☂38:─2─アラブ人が日本人を英雄視する理由は赤軍派のテロであった。~No.128No.129 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2023年10月24日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「赤軍派の空港乱射事件後、アラブ人に「英雄視」された日本人…「VIP待遇」された元興銀常務の回想
 週刊現代,森 功 の意見
 '72年7月。自民党総裁選で”難敵”の福田赳夫を破り、総理大臣の座を射止めた田中角栄。実は、この政権誕生の裏には日本興業銀行の知られざる暗躍があった。当時を知る元興銀常務がすべてを語る。
 テロ事件に助けられた
 玉置修一郎(91歳)は、日本興行銀行外国営業部融資第一課長に就任したばかりの頃、中東の石油事業を任された。興銀の若きいち課長に過ぎない。やはり荷が重かったと笑う。
 「JODCO(ジャパン石油開発)の設立は、私が1970(昭和45)年にニューヨーク支店から帰国し、外国営業部に派遣されて3年後のことでした。アラブ首長国連邦UAE)のアブダビを何度も往復しました。ちょうどその頃、赤軍派(のちの日本赤軍)によるテルアビブの空港乱射事件が起きたのです。事件は世界を震撼させた。けれど、私自身は、事件に助けられた面もありました」
 JODCO設立に続き、同'73年には中山素平肝煎りのジャパン・インドネシア・オイル(インドネシア石油)が創設された。その前年の'72年5月30日のことだ。イスラエルのテルアビブ近郊のロッド国際空港(現ベン・グリオン国際空港)で凄惨な乱射事件が起きた。赤軍派の奥平剛士、安田安之、岡本公三の3人がパレスチナ解放人民戦線PFLP)の計画の下、空港にいた民間客を無差別に自動小銃で襲い、26人が死亡、およそ80人が重軽傷を負った。
 日本の赤軍派が引き起こしたこの無差別テロ事件に世界が震え、奥平たちは残虐なテロリストと恐れられた。しかし、アラブのイスラム国家の民衆の受け止め方は違った。むしろ彼らを英雄視する。奇しくも玉置が中東と日本を往復する日々を送っていたのが、まさにこの頃である。
 「JODCOを設立した頃、興銀を中心に1億5000万ドル(540億円)の協調融資をしてほしい、とアブダビ政府のアル・オタイバ石油大臣から頼まれました。アル・オタイバに会うためアブダビ石油相のオフィスに通ったのです。掘っ立て小屋みたいな粗末な建物でした。そこでアブダビ政府の保証とともに、原油担保の提供協定を結び、1億5000万ドルの協調融資を実行したのです」
 玉置が50年前の出来事に思いを馳せる。
 © 現代ビジネス
 「興銀の上司を現地に連れて行って融資協定に調印したあと、'72年夏にアル・オタイバ石油相が『もう一回来てくれ』と言うのでアブダビに行きました。その帰りでした。アブダビからガルフエアー(バーレーンの国営航空会社)に乗り、レバノンの首都ベイルートパンナムパンアメリカン航空)に乗り換えて帰国しようとしたのです」
 アブダビからベイルートまではガルフエアー、そこからパンナムに乗り換え、テヘラン、香港、東京へ向かうルートだ。玉置が続ける。
 「ところがアブダビの空港に着くと、王族がガルフエアー機を使って飛び立ったあとで、戻ってくるまで4時間くらい足止めを食らいました。それでベイルートに到着したのが午後7時少し前。ベイルートからのパンナム便が7時発だったので、すでに乗客は機内に乗っている、というではないですか。困りました」
 玉置はベイルート空港のトランジットカウンターで、他の便に乗れないか交渉した。が、パンナムテヘラン行きは一日1便しかないため、やはりあきらめる以外にない。空港泊を覚悟した。
 そのときだ。若いターバン姿のアラブ人がカウンターに駆け寄ってきた。男はレバノン政府の役人だった。折しも、テルアビブの空港乱射事件の2週間後の'72年6月中旬の出来事だ。以下、玉置の話をもとにそれを再現する。
 「お前は日本人か」
 「お前は日本人か」
 英語でそう尋ねるレバノン政府の役人に、玉置は「イエス」とだけ答えた。ベイルートの役人は言った。
 「日本人は立派な人種だ。困っているなら、私が助けてあげよう。あのパンナム便に乗りたいのか」
 玉置はことの経緯を説明した。
 「アブダビ発のガルフエアー便が定刻より遅れたので、パンナム便に乗れなくなったんだ」
 すると、ベイルートの役人は即答した。
 © 現代ビジネス
 「わかった、乗せてやる」
 赤軍派と同じ日本人だから、面倒を見るというのである。男はカウンターで電話連絡を始めた。だが、アラビア語なので玉置には会話の中身がさっぱりわからない。
 「彼は誰と何を話しているんだ?」
 そばにいる空港の関係者にそう聞くと、こう教えられた。
 「彼はパンナム機を止めろと言っているんだよ。お前のために」
 といっても、飛行機はすでに滑走路に入ろうとしていた。
 VIP客さながらの待遇
 「荷物もあるし、もう間に合わないだろ」
 かなりの無理筋ではある。しかし、それがまかり通った。
 「心配するな、荷物の手配もしてやる」
 役人はそう言うなり、私を空港ターミナルの外に連れ出した。そこにはタラップを積んだ専用車が待っていた。
 「これに乗れ」
 そう指示され、玉置を乗せたタラップ車はパンナム機の下に横付けされた。改めて玉置が当時を思い起こし、笑った。
 © 現代ビジネス
 「飛行機のドアが開き、タラップを駆け上がって機内に入りました。すると機内の乗客が一斉に私を見ている。いったいどんなVIP客が乗ってくるんだろうか、と興味津々だったのでしょうね。ところが乗ってきたのは若い日本人のサラリーマン。ファーストクラスに座るわけでもなく、そのままエコノミー席に案内されたので、みな目を丸くしていました」
 玉置は次のような後日談も明かす。
 「無茶ですが、ありがたかった。帰国後にベイルート空港気付で彼宛にお礼の手紙を書きました。そしたらなんと返事が来て、そのあと何年も文通するようになりました。彼はベイルートの国有空港の管理をしているアラブの偉い役人でした」
 続く後編記事「田中角栄政権誕生とインドネシア石油設立の密接な関係…権力闘争のウラで動いた巨額のマネー」では、さらにはインドネシアまでも手を伸ばした興銀について引き続き紹介する。
 「週刊現代」2023年10月21・28日合併号より
 もり・いさお/'61年、福岡県生まれ。『週刊新潮』編集部などを経て'03年に独立。『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で'18年に大宅賞を受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『国商 最後のフィクサー葛西敬之』など著書多数
   ・   ・   ・   


 現代のアラブ・ムスリム親日的なのは、赤軍派による反米反天皇テロだからであって戦争反対の平和憲法だからではない。
 そして、アメリカに宣戦布告して戦争を仕掛けた唯一の国であり、敗北したとは言え、戦争前期ではアメリカ軍を撃破して苦しめ、後期ではカミカゼ特攻でアメリカ軍に大損害を与えて震え上がらせたからでる。
   ・   ・   ・   
 戦前のアラブは、信仰を反宗教無神論ソ連・国際共産主義勢力から守る為に日本陸軍の防共回廊計画に賛同していた。
   ・   ・   ・