずも」と「ありあけ」が情報収集・警戒監視を行うとともに、艦載戦闘機の発着艦に対しては、航空自衛隊の戦闘機がスクランブル=緊急発進するなど対応した。
 (画像は統合幕僚監部提供)
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 2023年1月4日 YAHOO!JAPANニュース 夕刊フジ「新年早々、中朝が日本に軍事的威圧 中国空母が無人機が沖縄通過 北朝鮮が連日ミサイル発射
 中国と北朝鮮が新年早々、空母や無人機、ミサイル発射などで、日本を含む周辺国への軍事的圧力を高めている。日本としては厳重警戒と、防衛力強化が必要だ。
 防衛省統合幕僚監部は2日、中国海軍空母「遼寧」と、ミサイル駆逐艦フリゲートなど計6隻が1日、沖縄本島宮古島との間の海域を北上し、東シナ海へ向けて航行したと発表した。
 空母「遼寧」は昨年12月17日から31日まで、沖縄県周辺の海域を航行し、戦闘機や艦載ヘリなどの発着を約320回も行ったという。
 さらに、統合幕僚監部は、中国軍の「WZ7偵察型無人機」1機が1日午前から午後にかけて沖縄本島宮古島の間を抜け、東シナ海と太平洋を往復したと発表した。同機種の飛行確認は初めて。2日にも往復が確認された。防衛省は中国軍の無人機での活動活発化を警戒しており、目的を分析している。
 防衛省によると、WZ7は両日とも午前から午後にかけてほぼ同じ経路を飛行。太平洋に入ると南西に進み、宮古島の南で反転して同じルートを通って東シナ海へ戻った。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応した。
 北朝鮮も新年早々、動いた。
 韓国軍合同参謀本部は1日、北朝鮮が同日午前2時50分(日本時間同)ごろ、首都・平壌ピョンヤン)付近から日本海に短距離弾道ミサイル1発を発射したと発表した。浜田靖一防衛相は、最高高度は約100キロで約350キロ飛行し、日本の排他的経済水域EEZ)外に落下したと明らかにした。韓国軍は飛距離が400キロだったとの分析を発表した。
 北朝鮮は前日にも短距離弾道ミサイル3発を発射していた。
 米インド太平洋軍は声明で、「北朝鮮による違法な大量破壊兵器弾道ミサイル開発が地域の安定を損なうことを示している」と批判した。」
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 1月4日18:43 YAHOO!JAPANニュース SmartFLASH「石垣市議会が「長射程ミサイル配備認めず」意見書を国に提出「真っ当な動き」「丸腰じゃ一瞬で占領される」SNSで渦巻く賛否
 2022年12月16日、防衛増税に関する臨時閣議に臨む岸田文雄首相(左)と浜田靖一防衛相(写真・時事通信
 2022年12月19日、沖縄県石垣市議会は、「自ら戦争状態を引き起こすような反撃能力をもつ長射程ミサイルを石垣島に配備することを到底容認することはできない」と訴える意見書を可決した。
 意見書には「12式地対艦ミサイル(SSM)や米国より購入する計画のある巡航ミサイルトマホークなど、他国の領土を直接攻撃することが可能な長射程ミサイルの石垣島への配備計画等について、十分な説明のないまま進めることがないよう強く求める」とも記されている。
 意見書は野党の花谷史郎市議が提案。議長を除く市議21人のうち、自公系会派の9人が反対(1人は欠席)した一方、野党系の8人、中立の3人の計11人が賛成に回った。
 「防衛省は台湾有事を念頭に、南西諸島で自衛隊の配備を進めてきました。2016年には、台湾から約110kmともっとも近い与那国島陸自駐屯地を開設。2019年に宮古島と鹿児島県・奄美大島に、2023年春には石垣島にも駐屯地を新設し、ミサイル部隊などを置く計画です。
 一方で、政府は2022年12月16日、国家安全保障戦略など安保関連3文書に『反撃能力(敵基地攻撃能力)』の保有を明記。12式ミサイルを改良して、射程を約200kmから1000km超に延ばす方針です。射程1000km超となれば、中国本土の一部も射程に入ります。2023年度予算案では、長距離巡行ミサイル・トマホークの配備に向け2113億円を計上しています。
 射程1000km超の12式ミサイル、あるいはトマホークの配備となれば、話は変わってくると、住民から戸惑いの声が上がっているのです」(政治担当記者)
 石垣市議会が意見書を可決したことに対し、SNSで賛同する意見が多く上がった。
 《真っ当な動き》
 《真っ先に狙われるのはミサイル配備してるところだろうから。市民にとっては命に関わる話》
 《石垣市議会の反応は当然よね。敵も無駄な攻撃はせずに反撃される可能性の有る前線である石垣島を標的にする》
 一方で、SNSにはこんな声も上がっている。
 《丸腰なら攻撃されないというのはどういう思考回路か。 中国はあの辺に領土が欲しいんだよ。丸腰じゃ一瞬で占領される》
 《ミサイル置こうが置くまいが、台湾有事が生起したらあのあたりでは大きくて空港もある石垣島は戦場になるの確定なんだが、その自覚が無さすぎだろ》
 石垣市議会が可決した意見書には、こうも記されている。
 「防衛省主催の住民説明会では、配備される誘導弾(ミサイル)は、他国領土を攻撃するものではなく迎撃用であくまでも専守防衛のための配備という説明であり、それを前提に議論が行われてきた」
 石垣市に開設予定の駐屯地について、浜田靖一防衛相は12月16日の記者会見で「現時点で説明会を開催する予定はない」と答えた。
 2020年には、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の秋田、山口両県への配備計画が撤回された。「陸の盾」でさえ地元住民からの反発を招いた配備計画。「矛」ともなりうる長射程ミサイルの配備には、さらなる反発が予想されるが、果たして……。
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 2023年1月4日 MicrosoftStartニュース TBS NEWS DIG「日本の“軍事化路線”は「脅威」 対抗措置を警告 ロシア外務次官
 TBS NEWS DIG 
 ロシア外務省の高官は、日本が軍事化の路線に移行しつつあると主張し、この方針が続けば「適切な対抗措置を取らざるを得ない」と警告しました。
 日本の“軍事化路線”は「脅威」 対抗措置を警告 ロシア外務次官
 © TBS NEWS DIG
 ロシア外務省のルデンコ外務次官は3日付のタス通信のインタビューで、「岸田政権は平和的発展の道を放棄し軍事化路線に移行しつつある」と指摘。「我が国およびアジア太平洋地域の安全保障に対する重大な挑戦だ」と主張しました。
 そのうえで、この方針が継続されれば「ロシアへの軍事的脅威を阻止するために適切な対抗措置を取らざるを得ない」と話しました。
 また、日本との平和条約締結交渉について、「公然と非友好的な立場をとり、我が国に対し直接の脅威を与える国とこのような文書に署名するための議論を行うなど不可能であることは明らかだ」と強調しています。」
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 1月5日 YAHOO!JAPANニュース よろず~ニュース「れいわ山本太郎代表、防衛費増額に「人々の生活という国内の安全保障は30年放置されたまま」
 新体制になって初の会見に臨んだ(左から)櫛渕万里共同代表、山本太郎代表、大石晃子共同代表
 れいわ新選組山本太郎代表(48)、1日付で共同代表に就任した櫛渕万里(55)、大石晃子(45)両衆院議員が5日、国会内で新体制になってから初の会見を開いた。山本氏は、岸田文雄首相が表明した防衛費増額に伴う増税方針について「国内の安全保障を確かなものにして、この国の経済というものを立て直していくということが何より安全保障、外交安全保障につながっていく問題だと思う。順番が違う。フォーカスする先が間違っているよ」と批判した。
 【写真】「これ!?」れいわ新選組代表選の投票箱に苦笑する山本太郎
 23日に召集される見通しの通常国会について、山本氏は「私たちは、常に緊急事態であると。30年に及ぶ不況、コロナ、物価高。三重苦に対して、緊急事態であるという意識を持った予算であったり、政治的構造が求められる局面。それに呼応できない政党に対しては、与野党を問わずしっかりとカツを入れないといけない。今必要なことは何かということを訴え続ける、求め続けることが必要」とした。
 通常国会で焦点となる防衛費増額について「国の状況を見た時に、何よりも真っ先にやらなきゃいけないことは経済対策以外ありません。三重苦の中で、何をやらなきゃいけないかって言ったら徹底的な積極財政以外ないわけです。人々の生活、事業者の継続。これを最大限応援するということを、30年失わせた政治の責任としてしっかりと補填し、底上げしていくということをやらなきゃいけないということが当然のこと」と主張した。
 山本氏は「外交をさぼり続けた中で、高まった緊張という風に感じて、安全保障が…ということで一気に増額ということを決める。でも、この国の人々の生活、事業の継続という国内の安全保障は30年間放置されたまま」と強調。「防衛費の額面だけを決めて、どんどん積み増していくというような、それを閣議決定だけで決めていくというやり方は首をかしげざるを得ないというか、やり方として間違っている」と語気を強めた。
 (よろず~ニュース・杉田 康人)
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 石破茂防衛大臣を直撃!「防衛3文書改訂」をどう見るか?「中国の『戦略的な挑戦』明記の利点なし」
 深月 ユリア
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 岸田文雄首相が表明した防衛力強化のための増税を懸念する声が高まっている。一方で、昨今のアジア情勢などから、防衛費増額自体にはに理解を示す声が根強くある。こうした状況を背景に、ジャーナリストの深月ユリア氏が、元防衛大臣スペシャリストである自民党石破茂衆議院議員を直撃し、日本の防衛問題について話を聞いた。
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 政府は防衛力の強化に向け、2023年からの5年間で現行の1・5倍以上となる約43兆円の防衛費を確保し、与党は防衛3文書(国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画)を改訂する方針を閣議決定した。しかし、「防衛費の内訳」の議論が不十分なまま、財源を「増税」とする案に関して国民から反発もあり、財源についての取り決めは先送りされた。さらにに、中国の動向が「戦略的な挑戦」である…と明記されることになり、世界第2位の経済的・軍事的大国である中国の反発を招くという結果になってしまった。日本にとって、このような「反中」外交は防衛・経済的リスクになりえないのか。その問題点が指摘されている防衛3文書改訂について、元防衛大臣石破茂氏はどう考えるか。
 -防衛3文書改訂について。
 「周辺環境が悪化していることを受けて、国家戦略を変えるのは当然。ただ、防衛費についても財源を含めた全体像についても、国民的な議論や十分な説明がなかったことで、有権者に安全保障のあるべき姿を問えなかったことは残念です」
 -財源に関してはどうすべきか。
 「財源論に関して、『国債か、増税か』との二極論に分かれてしまっていますが、本来は基幹三税で賄うべきものです。基幹三税のうち、消費税はその使途が社会保障目的に限定されており、逆進性も強く持つことから除外するとなると、残りは所得税法人税ということになります。安全保障は国家の根幹であり、これを安易に国債で賄うことは、国民の安全保障に対する意識を弛緩させることにつながりかねません。ドイツも増額分は国債で賄っている、と言いますが、財政事情は日本よりはるかに健全で、基金を造成する方法も安易な国債論とは異なります。人口の激減が現実となっている我が国において、安易な国債発行は、次の世代からの搾取を意味します。赤字国債発行の原則禁止を定めた財政法第4条が、戦時国債を乱発し国民に塗炭の苦しみを強いた先の大戦の反省から生まれたことも、今一度想起すべきです」
 -中国のような経済的・軍事的な大国を「戦略的挑戦」であると明記することに関して、日本の外交・防衛にとってデメリットでは。
 「中国の動向が我々にとっても国際社会にとっても『戦略的な挑戦』と映っていることは事実ですが、それを明記したからといって中国がやめるわけではないでしょう。中国共産党政権が最も重視するのは、『共産党一等独裁体制の継続』、次に『領域の保全』と『国民の満足』です。他国に侵略するには、防衛するより5倍の軍隊が必要だといわれており、ウクライナに侵攻しているロシアも苦戦しています。中国は基本的には現実的・合理的な国ですので、台湾に侵略するより世界で経済大国として覇権を握る方がメリットがあると考えるのが普通です。台湾も国連には加盟していませんが、現状変更する、つまり『独立宣言』するメリットはゼロどころかマイナスです。それをしたら中国の武力侵攻に名分を与えることを、台湾も十二分に承知しています。ただ、史上初の(総書記)3期目を迎える習近平氏が現実的、合理的な判断をし続けるのか。その不透明さが“戦略的な挑戦”と映っているということを、岸田総理にはぜひ習近平氏と会談して直接伝えていただきたいと思います」
 -戦争を知らない世代の中には「中国は敵だ!やっつけろ!」みたいな考えを持つ人が増えているように感じていますが、このままでは日本の未来が不安です。
 「田中角栄元首相の言葉に『戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない』、『戦争を知らない世代が政治の中枢になった時はとても危ない』というものがあります」
 今回の防衛3文書改訂は「米国に忖度した」という説も一部でささやかれているが、中国を仮想敵とみなす以前に、まず独立国として地に足をつけて国民を保護できる体制を整備することが必要ではないだろうか。」
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